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『チェンソーマン 総集篇』(2025) 全2話、『劇場版 チェンソーマン レゼ篇』(2025)/都会のねずみが好き

チェンソーマン 総集篇』(2025) 全2話

監督:𠮷原達矢 編集:寶藏旬也、吉武将人 原作:藤本タツキチェンソーマン』第1~5巻  音楽:牛尾憲輔 主題歌:米津玄師 制作:MAPPA 配給:東宝 上映時間:119分+95分 公開日:2025年9月5日

 

 

評判が悪く円盤が2000枚しか売れなかったTVアニメ『チェンソーマン』(2022)全12話(長いので以降「素材」と表記)の内容を214分に再編集して演出や台詞を変更して各話ラストに短編アニメ『ちぇんそーびより』を挿入して、評判の悪かったTVアニメ版の監督だった中山竜氏(以降「TVアニメ版の監督だった人物」と表記)の名前をクレジットから完全に消し去って「なかったこと」にしたもの。

 

面白い原作『チェンソーマン』第1部(2019-2021)と面白くない第2部(2022-連載中)
僕は本作の原作漫画『チェンソーマン』第1部(2019-2021)が大好きで、現在WEBで月に1~3回くらい14ページだけ更新している第2部(2022-連載中)は殆ど面白くないのですが、第一部が面白かったので作者の具合が良くなるまで見守っている感じです。
正確に言うと「面白くない」とは言いましたが、第1話と永遠の悪魔再戦は普通に面白いし、一部のキャラと一部のシーンは面白いしたまに面白い回が数回続いたりします、でもそれら幾つかの面白い要素は第一部のように一本の太い幹になっていかず、バラバラにポン、ポンと置かれたまま集束していかない、更に14ページ更新して半月とか3週間くらい間が空いたりするので「えーと何が何なんだっけ?それ以前に俺は何がボンヤリしてるんだっけ?」等と、よくわからなくなってそれが何年か続くうちに何だかどうでもよくなっていった感じ。このパターンの「面白くなさ」は荒木飛呂彦ジョジョ第8部『ジョジョリオン』(2011-2021)の「面白くなさ」に非常に似ています。
チェンソーマン』第2部も『ジョジョリオン』も、一気に読めば面白さは確実に上がると思うけど、つまらないのを何年も耐えてる間に「面白くなってきた、これで復活するぞ!」→「やっぱダメでしたわ」このループを10回くらい繰り返してると「このシリーズや作者の作品自体が好き」という大きな器が壊れていくんですよね。長い恋愛とか結婚生活の終わりと似ていると思います。決別する最後のきっかけが原因ではなく失望の積み重ねによって器自体が欠けていくんですよね。そして漬物が元の新鮮なキュウリに戻らないように、ひとたび欠けた器は元には戻りません。でも漬物は漬物のおいしさがあるのでキュウリ時代の熱狂は失われたとはいえ楽しむこと自体は可能です。
来月は藤本タツキ初期作品のアニメがアマプラであるし荒木もジョジョで世界人気一位の7部SBRのアニメ化が楽しみですしね。


