gock221B

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『マトリックス レザレクションズ』(2021)/中盤はダサいしなげーなと飽きてくるが前半と結末は凄く瑞々しい感動がありました🐈‍⬛

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原題:The Matrix Resurrections 監督&脚本&制作:ラナ・ウォシャウスキー
製作国:アメリカ 上映時間:148分 シリーズ:『マトリックス』シリーズ第4作目

 

 

 

ウォシャウスキー姉妹(当時は兄弟)によって制作された『マトリックス』(1999)、そして『マトリックス リローデッド』(2003)、『マトリックス レボリューションズ』(2003)によるマトリックス三部作の18年ぶりの続編(他にはオムニバス・アニメ作品のOVA『アニマトリックス』(2003)もあったね)。
仮想現実や自由意志を扱ったストーリーや日本のアニメを参考にしたアクションやカンフーをインストールするという概念、バレットタイムなどの画期的な映像で世界中に衝撃をもたらした一作目の『マトリックス』(1999)の当時、20代前半くらいの直撃世代だったし勿論衝撃を受けてマトリックスの事が頭から離れなかった。だが2、3は「ストーリーは悪くないけど1で終わってた方が絶対良いよね」という感じがあった。またマトリックス三部作は「ダサかっこいい」センスが人気だったが、その「ダサかっこいい」は置いといて「ガチでダサい」映画でもあった。特に現実世界のダサさや妙にアニメっぽいキャラクターとして描かれたネオとトリニティーに独特のキモさがあって、あまりハマれず一回しか観なかったので一作目以外あまり思い入れはない。
それでキアヌは好きだがウォシャウスキー姉妹作品や『マトリックス』への興味薄いし本作にも興味ゼロだったんだが、インタビューでラナ・ウォシャウスキー監督が「両親が亡くなって気落ちしていた時、脳裏にネオとトリニティーが浮かび、2人に再会したくなった」という事で続編を作ったことを言うのを聞いて妙に興味出て、この年末に観に行った。
マトリックス』三部作のストーリーは面倒くさいので知らん人は各自で観てくれ。
ネタバレあり

 

 

 

大人気ゲーム会社デウス・マキナ社に所属するゲームデザイナーのトーマス・A・アンダーソンキアヌ・リーブス)。彼は、かつて世界中で大ヒットしたゲームマトリックス』三部作を制作した。「マトリックス三部作の続編を作ってくれ」というワーナーからの要請に難色を示しているトーマスは最近、幻覚に悩まされており精神科医ニール・パトリック・ハリス)から処方された青い薬を飲んで過ごしている。彼は行きつけのカフェで自作『マトリックス』のヒロイン、トリニティーを思わせるティファニーキャリー=アン・モス)に恋するが彼女は子持ちの人妻なので仲を進展させられない。
そんなある日、突然目の前に自作『マトリックス』のキャラクターであるはずのモーフィアス(ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世)が現れ「貴方はかつての救世主ネオ〉だ。真実を知りたければ、この赤い薬を飲め」と言う―

という話。
まぁそんな感じで当然、このゲームデザイナーの世界もマトリックスの中で『マトリックス』三部作の続編だが一番人気である一作目のストーリーや展開をなぞった展開、それでいて現代性を取り入れたストーリーや結末を用意してるので「今の時代に続編をあえて作った」という意味のあるものになっていた気がする。一言で言うと、「ちゃんと今作った意味があって結末まで仕上げた『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(2015)とシークエル」みたいなタイプの続編。
過去のキャラも色々出てくる同窓会のような面がある。

