gock221B

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『NY心霊捜査官』(2014)/警察官&エクソシストvs.軍人の肉体に憑依した霊的にも物理的にも強い悪霊!悪魔祓いシーンの魅力✙

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原題:Deliver Us from Evil 監督:スコット・デリクソン
製作国:アメリカ 上映時間:118分

 

 

 

ホラーなのに「CSI:科学捜査班」みたいな邦題で凄く面白そうだと思ったら原作の手記の邦題に似せてるようだ。
「NY」と「捜査官」という現実的すぎる言葉の間に「心霊」が入ってるのが凄くいい。観たくなるタイトル。
この邦題から刑事vs.心霊という事がわかる。
合理主義vs.神秘主義、科学vs.オカルトと言い換えてもいい。

霊感を持つ現役のNY市警巡査部長ラルフ・サーキの手記を映画化したホラー・サスペンス・アクション。

ニューヨーク市警のラルフ・サーキ刑事は、動物園で女が我が子をライオンの檻に投げ捨てる事件や、DV事件に遭遇する。
どちらの事件も、加害者は何かに取り憑かれたかのような異常な振る舞いをしていた。

捜査を進めるサーキは、誰にも聞こえない音が聞こえ、自分だけに見えてしまう何かがあることに気づく。そんなサーキの前に神父のジョー・メンドーサが現われ、別々と思われた一連の事件の背後に悪霊が関わっていると指摘する。そして、サーキに備わっている特別な能力“霊感”を使って悪霊に立ち向かえと助言。霊感を使った心霊捜査が始まった。。

そんな感じ。
警察官という最も現実的な市民が、エクソシストと手を組んで悪魔と闘うというパターンや、事件とは直接関係ない妻子も夫が捜査している悪霊に直接狙われるところなど、色々と
死霊館」に似ている。
エリック・バナリーアム・ニーソンを若くしてスリムにした感じでいいし、この人は苦悩や苛立ちを爆発させる姿が凄く様になってる。
その妻役は、次のX-MENでサイロック役をするセクシー系マルチタレントのオリヴィア・マンさん。この人好き
関係ないが彼女はテリー・ダドソンが描く女キャラ‥特にワンダーウーマンに似ている
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具体的には目と眉毛の形と、頬骨の出方とガッチリしたアゴが似てる。


悪魔祓い:純粋な善と悪の闘い
映画に出てくる悪魔祓いのシーンは大抵、悪霊側が椅子に縛り付けられてて動きは少ないが大好きだ。
何故好きかというと、それは究極に純粋な善と悪の闘いだからだ。
映画には色んな悪役が出てくるが悪者には私利私欲とか狂気とか要らんもんが混ざる。
ここで言ってる悪とは悪意の結晶のようなピュアイーヴィルな存在を指している。
大抵の悪役はグレーで、その黒味が濃いか薄いかの違いだ(同時にヒーローも、白味が濃いだけのグレー)
しかし映画に、悪魔が出てきた時、そいつは生まれながらの悪。
美しい真っ黒のピュアイーヴィル。
悪魔が改心するなどありえない。
しかもこの世が終わるまで永遠に死なないし退かせたり一時封印する事しかできない。
悪魔祓いシーンは映画の中でも珍しい、純粋な善vs.悪‥白vs.黒のぶつかり合いだから良い(さっきも言ったが、厳密に言えば善の奴は神でもない限り白に近いグレーだが)
悪魔祓いシーンは「座って押し問答してるだけでつまんないな」と思っていたのだが、いつからか面白いものだと思うようになった。
10年くらい前に友達がエクソシストについて似たような事を熱弁してて、よくわからなかったが似たような事がわかったわ。

