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『ワン・バトル・アフター・アナザー』(2025)/他人と一切共有したくないという希少な感動があり、書くことがない


原題:One Battle After Another 監督&脚本&制作:ポール・トーマス・アンダーソン 原作:トマス・ピンチョン著『ヴァインランド』(1990) 制作:アダム・ソムナー、ジョアン・セラー、サラ・マーフィー、アダム・ソムナー 音楽:ジョニー・グリーンウッド EDテーマ:ギル・スコット・ヘロン「The Revolution Will Not Be Televised」(1971) 製作会社:グーラルディ・フィルム・カンパニー 配給:ワーナー・ブラザース・ピクチャーズ 製作国:アメリカ 上映時間:162分 公開日:2025年9月26日(日本は2025年10月3日)

Willa: “Say the password!? Or I shoot!!”
Willa: “Who are you!?”

Story

極左過激派組織”フレンチ75”のペルフィディア(演:テヤナ・テイラー)とパット(演:レオナルド・デカプリオ)は拘置所から移民を逃がす活動中、ペルフィディアは拘置所の指揮官ロックジョー(演:ショーン・ペン)を性的に辱める。
それによりロックジョーはペルフィディアに強烈なマゾヒスティックな性的執着を抱くようになり彼女を捕まえた時、逃がす代わりに性的関係を持つ。
パットとペルフィディアは恋人同士になりシャーリーンを産むが、家庭に入りたくないペルフィディアは夫と娘を捨てて革命家に戻る。
再度ロックジョーに捕まったペルフィディアは証人保護プログラムに入る代わりにフレンチ75メンバーを売り、メンバーは殺されたり逃亡して散り散りとなった。ペルフィディアはロックジョーを拒絶しメキシコに逃げる。

16年後、パットはボブ、(演:レオナルド・デカプリオ)娘シャーリーンはウィラ(演:チェイス・インフィニティ)と名前を変えカリフォルニア州の移民の受け入れに寛容な架空の都市バクタン・クロスで、ボブはマリファナ常習者、ウィラは空手を習う16歳になっていた。
反移民運動を通じて大佐になったロックジョーは「ウィラは俺とあの黒人女(ペルフィディア)の娘ではないか?」という疑念を抱き「異人種間の関係」を禁じている極右白人至上主義秘密結社”クリスマスの冒険者たち”に知られないようウィラを捜索する。
ウィラはフレンチ75の現役メンバーのアンドラ(演:レジーナ・ホール)の助けを借り逃亡し、ボブは不法移民コミュニティのリーダーであるウィラの空手の師範”センセイ”(演:ベニチオ・デル・トロ)の助けを借り娘を救いに行くが――

という話。


ポール・トーマス・アンダーソントマス・ピンチョンの原作小説(読んでない)の映画化。
どういうわけかPTAの映画のブログ記事が全く無い、つまり10年以上観てないってことか。『ザ・マスター』(2012)以降観てない。別に嫌いなわけじゃない。でもそういうことあるよね。本作は凄く良かったので観てない期間のも観ていこう……というか10年前、20年前ってほぼ別人みたいなもんなので全作観返した方がいい。
これはアメリカ本国でヒットして、公式や真主人公ウィラ役のチェイス・インフィニティという凄い名前の若手女優がSNSなどに宣伝ショートをUPしまくってて「これは行かなきゃ」と思ってたが何人かで予定を合わせて観に行ったのは公開一ヶ月近く経った先週だった。
映画ファンが凄く好きそうな映画だし映画好きは湧いてたが、まだ行けてないのでミュートして感想を聞かないようにしていた。実際に観に行って、やはり良かったのだが継続して他人の感想を見ないのを継続している。
なんか自分にとってたまにあるそういうタイプの映画だった。
他人と共有せず自分で考えたいというか。
つまんねぇ映画の感想いっぱいあるのに面白かった本作の感想がないのは変だから今無理やり書いてるだけだ。
他人の感想を見たくないと同様に、自分の感想も他人に見せたくない感じがある。何か観終わってまだ消化してない感じがある。とはいえ画面で起こることや言いたいテーマは凄く具体的だし、PTA映画にしてはわかりやすい面白いポイント(デカプリオの面白い様、ウィラの瑞々しい感じ、ショーン・ペンのキモさ、センセイのカッコよさ、ジョニー・グリーンウッドの音楽の素晴らしさ)……など口に出して言いやすい「良さ」が非常に多く「今回はエンタメとしてのサービスしてるな」という感じだった。
PTAとデカプリオがチェイス・インフィニティに「若い君がTikTokで宣伝してね」と言ったことからもそれは明らかだろう。
だが、わかりやすい面白い場面を取り上げたとして……たとえばデカプリオ演ずるボブがパスワードがわからずキレ散らかしたり終いには泣き出してしまう場面などあまりに面白いがそんなこと書いてどうする?という感じがある。
もし他人の本作の感想を読んだり聞いた時にそう言い出したら「そんなの映画観ればわかるだろ!」という謎の怒りが湧いてきそうな気がする。
多分公開初日に行ったとかならまだしも自分は一ヶ月経って「もう映画が好きな人らが一通り、あんなことやこんなことを話した後だろうな」と想像つくから、それでもはや改めてそういったわかりやすい面白いポイントや「これは現代アメリカ社会に……いや日本の移民問題にも当てはめられる云々かんぬん……」など、幾らでも書けるが何かアホらしいですよね。それこそ「だからそんなの映画観たらわかるだろ!口に出すな!」って書きながらじゃなく書く前にもう思ってしまうのでそんなこと書く気が起きんというか。自分の政治的な立ち位置を言いたくて本作をだしに……するのも自由だが何だか今はそんな気分でもない。この映画の前面に自分を出したくない気持ちにさせるものがある。
「『リコリス・ピザ』(2021)の子出てたね」とか「”クリスマスの冒険者たち”が面白すぎる」「ネイティブ・アメリカンっぽい暗殺者の人、感動した」とか、EDにかかる曲は知らなかったが友達に教わった、しかしそれをそのまま書いても仕方ないというか……「そんなの映画観ればわかるだろ!」とか、そんなこと言い出したら「映画の感想ブログ」のアイデンティティ・クライシスに陥ってしまうのだが、何かいちいちそう言いたくなるところがある。
「センセイセンセイプリーズ!センキューHEYセンセイ……センキューセンセイテンキュー!ガッデミィッ!ヴィバラレボリューッショ!」とか叫んでる廊下の場面が未だに脳内再生されてる面白さがあるが、しかしそんなとこモノマネしたり連呼してどうする。下品だよね。
これはどういうことか自分でもよくわかってないが、要は何か特別な感情を抱いた映画だったので、まるでバズ作品やバズ動画のように本作を面白おかしく「消費行動」したくないんだろう。
『地面師たち』(2024)観た人がピエール瀧の真似してたじゃん……というか未だにしてる人いるが、そういう感じにしたくなくて、オモシロ台詞だけじゃなく際立って突出した本作のわかりやすい面白いシーンなどについてもあまり口にしたくないものがある。
「あそこの◯◯よかったよね!」「ね!?」みたいなの。
「ね?」じゃねぇよ、お前も何かやれよ。
普通、男が友達に「昨夜、彼女とSEXして何がどう気持ちよかったか」とか具体的な話しないじゃん。どうかしてるだろそんな奴。ちょっと大げさだが本作についてあれやこれや話すのはそれに近い感じがある。
本作の優れてる良かったところといえば、画面で起きる出来事は全て具体的だし言いたいテーマなど全て明快なのに、映画観て家に持ち帰るものが非常に多いというのが凄い。普通、わざと説明をカットして難解に作った映画ならいっぱいあるけど、本作の場合、何度か言ったように凄く明快、テーマもラストも明快、それなのに何日も凄く感じさせられる。それが凄いよね。そういう映画って滅多にないよね。ぱっと思いつかないくらい無いわ。それでまた考えたりして……Spotifyでサントラ聴いて。

