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「ヤング・アダルト・ニューヨーク (2014)」”中年と若者”じゃなく”純粋かそうじゃないか”という話?

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監督&脚本&制作:ノア・バームバック
原題:Whille We're Young 製作国 アメリカ 上映時間 97分

 

この監督の映画はデビュー作「イカとクジラ (2005)」と二作目の「マーゴット・ウェディング (2007)」だけ当時観た。特に理由はないがそれ以来観てなくて存在を忘れてたけどhuluで見かけて、主演の四人とも好きな俳優ばっかだし観た。

割とネタバレしてます

 

 

Story
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ブルックリンに暮らす40代夫婦
ジョシュベン・スティラー)はドキュメンタリー監督で、成功した前作から8年経っても次回作が完成せずにいた。
その映画プロデューサーコーネリアスナオミ・ワッツ)は、妊娠する度に流産していて子供が出来ない。

お互いに欲しいものを産み出すことができず、楽しく過ごしてはいるがもう若いわけでもないという宙ぶらりんで停滞した状態。
同年代の親友夫婦と会っていても、赤ちゃん自慢されるのが辛い。

そんな彼らは、ドキュメンタリー作家志望ジェイミー(アダム・ドライバー)と、そのアイスクリーム職人ダービーアマンダ・サイフリッド)と知り合う。
ジョシュ&コーネリアスは、若くて自由でクリエイティブな日々を過ごす彼らに夢中になりエネルギーを取り戻す。
そんなある日、ジョシュはジェイミーのドキュメンタリー作品作りに協力するが‥
みたいな話

 

 

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前半は主人公の中年夫婦が若い夫婦と知り合って、彼らのクリエイティブな生活や怪しいグルのところで何やら薬物(吐いてたからサボテンだろう)を食って自己の拡大を図るのを楽しむ描写が楽しそうでいい。単純に若者の遊びを全力でやるのだから楽しいだろう。ジェイミーを怪しんでたコーネリアスも、親友のママ活に付き合ってると辛いので若者グループとつるむようになる。
主人公が自分より少し歳上なだけだし、僕はアクティブな人間ではないので昔からジェイミーみたいな人とばかり仲良くなろうとしがちだし、数年前まさに本作のアダム・ドライヴァーに似た若い奴と仲良くなって本作に少し似た事が起きたりしたのもあって感情移入できて楽しかった。
ジェイミーの家に行くと居候の女の子が下着でうろついてる。あるある、パンツ一丁の女の子が歩き回ってるアーティストの家。
仲良くなった四人が会話してて、四人とも思い出せない事柄があったのでジョシュがいつもの癖でスマホで検索しようとすると、アナログ派のジェイミーに「やめようよ、思い出せないって事はわからなくてもいいってレベルのことなんだからわからないままでいとこう。その方が楽しい!」と言う。いかにも自由な若いアーティストが言いそうで印象に残った。実際に楽しそうだし。だが最後まで観ると「『思い出せない事は調べなくてもいい』‥なるほど」と思わされる。
そんな感じで台詞が何かと上手い(きっと英語のリスニングができればもっと色々な面白い台詞があるんだろう)

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主人公ジョシュは若いジェイミーとドキュメンタリー映画を撮り始めるが‥徐々にジェイミーの狙いや人となりがわかり自分の認識とズレを感じ、また自分たち夫婦が見て見ぬふりして過ごしてる問題も浮かび上がってきて‥みたいな展開になっていく。
といっても別にジェイミーが完全な悪人というわけでもないのがいい。
騙されてた事と利用されてたのは確かだからジョシュがキレるのは凄くわかる。
だけど「騙してたし自分を利用してたこと」の個人的な怒りだけを本人にぶつければよかったのだが、ジョシュは自分の個人的な怒りを、ジェイミー作品の作為的な部分に結びつけて「この作品は作為的なところがある!こいつはペテン師です!」と大物ドキュメンタリー作家であるコーネリアスの父に訴えるがそれは通用しないだろうと思った。
ここで、ジョシュはドキュメンタリーのことを「100%観たまま撮っただけ=真実」と思っている事がわかる。「何を撮ろうか」とセレクトした時点で作為的‥つまり「ドキュメンタリーは現実を素材にしたフィクション」だということがわかってない。
案の定コーネリアス老いた父は「いや、別にそれでいいやん‥。時代とともに作品作りは変わるし‥」と言う。僕もコーネリアス父と同意見
そして同時に、老人のコーネリアス父がジェイミーと同意見、そして二人とも才能ある作家、ジョシュは才能ないけど凄く純粋で良い人‥というのを見せられて「やっぱ、これはジェネレーションギャップの映画じゃないんだな」とわかる。
ジョシュは最後に「ジェイミーは悪魔じゃない」「若いんだよ」と言うので、やはりよくわかってないなと思った。
だけどそれはジョシュのいいところでもあってコインの表裏みたいなもんだから、これでいいんだろう。何だかんだ言ってジョシュとコーネリアスの夫婦は終始幸せそうだし。
軽快な描き方だけど意外と重い話でもあるが、終わってみると割と幸福になってる人が多い不思議な話だった。観る人によって印象が変わるタイプの映画

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いつも上手くいかずにクソー!と苛立つ中年男の役ばかりするベン・スティラー、いつも軽く困ってる可愛い奥さんの役ばかりするナオミ・ワッツ、才気走った変な若者の役ばかりするアダム・ドライヴァー、何か男や運命に流されがちな美人の役ばかりするアマンダ・サイフリッド。。本作でも四人とも、やはりそんな役ではまっていた。4人とも凄い好きだし期待通りの役をしてたので満足
いつも他人に困らされるリアクションが良いベン・スティラーが本作の終盤のパーティで畳み掛けるように困り続ける様、あと終盤での全く悪びれなさすぎるアダム・ドライヴァーの澄まし顔などが最高だった。
独特の澄まし顔のまま、いちいち抜け目なく隠し撮りしてるのも可笑しい。
そしてナオミ・ワッツが、終盤ジョシュが無理筋な持論を父にぶつけて負け戦してる様を見る憐れみのまなざしがあまりにも絶品だったので思わずスクショした↓
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スタッフロールに流れるエンディング曲は、デヴィッド・ボウイの「ゴールデン・イヤーズ」。
デヴィッド・ボウイの曲はよく映画に流れがちだが、ここ10年くらいの映画ってデヴィッド・ボウイの曲をサントラに使いすぎだよね。僕は好きなので別にいいけどあまりにも使われすぎ。「スペース・オディティ」一曲だけ取りあげても、もう5回くらい映画で流れてるの観たゾ。
久々にこの監督の映画観たけど最初から最後まで面白かったし、観てないやつもそのうち観ようと思った。


そんな感じでした

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