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gock221B

映画その他の感想用ブログ(2015年開設) http://gock.flavors.me/

「百日紅 ~Miss HOKUSAI~(2015)」 杉浦日向子の原作を口触りよくアニメ化した感じ

(日本のアニメ) (時代劇) 〈邦画〉 【映画】

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監督:原恵一 原作:杉浦日向子

この監督の映画は、クレヨンしんちゃん映画で一番絶賛されてる「オトナ帝国」しか観てないが、原作は好きだったので期待して観た。


とにかく画や動きが綺麗。杉浦日向子の独特の絵柄をマッシュアップしてるなと思った
原作読んだのも20年前だから殆ど覚えてないけど、お栄がサバサバしていて好みのタイプだなと思ったのと北斎の魅力と怪談話が多かったのが好きだった。メインのストーリーはなく小噺みたいな短編が集ってたような気がする。

この映画も、小さいエピソードの集合体だった。
一応、北斎の末娘、お栄の妹である生まれつき目が見えない お猶の体調の変化、そしてお栄のほのかな恋の行方が繰り返し何度か出てくるので、一応それがストーリーの中心と言えなくもなかった。
だけど正直、この子供が死ぬ死なないとか主人公の恋のくだりはしょうもなかった。
どちらもいらない。絶対、入れろと言われて仕方なく入れたんだと思う。
それより画描きとか怪談や細かいエピソードとか江戸の描写などのディティールを楽しむ原作だったと思うのだが。


しかし、これって観たって意見を全く聞かなかったがヒットしたのかな?
逆に海外の人が観たってのはよく聞く。国内より海外の人の方が見たがる「二ッポン」かもしれない。
他にも、実在の浮世絵師がいっぱい出てくるから、色んなネタが入ってたんだろうが詳しくないからわからず。
他に、すずめを大勢閉じ込めていて金を貰ったら解放するという、謎の職業‥じゃないな何かそうやってる人とか(凄くネガティブ過ぎて怖い!)
麻生久美子が声優してる幽体離脱する遊女とか、男とも女とも寝る美青年の遊女とかも出てきて興味深かった。こういうところをもっと見せてほしかった。
また、北斎父娘の家に居候している善次郎が、画がヘタで有名絵師の真似ばかりしてるが女好きなために春画を描いたら下手なりに色気があって人気があるというのが、エロ漫画家とかでそういうのよくあるなと思った。
お栄は処女なせいか画は上手いが色気がないと言われてしまう。まあ、だからと言って「SEXしたら上手くなる」とかそんなラサール石井みたい事言うのもどうかと思うが


「x年x月」みたいなのは画面に出てこず長屋に居ついてる子犬がいるのだが、その犬が大きくなっていくので何となく「数年経ったんだな」というのが説明なしにわかるのがお洒落
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聞き慣れない単語が出てきたら「ととや。‥魚屋は‥」と、繰り返しわかりやすい言葉を続けてくれるのが親切だった。
いや、むしろ映画自体が凄く親切すぎる気がした。
お栄が好きな男に会ったらすぐ頬が赤くなるとか、誰が見ても感情が一発でわかる漫符みたいな記号が張り巡らされていて、お栄の魅力が減った。
原作はもう少し丁度いい塩梅で判りにくかった気がするのだが、金かかってそうだから判りやすくするよう言われたのだろうか。


ラストは、各メインキャラのその後の人生を語って終わる。
なるほどね、と思って観てたら最後に「このx年後、江戸は東京という名になる」という説明文が出たら何故か泣きそうになって、キャラが死んでもなんとも思わなかったのに何でこんな何でもない説明文に泣きそうになったのか不思議だった。
自分は映画観て泣く時、主人公が能動的に何かを卒業したり大人になったり大事なものを失う時だけジーンとする傾向があるので、これは「(杉浦先生がユートピアみたいに描いてた)江戸が失われて東京になってしまう」事に泣きそうになったのかなと思った。
つまり、この映画の主人公はお栄と北斎というより江戸の町の方だったのかもしれない。

そんな感じで、期待してたものじゃなかった。
だけど話がわかりやすすぎる。もう少しハードコアに攻めて欲しかった。

そんな感じでした

 

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百日紅 (上) (ちくま文庫)

百日紅 (上) (ちくま文庫)

 
百日紅 (下) (ちくま文庫)

百日紅 (下) (ちくま文庫)

 

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