gock221B

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『ドラゴン桜』(2021) 全10話/『半沢直樹』的な歌舞伎の見得切り風の勧善懲悪の大絶叫ターンバトルは恥ずかしいので全部カットして全編、生徒達の勉強と受験で良かった🌸


演出:福澤克雄石井康晴、青山貴洋 脚本:オークラ、李正美小山正太、山本奈奈 制作:TBSテレビ 原作:三田紀房の漫画『ドラゴン桜2』(2018-2021) 放送枠:TBS系「日曜劇場」 製作国:日本 放映時間:各話約60分前後、全10話

 

 

いま配信中のドラマ『VIVANT』(2023)が良かったので同じ演出家の福澤克雄で、もう30年間くらい好感度たかいままの阿部寛も主演してたコレがTVerで半分くらい配信されたので観て、残りはないかと探したらDisney+にあったので観た。
ちな福澤克雄は『半沢直樹』(2013、2020) 『下町ロケット』(2015、2018)、『陸王』(2017)作った人。これらもDisney+に全部あるからついでに観てみるか?全然知らなかったのだがDisney+はSTARチャンネルのものが全部入ってるから日本のドラマに意外と強いことがわかった。Disney+はDisney作品以外のこと全然推さないので知らなかったよ。
ドラゴン桜』原作漫画は読んでない。

ネタバレあり

 

 

 

 

話の大枠は第一期と同じで、元暴走族の破天荒教師(実際は弁護士)・桜木建二(演:阿部寛)が学力の低い潰れかけた高校に来て「東大専科」を作り、希望した生徒たちに「どんなバカでも東大に入れる勉強法」を教えて東大に入れさせるドラマ。

桜木は2年前、東大に入れなかった生徒が自殺未遂を起こした事件を起こし、評判は地に落ち弁護士事務所も閉鎖、気に病んでホームレス同然になっていた。
そんな彼を探して再び学力の低い龍海学園に「東大専科」を成功させ自ら作った弁護士事務所を成功させようとするのが桜木の部下だった弁護士・水野直美長澤まさみ)。
彼女は元々、第1シーズンで彼に教えられて東大に入った学力の低い女生徒という登場人物だった。東大に入って現在は桜木の部下の弁護士になったってわけ。

最初の第2話は教師・桜木が、無気力な生徒達を鼓舞したり見込みの有りそうな奴らに目をつけて……80年代風な言い方をすれば「破天荒教師・桜木が、学園を上へ下へのハチャメチャな大暴れ☆」を見せて生徒たちの信頼を掴み「東大専科」を結成する。
正直言って本作は作ってる人が『半沢直樹』(2013-2020)と同じ、地上波放送用ドラマであるせいか『半沢直樹』同様に演技が大袈裟すぎるしアニメ版『鬼滅の刃』と同じくらい思ったこと全部口にするし、殆どの登場人物はドラクエの村人くらいしか自我がない。
とにかく桜木が破天荒な方法を提示すると生徒達は「そんなの無理に決まってるじゃん!」と口にして、学習の結果が上手く出ると「そうか!要領よく記憶するにはアレが必要だったのか!」と歓喜し、次の回で桜木が破天荒な方法を提示すると「そんな無茶苦茶な!」と不満を表し上手くいくと当然「そうか!アレだからこそよかったんだ!」と納得する。
面白いのは生徒達と同じ様に18年前に桜木の生徒で今は桜木のサポートをしてる水野直美先生まで生徒と同じリアクションをする事だ。この18年間の桜木の破天荒行動に関する記憶をすべて忘れてしまったのか?だが水野は「いいから黙ってやって笑」などと生徒を促したりもする。生徒達は一つのパターンを繰り返す生命体だが、水野はパターンが2つに増えているといえる。水野は「最後までこの2パターンを繰り返すサポートキャラ」という意外に「情に厚くてすぐ騙されるお人好し」というキャラもあるが、これもまたキャラが薄い。
そういうわかりやすい造りなので家事しながらガンガン見れる面白さはあるのだが、映画のように映像作品として楽しもうとすると最初はあまり面白くない。だが無理やり観てたら第3話から急に面白くなった。本題である「東大専科の勉強」が始まったからだ。「勉強と受験」が始まると面白くなる。

