監督:雨宮哲 脚本:長谷川圭一 原作:特撮テレビドラマ『電光超人グリッドマン』(1993-1994) 制作会社:TRIGGER 製作国:日本 上映時間:118分 シリーズ:GRIDMAN UNIVERSE、『SSSS.GRIDMAN』(2018)と『SSSS.DYNAZENON』(2021)の続編
特撮テレビドラマ『電光超人グリッドマン』(1993-1994)を元にしたTVアニメ『SSSS.GRIDMAN』(2018)。違う平行世界を舞台にした続編『SSSS.DYNAZENON』(2021)。その続編となるのがこの映画。
僕は特撮『電光超人グリッドマン』観てないし加齢のせいかアニメ自体も殆ど観なくなったがグリッドマンとダイナゼノンはどっちも全部観たし、この映画もアマプラで観放題が始まったので乗りかかった舟だと思い観た。
「凄く観たい!」というよりも入ってたサブスクなどで観れるし若(わか、「若者」の意)に人気みたいだから観てみるか……という消極的な視聴態度だったが特撮やアニメに興味ない中年の割にはほどほどに楽しんだ(グリッドマンもダイナゼノンも、明らかに10代から、せいぜい30歳くらいまでを対象にした印象の内容だった)。消極的な視聴態度とはいえ、40代後半の中年にしてはちゃんと観た方だと思う。
このスタッフさん達は最初からグリッドマンの方を作ろうとして作ったらしくて、だからグリッドマンの方が完成度高くてダイナゼノンは如何にも後から付け足した考えたタイプの「2(ツー)」続編で、グリッドマンよりダイナゼノンの方が緩かったんですけど、自分は何かその危うさにスリリングさを感じてダイナゼノンの方が1.5倍くらい好きでした。
前述のアニメ2つは、内容よりもアニメ声優にナチュラル演技させてるのが好きでした。これはガイナックスの次男トリガーのアニメだが、ガイナックスも途中から声優に演劇っぽい演技させたり劇団の俳優を起用したりしてましたよね?エヴァ後半とか『彼氏彼女の事情』とか『フリクリ』とか、どんどん演劇の人の声優が増えてたし。
で、このシリーズは自分が近年観た中で「声優にナチュラル演技させるアニメの最高峰」だと思って結構好きでした。具体的に言うと声優が日常描写では実写の俳優っぽくボソボソ喋って、戦闘などの非日常描写ではアニメっぽくハキハキ喋る!……ナチュラル演技が大失敗した最近のアニメというと原作が大好きだったので失敗にガッカリした『チェンソーマン』(2022)があったが、アニメ『チェンソーマン』の監督は『グリッドマン』シリーズのナチュラル演技を参考にすればよかったのに……。アニメ『チェンソーマン』は普段も戦闘中もずーっとボソボソ喋りにしていて、それはアニメを台無しにした一因だった。
今回は面倒くさいから「グリッドマン」「ダイナゼノン」と本作のストーリーやキャラの説明はしないでおきます。あと元ネタやディティールにも興味ないのでスルーします。ガチ勢は公開時に観てるだろうし、このシリーズを本当に好きな人は同じように大好きな人が書いたページを読むはずだからここでは必要ないだろう。
ネタバレあり
前半は『グリッドマン』での記憶がない主人公・裕太の恋愛や学園生活を中心に、たまに怪獣退治する感じで進んでいく。途中から『ダイナゼノン』のキャラも加わるし楽しいお祭りムードで進んでいく。映画全体でこの前半が一番良かった。
「学園祭」っていう舞台設定も「この映画をグリッドマンシリーズのクロスオーバーとしてのお祭りにしよう」という遺志を感じるし、あと中年は誰しも思うだろうが「主人公が学園祭の準備をずっとしてる」ってところはどうしても『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』(1984)を想起させられる。
あと前半だと、周囲に現れる〈幽霊〉に裕太が怯える表現がJホラー風で異常に怖かった。
また裕太が好きなヒロイン六花が「男子大学生の部屋に泊まりに行ってる?」と疑念を抱くくだりの雰囲気も良かった。これはメインストーリーとは直接関係ない要素なんだけど、自分だけ記憶が抜けてる裕太が周囲に置いていかれると思ってたり恋に一歩踏み出せない臆病さを表現してるのかな?と思った。
中盤は〈新世紀中学生〉やダイナゼノン・チームやグリッドナイト・チームと合流するというアベンジャーズ状態で怪獣と闘いながら、マルチバース同士の融合の原因を探る。
後半はラスボスが判明してラストバトル。
新たに手助けしてくれる懐かしい顔も加勢してくれたりして味方の豪華さについては文句なしだが、このラスボスは非情に漠然とした只悪いってだけのしょうもない概念みたいな敵で、敵として正直あまり盛り上がらないタイプの敵。
そんな敵に対して主人公たちが変身や増援や合体や合体の組み合わせ変えたり必殺技を連打してキメポーズするシーンが延々と続くラストバトルは多分、特撮「電光超人グリッドマン」やシリーズにハマりきってる人は大興奮なのかもしれないが、そこまでハマってない中年男性である自分からすると、パチスロの確定演出が延々と続いてるようにしか見えず正直めっちゃ眠くなりました。
もう仲間たちが力を合わせた時点でもう倒せることは決まってて、後はファンを興奮させるためのパチスロみたいな画面が続くだけですからね。
過去の色んなロボットアニメのオマージュとかあるのもわかるんですが、正直もうそんなことに興味なくなってるし盛り上がるには歳を取りすぎました。
かつて特撮やアニメのそういったお約束に僕も夢中だった時はあったのですが、それって元は苦肉の策で出来たり歌舞伎的な見得切りから来てると思うんですが、それをやる必要ないのにどんどん連打していくのは、そういうのが好きなファン向けにやってる感じで内向けな印象はありますよね。とはいえ別にそれやったら悪いってわけでもなし、単に僕がこういうアニメを観るには年寄りすぎたって事にしておこう。
前述したようにこのシリーズの演技は好きだし、前半みんなが共同生活したり文化祭の準備してるところやラストの甘酸っぱい青春感は素直に面白かったです。単純に戦闘シーンが延々と続くところに興味持てなかっただけで。
しかし、どうせなら怪獣優生思想の人たちも出してほしかったよね。
好きなキャラはガウマさんです。
あ、それと「アニメなどへの興味が薄れてきてて……」と何度も書いたが怪獣を操る「インスタンス・ドミネーション!」だけは未だに盛り上がるものがありました。理由はよくわからない。とりあえずポーズと「インスタンス・ドミネーション」て名前がいいよね。「まだ俺にもそういう感覚が……」と思うと嬉しかった。
そんな感じでした
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