TVアニメ版aka素材
TVアニメ版はひでぇもんでしたね。
チェンソーマン - アニメ情報・レビュー・評価・あらすじ・動画配信 | Filmarksアニメ
でも良かったこともあって、米津玄師の主題歌とOP映像、一部の美しい作画などは普通に良いです。声優さんたちも有名な方が多く、声優自体は悪くないのですが「アニメっぽくしたくなくて映画みたいにしたかった」という監督だった人物によって主人公は抑えた演技をさせられ岸辺やサムライソードなどは過剰にボソボソした喋りにされてしまったので真価を発揮できなかった感がある。
監督だった人物が「アニメっぽい過剰なものじゃなくて映画っぽくしたかった」という気持ちは実はわかるのですが、監督だった人物が思う「映画的なもの」という概念が「外連味のないもの」という感じだったために、たとえば日常シーン……アニメオリジナルの、アキや早川のモーニングルーティンを異常に精密に描いたりするのは別にそれで良かったのですが、派手なアクションや言い合いするシーンなどで見栄を張るキメシーンでカメラが引いたり原作では絶叫してる台詞を淡々と言ったりと、全部悪い方向にいってしまった感じでした。
まとめると「割とスッといってほしい日常シーンに異常に力を入れて作って、メインであるはずのアクションや名場面では、それらのシーンが魅力を発さないように異常に抑えた演出を施した」というものでした。そんな感じなのにインタビューでは誇らしげにイキってた高二病が直ってない感じの人だったのでより炎上した。
TVアニメ放送前の予告編(いま探したら見つからなかったので貼れない)が、凄く綺麗な作画なんだけど「デンジやパワーやコベニが海ではしゃいでいる」という本編にない場面を見て「なんか嫌な予感するな……」と感じてたんですが放送開始したら割とすぐ第1話でダメで「はい、ダメ確認」して、それでも僕が原作ではまる切っ掛けだった好きな「vs.永遠の悪魔」とかもつまらなかったので「これはダメだな」と再確認した感じでした。
それでも、アニメから入った人……原作未読勢や海外視聴者などは「アニメ面白いけどな?原作勢はおかしいよ」などと言う人が一定数いるのですが、たとえば出てくるキャラクターは魅力あるわけで、キャラのデザインとかはそのままだし声優もプロの人だしでキャラは一見魅力あるわけ、それで物語も悪魔の設定やマキマの謎やサムライソード編の展開などは元々、良いものなので、だからTVアニメ版から入った人はそれらを初めて実食するので良いと思うわけです。で、原作知ってる人はそれらを元々知ってるわけなので、だから「あれらがアニメでどうなるんだろう?」と期待してるので実際に出来上がったものを見たら「え?なんでハイテンションの未来の悪魔がこんな淡々と喋る?」みたいになるわけです。
アガサ・クリスティの原作推理小説は元々あらすじや仕掛け自体がめちゃくちゃ面白いので大した事ない映像化されても、そのトリックを初めて観たら面白く感じてしまったりする、それと似てるね。たとえば僕はアガサ・クリスティあんまり読んでなかったので『オリエント急行殺人事件』(2017)を映画で初めて観たので「なんて面白いストーリーなんだ!」と思ったが次の瞬間に「でもこの映画自体はパッとしないからアガサ・クリスティの原作が凄すぎるんだな、というか本で先に読めばよかった……」と思った。そういうケースとよく似ている。
またこれは監督だった人物のせいではなくMAPPAだとかもっと偉い仕掛けをした偉い人のせいだろうけど「誰がどう見ても勝ち確の『チェンソーマン』アニメ化」に向けて宣伝が異常に派手だった。もう凄く面白いしキャラも世界的に人気出るのは確定、誰がどう考えても鬼滅や呪術のように大ヒットするのは間違いなしだったので宣伝や作品の装飾に力を入れるのは自然な流れ。「全話EDが違う」「放映終了後に異常にデカい会場でイベント」「作者藤本タツキツイッター(現在のX)でリアタイ応援!」など、……いやこれらも別に普通か。やっぱTVアニメがつまらなくてどんどん冷え込んでいったから、作品外のそれらの活動が異常に派手に見えてしまい。「ボロボロの神輿を担いだ瞳孔が開いて汗だくの祭り男たちが、めちゃくちゃワッショイしてる……」という印象になってしまったんだろうね。TVアニメが面白ければ「あ、今回もストーリーに沿ったEDだ!やりますねぇ!」とより人気が加熱していっただろうし、藤本タツキツイッター(現在X)は彼の小学三年生の妹がやってるという設定で平仮名でずっとポストしてて以前は「もう、藤本タツキ先生は面白いな」と思ってたけど一気に「そう思わなく」なってしましたね、申し訳ない。また、これはこのTVアニメの出来と関係あるのかないのかはわからないが放送終了した辺りから第2部が加速度的に面白くなくなって単行本の売上が半分以下になっていった。
ポジティブな出来事は、米津玄師の主題歌が普通に良かったこと、ED曲が大ヒットしたあのちゃんが地上波レベルでブレイクした事だけか。
そして、この『チェンソーマン 総集篇』(2025)を作るための素材ができた事くらいか。
そういえば総集編の感想を書くはずだったのに原作と素材の話だけで長くなってしまった。これでも原作第2部や素材のつまらない原因とかだけで1万字くらい書けるが関係ないから省略した。