それより新キャラのバッグスジェシカ・ヘンウィック)が良かった。アジア系女性俳優ジェシカ・ヘンウィックは地味に好きなんだが、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(2015)ではチョイ役、『ゲーム・オブ・スローンズ』〈シーズン1-8〉(2011-2019) ではオベリン・マーテルの何かよくわからんうちに死ぬ娘(というかドーンのマーテル家はカッコいいのに全員酷い目に遭うだけで凄く可哀相)、NetflixのMARVELドラマ『アイアンフィスト』(2017-2018)ではメインキャラで活躍しまくるMARVELヒーローのコリーン・ウィング役だったがドラマ自体があまり人気なかった、『ゴジラvsコング』(2021)では出演シーンカット……という感じで、有名タイトルには恵まれてるが作品自体がコケたりキャラクター自体がショボいという事が続いていた。このバッグス役は最も目立てた役じゃないか?と彼女の薄っすらファンの自分は嬉しかった。ウォシャウスキー姉妹はアニメ美少女っぽい性格の女性キャラクターを作ったり、そんなキャラにアジア人女優を起用する事が多く、今までペ・ドゥナの事も何度もアニメ美少女みたいな役で何度か使っており本作が数年早ければバッグス役は絶対ペ・ドゥナだった気がする。そうじゃなかったのは残念だが、その代わりに幼い頃にブルース・リーより以前に活躍していた香港カンフー女優第一号チェン・ペイペイに憧れて育ったというジェシカ氏がバッグス役で目立てたのは、これはこれで嬉しかった。

まぁとにかく旧キャラと再会したり、過去の好敵手と相まみえたりする伝説の救世主ネオと仲間たち。
まず最初の「偽りの現実であるマトリックスを生かされている」という前半、ここは『マトリックス』三部作が過去に作られた人気ゲームという設定で、ネオであるアンダーソン君はそれを作ったゲームデザイナーとして暮らしている。ここは普通に面白い、ある意味『マトリックス』は今までの現実が仮想現実だと気づくところが面白いとこですからね。僕が好きなデジャブ黒猫がまた出てきたのも嬉しかった。
やがてネオ達は真の敵と戦ったり、ネオ同様に記憶を失って生きていたトリニティーであるティファニーをも覚醒させようとする。
個人的に、ネオが目覚めてトリニティーを救出しようとする第二幕からラスト近くまでは割と退屈だった。かつて人気だったカンフーやガンアクションや超能力も他の映画に散々やられてるせいかパッとしなかった。
そして中盤は過去キャラや、旧シリーズで人気だったカンフーインストールなどのファンサービスが続く。
過去の人気キャラが多く出てくるが、人気キャラであるモーフィアスとエージェント・スミスの俳優は参加できなかったので別の人が演じている。「現役なのにモーフィアスとエージェント・スミスの人が出てないのに他のキャラが出ても……」というのもあったし、そもそも僕はネオとトリニティーと黒猫以外、居ても居なくてもいいと思ってるので全部どうでもよかった。こんなサービスするくらいなら新しい展開をして欲しかった(でも旧三部作のコアなファンは喜べたかもしれないのでそれはそれで良い)。
また中盤がつまらない理由は他にもあって、これは旧作でもそうだったんだが「マトリックスから目覚めた後の暗黒の未来世界やネオ達」が本当にダサくてつまらなさそうでテンション上がらないというのがある。機械に押されてるディストピアだから仕方ないのだが、それにしても観てて楽しくないんだよね現実世界が。

正直、ネオが目覚めるまでのワクワク感の貯金が、そんな中盤~後半で全部溶けて退屈しはじめて観てたんだが「実は今回、ネオではなくトリニティーが……」という展開やラスボスのアナリストに怒るトリニティーなどの終わり際の展開で急に面白くなり、2人が飛翔するという一作目ラストを思わせるラストでは凄く感動が湧き上がった(というか殆ど泣きそうになった)。
「続編を断り続けてたけど2人に会いたいという理由で作った」という事が一発で感じられた。ネオのサイドキックでしかなかったトリニティーが「ヒロイン」から「女性ヒーロー主人公」になったというのが凄く良かった。それに2021年にキャリー=アン・モスがスーパーヒーローになってる事自体が感動的でもある。
本編の殆どは退屈だったが、前半はワクワクしたしトリニティーを立てて瑞々しい爽やかさを持つ結末だけでも「観てよかった」「僕がネオとトリニティに再会できてよかった(黒猫も)」「監督がネオとトリニティに再会できてよかった」等と思えて、爽やかに2021年を終えられそうだ。

 

 

 

そんな感じでした

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The Matrix Resurrections (2021) - IMDb

www.youtube.com

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