gock221B

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『エイリアン:ロムルス』(2024)/フェデ監督が持ち札全部使って全力を尽くした感。善良アンドロイド・アンディとケイリー・スピーニーのラストバトルの演技最高🥚


原題:Alien: Romulus 監督&脚本&製作総指揮:フェデ・アルバレス 脚本:ロド・サヤゲス 製作:リドリー・スコットウォルター・ヒル、マイケル・プラスキャラクター創作:ダン・オバノン、ロナルド・シャセット 特殊造形:レガシー・エフェクツ、スタジオ・ギリス、WETAワークショップ 編集:ジェイク・ロバーツ 撮影:ガロ・オリバレス 音楽:ベンジャミン・ウォルフィッシュ 製作会社:ブランディワイン・プロダクションズ、スコット・フリー・プロダクションズ 製作&配給:20世紀スタジオ 製作国:アメリカ 上映時間:119分 公開:2024.08/16 日本の旗2024.09/06 シリーズ:『エイリアン』シリーズ第7作目(スピンオフ)

 

 

――宇宙では、あなたの悲鳴は誰にも聞こえない。――

🥚〈『エイリアン』シリーズに対する僕〉を一言で言うと「一作目の『エイリアン』(1979)が大好き!」と一言でいえる。
世代的には小学生の時に公開された『エイリアン2』(1986)直撃世代でリプリー達や海兵隊がエイリアンの群れを倒しまくるジェームズ・キャメロンの『エイリアン2』(1986)はあまりに面白すぎたので勿論大好きでした。で、子供にとって数年の差は大きくて幼稚園の時に公開された『エイリアン』(1979)は微妙に「お姉さん、お兄さんの観てた映画」という認識が強かった。そして80年代は特に「ド派手」で「筋肉や物量の時代」だったので宇宙で怪奇映画をやった一作目『エイリアン』(1979)は「何だか古臭いなぁ」という印象で観ないまま過ごし30歳くらいの頃にやっと観た。
で大人になって初めて観ても「やっぱ古臭かったなぁ」と思ったものの、ギーガーデザインのエイリアンやスペースジョッキー、クリス・フォス他がデザインした宇宙船内のや機械のUIなど美術がカッコよすぎて後からじわじわ浸透してきて何度も観ていくうちに、怪奇映画めいた構成も素晴らしく思えてきて、飼い猫が倒すからフィギュアとか買わないのだが唯一、一作目のエイリアンのフィギュアだけは買って飾ってます、トイレの花瓶置くところに。

で、シリーズ6作どれもそれぞれの魅力を感じましたが、まぁ極論言うと一作目だけでいいかな……という結論になる。あ、『エイリアンVSプレデター』2作は観てない。
だが別に「一作目以外みとめない!」とかそういうアホみたいな奴ではないし(こういう論調で話す奴で良い奴見たことない)他の5作品もそれなりに楽しんだし今後も作ってくれれば観る、というそういうスタンス。
本作に影響を与えたゲーム『エイリアン アイソレーション』(2014)も、2リスペクト作品が多い中、一作目リスペクトだしノストロモ号っぽい宇宙船を歩き回れるので当然興味はあったものの、めちゃくちゃ怖そうだからプレイしたらゼノモーフを嫌いになる予感がしてやらなかった。

🥚監督のフェデ・アルバレスは、ヒットしなかったがリメイクの『死霊のはらわた』(2013)も好きだったし、ヒットした『ドント・ブリーズ』(2016)は勿論好き。
3作目の『蜘蛛の巣を払う女』(2018)……は観てない。コケたし評価低いから失敗作っぽいがコレだけ観てないのもなんだから近いうち観ておこう。
だから2作しか観てないけど、若い女性主人公が顔芸多めで酷い目に遭いながらリアクションを見せて極限状態で死闘を繰り広げる印象が強い。本作もモロにそうだもんね。こうして書くと芸風が似てるからサム・ライミが見出したのもわかるね。
2作とも主演はジェーン・レヴィで、『死霊のはらわた』(2013)はコケたから仕方ないが『ドント・ブリーズ』(2016)は大ヒットしたのにその後しょぼい映画にしか出てないのは何故なんだろう。