 

 

そのまんまアニメ化すれば『呪術廻戦』みたいに大好評間違いなしで、ゴール前にサッカーボールが置いてある状態だったアニメ版『チェンソーマン』は監督が客席にボールを蹴って、TV版は不評&円盤売上爆死によって失敗に終わった(失敗する方が難しかったのに)。チェンソーマンのアニメは少し沈黙した。
「どう続けますかね……」といういたたまれない会議が行われたのだろうか。
読み切り漫画『ルックバック』(2021)が、『チェンソーマン』第1部(2019-2021)終了して第2部(2022-連載中)やTVアニメが始まるまでの期間に発表されて大好評だった。漫画は確かに素晴らしかったのだがファンによる藤本タツキ神格化が最も激しかったのは、この時期「筆折り期」(『ルックバック』(2021)を読んで自身を失った漫画家志望が「筆を折る」とよくポストしてたから)、藤本タツキ漫画は好きだったが全体的にファンダムがキツい感じになってきたので僕は私生活で藤本タツキ作品とか好きなことは言わなくなった(しかしTVアニメ版『チェンソーマン』大爆死でほぼ死滅したのでもう言ってもいいかもしれない)。そしてその映画化『ルックバック』(2024)は、TVアニメ版『チェンソーマン』大爆死プラス同時期に原作『チェンソーマン』第二部がめちゃくちゃつまらなくなるというお通夜状態で公開されたにも関わらず大ヒット(こうして振り返るとアニメ化によって浮き沈みが激しい)。
この映画『ルックバック』(2024)は確かに良かった。同時に「なんでこの監督がTVアニメ版『チェンソーマン』の監督じゃなかったんだ……」とも思った。
しばらくして『劇場版 チェンソーマン レゼ篇』(2025)の公開が発表され「これはこれで建て付けを変えてヒットするものにしてくるだろうが”過去”はどうするんだろうか」と思ってたら、映画公開に合わせて、”素材”を214分に再編集して演出とかも変えた総集編が配信された。
この総集編は、デンジが原作通りに「俺達の(自分と心臓になったポチタ)」と言うように正しい演出に極力変えて面白くしてある。”素材”も、作画は綺麗だったし声優プロなので声張ればいいわけだからね。
「TVアニメ版と総集編ここが変わった」というのはYOUTUBEにいっぱいあるから省略するとして、確かに普通に見れるし面白いものになってた。
このようにメリハリあるものに再編されると”素材”も、日常シーンとかエモいシーンは上手かったな、などと以前には思わなかった”素材”の長所も見えてきた。
たとえば、第1-2話のデンジの貧困生活やパワーが猫を拾うくだり、早川家で最初はジャムを散らかしてたデンジがパワーに手を焼くくだりなど。
そういった日常シーンが実に良いので「”素材”を取ったTVアニメ版の監督だった人物も、こういうシーンは普通に上手いな。きっと戦わないアニメとかを撮れば凄い人だったのかも」と思えた。そういえば「アニメっぽい喋りや挙動が嫌いで映画みたいにしたい」ってインタビューで言ってたもんね。作品がつまらないしイキリが凄かったから単純にムカついて「消えろ!いますぐに」と反感を抱いたが、総集編によって”素材”の良かったところも再発見できた。これからも頑張ってもらいたい。
