gock221B

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『イコライザー THE FINAL』(2023)/イタリアの町が素晴らしすぎて冒頭で死んだマッコールが死ぬ間際に見た夢みたいだった。マッコール神拳の脱糞の経絡秘孔もっと見たかった👨🏾‍🦲


原題:The Equalizer 3 主演&製作:デンゼル・ワシントン 監督:アントワーン・フークア 脚本:リチャード・ウェンク 原作:マイケル・スローンのTVドラマ『ザ・シークレット・ハンター』(1985-1989) 製作国:アメリカ 上映時間:109分 シリーズ:「イコライザー」シリーズ第3作目(完結編)

 

 

死ぬほど強い元DIAエージェントのマッコール氏が罪のない人たちのために悪い奴らと戦うTVドラマ『ザ・シークレット・ハンター』(1985-1989)をデンゼル・ワシントン主演でリメイクした人気シリーズ第3作目。
「FINAL」と題されてるのは邦題だけなので「『ランボー 最後の戦場』(2008)みたいに別に最後じゃないのに日本が勝手に付けたのか?」と最初は思ってて調べたら、監督もデンゼル・ワシントンも完結編のつもりだそうなので「FINAL」で合ってたみたい。

ネタバレあり。今回はネタバレ多めです

 

 

 

 

元DIAエージェントであり、強迫性障害を持つロバート・マッコール(演:デンゼル・ワシントン)。
イタリアシチリア島にてマフィアのワイナリーを襲撃、いつものように皆殺しにして目的の物を見つけた。しかしマフィアの子供に撃たれてしまい自決しようとするが弾切れ。どちらもマッコール氏らしくない失態。子供だから油断したのだろうか。
車でイタリア南方の田舎町まで走ったところで気絶。
イタリア国家憲兵に助けられ、町の名士である医師に助けられる。

医師は銃創があるマッコールを問いただしたり警察に連絡するわけでもなく「君は良い人間か?悪い人間か?」と尋ね、マッコールは「わからない」と答える。
この問答は終盤で明確な答え合わせがあるが、それは置いといても誠実な返答だと思った。
マッコール氏は基本的には善人で善良な人々と友好関係を結び、時には命懸けで彼らを無償で助ける。しかし、その一方で悪を滅すると決めたら悪漢達を一切の法を無視して私刑によって惨殺する。惨殺した悪人にも家族がいるし、中にはもっと悪い奴に脅されたり家族の病気を治す治療費のため仕方なく雇われていた者も居たかもしれない、しかしマッコール氏は一度殺すと決めた相手側の者は問答無用で皆殺しにしてしまう。いちいち全員を面接して素性を調べるわけにもいかんので「今すごい悪い奴に着いてるこいつもめちゃ悪い奴だろ」という事で、法の裁きを受けさせるとか更生の機会とか一切考慮せずブッ殺す。しかし観ているこちらとしては最初から「マッコール氏は善人で敵はただただ悪いだけの奴、これは勧善懲悪系の作品」という前提で見てるので別にマッコールの責任など問うつもりはないし無邪気に「悪漢共に御仏の慈悲は無用!」とばかりにマッコールの殺戮を応援してられるのだが、もし自分がこの『イコライザー』という作品世界の中に生きててマッコール氏みたいな人物が野放しになってたら大いに恐怖だ。神の視点なしでマッコール氏と同じ世界に生きてたらスーザン等の元同僚や1のクロエ・モレッツや2のマイルズや本作のダコタ・ファニング等のように直接助けられない限り、マッコールがどんな人かなんて判断できないからね。

