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「ハードコア (2015)」死ぬほど良い!2017年に日本公開された映画の中で一番面白い💥💥💥

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原題:Хардкор/Hardcore Henry 監督&脚本&制作&撮影:イリヤ・ナイシュラー
製作国:ロシア/アメリカ 上映時間:96分

 

 

本作の監督ナイシュラー氏が、自分も所属しているバンドのMVを全編主観視点のみで撮ったら全世界で話題になった(そういえば当時見た覚えあるわこれ)
www.youtube.com
それを観た偉い人に、同じ手法で映画丸々1本撮ってみないか?と持ちかけられ全編一人称視点のみで作られたのがこの映画らしい。
本作の存在は知ってはいたが「全編FPS視点のアクション映画って面白いんか?それなら映画で観るよりゲームした方がいいんじゃない?」などと舐めてるうちに忘れて観てなかった。「REC/レック」&「REC/レック2」や「クローバーフィールド -HAKAISHA-」とかPOV映画はたくさんあるけど全編一人称視点の映画は初らしい。そうだっけ?だけど力強く言ってるんだからきっとそうなんでしょう
Huluで配信されてたので観てみたら死ぬほど面白かった。

 


Story
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主人公ヘンリー父親ティム・ロス)に「弱虫」だとなじられる夢を見ていた。
近未来。ヘンリーはロシア上空の研究施設で目を覚ます。極度の重傷を負い記憶も声帯もを失った彼は、エステル(ヘイリー・ベネット)というヘンリーの妻を自称する美女にサイボーグ手術が施されて甦った。
そこへ超能力者イカと重武装した部下たちに襲撃されてエステルは拉致される。
追われる身となったヘンリーはジミーシャールト・コプリー)という男に窮地を救われる。
ジミーのサポートを受けつつヘンリーは
エステル奪回のためエイカン軍団に戦いを挑む――

 

 

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主人公ヘンリーは四肢を失う致命傷を負っていたため、科学者であるらしい美しい妻エステルがサイボーグ義肢を取り付け体内も機械化してサイボーグにすることでヘンリーを助けた。声帯も無くなっていたので声帯を取り付けようとする直前で超能力者エイカンとその部下達に強襲される。だからヘンリーは本編中、一度も喋れない。そこから追手から逃れつつ、妻奪還&エイカン打倒に向けて、死ぬたびに違う服装や性格で次々と再登場する謎の協力者ジミーと共に突っ走る感じ。
イカンは「ファントム・オブ・パラダイス」のスワンみたいな見た目の超能力者。ラスボスによく居るタイプのハイテンション系クズ経営者キャラ。90年代にゲーリー・オールドマンとか三上博史がやってて今は演技力のない邦画のイケメン俳優がやりがちな、中の人は盆と正月に実家に帰ってオカンの煮物とか食ってるくせに劇中では目をひん剥いて血を自分の顔に塗りたくって「ハーハハハハ!」と高笑いしながら「ゲームの始まり」を宣言して観てるこっちを顔真っ赤にさせて「コノ場面‥早ク‥終ワッテクレ‥!」と懇願させるようなそんなハイテンション演技をしている。いやエイカンは邦画のキレキャラまで酷くはない。ちゃんとしたキレキャラ。
序盤は、ロシア上空の研究施設からカプセルで街に落下。そこからはジミーという協力者にスマホを貰って事態を乗り切るためのヒントを指示してくれるようになる。ゲームで言うお使いイベントってやつ。あるターゲットを追いかけて体内にある機械を取り出すとか、それをジミーの居る所に持っていき体内に組み込んで延命させてもらったり、その間にも追手はずっと追いかけて来ているしイベントはどれもゲーム的でわかりやすい。バイオショックとかああいう感じ

