gock221B

映画その他の感想用ブログ(2015年開設) http://gock.flavors.me/

「皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ (2015)」いまにみていろイタリア幻人、全滅だ

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原題:Lo chiamavano Jeeg Robot 監督:ガブリエーレ・マイネッティ
製作国:イタリア 上映時間:119分

何ていうカッコいいタイトルなんだ。
こんなにカッコいい邦題はなかなかない。しかもこれ監督自ら付けたタイトル。
この、上のポスターとか、日本版ポスターじゃないからね。
イタリア映画なのに全てのポスターに日本語ゴシック体でこのタイトルが書いてある。

T.レックスの「ズィンク・アロイと朝焼けの仮面ライダー」と同じくらいカッコいい

鋼鉄ジーグ?(ここは映画本編と関係ないので飛ばしていい)
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鋼鉄ジーグは1975年から放送していたダイナミック企画のロボットアニメ。
ダイナミック企画のロボットアニメというのは、マジンガーZとかグレートマジンガーとかグレンダイザーとかゲッターロボシリーズとかマグネロボシリーズとかガイキングとか獣神ライガーとか‥あの辺だが、興味ある最近の若い子はスパロボとかで知って俺より詳しいし、興味ない人に説明しても聞かないから意味ないのでダイナミックロボについての説明はこれでやめよう
関係ないけど僕はダイナミック系ロボだと、ベタだがマジンガーZが圧倒的に好き(ガンダムエヴァより好き)。好きなキャラも兜甲児かな‥。ヒロインは弓さやかと炎ジュンか(剣鉄也は子供にはハードボイルドすぎて理解できなかった)。獣神ライガーも地味に好きだった。漫画だと、大人になって全部読み返した結果、石川賢の「ゲッターロボ號」が一番面白かった。
ぶっちゃけマジンガーシリーズとゲッターは大人になっても何度もリメイクされたりする度に観たり旧シリーズを観たりもしたが他のやつは幼少期にチラッと見ただけなので全く覚えていない。
鋼鉄ジーグに至ってはオモチャやロボット大百科で存在は知ってたが全然観てない。

イタリアやフランスその他の国では永井豪ダイナミックプロのロボットアニメは多く放送されて1980年前後に大人気だった事は昔から有名。
特に「UFOロボ グレンダイザー」はフランスとイタリアで1980年前後に最高視聴率80%以上を記録した‥とよく聞くが、国民が老若男女ほぼ全員観てたって事?そんな事ありえる?そして何故マジンガーZより人気なの?とか色々疑問はあるが、まあいい
グレンダイザーはマジンガーよりもキザで優雅で女キャラが多いからかな?
まあとにかくイタリアやフランスの40代のオッサンはダイナミックプロスーパーロボットで育って一部のヲタや本作の監督みたいにずっと好きなオッサンもいる‥という感じだと思っておこう。
この監督は、マジンガーZやグレートやグレンダイザーやゲッター等ではなく「鋼鉄ジーグ」を選んだ。それは何故かと言うとインタビューで言っていた
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他のロボットは人が操縦してるだけだが鋼鉄ジーグは主人公・司馬宙が丸まってジーグの頭部そのものに変身するから一体感が凄い。主人公自身が超人的な力を持ってるのが好き。そして強化パーツはヒロインの卯月美和が射出する。本作でも主人公にはヒロインの支援が必要で、そういったところが描きたかったところ。あとカラーリングが好き」とか、そんな感じの事を言っていた。
ジーグ=司馬宙の身体性と、ヒロインと連携するところに燃えていた感じか?

超人の誕生
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主人公は無職のオッサン。ヨーグルトとポルノが大好きな下っ端ギャングだ。
GTA」シリーズに出てきそうなタイプ。
一見むさいオッサンだが、よく見ると切れ長の眼を持つハンサムだった面影がある。
愛嬌もあるし腹も出てない。イケメンとは言えないが中々いい男だ。
このキャラの年齢は見た目ではわからない。俳優を検索したら僕と同い年だった。
監督もそうだし、この主人公は恐らく30代後半~40代前半くらいだろう。
映画の冒頭、オッサンはチンピラに追われて海に飛び込んで回避する。
オッサンは海中で工場廃液のようなコールタールのような謎の黒い液体を飲んでしまう
オッサンは帰宅して寝込み、目覚めるとスーパーパワーを手にしていた。
アメコミヒーローやヴィラン誕生の典型的なパターン。
能力を具体的に言うと、
・ATMを引きちぎって担いで持って帰れたり路面電車を持ち上げてレールから外せるくらいの程度の怪力。スピードは普通
・微弱なヒーリングファクター(超治癒能力)もあるっぽく不死身っぽい
・衝撃に強く高所から落下しても平気。だが何故か刃物や銃撃では普通に怪我する
MARVELヒーローで言うとジェシカ・ジョーンズ程度の微妙な強さ。
漫画で言うと範馬勇次郎より少し強いくらいか?
まだ自分が超人になった事に気付いてない主人公。
彼はいつもの様にギャング仕事していて先輩ギャングが死亡してしまう。
その時、ビルから落とされるが無事。これで自分の能力にやっと気が付く
その死んだギャングにはいい歳した娘がおり、彼女は天涯孤独の身となる。
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主人公は、街を牛耳るアホのイケメンギャング一派から偶然この娘を助ける。
このヒロインは美しいが頭がイカレていた。
辛い過去から、自ら妄想の世界‥日本アニメ「鋼鉄ジーグ」の世界に閉じこもり「鋼鉄ジーグ」と現実との境目がつかなくなっている
彼女は強い主人公に助けられ、彼の事を「鋼鉄ジーグ」主人公の司馬宙=ジーグだと思いこみ懐く。
主人公は怪力を手にしたが、このオッサンは只のギャングなのでATMを引きちぎって持ち帰り金を盗むだけ。
その盗んだ金で何するかといえば好物のヨーグルトとポルノDVDを大量に買い込むだけ
骨の髄まで貧乏なこいつに親近感が湧いた(女を買うわけではなくAV大人買いというところが可愛らしい)。
全然関係ないがこのオッサンは猟奇的な真っ黒いビキニパンツを履いている。
ATMを盗む映像がYoutubeに流れ主人公はイタリア貧困市民の間でヒーロー視される。
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街を牛耳るイケメンのアホのギャングは国民の注目を集めている主人公にジェラシーを燃やす
この全編通して主人公と争うギャングはイタリアの気候に脳をやられたモノホンのバカ
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バットマンで言うところのジョーカー。だがジョーカーみたいに賢いわけではない。
マッドマックスや北斗の拳に出てくる何も考えてない雑魚がボスになっちゃった感じ。
バカなので先の事考えていないし善悪の区別もなく、感情100%で動くので気に入らない事があれば先の事は考えず誰でもすぐに殺す。
こいつは昔、子役スターだったらしい。その栄光が忘れられないのかギャング活動なんて本当はどうでも良く「有名になりたい」という事しか頭にない。。あと潔癖症