🥚本作主演のケイリー・スピーニーはよく知らなかったが、先日の『シビル・ウォー アメリカ最後の日』(2024)で、あまりに演技とかルックスとかリアクションとか何もかも良すぎて一気に大好きになった。本作も似たような感じのタンクトップで駆けずり回ってリアクション取る系の役だし最高。

🥚そんで本作は当然観るつもりだったが近所でやってないから他の映画先に観に行ってた。待ってたら近所に来るかなと思ってたが全然近所に来なさそうなので仕方なく電車乗って遠くに観に行った。
『エイリアン』シリーズも年寄り以外には忘れ去られてるし監督も人気イマイチだしヒットせず流れていくかな?……と思ってたらまさかの大ヒット、しかも日米で。若者も観たようだが理由がよくわからん。『ターミネーター』シリーズや『マトリックス』などの名前が知れてる作品の続編はどれも日本で客が入ってたし、やはり『エイリアン』という知名度のおかげなんだろうね。
よくわからんが今後も展開できそうで良かったね。
『エイリアン』というシリーズだけでなく、存在感薄れてたフェデ監督、『シビル・ウォー アメリカ最後の日』(2024)と本作で連続大ヒットでもはやフローレンス・ピュー並にブレイクしたと言っても良さそうなケイリー・スピーニー、全部にとって良い感じに動きましたね。

映画本編とはあまりに関係ない事ばかりだが、この「本作を観るまでの心の動き」「俺と◯◯」などの前置き部分は自分の個人ブログの自分の話をするパートで、ここを楽しみにしてる人も少しはおられるので許していただきたい。

ネタバレあり

 

 

🥚👩‍🚀🤖

 

 

全体的な流れを一言だけでいうと「6名の若者たちがエイリアンと遭遇してサバイバルする」といういつものエイリアン映画。だが『エイリアン』シリーズは毎回そんな話だが、内容たテーマや雰囲気が作るたびに変わっているという今思えば凄くチャレンジングなシリーズだった(だから3→4、プロメテウス→コヴェナントなどの躓きで2回終わった)。
本作は、そんなギャンブル性の強いタイプの続編ではなく「一作目をベースに他のシリーズ過去作の人気の要素や設定やオマージュなどを、ふんだんに盛り込んで作った」というファンが喜ぶタイプの続編だった。だがオタクが喜ぶというだけでなく現代風に整地されていたり展開もありきたりでなくズラしてみたり非常にテクニカルで気に入りました。一作目の次に好きかもしれん(その次は4)。他に本作みたいな感じで「久々の続編」を大成功させた近年の作品を思い出したが『スクリーム』(2022)『スクリーム6』(2023)(日本では劇場公開すらなしだが本国では大ヒット)とか『ハロウィン』(2018)(ただし続編2作で失速)とかが成功例か。他にあったっけ?今公開中の『ビートルジュースビートルジュース』(2024)も大ヒットしてティム・バートン復活したね、でもまだ観てないので僕は何とも言えん。

🥚前日譚『プロメテウス』(2012)🥚『エイリアン:コヴェナント』(2017)
数万年前。太古の地球に降り立った異星人〈エンジニア〉は黒い液体を飲み自らのDNAを海に溶かした結果、地球に生命が産まれた。

西暦2023年。ウェイランド社のピーター・ウェイランド社長、アンドロイド・デヴィッドを創造。

西暦2089年。未知の惑星LV-223へと人類の起源を求めてウェイランド社は〈プロメテウス号〉が送り出した。同乗していたピーター・ウェイランド社長は惑星LV-223で、人類の創造主たる冬眠中のエンジニアを目覚めさせて秘密と寿命をいただこうとするが普通にブッ殺されたし人類に寄生した〈エイリアン〉も誕生。何もかも大失敗だった。

西暦2100年。プロメテウス号に乗っていたアンドロイド・デヴィッドはエンジニアの黒い液体を使い、第一世代エイリアンのネオモーフで繰り返し実験する。

🥚時系列的に本作の前の話『エイリアン』(1979)
西暦2122年ウェイランド・ユタニ社の所有する宇宙貨物船ノストロモ号は、巨大な異星人スペース・ジョッキー(エンジニア)の遺体がある惑星LV-426にて未知の宇宙生物(エイリアン)と遭遇して搭乗員は次々と殺される。実はノストロモの科学主任アンドロイド・アッシュ(演:イアン・ホルム)はウェイランド・ユタニ社によって研究用のエイリアン回収の命令、そしてその為なら乗組員を破棄しても構わないとインプットされていた。
かくしてノストロモ号はエイリアンとウェイランド・ユタニ社のせいで壊滅。
エイリアン成体宇宙に放逐した唯一の生存者エレン・リプリーと船乗り猫ジョーンズは脱出用シャトルナルキッソス〉で生き延びた。
※ちなみに脱出したリプリーが『エイリアン2』(1986)で救助されるのはここから57年後、本作からは37年後の西暦2179年。