その前に今回の主役と言える生徒達について。

瀬戸輝(演:高橋海人〈King & Prince〉)
両親が居なくて姉と共にラーメン屋を営んでいる。姉がヤミ金融から借金しているため借金取りからの妨害に苦しんでいるジャニーズ事務所のタレントが演じる生徒の中心人物で心優しいちょいワル男子生徒……という第一期の山下智久とほぼ全く同じキャラクター!生徒の中で最も成績が低めで、前述のお約束リアクションがデカい。本編の殆どはそれを 繰り返すキャラクター。
ネタバレですが最終話で第一期の生徒達が集結するサービスシーンがあって制作陣は山下智久も当然出したかったのだが山下智久ジャニーズ事務所を辞めている。ジャニーズ事務所には「辞めた元ジャニーズのタレントなんかを地上波に出したら……しかも現役のジャニーズタレントなんぞと共演させるのは許さん。そんな事しようものなら今後の大人気ジャニーズタレントはお宅の局には出しませんぞ?」と圧力をかけ、局はジャニーズ事務所に忖度せざるを得なくなり辞めたジャニーズタレントは地上波には……ましてや現役のジャニーズタレント様と共演などできない……という薄汚いルールがある。本作の制作陣は頑張って山下智久のキャラクターに「影で桜木を助けた」という役割を与えて電話の音声だけで出演した。「声だけだからモロな出演じゃないし現役のジャニーズタレント様と同じ場面じゃないので許してください」という事だ。「なんで山下智久でてないの?声のみ出演とか、顔に大怪我でもしてるの?」と疑問に思ったらそういうバカバカしい事があったんだとわかった。第一期の山下智久は殆ど主役レベルのキャラだったのにこれはないだろうと思った。外圧によってようやくジャニーズ事務所が揺れてるけど(まさかこんな事が起きるなんて思わなかった!)一刻も早くこんな馬鹿らしい事が起きなくなるといいね。

 

岩崎楓(演:平手友梨奈
両親の英才教育で大学からスカウトが来るほどの実力とカリスマを兼ね備えたバトミントン選手だった女生徒。両親の期待やコーチのスパルタなどで武藤敬司のように膝に爆弾を抱えている。そのプレッシャーから逃れようと万引きしていたところを赴任してきた桜木に見つかる。そんで色々あってバトミントンは数年間ムリってことで専科に入って皆と勉強する。他の生徒のメイン回は一回だけだが彼女だけはシーズンの終盤でもう一度メイン回がある。それ以外は大体、前述のリアクションを繰り返す優秀なメンバーとしての役割を最後までこなす。桜木の破天荒指導をすぐに受け入れて自ら実践するキャラ。
「この女優、平手に似ててカッコいいな」と思ったらそのまま平手友梨奈だった。どう見ても平手なのに何故気付かなかったのか……。
平手は欅坂46の時に最初は普通の女の子だったが、運営からグループ内での「カリスマ」ポジションに就けられグループは「平手とバックダンサー」みたいな異様な雰囲気になり平手もそれで徐々に壊れていった感。知らんけど。そして紅白歌合戦で「1曲歌っただけなのに曲が終わると力尽きて倒れる」という今思い出してもサッパリ意味がわからない出来事があったりしたので、両親のプレッシャーに悩まされて故障しているキャラクターはなるほど平手によく合ってた。キャラクターはステレオタイプだが(というかほぼ全キャラそうだが)俳優・平手友梨奈は良いなと思った。