 

愛を知ったオッサン
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助けた気狂いヒロインに懐かれ、嫌々ではあるが同棲し始めたオッサン。
ヒロインに「早く出て行け!」とか言いながら「鋼鉄ジーグ」DVD-BOXセットを買ってジーグの勉強に余念がないツンデレ系のオッサン。
プロジェクターで一緒に「鋼鉄ジーグ」を鑑賞しながら良い雰囲気になってきたので、隣に座るヒロインに寄っていくオッサン。
エンター・ザ・セックス(「SEXが始まる寸前」を意味する俺が作った言葉)
しかしヒロインはオッサンの性欲を感じ取って泣きわめく。
わめいた内容から何となく伝わってくるのは、このヒロインは母が死んだ時に男にレイプされた事が原因で気が狂ったらしい、ということ。
このヒロインを見るとイタリアの怖さがボンヤリうかがえた。
イタリアと言えば昔、知り合いが旅行で行ったら夜道じゃなく観光旅行客が大勢いた昼間の広場で突然大男にブン殴られて金取られて放置されて数年間下半身が麻痺したり、違う知り合いがやはりイタリアの電車内でデカい男にカツアゲされた話を聞いて怖すぎるのでもう行きたくなくなった。

主人公は「お前が嫌なら、俺は何もしねーよ‥」と紳士的態度を取る
オッサンの優しさが通じたのか、遊園地デート中にヒロインはオッサンを誘い、日本アニメショップの試着室でFUCKする。
だが、主人公の身勝手なFUCKの仕方から、オッサンの中の「自分が良ければいい」という要素を感じ取ったヒロインは怒って帰る。
オッサンはヒロインに謝って仲直り。だが主人公の素顔がYoutubeに載ってしまう。

 
スーパーヒーロー誕生
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ヒロインの助言もあり、人助けに目覚めつつある主人公。
アホのイケメンギャングは、主人公を狙いつつも姐にあたる女ギャングとの抗争をしている。
オッサンvs.アホの構図だと単純すぎるので、この横道は面白い。
まあ、色々な事がありつつもオッサンは最後にやっとスーパーヒーローとなる。
スーパーヒーローの正確な定義は知らんが、俺が思うそれは
「特殊なパワーや技術を持った人物が。利他的な動機で人助けする、又は悪と戦う」
って感じ。
この映画の本編は、俺が異常に好きな一般人ヒーロー映画「スーパー!」みたいな一般人ヒーローものというよりは東映の任侠映画やヤクザ映画みたいな内容だった(本当のヒーローになるのは最後だからね)
スパイダーマン」で喩えると、ピーターが調子に乗ってたらベン伯父さんが強盗に殺されて強盗に復讐して反省し、人助けを一生していこうと決意するスパイダーマン誕生のくだりまでを映画化したようなものかな。
エンドロールには主人公のオッサン役の俳優が唄う「鋼鉄ジーグイタリア版主題歌のバラードバージョンが流れる。かなり良い感じで水木一郎も感動したらしい↓
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感想
・良くないところと言えば、主人公のオッサンが超人の割には何かと迂闊すぎる。
迂闊なのは只の無職のオッサンなので仕方ないが、まるでストーリーを展開させるために主人公をわざとボケボケさせてる感じがちょっとなと思いました。
昨今のアメリカ映画では、そういったツッコミどころをなるべく減らして「そういう事なら仕方ないよね‥」という説得力を増してる傾向なので、本作のそういうところが悪い意味で80年代のアメリカ映画や邦画っぽいなと気になりました。
(というか終盤、ヒロインも超人にすれば良かったんじゃ‥)
・あと、僕個人の好みだけで言えば、ウェットで人情的な描写や展開が好きじゃなかったです(これは人それぞれな好き嫌いの領域なので僕以外には関係ない)
でもそれらは些細な事で、客観的に言うなら面白くて良い映画だったのは間違いない。


そんな感じでした
www.zaziefilms.comwww.imdb.com

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