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主人公が喋れた方がスムーズに事が進みそうなもんだが、わざわざ声が出せない設定にしたのは「この主観視点の主人公=主役はこの映画を観ている貴方!」という事を強調したいがためだろう。状況の説明は協力者ジミーや敵などが「主人公に話しかける」という形で説明してくれるので問題ないし実際、主人公が喋らない方が感情移入できた。まぁ何も記憶ないんだしろくな台詞を喋らなさそうだし主観視点じゃなくても喋れなくした方がいいかもしれない。「今から殺すつもりの俺によくこんなに色々教えてくれるもんだなぁ」などとつまんないこと思うのはやめよう。
スタントマンの頭部にGo-Proカメラを付けてアクションさせていて、大きな移動や銃撃戦などの頭を振らないアクションはいいが、序盤に多かった市街地での追いかけっこや格闘戦などでは頭振りまくりで視点が揺れまくってかなり観にくい。POVやゲームの主観映像見るとすぐに酔う人がいるが、そういう人が本作観たら5分も持たずに酔う気がする。僕は酔わない質だが、それでも視点があっちこっちに飛びまくる序盤は観ててキツいものがあった。だがしばらくすると気にならなくなった‥が俺が慣れたのか、それとも主人公が首振らなくなったのかどちらかわからない。
FPSゲームのように敵はこちらに向かって殴りかかってくるし、人はこちらに向かって話しかけてくるし主人公は声が出せないわ、監督の撮る段取りが上手いのも相まって、しばらく観てたら普通のアクション映画以上に没入感が半端なかった。恐ロシア的ウォッカがぶ飲みチンピラが近寄って来たら怖いし可愛い女の子と目があったら「あっかわいい‥」と一々ハッとさせられる。PSVR買って観たくなってきた。
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娼館で気絶した時に、ヘンリーが美しい妻エステルとSEXしてる映像が数秒映るのだが、没入して観てたせいかエステルとの絡みをほんの数秒観ただけでエステルへの執着心や「そうか覚えてないけどこのエステルとかいう女性は『俺』の妻だったのか‥」という疑似記憶が自分の中に湧き上がってる事に気づいてドキッとした。別に主観視点での絡みとかって映画やAVで何百回も観たはずなのに観てる最中にこんな疑似記憶めいた感情が湧いたのは初めてなので、やはり主観視点オンリーが生み出したマジックなのかもしれない(もしくは俺のIQが低いかのどちらか。またはその両方)。
しかし数秒の絡みを観ただけでそんな風に感じるくらいなんだから、凄いクオリティのVRのAVが観れる環境になったらVRゴーグルを付けたまま「ハッ気づいたら50歳過ぎてた‥!」という感じになって更にAVを観続けてそのまま死んでしまうような気がするのでVR映像を観れる環境を導入する勇気が未だにない(そこまでクオリティが高いのかどうかは観たことないから知らないが)。自分と同じ歳の有吉弘行PSVR買ってAV観たら、PSVRが熱くなるまで半日くらい観てたと言ってたし自分もそうなりそうで怖い。
多くの場面はワンカットだったりワンカット風で撮られてはいるが、退屈な場面(服を着替えるとか長い移動など)はバシッと切ってるし、戦闘の途中でも平気でカット切ってる。だけどワンカットが長ければ長いほど偉いわけでもないし、これ見よがしにクソ長いワンカットがあったりすると「あぁ!わかったわかった!偉い偉い!!」と逆にムカついたりするので適当なところでカット切ってくれた方がむしろ有り難い。
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一番好きな場面は中盤、ジミーのサイドカーに乗って敵とカーチェイスするシーンだろう。銃撃して敵車両を転倒or爆破させたりサイドカーで敵車両の内部を貫通したりヘンリーが大ジャンプして敵車両に飛び乗って車内に爆弾を投げ入れて爆破の勢いで再び大ジャンプして仲間の女の子のバイクのケツに飛び乗って、女の子の股間に手を伸ばして「えっ何?」と思ってると銃を取り出したとわかってそこからまた続いて‥という場面がめちゃくちゃ良かった。ラバーのキャットスーツとかって人気だけど自分は全然興味なかったんだけど(たぶん身近でラバーを見たことないから)ヘンリー=俺の視点でラバーのキャットスーツを着た女子のケツに飛び乗って、後ろ乗りさせてもらって彼女の腰に手を回してドキドキする数秒間を味わうとエロさが凄かった。数秒観ただけで擬似記憶をかまされる俺の脳もやばい。いつも映画を客観的にしか観てないから主観視点になられると子供みたいに色んな事が新鮮に見えるのかな(もしくは俺のIQが低いか)
あと娼館でのバトル。ゲームの舞台としては狭い所の方が面白い。GTAとか「ヒットマン・アブソリューション」とか「ディスオナード」でもストリップクラブや娼館で撃ち合いすると半裸の女が叫びながら逃げ惑ったりするし楽しさが半端ない。

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後半、ジミーと一緒に銃撃戦する場面も俺つえー感が凄かった。階段を登ってくる敵には全部ヘッドショットで倒すしジミーが蹴り飛ばして空中を吹っ飛んでる途中の敵に2発撃ち込んだりして、これ以上ないほど「強いヘンリー=強い俺」を感じた。なまじゲームでよくある場面っぽいだけに「今日の俺めちゃくちゃ上手いな‥」と、ゲームプレイと比較して映画のキャラの強さを感じられるという逆転現象を感じた。
ちょっとした場面だと、序盤で男をエスカレーターで追いかけてる途中で勢い余って可愛い女子を転倒させてしまう時に目が合うところ。野蛮なアクションの途中で一瞬、ハッ‥!という少女漫画みたいな不思議な時間が挟み込まれたことでめっちゃハッ‥!とした(ただぶつかって転倒した娘と目が合っただけだが)
また中盤、上昇する敵のヘリに捕まって上空に登った後にロープを切られて上空から真っ逆さまに落ちた‥がサイボーグだから平気で、ふと横を見ると馬が居たので馬に乗って敵を追うぞ‥と思って乗ると普通に馬に振り落とされて逃げられてしまう‥という場面も凄く良かった!‥この馬に逃げられたのはNGだったけど面白いから使ったのか、それとも再びヘリから落ちるスタントは大変だから良しとしたのか、どちらかわからないが馬に逃げられたことが却って、さっきの転倒して目が合う女みたいにハッ‥!とさせる文学的な瞬間をもたらしてくれた。何もかも流れるように事が進むと、どんなに凄い事してても慣れちゃうからね。むしろわざと失敗シーンを入れたほうがいいくらいだと思う。