話を戻して、イタリアで療養を始めたマッコール氏。彼は杖をつき町を散歩したりカフェでお茶してる間に、心温かい医師や町民たちが住むこの美しい町を愛するようになる。カフェの女性とも良い感じだ。
このイタリアの港町、石で出来たタトゥイーンの建物みたいな路地や歴史を感じさせる建物など、マジで美しい。
この美しい町にはボスとその若い弟が仕切るマフィアが存在し、この町を買収してリゾート地にしようとしている。そのため町民に無理難題をふっかけて痛めつけたり殺したり放火したり、マッコールを助けてくれた憲兵が国に助けを求めようとしたらボコって脅したりしていた(関係ないがモデルのソニア・ベン・アマルが憲兵の妻を演じており凄い美人)。マフィアは町民たちに出てほしいわけだ。
それに気付きつつ静観していたマッコールだったが、レストランで憲兵一家にマフィア弟が再び絡む現場に出くわした(このシーンのマッコール氏の顔があまりにも怖すぎて笑えてくる ※このページ最下部のGIF動画)。マッコールは今度は我慢せずマフィア弟の腕を極め手のツボを強く掴んだ。
マフィア弟「ぐわああっ!痛いぃっ!」
マッコール「七百八ある経絡秘孔の一つ”脱糞”を突いた……私がもう数ミリ強く掴んだ時、貴様はクソを漏らす
マフィア弟「や、やめろ手を離せ!このイカレ野郎っ!」
マッコール「君はクソを漏らさずにいられるのかな?Salute! (乾杯!)グリ……
マフィア弟「だ、だから何を言っているのかわからないぃーっ!」
マッコール「このレストランのコックは今から貴様だ……。Vorrei ordinare di nuovo. (追加注文をお願いします)グリ……
マフィア弟「わ、わかった!クソを漏らさせるのだけはやめてくれ!出ていくよ!」
マッコール「Basta cosi. (注文は以上です)」パッ
という感じでマッコールはマッコール神拳を初披露しマフィア弟に恥をかかせて退散させる。この際だからマフィア弟がクソという名の追加注文を一品くれるところも見たかったが、愛する町の人達が居るレストランだから脱糞させるのはやめておいたのだろう。
リストランテにクソは御法度。
町外れに逃れたマフィア弟は「今からあのアメリカ人を殺しにいくぞ!」と激怒している、既に背後に迫っていたマッコール氏は、襲撃を待たずマフィア弟とその側近を皆殺しにする。ナイフを持ったマフィア弟の腕を、骨が飛び出すほどへし折り、そのまま腕を本来曲がらない方向に向けて刺しまくって殺すという爽快なやり方で……これもいいが折角だからもっとマッコール神拳を見たい、そんな気持ちもあった。
一方、マッコール氏は冒頭で襲撃したマフィアのワイナリーのことを匿名でCIA新人捜査官エマ・コリンズ(演:ダコタ・ファニング)に教える。
優秀なエマはほどなくしてマッコール氏を発見。エマは、正体不明だが元国家機関の者だと匂わせるマッコールに対して「なぜ私に教えたの?」と訊くがマッコールは答えない。
弟を惨殺されたマフィア兄は激怒。
エマに調査された警察署長(勿論マフィアとズブズブ)がマフィア弟の葬式に来て牽制してきたのでマフィア兄は手首を斬り落とす荒れ狂いっぷり。だがちゃんと落とした手首を氷漬けにして病院まで車で送ってくれるのが面白い。手首を斬って放り出したらショック死しかねないし、そしたら脅しの意味ないもんね。
またエマもあやうく爆死させられそうになり入院する。
マフィア兄は町に来て弟を殺した者を探す、町民に被害が及ばないようマッコール氏は名乗り出る。勇気ある善人揃いの町民たちはスマホで録画する事でマッコール氏を助ける。
マッコール氏は、恐らくわざと捕まってアジトに自らを拉致させ、町民が誰も居なくて敵だけが居るそこで悠々と皆殺しにしようとしてたのだと思うが、愛する町民にまたしても助けられた。
本当に素晴らしい町と町民だが、あまりに最初から最後まで素晴らしいので逆に「冒頭に子供に撃たれたマッコール氏が死ぬ前に見てる夢みたいだな」と思った(メタ的には同じ様なものだが)。
一旦、引き返して後日、町を地獄に変えようと意気込むマフィア兄だったが(どうでもいいが、ここでマフィア達が食ってるミートボールスパッティがめちゃくちゃ美味そう)既に忍び込んでいたマッコール氏に(いつものように)皆殺しにされる。
一作目からそうだが、もう殆どスラッシャーホラーの殺人鬼みたいに描かれるマッコール氏。あまりに強すぎて、本作冒頭で子供に撃たれたのが最大のピンチで、とうとう三作通じて遂に全くハラハラする事がなかったのが面白い。マッコールにはハラハラしない代わりに、マッコールの周囲の善人などはいつ殺されるか又は暴行されたりするのではないか?とハラハラした。『ジョン・ウィック』シリーズ観てる時に犬が殺されるのを心配する気持ちと同じ。
冒頭、マフィアのワイナリーを襲撃したのは、まかり間違ってギャングの懐に入ってしまい困っていた老レンガ職人の年金を取り戻すためだった、そしてその大金をエマに届けて欲しかったのだ。入院しているエマに大金を預けるマッコール氏。
「何故そこまで会ったこともない人のために……?」と驚き通り越して引き気味のエマ。そうそう、よくよく考えると(考えなくても)マッコール氏は殆ど気が狂っているように見える。ただし「困った人を助けて悪人を殺す」という勧善懲悪の方向に狂ってるからヒーローみたいに見えて誰も困らないだけで。マッコールは前半、自分がやってきた殺しを思い返していた。自責の念からの罪滅ぼしそれが強迫性障害によって極端になったのか、わからないがとにかく「困った人を助けて悪人を殺す」という方向で狂っているように見える。
そして何故エマに目をかけたのかを彼女と我々観客に説明する(今回ネタバレしすぎたのでここは書かんとく)。それにしてもデンゼル・ワシントンと元天才子役ダコタ・ファニングといえば故トニー・スコット監督の『マイ・ボディガード』(2004)の主演コンビを思い出す。アントワーン監督も同作が念頭にあったらしい。あの映画の主人公ふたりの現在みたいにも見えなくもない?