早瀬菜緒(演:南沙良
家族に愛されて育った今時の生徒枠。自部屋に物凄くぬいぐるみがいっぱいあり心配した母親が怒鳴り込んできたりと「若干甘やかされた現代っ子」みたいな色が付いてるが、彼女自身はそうでもなく普通に頑張る役回り。第一話の時点で桜木を「おもしれ~教師」とニヤニヤしていて割と最初から最後までやる気がある。
ネタバレだが、最終話では東大に落ちてしまう。しかし皆には黙って青学を受けて受かっていた。「なにか頑張りたかっただけで東大には執着してないから青学でいいや」という結末。ちゃっかりした要領の良さを感じさせるキャラクターだったのか。

天野晃一郎(演:加藤清史郎)
東大を目指す優秀な弟に劣等感を抱く男子生徒……という第一期の中尾明慶が演じたキャラとほぼ同じ登場人物。元人気子役の加藤清史郎が演じている。
「毎日、勉強の進捗をYOUTUBEで世界に発信すろ」と桜木に言われてラップで配信する。配信することも学びになっていたのが良かった。小さいし視聴者が応援したくなるキャラ。

原健太(演:細田佳央太)
昆虫が大好きな発達障害からくる学習障害を持った男子生徒。実は聴覚による記憶はサッパリだが視覚記憶に優れており辞書丸ごと暗記できるし計算も早い、それを見抜かれた桜木によって専科に参加する。一種の天才キャラ。要所要所で心無い知らないやつに絡まれがちなので仲間が助けようとしてドラマを作りやすい……かもしれない。

小杉麻里(演:志田彩良
いつも幼馴染の健太を心配して面倒を見ている。最初から東大行けそうなくらい勉強できるが「女に学歴が必要ない」という思想の父親に虐待されてて、本当は勉強が好きなのに東大を目指せなかったが色々あって専科に参加する秀才キャラ。単純に演じてる女優が可愛い。

藤井遼(演:鈴鹿央士)
東大死亡だが受験に失敗して仕方なく龍海学園に入った、優秀な兄にコンプレックスを抱く男子生徒。常に追い詰められた精神状態をしていて教師や他の生徒を見下しており罵詈雑言を吐きまくる「性格が悪い嫌な奴」キャラ。理事長と共に序盤の悪役。
だが見下していたはずの東大専科に二度の敗北を喫し、桜木に「性格悪い奴は伸びない。いつも教え合ったり競い合ってる専科に一人ぼっちのお前が勝てるわけねえだろ!」という説得力ある叱責を何度もされて専科に入る。
専科の面々との触れ合い、桜木の授業で学力が伸びていった事などで態度が軟化していく。完全に仲間になるが、そうなると嬉しくてもひねくれた返事しかされないツンデレキャラになる。こうなると可愛さが凄い。
最初は健太を虫けら!と罵倒していたが東大受験会場で健太を虫けら!と苛める奴らを見つけて止めに入り右手を怪我し、それが原因で東大に落ちる。序盤での自分の悪行がブーメランとなって落ちた印象。しかし家族へのコンプレックスも全て吹き飛び一浪して東大を再び目指す。
藤井も他のキャラと同じ様にステレオタイプな「すぐ文句を言う」→「なんだかんだ受け入れる」という決まった事しかしないキャラなんだが、序盤で意地悪キャラすぎたせいか文句言ってもデレても何もしなくても愛嬌や面白さが常に泉のように湧き出ているので結局、最初から最後まで魅力がある。
いま思えば『ドラゴンボール』ではベジータ、『ヒロアカ』では爆豪が一番ドラマがある、それと同じだろう。
もっとも成長するのもコイツだし個人的にはコイツが主人公な気さえしてきた。
顔の中心にパーツが集まり気味なので気付かなかったが地味にめちゃくちゃスタイルがいい。長澤まさみ及川光博と並んでもコイツの方がスタイル良いので凄いと思った。

