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「アナベル 死霊館の人形 (2014)」舐めてたら凄い傑作だった。悪魔を倒せない理由。隣の部屋と駆け寄る幼女の怖さ

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原題:Annabelle 監督:ジョン・R・レオネッティ 制作:ジェームズ・ワン
制作国:アメリカ 上映時間:99分 シリーズ:「アナベル」シリーズ。死霊館バース

 

死霊館」の続編「死霊館 エンフィールド事件」を借りてきたが、そういえばスピンオフのこれ観てないなと思ってiTunesで借りた。
死霊館」に登場した呪われた人形アナベルが誕生した物語を描いたオカルト映画。
ジェームズ・ワンは製作に回り身内が監督した。
「監督違うのか~」というのと「いまどき人形のホラーとかだるいな」と思って観なかったのだがいざ観たら本編よりもこっちの方が一番よかったので観てみないとわからないものですね。
インシディアス 序章」同様、ジェームズ・ワンが撮ったのと全く変わりがない。
多分ジェームズ・ワン組の中で技術や色んなやり方が知識として共有されていて、撮影監督とかが監督しても同じクオリティにできるんだろう多分。
しかし「死霊館」に出た呪いの人形のスピンオフというのも凄いものがある。
呪いの人形と言っても、アナベルは確かに悪霊や悪魔が憑りついてはいるが「チャイルドプレイ」のチャッキーみたいに自我があるわけじゃなく、悪霊や悪魔が来るってだけの‥バス停と大差ない存在なわけで、だから大袈裟に言えば「シビルウォーの冒頭で倒されたクロスボーンズの過去を映画化!」とかじゃなく「アベンジャーズが一作目ラストで食ってたシャワルマの店が映画化!」みたいなものかもしれない。
インシディアス 序章」同様、本編より面白かったかもしれない。

 

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時は「死霊館」の2年前の1969年。主人公は仲のいい若い夫婦ジョンとミア。
世間ではチャールズ・マンソンのカルト集団マンソンファミリーがシャロン・テートをお腹の赤ん坊ごと惨殺した怖ろしい事件が騒がれていた頃。
ジョンは妊娠して出産を控えたミアにビンテージの人形”アナベル”をプレゼントする。
我が子の誕生を待ちわびる2人だったが、ある夜、隣家の老夫婦がカルト信者の男女に惨殺され、犯人はジョンとミア夫婦にも襲いかかってきた。
間一髪で男は警官に射殺され、女の方はミアのアナベル人形を抱いて自殺した。
ミアはボテ腹を刺されるが奇跡的に無事、女の子を出産する。
以来、夫婦‥特にミアは次々と不可解な出来事に見舞われる。
ミアはジョンに頼んで、狂女が抱いて死んだ不気味なアナベル人形を捨ててもらい、更に新しい家に引っ越す。
引っ越し先で荷物を整理してると捨てたはずのアナベル人形が出てくる。
心霊現象はどんどん激しくなり、ミアと夫は行きつけの教会の牧師や、ミアが知り合った本屋の黒人未亡人店主に助けを求める。
そんな感じの話。
別に霊が憑いてなくても本物の赤ちゃんと同じ大きさの人形って時点で怖すぎるし、こんなもん買ってくるなよ‥
映画全体の構成は他のジェームズ・ワン制作ホラー同様の造りで楽しめました。
・前半:登場人物紹介と、生活の中でJホラーっぽい描写で霊が頻出しビビらされる
・中盤:ゴーストバスターズっぽい、霊に詳しい人に助けを求める
・後半:悪霊もしくは悪魔との派手な対決
大体どれも、このパターン。
俺が思うに前半のJホラー表現っぽいフリと、最後の悪霊or悪魔との派手な対決でとりあえずいつも勝ってるのがアメリカで大ヒットしたのかなと思う。
この前半のJホラーっぽいパートだが、建物の内装とか美術がカッコいいし、構図とか撮影とかカメラワークやカットがマジでいつも、めちゃくちゃカッコいい。
映画は好きだが、映画のテクニック的な専門的知識は全くないのでただ「カッコいい」としか言えないのがもどかしい。
こういうシーン観ても何も起こってないとしか思えない人には、ただ退屈なだけなシーンなのかもしれないが自分は毎回カッコいいと思う。

