gock221B

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『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』 (2021)/3(8)作目にして安定テンプレ捨てて挑戦したのは偉いが、それでもさすがに飽きた感ある👿

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原題:The Conjuring: The Devil Made Me Do It 製作&原案:ジェームズ・ワンほか
監督:マイケル・チャベス 製作国:アメリカ 上映時間:112分

フランチャイズ:『死霊館』シリーズ第3作目、『死霊館』ユニバース第8作目

 

 

 

👿実在した心霊研究家のウォーレン夫妻を主人公にした心霊実話映画の第3作目。
妻のロレインも透視や霊視能力を持っており、夫のエドカトリック教会が唯一公認した非聖職者の悪魔研究家だったらしい。Wikipediaによると映画で扱った有名な心霊事件のうち「『アミティヴィル事件』は弁護士等による金儲けのための嘘だった」らしいが、どれが本当でどれが嘘かとか、ぶっちゃけよくわからないので割とどうでもいい。
1、2作目を監督したジェームズ・ワンは大ヒットした『インシディアス』シリーズに続き、この『死霊館』シリーズも幾つかのシリーズや作品からなるシネマティック・ユニバース……『死霊館』ユニバースにして大成功した。MCUやSWに並ぶ大成功したシネマティック・ユニバースと言える。スピンオフは若い監督にやらせて『死霊館』ナンバリングはジェームズ・ワンが監督するイメージだったが『アクアマン』2作目や『マリグナント 狂暴な悪夢』(2021)の監督や、その他の映画製作が忙しすぎたせいか本作は『死霊館』ユニバースの一本、『ラ・ヨローナ ~泣く女~』(2019)の監督が撮った。
このユニバース、最初の『死霊館』(2013)『アナベル 死霊館の人形』(2014)『死霊館 エンフィールド事件』(2016)が良かったので熱中してたが以降のスピンオフは、どれも基本的な展開は同じだし、ジェームズ・ワンが編み出したホラー手法を使いまわした二番煎じシステムで作り続けてたせいか徐々に飽きてきたりイマイチな作品が増えてきたので『死霊館』ユニバースへの興味も薄くなってきた。
同じジェームズ・ワンでも『インシディアス』シリーズの方が好きだったし、何より『死霊館』ユニバースが似た商売を続けてる間に公開されたアリ・アスター『ヘレディタリー / 継承』(2018)が尋常じゃなく面白くてカッコいい上に怖かったので『死霊館』ユニバースは……というか全てのアメリカンホラーがショボく感じるようになってしまった。そんなこんなで5年ぶりの『死霊館』のナンバリング続編である本作にも興味薄かったのだが観に行った人が「ここに来て新しい事やってるし面白かった」など評判良かったので再び興味が湧いてレンタル開始日を遠目で待ってました。
この邦題を最初聞いた時「『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』(2017)のクソ邦題で気を良くしたワーナージャパンがまたクソ邦題付けたのか?」と最初は思ったが、割と内容に沿ってるので今回は別にこれでも良い気がした。ワーナーのクソ邦題の方、観てないうちから悪く思っててすみませんでした。

👿過去の二作やスピンオフで、アメリカで実際に起きた(とされている)ポルターガイストをウォーレン夫妻が解決する様が描かれた。
死霊館ユニバース」とウォーレン夫妻が解決した事件を時系列別に並べてみよう。
赤字が実際に起きた(とされる)事件。西暦が太いのが死霊館メインシリーズ。

1952年:創作(『死霊館のシスター』(2018)
1958年:創作(『アナベル 死霊人形の誕生』(2017)
1970年:アナベル事件『アナベル 死霊館の人形』(2014)
1971年:「ペロン一家事件」(『死霊館』(2013)
1972年:創作(『アナベル 死霊博物館』(2019)
1973年:創作(『ラ・ヨローナ ~泣く女~』(2019)
1976年:「アミティヴィル事件」(『死霊館 エンフィールド事件』(2016)の冒頭)
1977年:「エンフィールド事件」(『死霊館 エンフィールド事件』(2016)の本編)
1980年:「『悪魔が私に殺させた』事件」(本作