ちなみに原作で好きだったが”素材”でつまらなくなってた「vs. 永遠の悪魔」「vs. サムライソード&蛇の悪魔」は普通に楽しんだので総集編で多分よくなってたんだろうとは思うが、それでもまだ「いやもっと面白いはずだろ」と思った。編集してもしきれないテンポの悪さがあったのかもしれない。特にコベニがWピースするのが引きの画だったり取り乱してデンジを殺そうとする場面ももっと面白い感じにすべきなのにサスペンスフルにしてるのが凄く違う感じ、これはもう素材からしてそういう演出だったので編集しても良くならず残念だった。いや、そう考えたら岸辺の特訓とかも大して良くなかったな(多分これでも良くしてはいるんだろうけど)。やはりアクションは全体的にあまり良くなかった。ただし”素材”の時点ではもっと良くなかったのを編集で見れるように最大限にはしてたのだろう。だって嫌になって観るのやめようと思わなかったしね。
あ、一番良かったのはデンジ役の戸谷菊之介氏が、”素材”の時は抑えた演技させられて遠回しに異を唱えてたけど今回は多分、録音し直したのか凄く良かった。
というかこの人以外ありえないってくらいデンジ役が上手い。他のキャラを演じる声優さんは、もちろん上手いが似たような声優と変わっても問題ないと思うけどデンジだけはこの人じゃないとアカン!ってほどハマっていた。
そういえばこれ見て改めて思ったけど素材の監督は姫野好きじゃない?彼女は妙にねっとり描かれてる気がするのは気のせいか……TVアニメ版だと早川だけでなく姫野のモーニングルーティンまであった気がする……あったっけ?忘れた。
早川が姫野の部屋に泊まってるおまけとか、姫野が早川に甘えたり心配するシーン、コベニにうざ絡みする姫野、そして実は「まともな普通の人」だからと岸辺に心配されてたり意外と早く死んだかと思えばEasy Revengeと書かれた煙草をくれたり手紙が最後に出てきたり、「何かに依存していきたい人生ですよ」など口調も異常に実在感ある。このキャラは昨夜の周りにモデルが居るんじゃないかと思った。全体的にモワッッと凄くメス臭いものが充満してるんだよね。ゲロキスが有名だがこれは行き過ぎてて逆に何とも思わない、そんな事より普段の平気なふりして暮らしてる姫野がめちゃくちゃメス臭い。出番は少ないが彼女のキャラだけ異常に生々しい。凄くウェットなキャラなので苦手だ……でも自分が挙げた苦手な部分は姫野好きが好きな部分だろうし、こんなに苦手ってことは逆に言えば好きってことでもあるから実際は好きなのかもしれない。とにかく今の時点では姫野のむせ返るようなオンナ臭い感じがすごい苦手。
それと岸辺とサムライソードはもっと普通に喋れないのか?この2人も録り直してほしかったな。聞き取りづらいんだよ。
そして岸辺はともかくサムライソードはあんなボソボソ喋るキャラじゃないだろ、もうちょい普通に声出せよ。

