gock221B

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『エクソダス:神と王』(2014)/十の災いライド、そして哀れなアホのラムセス👨🏻

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原題:Exodus: Gods and Kings 監督:リドリー・スコット
製作国:アメリカ 上映時間:150分


リドリー・スコットの新作、エクソダスを観た。
リドスコはもちろんファンだが、今まで出エジプト記や聖書について自分から遠いなと思って興味なくて観に行かなかったので今借りて観ている。
モーゼと言われても、せいぜい「モーゼ海割ったーっ」という「前田、長州の顔蹴ったーっ」レベルの知識しかない。
聖書も読んでいない。数年前「フリッツ・ザ・キャット」や「アメリカン・スプレンダー」作画や「クラムBEST」などに載ったようなオルタナコミックでお馴染みの、僕が好きな漫画家ロバート・クラムがコミックにしたので買って読んだのだが

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1コマで何千人と死んでまた次のコマで何十年と経ったりして「大規模過ぎて話についていけん。というかどう読んでいいのかわからん」と思って挫折した(これを機会にまた読んでみようと思ったが)

いわゆる聖書の話や神話はあまりに壮大すぎたり出てくる神などが、一体何を考えてるのかわからんすぎて「はぁ‥」と思っている間にストーリーが通り過ぎ「今の話は一体何だったのだ?」と呆然としがちだ。
今作もリドリースコットじゃなければ観なかっただろうな。
この映画も同様に、前半は登場人物や話に興味が無さ過ぎて、しかし見事な画面なり撮り方なので退屈はせずに観ていた。
前の王の布製カツラみたいなのの魅力が凄すぎたり、奥さん美人だな~とか小学生っぽい感想を抱いて観ていたが、ある日、モーゼが子供の姿をした神と出会う。
この神は、超常的な存在というよりも神懸かりになったモーゼの幻視とも取れるように描かれていて(どちらでも似たようなものだ)ちょいちょい出てくる。
この神、いいキャラしてるわ。こいつが出てから本作も観やすくなった。
モーゼがエジプトに帰還すると有名な「十の災い」が起きる。
ワニによる血の池地獄!ブヨ地獄!アブ地獄!疫病!腫れ物!蛙地獄!イナゴ地獄。雹地獄!暗黒地獄!長子皆殺し!‥と次々と起こるので、この辺はディザスタームービー的に凄く楽しかった。
しかも、明らかに超自然的な長子殺し等を除いて、科学的な要因ばかりで災いが起き、更にドミノ倒しのようにそれが連環していく様が面白かった。この辺まで来ると「この映画、面白い!」と認めるしかない
そういえばイナゴ地獄の曲が、イナゴが飛びまくる映画「エクソシスト2」のモリコーネが書いたテーマに少しだけ似てると思ったけど気のせいだろうか↓

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あと神の長子殺しの前にモーゼがラムセスの所にやって来て
「大変な事が起きるので、日没までに子供を隠しなさい」
ラムセス「何が起きるんだ!大変なことなの!?」
答えず神殿から歩き去るモーゼにラムセスが「ちょっと待って!」とか叫ぶ
映画などでこういう場面よくあるが、何故モーゼの肩を掴んで「待って!ちょっと待ってモーゼ!何で?!」と物理的に引き止めて具体的に訊かないのかが不思議で仕方ない
まあモーゼも御神託で「子供死ぬ」としか知らないんだろうから答えようないかもしれんが
あとラムセスの子の死体が、ダランとしてる硬くて重い人形っぽい死体が怖い

 


その後、新解釈のモーゼ海割り。リドリースコットによくある対決シーン等を経て終わる。ちょっと掴みどころのない大味さも感じたが十分面白かった。劇場で観てればもっと楽しめた事だろう、津波とか。
この観賞後感はプロメテウスの時と少し似てる。

あとはラムセスが度を超えるバカで(カラーリング的にも愚かなジャイアンといった感じ)
彼は頑丈すぎて、次々と不幸が彼を襲うが悪運が強く身体も頑丈すぎて、災害にあっても「何で朕がこんな目に?」とでも言いたげな顔をしたまま死なずに延々と酷い目に遭い続けるのが可笑しくてしょうがなかった。
最後には部下にも呆れられるが、優しいモーゼが相手してくれたので何とかメンツが立ったって感じで剣を持ってウオーッと雄々しく走り出すが、カッコよく斬り結ぶ事も叶わずあっさりTSUNAMIに巻き込まれてしまう。なんと哀れなハゲか‥
今思えば、腫れ物だらけの顔で呆然としてたり、自分のせいで全滅した自軍の死体の中で「朕は最強だったんじゃないの‥?」と呆然していた顔を思い起こすたびにフフッと可笑しくなってしまう。モーゼと仲良くしてればよかったのにね
「天変地異は完全に科学的な自然現象で、モーゼは神(内なる自分)の声でそれを察知し、それを材料にヘブライ奴隷解放を訴えたが、アホのラムセスは愚かにも聞き入れずエジプトは悪化していく。自分を信じた賢いモーゼとそれを信じたヘブライ人達も希望の地を求めて進み続ける‥」という話かな?とは思ったのだが、子殺しの災いだけが あまりにも超常現象すぎて、どうも引っかかる。
だから、その辺も全部、こじつけでいいから自然現象にしとけばよかった気もした。

ラストに亡くなった「トニー・スコットに捧ぐ」と出たので「ひょっとしたら、このラストの行進を続けるモーゼにトニー・スコットを投影してるのかな?」と思った。
しかし僕はリドリーはファンだがトニーの映画は殆ど観てないのでよくわからない。

聴き始めた長寿ネットラジオ「もてラジ」で、MCのぶたお氏は今作と、あと原作といえる「出エジプト記」の話をしてくれているが、この回が最高に面白い

moteradi.com

「神がファラオの心を頑なにする」天丼が物凄い面白さでオススメ。去年から聴き始めたばかりだがこの回が一番面白かった。すぐ消えてしまうのでDLしてから聞いた方がいい


そんな感じでした

リドリー・スコット監督作〉
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『エイリアン』(1979)/映画全体が掛け替えのないオーパーツ。本当に全編変わらぬ良さ。有害男性&害虫&猫映画としても素晴らしい👩‍🚀🐈️🥚 - gock221B

 

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