アナベル事件も実際に起きた(とされる)心霊事件だがウォーレン夫妻は事件そのものには関わってないみたい。スピンオフは100%創作(といっても死霊館シリーズ本編の殆ども創作だが……)。
スピンオフは、「『死霊館』(2013)に出てきた呪いの人形を描いた『アナベル 死霊人形の誕生』(2017)」「『死霊館 エンフィールド事件』(2016)に出てきた悪魔のシスターの誕生を描いた『死霊館のシスター』(2018)」などという感じで、枝分かれしてウォーレン夫妻から離れれば離れるほどウォーレン夫妻濃度が薄くなっていく。ウォーレン夫妻濃度が一番薄いのは「『アナベル 死霊人形の誕生』(2017)に出てきた神父が一瞬だけ出てくる『ラ・ヨローナ ~泣く女~』(2019)」だろう、ここまで来るともはや全く無関係の作品と言っても過言ではない。
それにしても死霊館ユニバースって何なんでしょう。エンタメ作品は道徳に反してない限り何やっても面白ければ許されるが、しかし死霊館ユニバースは「死霊館ユニバースだから大丈夫だろう」という、ブランドによる面白さの安心感の担保以外に何か長所はあるのだろうか?MCUやSWなどのシリーズは団結したり戦ったりと色んな絡みが出来るが、悪魔同士は手を組んだりしないからね。人間を襲うだけだから手を組んでも意味ないし。モンスターバースは怪獣同士が闘えるから死霊館ユニバースよりバラエティ豊かなのに何で死霊館ユニバースほどもヒット出来なかったんだろう?怪獣って存在があまりメジャーじゃなかったから?そう考えると人間を襲うだけの悪魔が個別が出てくるだけの死霊館ユニバースって凄いな。ジェームズ・ワンが、自身が監督しなくても撮影や構成に一定の共通したクオリティを作れたからだろうね。一個人だけでシネマティック・ユニバース作れたのは彼だけだ。いや、むしろ複数のトップが居たらDCEUみたいにバラバラになるから一人のトップが居たほうが作りやすそうではあるが。
ネタバレあり。

 

 

 

 

1981年ロレイン・ウォーレンヴェラ・ファーミガ)と、その夫エド・ウォーレンパトリック・ウィルソン)の”ウォーレン夫妻”は、グラツェル家の11歳の少年デヴィッドに取り憑いた悪魔を悪魔祓いで取り除こうとしていたが二人とも悪魔の妨害に遭い、デヴィッド少年に憑いていた悪魔は姉デビーのボーイフレンド、ジョンソンに取り憑いてしまう。
数ヶ月後、悪魔に操られたジョンソンは悪魔に幻に見せられ家主を殺害してしまう。
ウォーレン夫妻は「殺人はジョンソン青年ではなく取り憑いた悪魔が犯したものなので彼は無罪」だと、裁判所に認めさせるため、悪魔憑きの証拠を集める事になる―

そんな話。
現実に起きた「『悪魔が私に殺させた』事件」では、最初の裁判で「悪魔がやった」と言ったものの認められず以降は普通に裁判したらしいが本作は勿論ガチのオカルト展開として進む。
過去の『死霊館』シリーズ作品の特徴は、多かれ少なかれ

1:前半で善良な一般人家族がポルターガイスト現象に悩まされる描写がたっぷり描かれる。
2:依頼を受けたウォーレン夫妻が訪れポルターガイストを調査。霊障被害家族と団結。
3:ウォーレン夫妻による悪魔祓い。霊障被害家族も共に戦う!解決。

……と、大体こういう流れ。
ウォーレン夫妻がメインキャラじゃない『死霊館』ユニバースのスピンオフでも、悪魔事情に詳しいスピリチュアルな人が助けてくれたり、もしくは一般人だけで団結して悪魔を退けるので大体ユニバースはほぼこの流れといってもいい。
この前半で、一般人家庭の屋敷で心霊現象が起こるくだりが凄く長いのが今までの特徴だった。このパート、Jホラーっぽい描写なのでオカルト映画好きなら楽しいのだがホラー好きじゃないと退屈だと思う人もいがち。僕は勿論大好きだったが、しかし屋敷の色んな場所で色んなオブジェクトを使っての霊障描写、さすがに数作でネタが尽きてしまった感があった。特にベッドの下とクローゼットは何回出てきたことか……。
そして中盤で、ウォーレン夫妻がやってきて調査するのだが、ただのスピリチュアル・ビジネスだけではなく悪魔被害を受けている家族と信頼関係を結ぶのも特徴だった。今までで一番良かったのは前作『死霊館 エンフィールド事件』(2016)で、夫のエドが父親の居ないその家庭でギターを弾いて皆で心を通わせるシーン、これが妙にエモくてユニバース中もっとも良かった。
そして後半は、悪魔や悪霊との悪魔祓い合戦!
ホラー映画の多くは、超常現象による不幸はキッチリ解決せず終わる事が多いが、このシリーズはウォーレン夫妻が悪魔をねじ伏せて解決してスッキリ終わる!……という展開も珍しい特徴の一つ。これがアメリカ人の性に合って大ヒットした気もする。
あとは、どれも70年代の大きな屋敷が舞台なので家具や屋敷の内装美術が凄くカッコよく、またワン組の撮影や構図が異常にカッコいいので、映像がどれも異常にカッコよかったという共通点がある(撮影の専門的な説明できないので「カッコいい」連発のIQ低そうな感想しか出来ない)。

 

 

 