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イカンの会社の屋上で行われるラストバトルでは、自分と同じパワーを持つ100人のサイボーグ兵士(aka白い服着たオッサン達)と1対100の接近戦するところもかなり凄い。
殴ったり刺したり撃ったりして数を減らしながら大ジャンプで移動してジャングルジムみたいな塔に飛び移って登ってくる奴らを蹴り殺したり、ビルの屋上によくある小屋みたいな部屋に籠城して入ってくる奴を撃ったりする場面を観ながら「ゲームで大勢と闘う時、背後から狙われたくないし敵の出現場所を限定したいから確かに俺も小屋とか行き止まりに行って迎撃したりするわ~」と共感できた。幼年期刃牙も壁を背にして不良軍団を迎え討ってたからな(こうすれば最大3人以上かかって来れないから)エネルギー切れになりそうになると敵の身体を引き裂いて電池を取り出して自分の体内に取り込んだり、最後の数十人と戦う前に救急箱のアドレナリン注射を両脚にぶっ刺したりする様も「うん、戦闘しながらも合間合間に回復アイテムをGETしないとな‥」と説得力高かった。
また、この主人公ヘンリーは観客がやってほしいことを全部やってくれるので、観ててストレスがない。
急いでる移動中に、少女が悪徳警官たちに輪姦されそうになってる現場を見つけて見過ごすことの出来ない正義感高いヘンリーはオマワリ達をブン殴る‥だけじゃなくてオマワリのチンコを握りつぶしたり警棒をオマワリの喉から身体の中までブッ込んで殺したりとオーバーキルしてくれる(しかも女性が犯されそうだった部位を責めて殺すのが良い)ので爽快感がすごかった。

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主人公ヘンリーが見る幼い時の記憶として父親役のティム・ロスが最初と最後に出てくる。有名な俳優はこのティム・ロスだけだ。何でティム・ロスなのかはよくわからん。きっと俺同様90年代に「レザボア・ドッグス」はじめティム・ロス映画を観まくったんだろうと思った。
そんで色々あってエイカンとのラストバトルを経て終わる。本当に楽しかった。
一応、主観視点であることや観客が本作を観ることや主人公がサイボーグであることなども上手いことストーリーにはめ込んであって、いい感じ。
記憶を失った主人公って「実は記憶を失う前は極悪人だった」とか、そんなオチが付きやすくて僕はそういうどんでん返しが嫌いなんだが本作はそんな事無くてよかった‥というか「どんでん返し」って幼稚だし物語に要らん。
そんな感じで全体的に視覚的快楽要素が凄く高い。
何か文学的なものやアカデミックな要素だけを映画に求めるような人には好かれなさそうだが僕は最高だと思った(‥とこんな事を言いながら僕本人が本作を舐めて観なかった奴だったのだが)
特に文句つけるとこもないわ。序盤、頭振りすぎてて観難かった事くらいか。‥感想書いてたら観たくなったので今からまた観ようと思う。

 

 

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この監督が次に長編映画を撮るのかどうかはよくわからない。
本作の後には、本作のメイキング風景を自分のバンドのMVにしたものや、
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僕も大好きな歌手ザ・ウィークエンドに頼まれて彼のMVを一人称アクションで撮ったものがある(この曲好きだったが、この監督が撮ったMVだったんや)

www.youtube.comこのウィークエンドのMVは完全に高いクオリティの無声短編映画になってるので本作に続く次回作だったと言ってもいいと思う。
相変わらずどうやって撮ったんだろうって場面が多い(可愛い華奢な女優を並走して走る車に投げ入れる場面とか‥)
それにしてもこの監督の映像は「最終的に女は怖い」って展開が多いね(‥と思ったが全てのフィクションがそうか)
その後は他のロシアのバンドのMVを一人称じゃない普通の映像で撮ってた。
何とかこの監督に、一人称アクション映画を撮りまくってほしいしVR専用アクション映画とかも撮って欲しいので今どうなってるのか調べてみたが、監督本人は一人称映画に関しては本作と上のウィークエンドのMVでアイデアと意欲を全て出して満足しきったので今後「ハードコア」続編や一人称映画を(やろうと思えばすぐに出来るそうだが)今の処やるつもりはないwとか言っててガッカリした。燃え尽き症候群?まぁ、監督がまたやりたくなる時を待つか、本作に影響された監督による一人称映画が出てくるのを待つしかない。
ホラーとかSFとかチャンバラとか‥本当に観たい。発展してくれ~
だけどシネフィルとかがめっちゃ嫌いそうな手法だよな。
もしくはVR映画に期待しよう。今の時点で大資本が作るVR映画はダースベイダー主演の三部作が予定されてる(というかベイダー以外のVR大作の予定とか他に知らないが)とりあえずベイダーに期待しとくか‥

 

そんな感じでした

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