gock221B

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「ババドック ~暗闇の魔物~ (2014)」女性監督によるシングルマザーが育児ノイローゼになる真面目なホラー映画👩‍👦

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原題:The Babadook 監督:ジェニファー・ケント
製作国:オーストラリア 上映時間:94分 ※日本劇場未公開

 

女性監督によるオーストラリア製ホラー映画。
この監督を調べたら、長編はこれだけであとは短編とドラマだけ。
というか本業は女優さんなのかな? Jennifer Kent - IMDb

 

Story
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を悲惨な事故で失ったシングルマザーアメリは、一人息子のサミュエルと共に暮らしていた。
サミュエルは学校でしばしば暴力的な行動を起こす問題児。言うことを聞かない息子に手を焼き、アメリアは疲れ果てていた。
一方、サミュエルは、母親の読み聞かせで眠りにつくのが習慣で、その日はアメリアの知らない一冊の絵本を取り出し、彼女に読んで欲しいとせがむ。どこか薄気味の悪いその絵本は「ババドック」というキャラクターが登場する不思議な本だった。それ以降、子供部屋に何かがいると主張するサミュエル。アメリアは毎夜騒ぎ立てるサミュエルにうんざりし、相手にしていなかったが、徐々にその謎の存在が、彼女のもとにも忍び寄っていることに気づくのだった――

 

 

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夫を亡くし女手一つで問題児の息子を育てているシングルマザーが遭遇するホラー。
ホラー映画というものは、怖い描写やCGなどが楽しいが、その中身の殆どは現実の恐怖を怪物や怪異に置き換えたもの。
「この怖い映画は自分とそう遠くない」と思えるから怖いといえる。
「エイリアンやゾンビや悪魔や幽霊なんか私の人生には遭遇したこと無いよ」という単純な話ではなくそれらのモンスターは現実における様々な問題(もしくは「死」そのもの)を可視化したもの。だから怖い。「怖くないよ」という人は、それらの怪物が何のメタファーなのかわかっていないか、もしくは何も怖いものが無い人くらいしかいない。しかし怖いものがない人などいるのか?権力者や大金持ちと言えど「死」や「老い」「大切な人に起こる不幸」などには恐怖を感じてしまうものだろう。
本作は勿論「シングルマザーが育児ノイローゼになりつつも元気がありすぎて困らせられる少年を育てる」というストレスと、夫を忘れられない独り身のストレスを〈ババドック〉という絵本から出てきた怪物に象徴させたホラー映画。
「シャイニング」と「エクソシスト」を足して超常現象を大幅に減らしたような映画。
観る前は「母親が幼い息子をモンスターから守る」っていう「エイリアン2」みたいな映画を想像してたが、実際はモンスター要素は少なく殆ど育児ノイローゼ映画だった。
監督さんも女性だし、きっと自分自身かもしくは身近なママ友の育児のストレスを映画化したものだろう、きっと。

 

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ホラーには大抵、視覚的に楽しめるシーンがあるもんだが(怪物が人を派手に殺す場面とかびっくりさせたり)本作にはそういった遊びがあまりなく、ひたすら生きづらそうな未亡人の幻覚や幻聴が延々と続き、元気ありすぎる息子もしょっちゅう「ギャーーッ!」とか言って、引きつけ起こしたりしてて観てると結構辛い。
知り合いの主婦の深刻な悩みを何時間も聞かされた時の気持ちに近い。
ホラー映画というより殆ど育児ノイローゼ映画という感じで正直、観ていてしんどい。
ホラー映画の劇中で起こる超常現象は「主人公の妄想なのかそれとも本当に起きてる事なのか」どちらにも取れるように描写しているものが多く、本作はそれが顕著だった。
だが本作は殆ど‥90%くらい主人公の妄想だった。
ババドックとかいう怪物は主人公しか遭ってない。ババドックとは恐らく女手一つで問題児を育てる恐怖を可視化したものだろう。
子供もババドックを目撃するが、現実の観測者である医師が「子供というのは皆お化けを見るものですよ」とか、わざわざ言うし幻覚の可能性が高い。
それに主人公は「昔の仕事は、子供向けのお話を描いていた」と、わざわざ絵本描くスキルがある事を台詞でアピールしていた。
ババドックの絵本を描いたり玄関の前に置いたのも、恐らく主人公が無意識に自分でやったのだろう。

 

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飛び出す絵本「ババドック」の出来がかなり良い。立体的に画が飛び出たり動いたりする仕様。
あまり怖くないしホラー映画が苦手な人でも観やすいだろう。
この映画が刺さるのは、言うまでもなくシングルマザーであろう。 
そういえば自分の幼少期のかすかな記憶。
風呂に入るのが嫌だ嫌だとワガママ言ってたら、いつも穏やかだった母が突然キレて鬼みたいな顔になって襟首と腕を掴まれてブン回されてビビった記憶がある。
微かな記憶なのでよくわからないがたまったストレスがたまって爆発したんだろう。
他にも、育児に疲れて脳が爆発しそうになった女友達も3、4人見てきたし、僕は男だし子供も育てた事ないのでよくわからんが母親とは大変なんでしょうねきっと。
自分が女性だったり妻子がいたりすれば、もっと親身に感じて楽しめた気もするが、僕は独身なので、まあ「自分が女性だったり子供がいればもっと面白かったんだろうな」と、至って客観的に観ました。
怖いとか面白いという前に、単純に「母親は大変なんだぞ」と監督に説教されたような気持ちになった。そんな気持ちも悪くはない。

 

そんな感じでした

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