悪魔祓い:悪霊か幻覚か
こういう悪魔憑き映画
でよくある展開として、犯人は本当に悪霊に憑かれているのか、それともただのキチガイなのか?という事がハッキリしないところが好きだ。
その方が深みも楽しみ方も増えるから多分わざと皆そういう描写にするんだろう。
そうなると主人公も神父も、過去の事件のせいで統合失調症気味と見る事も出来る。
そして、そういう失調による幻覚や幻聴を、悪霊だと捉える事も出来る。
悪魔祓いシーンでは佳境に入ると必ず、悪霊が他人には知りえないエクソシストの秘密を言ったり肉体がありえない変化を見せたりする。
ここはエクソシストに精神攻撃を仕掛けている場面で、かなり面白い場面だ。
そんな超常現象めいたところを見せられると「ってことは本当に悪霊?それともこれは全部、精神失調した主人公の妄想か?」と、観てるこちらをも揺さぶってくる。
どちらにも取れる感じを見せてくれるのも大好きだ。
悪魔祓いシーンは大抵狭い部屋で行われる事もあって、一人か二人のエクソシスト以外は全員部屋から出されるのもミソだ(起きてる出来事は全部エクソシストの主観なので、全てが妄想なのか本当に起きてる事なのかわからない)
本作の場合、部屋の外から悪魔祓いを偶然、見学してるラッパー風の黒人青年がいた。
こいつは特にメインキャラでも何でもない、「マジかよ‥」と驚いているだけ。
こういう客観視できる観客キャラを、わざわざ配置したって事は、本作は統合失調症よりも本物の悪霊ですよサイドに比重がいっているって事だと思った。
もちろん「全部、幻覚だ!」と思いたい人は、そう思う事も可能なように出来ている。
僕は、どっちの可能性もある、と思った方が二倍楽しいのでそう思う事にしている。
エクソシストやシャイニングについてもそういう感じで楽しんでいる。

 

●もういい加減、反則ビックリ演出やめて
ホラーの常として、「何かありそう→何もなかった‥→何か出た!」
というよくあるいつものアレが本作でも頻出するが、本作はかなり徹底していて

全くの無音で、霊が出てこなさそうな見え難いカット
 ↓
(俺、ボリューム上げて身を乗り出して目を凝らす)
 ↓
ギャーン!というクソデカい音と怖いやつ登場!

というパターンが多くて、ビックリするからやめろ。
こんなの子猫が出てきてもビックリするわ。
ギャーン!というビックリ音がデカすぎてビビるから、ホラーは小さい音で観てしまいがちだ。ギャーン!音だけデカくすな。怖いのとビックリは違うだろ。
あと一切何のフリもなくドギャッ!と死体が降ってくる場面も驚いた。かなりズルい。
家だからいいが劇場だとギャーン!の音がデカすぎてマジでビックリ死しそうになる。

他の感想
・主人公の相棒が、やたらとナイフを取り出してナイフファイティングするのだが、こいつの闘い方がカッコよかった。
悪魔憑きたちも兵士だからかやたらとナイフを取り出す。監督はナイフ好きなのか。
・嫁のオリヴィア・マンと娘との愛情が主人公の原動力であり未来への希望でもあるところもよかった
・それと主犯格の悪霊に憑かれてる奴、こいつの顔が怖すぎるメイクも怖いが、男なのに顔が小さすぎるってところが人間離れしてて怖い。
逆に顔がデカければ人間性を感じさせて怖さも減るのかもしれん。
ちなみに他の悪霊に憑かれてる奴らの顔もめっちゃ怖い。
・あと、エンドクレジット映像が超カッコいい

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ドアーズの「ブレイク・オン・スルー」だが、これは本編にもよく引用されてる。
ドアーズと悪魔の相性は何でこんなにいいんでしょうね
関係ないけどこの曲は高校の時によく聴いてた
・ホラー映画であると同時に刑事アクション映画でもあってその両立が成されていた。「エクソシスト3」とか黒沢清「CURE」みたいな感じ。本編は陰惨なのに終わり方が妙に爽やかなのも好感度高い。
・すっかり忘れてたが、主人公には刑事としての相棒とエクソシストとしての相棒がいる。後者の神父は、今思い返すとイマイチ役に立ってなかったり、ロン毛でめっちゃカッコつけて決めポーズしたりして面白かった。

 

全く期待してなかったが、物理的な解決法と霊的な解決法を同時に行うという‥自分が好きな感じのホラー映画だった。
実在の人物である主人公は、現在も神父と共にゴーストバスターズをしているらしい。
この監督は、MCUのカンバーバッチ主演の「ドクター・ストレンジ」の監督に決まった。
この人のオカルト描写は好みだから期待できる。 

 

 

 

そんな感じでした。

『ドクター・ストレンジ』(2016)/西洋医学に見捨てられ東洋魔術でヒーローになっても医療を捨てないドクター👁 - gock221B
『フッテージ』(2012)、『フッテージ デス・スパイラル』(2015)/伝統文化のように古臭いやり方にこだわって古から今に呪いを伝える悪魔✇ - gock221B
『ブラック・フォン』(2022)/ワンシュチュエーションで最後までハラハラさせるし感動もさせる……意外な名作!☎ - gock221B

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Deliver Us from Evil (2014) - IMDb

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エクソシスト・コップ―NY心霊事件ファイル

エクソシスト・コップ―NY心霊事件ファイル

 

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