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『search/サーチ』(2018)/パソコンの画面だけで映画が進む、割と誰が観ても面白いと感じそうなミステリー💻

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原題:Searching 監督&脚本:アニーシュ・チャガンティ 製作国:アメリカ 上映時間:102分

 

 


主演は韓国系アメリカ人のジョン・チョー氏。一番有名なのはJJ製「スター・トレック」シリーズのヒカル役か。今度作られるNetflixのドラマ版「カウボーイ・ビバップ」でスパイク役するのはこの人らしい。スパイクにしては雰囲気が真面目そう過ぎる気もするが‥まぁそれはその時に考えよう。童顔のイケメンなので若いのかと思ってたら中年の俺より更に年上だった。本作はずっと眉間に皺を寄せてモニター見てるのでベテラン漫才師みたいな般若っぽい顔になっている。
全編、パソコンのモニター上でストーリーが進む。だが主人公が外出時などはスマホや監視カメラの画面も入るが、この主人公は〈全編PC上で映画が進む〉を実現したいがためにスマホを極力使わず、家で電話をかける時は必ずPCからFaceTimeなどで通話する。「普段の生活でここまで頑なにスマホを使わずPCを多用しまくる奴が居るか?」という気がしなくもないが、そんな意地悪な考えは捨てて「この人はパソコンで色んな事するのが好きなんだな。入力スピードも早いし」と思って観るのが吉だ(その姿勢が真の面白さを掴み取る秘訣)。劇中98%くらいはパソコン画面なので謳い文句に偽りはない。そして主人公がPCやスマホなどのデバイスに触れてない時間は劇中で一切描かれない(その間の主人公の行動は、他人が撮ったスマホ映像やニュース番組のカメラ映像などで見れる)
ネタバレ無し

 

 

 

主人公には優しい妻と愛娘がいた。金持ち‥ではないんだろうが立派な家も持ってるし貧乏日本人の自分からしたらかなりの金持ちに見える。
思い出の写真や映像が流れて家族3人の事がスムーズに知れる。
妻はピアノと料理が得意な女性だった。この奥さん昔付き合ったことあるピアノが得意な女性に似てるな‥奥さんの活躍も楽しみだY、とか思ってたら奥さんは難病にかかって1分くらいで死亡した。お、奥さん~! 突然の別れ(そして無言の帰宅)。
父子家庭になった主人公一家。良い子の一人娘はピアノ教室に熱心に通っている。主人公はマリファナ好きだがナイスガイの弟と仲がよくビデオチャットでよく世間話をしている。そんな冒頭。
自分も主人公と年齢近いので家庭はないが感情移入して観やすいな。というかアメリカ映画やアメコミは主人公が大抵中年だから全部観やすいな。自分がジジイになったどうしよう。だがジジイになった時にはジジイの風が吹くさ。
一人娘は徹夜の勉強会に行くが何度電話しても出ないし家に帰ってこない。
やがて警察に通報し、女性刑事ヴィックが指揮を取り捜索が始まる。
主人公も、娘のSNSやメールなどから手がかりを得ようと調べる。
娘はTwitterやインスタはほぼやってない、Tumblr‥には自然の写真ばかりで手がかりがない。そこでFacebookでフォロワー90人近くに片っ端から電話して聞き込みする。
やがてわかってくるのは、娘には実は友人が殆どおらず、あんなに好きだったピアノ教室もしばらく前にやめていた。何故だ?そして映像生配信もしていた。他人とのコミュニケーション、理解者を求めているかのような行動が目立つ。
主人公は、自分が思っていた優等生の娘像と現実世界の娘との乖離に距離がある事に気づき、何もわかっていなかったショックを受ける。
そして、わかった事は逐一ヴィック刑事に教えて捜査していく。彼女もまた主人公の娘と同じくらいの息子がいるし親身になって熱心に捜査してくれる。
娘の行方不明が全米に知れると、電話で聞き込みした時に娘と親しくも何ともないと言っていたはずの同級生たちは、YOUTUBESNSでまるで娘と親友であったかのように嘆き始めた。無論アクセスやイイネ!を集めるためだ。

 

 

 

という感じで、SNSやその他のサービス、PCにあるファイルなどを調べて娘の内面や行動を調べて彼女の行方を探っていくミステリー。
観る前は「表示されてるのがPCのモニターだけって面白いのかな?」と思ってたけど、むしろ情報量が多い普通の映画画面よりも、1か0、過程と決定しか画面に表示されていないデジタル情報しか表示されてない本作の方がわかりやすかった。
主人公の顔がカメラに映ってない時間も多いが、カーソルの動きやクリックによる決定によって主人公の心理や感情が、顔を見せる以上に表現されていた。「自分がAIや機械だったら世の中がこんな0か1で可視化された風景として見えるんだろうか」と思った。
自分が知らなかった娘の私生活を知れた後の主人公は、意外な容疑者を見つけて監視カメラを仕掛けて尋問する。ここは、デジタルな映画だと思ってたら随分アナログで意外な容疑者が現れたことで第一の捻りがあった。‥と思うとその後3個か4個くらいどんでん返しが続くし、これまでの全編で色々見せてきた情報が伏線となって全て終盤に収束していって事件は終わりを迎える。とても面白かった。
凄い見事なミステリーじゃないですか?これ。だからといってコレが普通の劇映画だったとしたら「うーん地味だな」と思って最初から観なかっただろうし「全編PC画面」は絶対に成功だなと思った。
そして娘のことが全くわからず暴走気味だった主人公も捜査と共に変わっていく。映画が始まった時と終わる時では大きく違っている。立派な父親に成長だ。それも会話とかじゃなくて行動や写真などの「結果」のみで表現してるのが気持ちよかったですね。
面白い映画の中には、映画的リテラシーや専門的知識が必要なものも多いが、本作の場合、映画なんて普段観ない人にいきなり観せても楽しる映画な気がする。あまり興味なく観始めるが「このプロットどうなるんだ?」と気になって観てるとラストまでいって値段分の満足をくれるタイプの映画というか。脚本も書いたこの監督凄いな。
とある自白する男が突然出てくる周辺だけ凄く強引だったけど、その時間は既に「一体どうなるんや!」と前のめりに観てる佳境だったので少々の豪腕展開は気にならなかった。突飛な展開を「凄味」でねじ伏せた感じか。
あまり面白くないページになったが自分で捜査の進展を観ていかないと面白くないので内容にあまり触れない‥感想というより只の紹介って感じのページにしてみた。

 

 

そんな感じでした

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Searching (2018) - IMDb

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