 

駄作を作った罪で存在を消していいのか?
大ヒット中の『劇場版 チェンソーマン レゼ篇』(2025)を観たい人の予習、または『レゼ篇』観た後の人が振り返って観るには充分だし、今後はこれが真の「『レゼ篇』の前の話」になって”素材”はじわじわと存在を消してやがてはなかったことになるのだろう。
”素材”を編集しただけだから、普通だったら監督名は素材の監督名が書かれるのが普通だが、Wikipediaとかで見ると本作『チェンソーマン 総集篇』の監督名はレゼ篇の監督である𠮷原達矢氏が監督になっている。これ、結構異例のことであんまり前例がないよね。ハリウッド映画とかでも監督が途中で問題起こしたり消えて違う監督が作っても最初の監督はクレジットに残ったままになるものだけど本作の場合は完全に「チェンソーマンのアニメは全部、𠮷原達矢が監督」という感じになっている。
Wikipediaにそう書いてるだけでクレジットは違ったっけ?確認するのが面倒なのでほっとくけどとりあえず元のTVアニメ版の監督した人物の名前は消されていたのは確かだったよね。
元のTVアニメ版の監督した”素材”は全然良くなかったし、元のTVアニメ版の監督のイキったインタビューなどで腹が立っていたので、一瞬ざまぁ的な気持ちが起こりそうになるものの、これでいいのか?という不安も同時に湧き上がってくる。
今回はたまたま嫌いだった「”素材”を作った元のTVアニメ版の監督」が消されたので物事はポジティブに進んでいってるように見えるが、元のTVアニメ版の監督はたとえ気に入られなかったとしてもTVアニメ版を一生懸命最後まで作ったわけで、それなのに評判悪くて爆死したからって、概念ごと食ってしまうチェンソーマンのように存在を消してしまうというのはちょっと……さすがに可哀想だし問題ある気がする。だって悪い人がMAPPAの偉い人になって全然悪くない監督を気に入らないから抹殺することも可能ってわけだもんね。
「悪い奴はすぐ死刑!」→「よし、じゃあ邪悪な偉い人になったワシが気に入らん正義のやつを死刑にするぞよ……」という冤罪の恐怖を感じさせるよね。
そんな感じで、総集篇は確かに「これまでのチェンソーマン」を最低限楽しめる形にして大ヒット中のレゼ篇と合わせて、暗礁に乗り上げてた『チェンソーマン』アニメを再起動させてめでたしめでたし……しかし元のTVアニメ版の監督が決されたことは少し不安を残すことになった。
なんか作品の感想の感想数行で、殆どそれ以外の感想になっちゃったけど、まぁそんな感じです。

 

 


 

『劇場版 チェンソーマン レゼ篇』(2025)

監督:𠮷原達矢 脚本:瀬古浩司 原作:藤本タツキチェンソーマン』第5~6巻 キャラクターデザイン:杉山和隆 音楽:牛尾憲輔 主題歌:米津玄師、宇多田ヒカル 制作:MAPPA 配給:東宝 上映時間:100分 公開日:2025年9月19日 英題:Chainsaw Man – The Movie: Reze Arc

 

原作『チェンソーマン』第5巻~第6巻の内容である、謎の少女レゼの話中心に映画化された。
これは世界的にヤバいほどヒットした『劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座再来』(2025)同様に大した説明もなく「物語の途中」からいきなり始まる。
とはいえ、観てたら「デンジは悪魔を倒す公安で働かされてるんだな」とかわかるだろうから別にいいだろう。よく言われることだが『スター・ウォーズ ep4/新たなる希望』(1977)とかも説明なしで「途中」から始まるけど問題ないもんね。

90年代後半。想いを寄せる上司のマキマと映画デートをして、女性に免疫のないデンジはますますマキマに夢中になる。そんなところにレゼという少女と知り合い、可愛い彼女にグイグイ来られてレゼにも夢中になってしまうデンジ。
だがレゼはソ連チェンソーマンの心臓奪取のため放った、デンジ同様に悪魔と同化した人間(悪魔でも魔人でもない)だった。

という話。前半でデンジの性格、レゼとの出会いやデートが丁寧に描かれ、深夜の校舎デートでレゼはデンジは襲うが鮫の魔人ビームが救って逃亡、追うレゼに早川アキや公安は立ち向かうが全滅させられるが復活したデンジと対決……という流れ。

