gock221B

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「イップ・マン 継承(2016)」敗北する展開を嫌がったタイソンが中盤で急に良い奴化して退場するのはどうよ

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原題:葉問3 監督:ウィルソン・イップ 製作国:中国/香港 上映時間:105分

ブルース・リーの師匠として知られる実在した詠春拳の達人、イップ・マン(葉問)。
葉問 - Wikipedia
そんなイップ・マンをドニー・イェンが演ずる映画シリーズの第3作目。
1作目「イップ・マン 序章(2008)」では日本軍と闘い、2作目「イップ・マン 葉問(2010)」では洪拳の達人サモ・ハン・キンポーと丸テーブルの上で物凄い死闘を繰り広げた後にどうでもいいイギリス人ボクサーを倒した立派なイップ・マン氏。
本作ではマイク・タイソン演じる地上げ屋詠春拳の達人などと闘いつつも、妻との触れ合いが描かれる。

ドラゴンもっと見せてよ
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前作ラストで幼い頃のブルース・リーがイップ・マンの門を叩いたが子供だから追い返されたらしく冒頭で成長したブルース・リーが再び訪ねて来る。
演じるのは少林サッカーブルース・リー好きのゴールキーパーを演じていたブルース・リー好きのアイツ。
しばらく観ない間にずいぶん鍛えなおしたな‥
随分カッコいい身体になっており脚も上がるようになった

それにしても只のヒョロガリのブルース・リーオタクだった あんちゃんが世界中のスクリーンで本物のブルース・リーを演じてるんだから、遂に夢を叶えたなと思った。
成長したブルース・リーが出たからには、本作ではドニー・イェン演じるイップ・マンとブルース・リー共闘が全編見れる?
‥と思ってたがイップ・マンへの弟子入りは失敗。殆ど出てこずガッカリした。


ムエタイのやつ最高
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前半から中盤は、マイク・タイソン演じる不動産王と地上げ屋軍団との闘い。
輩たちはイップマンの息子が通う小学校を立ち退かせたい。
タイソン配下の地上げ屋はモロに昔ながらの直情的な輩で、学校に乗り込んで来て校長をぶん殴って無理矢理ハンコ押させようとしたり、それが失敗したら小学校の門を鎖で開かなくしたりと、原始人レベルの嫌がらせをしてくる。
警察の上層部にはタイソンの息がかかってるので警察は逮捕してくれない。
警察が掌握されてるとはいえ逆にイップ・マン達が捕まるわけでもない。ただ地上げ屋に手出しできないだけだ。
単純にイップ・マン一派vs.地上げ屋軍団のボコりあいを成立させるための舞台装置としての圧力。
単純に腕力のある方が勝つという、観ようによっては古き良き時代の爽やかな勝ち負けの世界が繰り広げられる。
イップ・マン一門は地上げ屋軍団を何度もボコボコにして追い返す。
イップ・マン夫妻がエレベーターに乗ってると、地上げ屋軍団に雇われた素手のムエタイの使い手(ムエカッチュア―?)が送り込まれてくる。
イップ・マンは狭いエレベーター内で妻を守りながら彼と闘い、彼と共にエレベーターから出て狭い通路でバトル。

ムエタイを打倒した後、後から到着したエレベーターからイップ・マン夫人が出てくるのをイップ・マンが待ち受けてる場面はスマートでお洒落だった。
ボコったムエタイに対してもイップ・マン「早よ帰れ」って追い返し、爽やか。
このタイ人は中ボス以下の小ボスだが、このバトルが一番面白かった。