そんな同じテンプレを使いまわしてきた『死霊館』シリーズだが、本作の場合さすがにテンプレ通りじゃない新しい展開を打ち出してきた。
最初にいきなり少年の悪魔祓いをしているところから始まる。……が、ウォーレン夫妻は悪魔の抵抗に遭い昏倒してしまう。
まさかの悪魔祓い失敗。暴れる少年。
その場に居合わせていた青年(悪魔憑きに遭った少年の姉のボーイフレンド)は、少年の中に居た悪魔を自分の中に迎え入れて何とか解決する。
そして後日その青年の中に居た悪魔青年を操り殺人を犯す。
ウォーレン夫妻は、悪魔祓い失敗した上に自分たちのミスのせいで青年が殺人犯になってしまったので何としてでも無罪を勝ち取りたい、だが科学で証明できない悪魔を裁判でどう証言する?そういう展開。
だから前半「面白いじゃん!」と思った。いや最高のあらすじだ。
ウォーレン夫妻は「悪魔を倒す」というスーパーナチュラルな仕事だけでなく、それを「裁判所に認めさせ」なくてはならない。
「裁判所」という、自分たちと全く相容れなさそうな現実感100%の対象に、悪魔という非現実的なモノを認めさせなくてはならない。これは難度が高すぎる。
「裁判所(国)」vs.「悪魔」。これが提示される前半はかなり興奮した。
でも正直言うと、そこが本作のピークだった感はある。
少年や青年に取り憑いた悪魔、これは悪魔崇拝者の呪いによるものだとわかる。
それを警察と共に調査する。警察もまた裁判所に次ぐ現実主義的な集団であるが、これはロレインの霊視を幾つか見せて、すんなり心霊操作に協力してくれる。
そして調査を進めるうちに呪殺を行った犯人の悪魔崇拝者である呪詛師に行き着く。そして、今までのように悪魔祓いタイマンで倒す……。呪詛師が青年にかけた悪魔憑きのカース(呪い)を解く。解きさえすれば〈呪詛返し〉によって呪詛師は自動的に自滅するというわけだ。
敵を倒してしまえば今まで集めた呪殺の証拠写真などを提出して一件落着。
もっとガチな裁判で、悪魔をどう扱うのか楽しみにしてたのが蓋を開けてしまうと、闘う舞台設定が違うだけだったという拍子抜け感はあった。
また、今までのシリーズやユニバースでは悪魔そのものが敵で得体のしれなさが強かったのだが、今回はスピリチュアルなパワーを持ってるとは言え正体がハッキリしてる呪詛師のような敵なので、今までより遥かに怖さが少なかった。呪詛師より今までの悪魔やポルターガイストの方が怖かったかな。
この悪魔崇拝者の呪詛師……物凄く痩せている恐ろしいルックスで存在感は抜群だったし地下迷路でのオカルトバトルもトビー・フーパーっぽさがあって楽しくはあったけど。やはり、キャラの背景が薄く「ただ大した理由もなく悪いだけのスピリチュアルな人」だから悪魔と変わらないんだよね。悪魔と変わらないのなら悪魔でいいよね、って感じだ。
3作目(8作目)にして安定のテンプレを捨てて新しい構成にチャレンジしたのは偉いと思うし、もちろん最後まで楽しんで観れるくらいは面白かったけど。
しかし新しい挑戦は偉いと思うけど、もう数年前の時点で飽きた興味は戻らなかったですね。『死霊館』ユニバースはもう(とっくの昔の時点で)限界という気がする(ただし似た事を続けてるシリーズなので、シリーズをあまり観てない人ほど面白さは上がる)。
ウォーレン夫婦の最後の戦いを描く完結編が作られない限りまだ終わんない気もするが、個人的に『インシディアス』シリーズは謎の「インシディアス空間」でまだ遊べるのでまだ飽きてない。どうせ作るなら、このシリーズじゃなく『インシディアス』4作目を作って欲しい感はある。だけどもうジェームズ・ワン一派の豪腕オカルトはもういいかな……。

 

 

 

そんな感じでした

gock221b.hatenablog.comgock221b.hatenablog.com

『アナベル 死霊館の人形』(2014)/舐めてたが凄い良かった。悪魔を倒せない理由。隣の部屋と駆け寄る幼女の怖さ👧🏻 - gock221B
『アナベル 死霊人形の誕生』(2017)/ジェームズ・ワン制作ホラーの中では最も凡作だったかな‥👧🏻 - gock221B
『死霊館のシスター』(2018)/これ以上ないほどシンプルな、おにぎりみたいなホラーで好感触➕ - gock221B

gock221b.hatenablog.com『アナベル 死霊博物館』(2019)/呪いアベンジャーズ状態を期待してたけど予告編でいいとこ全部観せ終わってた印象でした👧🏻 - gock221B

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The Conjuring: The Devil Made Me Do It (2021) - IMDb

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