 

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死霊館」「インシディアス」シリーズの前半で頻繁に出てくるシーンがある。
それは「ドアが開いてて見える隣の部屋」に何だかよくわからないものが立ってる怖いシーン。
「ベッドの下」「クローゼットの中」も頻繁に出てくる。
どれも「境界線から向こうの異界」を表現してる。
何かで区切ってある‥たとえばドアの向こうは違う世界というノリを出しやすいんだろう
死霊館」「インシディアス」のどれか忘れたが「ドアが開いてて見える隣の部屋、のドアが開いてて見える隣の隣の部屋」に霊がうろついてるシーンは怖かった。これはJホラーには無理な、広い家だから出来るシーンだな。
特に本作で一番感動したのは、夜、隣の部屋に知らない幼女が立っていてドアが閉まり際に猛ダッシュしてくるシーン。これはカッコよすぎて巻き戻して何度か見た
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狂女の霊に代わってバーンと入って来てミアが悲鳴を上げたところで消えてしまうのだが、これは幼女のままの方が怖かったような気もする。
俺だけかもしれないが小さい女の子が走って来るのって怖くないですか?
怪談新耳袋の「姿見」が、それをうまく表現していたが↓

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何年か前、デートの待ち合わせ場所で俺を見つけた小柄で髪が長い女の子が駆け寄って来た時、恥ずかしいのか顔を伏せてたのでマジで幽霊に見えて「う、うわあああ!」と逃げ出したくなる怖さがあった。
いや、デカい男の友達と待ち合わせて駆け寄って来たときも怖かったから、ただ単に俺が駆け寄られるのが怖いだけなのかもしれない。理由はわからない。
まあ、そんな感じで良いシーンがいっぱいでした。
序盤の子供が描いた絵がぱらぱら落ちてくるところも良かったしエレベーターのところも良かったね。

 

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主人公を助けてくれる本屋の店主の黒人未亡人。
彼女は過去に、己の過失が原因で幼い娘を死なせてしまっていた。
そしてある日娘の霊に会い「まだ、その時ではないわ」と言われていたという。

黒人女性は主人公の事を「まだ娘を失う前の自分」と捕えたのか親切に助けてくれる。
娘を産んだ主人公。娘を失った黒人女性。マンソンファミリーのシャロンテート殺害。主人公を殺害しようとした狂った女。とか色んな要素がシンクロしながら最終的にアナベル人形に降りた悪魔と対決する。
そういう風に色んな要素の結びつきが強いのでシリーズの他のものよりも造りが堅く感じた。
この世の悪のキャラクター化が悪魔なのだから、世の中の悪を全て消せないように、悪魔は決して倒す事が出来ない。
地球の悪を全て消すには地球ごと爆発するしかない。だから犠牲を払って悪魔を退けるのがやっとなのだ。理に叶ってるね。だから悪魔祓いのシーンは好きだ。

 

 

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ちなみにこの人形にはモデルがあるらしい。↓

karapaia.com

死霊館」であったように心霊夫婦が保管していたのか。本物は随分と可愛い人形だったんだね。
そんな感じで、どうせ面白くないだろうと思ってたが楽しめました。
てっきりチャッキーみたいにアナベルが動くのかと思ってたんですよね。
まあ他の監督に撮らせたら絶対動かすところだけど、最後まで全然動かないのにこのアナベル人形中心に話を進めて「母と子」「究極の善と悪の闘い(悪魔祓いのこと)」をさらっとやって面白いのが何気にいいなあと思いました。
見る人によっては地味な映画に思えるかもしれないがおすすめです
というかホラー映画は「キャビン」くらいにデカい引きがあったり「リング」一作目くらい見事なオチがついたりしない限りめちゃくちゃ評価が低くなってしまうのが納得できない。
ホラーを評価しない人は、ホラー表現によって色んなことを表現していることを見ないまま「何か知らんが、ただ怖げなことが画面の中で起きてるだけやん」としか思わない傾向がある気がする。
そんな事はない、絶対に評価より良い。
だけど、これ以上文章でどう表現して褒めればいいのかわからなかった。
映画の良さに、言葉が全く追いつかなかった。

 
そんな感じでした

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