このアニメ版、アクションはTVアニメ版と違ってアクションなど凄く良かった。まぁ当たり前!だし見たらわかるから省略しよう。
とはいえ過剰に動きすぎてる気もする(まるで”素材”での縛りが解けたかのように)チェンソーマンになったデンジが空中で喋る時に不必要に手足をワチャワチャ動かす様とかあんまり好きじゃないかも……でもデンジも16歳だから子犬のように動くのは自然か……。そういえばビームが動き&台詞ともにコミックリリーフなんだが彼が出てくると鬼滅のギャグシーンみたいな独特の変な空気になるな、でも原作からしてビームはそうだから仕方ない。そもそもかなり中年である自分がそういったハイテンションに文句つけるのはお門違いだからやめよう。
デンジが強敵(サムライソード、永遠、レゼ)を倒す時、今回よく見たら必ず「こういう理由で倒した(頭に注意を向けさせて隠しチェンソーで斬った、相手が嫌になるまで戦った、拘束して溺れさせた)」っていう感じで倒すのがいいなと思った。なんか作品がハイテンションだからノリで倒してる印象だったけど、ちゃんと頭を使ってるのがアメコミっぽくていいですね。
そして改めてレゼ篇だけ切り取られて見てやっとわかったけど主要なキャラは殆ど全員出てくるんだね。それでいてデンジの内面や戦い、マキマの強さなど大事なことが網羅されてるしなるほどここだけ映画化した理由わかったわと思った。
そしてレゼがデンジを駆け落ちしようと誘うが、デンジが「働いてたまにレゼに会うのじゃだめ?」と凄くリアルに提案するとレゼはもはやここまで、と戦いに入る。
この辺のレゼとか終盤、デンジに心を開いたせいでマキマに殺されるレゼの切ない感じは、原作漫画よりウェットな演出が多いアニメ版のほうが凄く伝わってきた。
というかむしろ自分は漫画では面白い成分しか読んでなくてエモい場面を全然味わってなかったので(原作で響いたエモいシーンはコベニが「世の中嫌なことばっかでしょ」と言うところと血の悪魔が死ぬとこだけ)、この映画ではじめてレゼのことをちゃんと見たような気もする。
とはいえ前半あざとい態度でデンジを誘うレゼ。レゼはデンジを魅了するための態度をしてるとはわかってるけど、アニメって少女を元々こういう描き方するからアニメ的には普通の少女を描いてるだけとも言える。だから、レゼの演技なのか素なのか、よくわからなくなっていった。でもレゼもデンジに惹かれてるからどっちかわからんのでいいのか。
デンジの声優が凄く合ってると言ったが、そういえば僕が好きな暴力の悪魔の声優も最高だと思った。もうあと目立つ場面2回くらいしかないけど。
残念だな。
一部の時ってさ「どんどん死ぬけど、良い場面だし、それに藤本タツキは幾らでも良いキャラを生み出せるのだろう」と前向きに捉えてたけど第2部の良いキャラってアサ/ヨルとかギロチンの悪魔くらいしか居ないし「こんな事ならあんなにいっぱい殺さなければよかったのに……」と思ってしまうところもある。暴力の悪魔もっと見たかったな。
そういえば新OPでマキマが朝食運んでて「モーニングルーティンだ!」と思い「名前を抹消されてしまったTVアニメ版の監督の魂が生き続けてる……モーニングルーティン要素だけ」と思った。
そういう感じでTVアニメ版とは違い、普通に面白かったです。
普通に楽しんだ原作好きとはいえ、……何度も歳のこと言いたくないけど自分すごい高齢なので……あまり熱狂してる若者や海外の人ほどはエキサイトしませんでしたね(せめて30代前半とかならエキサイトしてたと思う)そのため薄い感想になりましたが漫画では気づかないことも色々感じましたね特にエモい要素。
なんかデンジとかレゼが子供過ぎて可哀想で公安とか大人キャラが腹立つ(レゼは身体だけ16-17だけど不老でもっと高齢らしいけど)。
それとアキと天使の関係性こんなエモかったっけ?とも思った。改めて漫画はオモシロ部分しか読んでなかった自分を感じた。

次は世界の刺客篇か、これ一番好きだから楽しみだ。TVアニメじゃなくて映画がいいなすぐ観終えれるから。
好きなキャラは、デンジとパワー?……は割と皆好きだろうから置いとくとして(ちなみに拾った子猫の兄妹にもそう名付けた)。
サブキャラはコベニ、暴力の魔人、宇宙の魔人が好きかな。

 

そんな感じでした

藤本タツキ原作作品〉
『ルックバック』(2024)/この監督で『チェンソーマン』を最初からアニメ化し直してもらえませんかね - gock221B

 


 

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