そこ以外の話でいえばウィラを救いに来てくれるデアンドラこの人誰だろうと思ったら僕が昔好きだったアンナ・ファリスクリス・プラットの前の妻)主演のホラー映画のパロディ映画『絶叫計画』シリーズに出てた黒人女性の方だと知って驚いた。というか『絶叫計画』でしか知らなかったから、こんな真面目な演技してたら別人にしか見えなかった……。
あとクライマックスの急勾配で前が見えないチェイスシーン。
これは『グランド・セフト・オートV』やり始めの時、よく前が見えなくて首を伸ばし(コントローラーで上ボタン押したら背伸びしてるようにちょっと先見える)だけど、山道で本作での急勾配チェイスシーンみたいなとこで車停めてるやつが居て「あっ!バカっ」つって激突してそのまま谷底に落ちてクルマが大破して仕方なく徒歩で街まで歩いて帰ったことを思い出した……GTAVって本当に素晴らしいゲームでこれもいつか記事に書きたい。だからこのシーン観てPTAってどんな人か全く知らんが「PTAもGTAVやって思いついたのかな」と少し思った。
映画見る前日に寝れなくてほぼ徹夜で前半めちゃくちゃ眠くて集中できなかったのもある。体調不良ではなく眠りに入る瞬間に飼ってる猫くんが僕を起こす……というゲームが10回くらい繰り返され神経がたかぶり寝れなくなったのだ。かといって睡眠薬飲んだら今度は逆に寝すぎて遅刻しそうだし、だから体調万全でまた観たい。
そういう事で感想を書きたくないということを書くことで感想にしてしまったが今回はこれで終わりたい。また観たらもっかい書くかも?
だけどウィラがボブにパスワード要求してお前誰?って言う場面これは凄く感動した。観終わって友達とも迂回した話ししかしなかったがこれは意見が全員一致した。
そして銃弾のあまりにも当たらなさ、ボブが何一つ上手くいかない感じ、だけどそれによって面白さだけじゃなく不思議な感動があった。そんな役ばかり好んでやってるデカプリオに対しても……。
一番思ったのは「あぁ映画観たなぁ」とめちゃくちゃ思わされたこと、まぁ普段は非常にオタクしか喜ばないものや安っぽいものとか何でも映画だと思ってるので「これこそ映画だ」みたいな、そんな嫌なことを言いたいわけでもないんだが、そういった自分を削っていくと深層には「つまるところ、こういう感じのこの残った部分が映画」的なものがあるんだなと思わされた。それもまた普段思わないのでそれも凄いなと思った。
センキューセンセイテンキュー

 

 

そんな感じでした

 


 

One Battle After Another (2025) | Transcript - Scraps from the loft

 

One Battle After Another (2025) - IMDb

One Battle After Another | Rotten Tomatoes

One Battle After Another (2025) • Letterboxd

ワン・バトル・アフター・アナザー  | Filmarks映画

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