タイソン?
映画はまだ中盤だがタイソンの事務所に乗り込んで対決する。
‥というか死闘ではなく「3分間持ちこたえられたら手を引くぜ」系のスパーリング。
タイソンのパンチやステップは重くてかなり迫力ある。バトルを繰り広げる二人。
一通り手合わせして3分間経過するとタイソンはニヤリと笑って「なかなかやるな」って感じで引き上げる。愛する妻と娘と共に‥。
何これ。
遺恨の螺旋を積み重ねて、人力車ニキもやられて妻の後押しでタイソンに挑むラストバトルで死闘を繰り広げるのを期待してたが、ここでその流れは終った。
それまで罪のない市民を部下に散々ボコらせたり警察に圧力をかけていた悪人タイソンだったが、急にフェアなバトルをして男らしく地上げを止めてしまう。
しかも何故か、特に内容のない悪者の癖に妻子が大事で仕方ないという誰も見たくないウィル・スミス要素まで足して。。
きっとタイソンは「ドニー・イェンに負ける」のが嫌な事はおろか「ドニー・イェンと引き分ける」事も「ドニー・イェンと闘って疲労する」事すら嫌で、悪役の癖に無傷でフェアに退場、しかも妻子が大事な憎み切れない悪役‥という要素が無ければ出演する気がなかったんだろう。
こんなダサい敵なら無理してタイソン出す必要なかったと思う。
ロッキー3」のホーガンは序盤のエキシビジョンマッチだったからまだいいが、真の敵みたいな感じで予告やポスターに載ってて、このしょっぱい悪役っぷりで中盤で勝手に消えるのはかなりガッカリした。
強くて怖いイメージを保ったままキッチリやられる「エクスペンダブルズ」のストーンコールドやヴァン・ダムやメル・ギブソンを見習ってほしい。
イップ・マンの弟子と小学校の美人教師のくだりも打ち切られるし、何だかイップ・マン一門vs.地上げ屋戦は盛り上がらないまま急にハシゴを外されたムードで終わってしまい何だか拍子抜けした。
タイソンはカッコよさをはき違えている。
彼が出来る一番カッコいい事、それはクソ強いクソ野郎に徹してイップマンをボコりつつ最後には逆転され、イップマンがトドメ刺そうとしたら風船を持ったタイソンの愛娘と妻がイップマンの目に入り「この街に近づくな‥」と見逃される事だった。
そして妻の事を思い出したイップマンが妻と最後の日々を過ごすのだ。
などと俺が言うまでもなく、制作陣の脚本はきっとこうだったはず。。

人力車ニキ?
全編出てくるキャラに、イップ・マンの息子の同級生の父親がいる。
彼はイップ・マン同様、詠春拳の達人なのだが人力車で生計を立てており貧困の中、男手一つで息子を育てている。
彼は前半、行きがかり上イップ・マンに加勢して地上げ屋軍団をボコる。
「なるほど味方か‥」と思ってると敵に金で雇われて善人の詠春拳老師をボコボコにする。
「なるほど貧困ゆえの悪堕ちか‥」と思っていると、罪悪感に耐えられなくなったのか地上げ屋軍団を突如裏切ってイップ・マンに加勢する。
「一度は道を誤ったが、改心したようだな‥」と思ってると、かなり強いタイソンが映画から退場した途端、敵になる。
詠春拳最強はイップ・マンではない!俺だ!」とか言い出して、食堂でおいしくご飯を食べている町の武術家達をかたっぱしからボコボコにして5分くらいでグランドマスターへと成り上がりラスボスと化す。そしてイップ・マンに決闘を挑む。
何こいつ? このキャラでどう盛り上がればいいのか。
タイソンが一抜けしたから無理矢理ラスボスにされたようにしか見えない。
イップ・マン同様に詠春拳の達人で同じく父親‥という事は、イップ・マンが妻の病によって揺れ動く自分の内面と闘う‥って感じの自分との闘いなのかもしれない。
この人力車ニキは、物語の都合によって急に敵になったり良い奴になったりまた敵になったり‥と、川に浮かぶ葉っぱのようなキャラだった。
この人力車ニキはイップ・マンの事をライバル視してるが、イップ・マンは妻の事で頭がいっぱいだし彼の事など何とも思っていない。
人力車ニキ、何とも哀れなキャラよ

妻‥
前半からイップ・マン夫妻のすれ違い生活が続いているうちに夫人は病に侵されてる事が発覚する。
中盤でタイソンは家に帰ってしまったので、終盤は病気になった夫人とイップマンの触れ合いが描かれる(それプラスさっき言った人力車ニキとの絡み)
イップ・マンは闘いを一時やめて自分の時間を妻に全て使って過ごす。
やがてイップ・マン夫人は夫に「あなたらしく在るために闘って」と、ロッキー3のエイドリアンの「勝って」的なノリで闘いを勧める。ここもいい場面だった。
冒頭からの流れがタイソン離脱と共に全部消えてしまったのは不満だったが、この夫婦の触れ合いは良かった。

各バトルやイップ・マン夫婦の触れ合いなど、場面場面でいいところはあったが長編映画としては全体がかなりとっちらかっていた。
なんだか第二幕で一つの映画が一旦終わって、第三幕から続編映画が始まったかのような違和感があった。
次回作あるのかどうか知らんが次こそはブルース・リー育成&共闘やってくれや

そんな感じでした

gaga.ne.jp

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