小橋辰徳(演:西山潤&岩井由伸(演:西垣匠)
いつも一緒にいるヤンキーの仲良し二人組。第一話で桜木と水野に嫌がらせするが、怒った桜木に鉄パイプ片手にバイクで追い回され泣いてションベン漏らして撮影されて完全敗北。さっき「序盤はあまり面白くない」と言ったがこうして書いてみると桜木が暴れすぎてて面白い気もしてきた。学校の廊下をバイクで爆走するし。
以降は桜木の舎弟になって専科の協力したり私生活でも勉強する(『BE FREE!』の先生&ヤンキーみたいだ)。
「最初嫌がらせしたから……」と遠慮してたが最終的には専科に入る。
最初のチャラ男状態より坊主になった方が良かったので「やっぱ坊主っていいな」と思った。

藤井もそうだが理事長(現理事長)も桜木達の目下の敵と言えるのだが、彼女は親に無理やり勉強させられた過去からの反動で「勉強ばかり押し付けず自由な生徒を育む」という、本来なら「良い教師」が言いそうなポリシーを持っていて、逆に「生徒に東大を目指させる!」と本来なら「悪い教師」が言いそうなこと言うのが主人公の桜木というのが面白い。
藤井が敗れてからは「別に私が理事長クビになっても東大行きたい生徒達が頑張ってくれたらいいわ」と態度が軟化する。元々良い人だから。

第3話からは東大専科の活動が始まり、僕は「もっと勉強したかったな」と思ってる低学歴なので単純に生徒キャラが勉強してる様や、主人公が生徒に「東大に入れる学習法、その考え方」などを教えるのが単純に面白かった。
「昔ながらの詰め込み学習は最も東大から遠ざかる勉強法!」「数学の得意不得意は小学二年生の時に決まる!」などの指導や「膨大な解き方や丸暗記などではなく普段から物事の本質を見極めたり考えたりする思考になれば良い、東大はそういう人材を求めているし物事の本質を見極める思考になると出題者が何が言いたいかわかるようになる」などといった話が面白かった。
後半、専科の勉強や受験などとは別に、学園を売り飛ばさんとす真の黒幕が現れて桜木や水野や理事長と『半沢直樹』的なバトルを始めて最終話の半分は、この話だったのだが個人的にはコレはマジで要らなかった。
何故なら勉強と関係ないから。しかも、こーいう展開だと「専科が東大に行くと計画が進まないから専科を邪魔する。専科は悪役の企みを打ち破ろうと東大合格しようとする」という流れなら「専科が東大に合格!悪の企みは潰えた!」という形になるのだが専科の合否は悪の企みに何の関係もなく、いやむしろ悪役は専科の合格を願ってるので盛り上がらない。
こんなバトルするなら専科の勉強や受験や彼のキャラを描く時間を作れと思った。
あと『半沢直樹』もそうなんだが歌舞伎の見得切りみたいな感じの勧善懲悪の大絶叫ターンバトルが、単純に見てて赤面してくるし「こんなもん見て喜ぶと思われてるんだぁ」という気持ちになる。
やはり『半沢直樹』よろしく味方だと思った奴が実は敵!敵だと思った奴が実は味方!という展開も何度かあるのだが別に驚きもしないしどうでもいい。
半沢直樹』でも他のドラマでも良い奴を演じがちな及川光博が、今回は「味方だと思った奴が実は敵!」だった。これも別に面白くないし、そもそも良い人イメージが染み込み過ぎてる及川光博が悪役になっても嬉しくない。キアヌ・リーブスもそうだが及川光博にはもう卑怯な役は無理よ。そう見えないし嬉しくないよね。

何だかんだ文句が多かったが2日で全話観たし「もっと生徒達がリアルに動く話がこの2倍見たかったな」と思ったし、見てたら勉強したくなって英語や勉強するアプリをDLして勉強さえ始めました。
僕自身も藤井みたいな奴かもしれない。

 

 

 

 

そんな感じでした

『VIVANT』(2023) 全10話/毎週楽しみに観てて全体的に楽しかったんですが最終話で超ガッカリ、超ガッカリ。”考察”すな!🐫 - gock221B

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