『エイリアン』(1979)の出来事から20年後の西暦2142年
リプリーが爆破した宇宙貨物船〈ノストロモ号〉の残骸付近の宇宙空間から、ウェイランド・ユタニ社無人探査機が〈未知の生命体の繭〉を持ち帰る。繭の中には20年前にリプリーが宇宙空間に放逐したエイリアン成体が休眠していた。

その170日後、鉱山で働く未来も金もない若者、レイン・キャラダイン(演:ケイリー・スピーニー)、そしてレインの亡父から彼女を助けるよう指示されているND-255型アンドロイドアンディ(演:デヴィッド・ジョンソン)。
レインはユヴァーガ第三惑星への移住を夢見ていたがウェイランド・ユタニ社によって鉱夫としての労働契約期間が不当に延長されて困っていた。このままでは鉱山で身体を悪くして死んだ両親と同じ運命を辿ってしまう(鉱夫は胸を悪くするとか、カナリヤ連れてるとかわかりやすいアナログ描写がされる)。
レインは元恋人のタイラー(演:アーチー・ルノー)に、あるミッションに誘われる。近くに事故かなんかで機能停止して放棄されていたウェイランド・ユタニ社の宇宙船〈ロムルス〉と〈レムス〉の連携部分の宇宙ステーションに忍び込み、冷凍休眠装置を盗み出してユヴァーガへ脱走しようという。そのセキュリティを突破するにはアンドロイドが必要。つまり正確にはレインではなく彼女が弟代わりにしているアンディが必要なのだ。
他の仲間は、密かに妊娠しているタイラーの妹ケイ(演:イザベラ・メルセード)、過去の出来事からアンドロイドを恨むビヨン(演:スパイク・ファーン)、ビヨンと仲の良いパイロットのナヴァロ(演:アイリーン・ウー)。
そんな合計6名の若者たちは明日への希望を求めて宇宙ステーション〈ロムルス〉に足を踏み入れた。
そういえば元カレの妹ケイ役の人は来年公開のジェームズ・ガンの『スーパーマン』(2025)のホークガール役らしい。
そして何事もなくロルムスとレムスを繋ぐ宇宙ステーションに侵入したタイラーとビヨンそして鍵開け係のアンディの男子グループ。
しかし三人はハイパースリープ用冷凍燃料を求めて入った熱管理室でハッチが閉じてしまい閉じ込められてしまう、その部屋で冷凍保管されていた大量のフェイスハガー(成虫エイリアンに変態するため他の生物に卵を産み付ける能力に特化したエイリアンの形態)が眠りから醒めた。

……というここら辺までが?第一幕なんだが「アバンで大暴れ」なども特に邪魔が入ってアクションがあるわけでもなく本当に淡々とここまで来るので前半は若干、退屈。
だけど第二幕からラストまで一気に走り抜けるので、この前半はわざと地味にしてあるんじゃないかと少し思った。2000年代くらいまでの映画にはメリハリ付けるために前半や中盤にわざと退屈なパートがあったが、それを感じた(イーライ・ロスのホラーとかも前半わざと退屈にしていたのを思い出した)。

 

 