マイ・ボディガード』(2004)

いつも住処を転々としていたマッコール氏だったがイタリアのこの愛する町を安住の地として選び素晴らしい仲間達に輪に入っていく。実際にお祭りが始まり、いつものカフェでお茶してたマッコールも、良い感じになってた店主の美人と共に踊りの中に入っていく。もう『イコライザー』シリーズの世界から降りて、この町の人々の中に消えていった……というような演出で良かった。
マッコール氏はシリーズ通して、元々少なかった家族も友達も誰もいなくなってしまっていたし前半ではランボーの様に暗い感じで過去の自らの殺しを思い返してたので「これはランボーとか他の殺し屋映画みたいにマッコールも死ぬエンドか?」と思ってたけど、まさかの「幸せに暮らしましたとさEND」という、ほっこりハッピーエンドで終わったのは意外で良かった気がする。
他の殺し屋映画の時に思ったけどトラウマがあるからといって最後に死ぬ……という結末もアリだしその方が映画的にドラマチックだとは思うが、何となく今の時代だと死なない方が今って感じがする。僕は元々、早死にするドラマチックなロックスターよりもドラッグやめてヨボヨボになって長生きするデヴィッド・ボウイとかローリング・ストーンズの方がカッコいいと思ってる派だから尚更か(しかもボウイは亡くなったがストーンズはまだ生きててしかも80歳でLIVEはおろかニューアルバムまで作ろうとしててヤバい)。

……という感じで何か流れでストーリー殆ど書いてしまうしょうもないタイプの感想になったが、面白かったです。
さっきも言ったが死なない明るい終わり方が良かったね。全3作の中だと……結局1作目が一番よかったかな?極端に言うなら一作目だけで良かった気がしなくもない。が、2も3もそれなりに楽しみました。

 

 

 

 

そんな感じでした

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〈他のアントワーン・フークア監督作〉
『サウスポー』(2015)/主人公が凄い速度で堕ちてフォレスト・ウィテカーに出会って凄い勢いで急浮上する映画🥊 - gock221B

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The Equalizer 3 (2023) - IMDb
www.youtube.com

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