閉じ込められた男子を助けに来たレインとナヴァロ(ケイはつわりが酷くて居残り)。
レインは近くで破壊されていたアンドロイドのチップを取り出してハッチの隙間からアンディに渡す(この宇宙船のセキュリティに繋がってハッチを開けられるようになる)。
すると無数のフェイスハガーが目覚めて三人に襲いかかる。
チップ交換で最新型AIへとアップデートされたアンディ、それまではAIが古かったためか酷く虚ろでオドオドしていたのだが急に頼もしくなり活躍してタイラーとビヨンを助けて熱管理室から脱出する。
ここまでのアンディは凄くオドオドしていたのにチップ入れただけで急にたくましくなった事、また映画開始からここまでの30~40分?くらいの間あまりにも映画として地味で起伏がなかったので「大量フェイスハガー覚醒」「アンディ覚醒」などが同時に来て一気に盛り上がる。
だがナヴァロが不運にもフェイスハガーに取り付かれ完全に寄生されてしまう。
アンディ達は近くで真っ二つになっていた科学責任者アンドロイドルーク(演:ダニエル・ベッツ)を起こし事情を聞く。
映画冒頭で〈エイリアンの繭〉やノストロモ号でリプリーが戦っていたエイリアンを持ち帰って研究していたのが、この宇宙船だった。そして研究していたはずのエイリアンに全滅させられたわけだ。
ルークは、劇中で20年前の出来事にあたる一作目『エイリアン』(1979)に出てきたウェイランド・ユタニ社のエイリアン回収計画のためノストロモ号乗組員全員を犠牲にしたエイリアンより恐ろしかった科学主任アンドロイド・アッシュ(演:イアン・ホルム)の同型。だがレイン達はこのタイプのアンドロイドがウェイランド・ユタ二社の命令なら一般人の命など何とも思っていない欠陥を持ったアンドロイドであることを現時点ではまだ知らない。
アッシュ役のイアン・ホルムは亡くなっているためルーク役の俳優の顔をディープフェイクでイアン・ホルムにCG加工したものらしい。これが見事だった『マンダロリアン』〈シーズン2〉(2020)の若ルーク等と違い凄くCGっぽい。だがルークはアンドロイドしかもサイコパスみのあるアンドロイドなので、むしろCGっぽすぎる表情がハマっていて丁度いい(だから妙にCGっぽいのも多分わざとだろう)。
胴体真っ二つなのは『エイリアン2』(1986)のアンドロイド・ビショップを思わせる。
アッシュはAI更新したことで動けないルークの指揮下に入り、心優しかったアンドロイド・アンディはアッシュ=ルーク化してしまう(アッシュ化したアンディは前半のオドオドしていた挙動が急に自信に満ち溢れた演技や表情へとガラッと変わり、見ていて不思議な快感がある)。
それで、エイリアンに卵を産み付けられたナヴァロはもう助からないので見捨てようとするが、ナヴァロと仲良くてアンドロイドを憎むビヨンは反発。ナヴァロを連れてここまで乗って来た貨物船に乗り込み逃げようとする。
だが貨物船でナヴァロの胸からチェストバスター(フェイスハガーによって産み付けられた卵が孵化して生物を突き破る幼体)が飛び出しナヴァロは絶命。
宇宙船に残されたレインとタイラーとアンディ、貨物船のケイとビヨンは何とかエイリアンから逃げないといけなくなった。

 

 

というのが第二幕の半分くらい?だと思うけど、この後はスピルバーグアミューズメントパークのライド的な楽しい展開でレイン達は様々なエイリアン地獄巡りに放り込まれ、一気に最後まで突き進む。
さきほどのフェイスハガー地獄とチェストバスター地獄の後は、エイリアンの卵地獄。これはビヨンが〈エイリアンの卵〉に付いた人間の女性器そっくりの穴にスタンガンみたいなものを挿入して卵の中で成虫に変態中のチェストバスターを殺そうとするが、逆に宇宙空間に達するまで宇宙船を溶かし続けるほど強力な酸の血が喰らってビヨンはひとたまりもなく溶解して死ぬ。
レイン達はフェイスハガーの群れがいる部屋を通らなければならないがアップデートしたアンディの知識により「フェイスハガーは温度と音で襲ってくるから、室温を上げて静かに歩けばやり過ごせる」という新情報で通り抜ける。途中で、殺された乗組員の死体をバーン!と目の当たりにしてレインが「~~ッ!?」とビビってフェイスハガーが「ん?」と気づくなどのハラハラシーン。当にアミューズメントパークのライド的で楽しい。
同時に「エイリアン成体は恐ろしいクリーチャーだが。撃ったら撃ったで酸の血で宇宙船に穴が空いて全員死ぬので撃つことも出来ない」という事を印象付ける。
またアンディはアップデートでアッシュ化してしまったがために安全を守るためケイを見殺しにしてレインとタイラーを絶望させる。
単純に”五体満足なルーク”を出して「害悪アンドロイドのアッシュ再び」とせず「優しいアンドロイド・アンディを害悪アンドロイド・ルークの支配下に置き、アンディがアッシュ=ルーク化してしまう」という捻りは面白い。
前半でアンディが散々ビヨンや町のガキにすら虐められていた前フリが効いていて、ルークに接触した瞬間から立場が完全に逆転してしまう。
非常にもケイを見捨てるアンディは人間嫌いでサイコパス的なアッシュ化しているので無表情だが、アンディを演じてる俳優が元々泣いているような顔つきなので、ここでのアンディは冷徹に見捨てているようにも見えるし同時に彼の顔の効果によってまるで更新プラグラムの奥の優しいアンディが泣いているかのようにも見える実に独特の味わいがある。この俳優さんは売れそうだ。
レイン達はラボのような所に立ち寄る。どうやらルークは捕まえたゼノモーフ(エイリアン)を研究して、あまりに脆弱な人類に驚異的な治癒力を授けてフィジカル的に進化させることが出来る(かもしれない)薬品、ルークが"プロメテウスの火"と呼ぶZ-01合成物のサンプルを作っていた。動けなくなったルークはアンディを使って何としてもウェイランド・ユタニ社にZ-01合成物を持ち帰らせる、それだけがルークのしたい事だった。
これまで丸腰だったレイン達は自衛のため『エイリアン2』(1986)での人気武器F44AAパルスライフルを手にする。だが酸の血があるのでおいそれとエイリアン成体を撃つわけにはいかない。
後半は、苗床にされてたケイを助けたりとか色々ありつつ、散々振っておいたエイリアンの酸の血で宇宙船を溶かさず大量のエイリアンの群れをパルスライフルで撃ち殺す方法、『プロメテウス』(2012)+『エイリアン4』(1997)的なラスボス戦など盛りだくさんかつ最後まで『エイリアン』シリーズ総集編的なサービス満載で、それでいて独自性もある大満足な幕切れだった。
レイン役のケイリー・スピーニー『シビル・ウォー アメリカ最後の日』(2024)で凄く良かったリアクションの良さや、この監督が得意とする女性主人公に顔芸やリアクションさせる様子はエレベーター構内でのエイリアン成体や、そしてラスボスとの戦いで全開になる(そこまではわざと控えさせていた感)。
特にレインがリプリーのように下着姿でのラスボス戦。冷凍睡眠用の冷却材?か何かを薄着に浴びてしまい、ブルブル震えながら宇宙服に辿りついてなんとか着る……!というくだりは特に最高だった。『死霊のはらわた』(2013)や『ドント・ブリーズ』(2016)ジェーン・レヴィはモロに”顔芸”といった感じで「クリムゾンキングの宮殿」めいた顔芸を披露していたが、ケイリー・スピーニーは顔だけじゃなくて小さい身体全体、指の先まで演技してのリアクションが圧巻だった。観てるこちらに凄く入ってくる感じで、『シビル・ウォー アメリカ最後の日』(2024)の時同様に映画を観終わると彼女が自分の身内であるかのように身近に感じた。

何度か書いたがシリーズのファンへのサービスも満点で主人公たちは、フェイスハガー、チェストバスター、エイリアンの卵、エイリアン成体、ラスボス……全形態によって殺害され、また社の利益優先アンドロイドによってウェイランド・ユタニ社の悪さも表現されていた(そもそも主人公の若者たちは社の作った環境によってこの地獄に放り込まれた)。
サービス的にソツなくまとめただけでなく、あらゆる展開で少しづつ全部ズラして意外性を出したり、かと言ってベタなところは奇を衒わずベタに決める(たとえばレインの結末とか)。そんな感じでよかった。
観る前は想像してなかったがアンディの使い方(AIなので一番嫌な奴にも善良な奴にも切り替わる)が面白くてこれはシリーズの中でも本作の独自性じゃないだろうか。
素直に良かったです。監督も自分の持ち札全部切って全力を出した感ありました。

 

🥚👩‍🚀🤖

 

 

そんな感じでした

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フェデ・アルバレス監督作〉
『ドント・ブリーズ』(2016)/目空きと違う世界に生きる殺人盲人老人。善悪や攻守が入れ替わる🤬

 


 

Alien: Romulus (2024) - IMDb
Alien: Romulus | Rotten Tomatoes

エイリアン:ロムルス - 映画情報・レビュー・評価・あらすじ | Filmarks映画

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