gock221B

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『ボバ・フェット/The Book of Boba Fett』全7話 (2021-2022)/面白い事は面白いが作品自体が完全に分断されてて歪なシリーズでした🏜️

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原題:The Book of Boba Fett 原案&脚本:ジョン・ファヴロー 製作総指揮:ジョン・ファヴロー、デイブ・フィローニ、ロバート・ロドリゲスほか 監督:ロバート・ロドリゲス(第1、3、7話)、ステフ・グリーン(第2話)、ケヴィン・タンチャローエン(第4話)、ブライス・ダラス・ハワード(第5話)、デイブ・フィローニ(第6話) 原作:ジョージ・ルーカス 制作&配信サービス:Disny Plus  配信時間:全7話、各話約30分  シリーズ:『スターウォーズ』シリーズのスピンオフ・ドラマ

 

 

 

デイブ・フィローニ&ジョン・ファヴローというジョージ・ルーカス直系派による『マンダロリアン』〈シーズン1〉(2019) 『マンダロリアン』〈シーズン2〉(2020) に続くSWスピンオフドラマ。
※ここからしばらく↓ボバについての浅い認識で、本作の感想ではないのでなので飛ばしてOK。
大した役割じゃなかった上に『スター・ウォーズ ep6/ジェダイの帰還』(1983)でギャグ漫画みたいな、しょうもない死に方した脇役だったが尋常じゃないほどカッコいい見た目のせいで何十年も人気を維持し続けた(僕も全キャラ中一番カッコいいデザインだと思う)。善のジェダイ&反乱軍、悪のシス&帝国という善悪二元論のSW世界において損得のみで動くバウンティハンターキャラは非常においしいポジションでもあった。ボバの人気をイマイチ把握しておらず殺した事を公開したルーカスは、ボバ本人ではないが彼の父親……正確にはクローンのオリジナルであるジャンゴ・フェット『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』(2002)で「これがボバの本来の実力だ!」と言わんばかりに活躍させた。「ジェダイと互角に戦えるがジェダイのトップには負ける」という本当に丁度いい活躍ぶりだった。ジェットパックの故障で死んでしまうのというのもまた「不完全燃焼だったボバをやり直した」感があった。本当に良い感じだったがデザインがボバほどカッコよくなかった。そしてジャンゴは頻繁に仮面を取ってしまうという欠点があった。ジャンゴを演じて本作でもボバを演じるテムエラ・モリソン氏は、別に嫌な顔ってわけじゃないのだが、運送会社や営業部などで働いてそうな物凄く生々しい現実味のある中年顔だったため少し醒めました。何故なのか知らんがルーカスは彼を物凄く買ってて、ボバだけでなくクローン・トルーパーは全員ジャンゴのクローンなのでマスクの下は全員テムエラ・モリソン顔。そんなクローン・トルーパーは『スター・ウォーズ クローンウォーズ』(2008-2020)、『スター・ウォーズ 反乱者たち』(2014-2018)、『スター・ウォーズ: バッド・バッチ』(2021-)などでとんでもない話数に大勢が出ずっぱりで、いつの間にか「SW作品で最も出番が多い顔と声のキャラクターを演じた俳優は、ジャンゴ&ボバ&クローン・トルーパー全員を演じてる事になるテムエラ・モリソン氏」って感じになった(クローン・トルーパーはアニメだけども)。
そんな大本のボバ、彼は『マンダロリアン』〈シーズン2〉(2020)で遂に(正史で)生きてた事を37年ぶりに披露した(シーズン1で足だけ先に出てたけど)。
そして「そこそこ強い」という事もまた37年ぶりに証明した。
ふんわりネタバレあり



伝説のバウンティ・ハンター、ボバ・フェット(テムエラ・モリソン)。そして相棒の傭兵兼暗殺者のフェネック・シャンド(ミンナ・ウェン)。
ボバは『スター・ウォーズ ep6/ジェダイの帰還』(1983)で巨大モンスター、サルラックに飲みまれて以降、SW本編のタイムラインに出てこなかったので正史で生きてるのか死んでるのか曖昧だったが、『マンダロリアン』〈シーズン2〉(2020)でボバは生き延びていた事実を見せた。
ボバとフェネックは同作のポスト・クレジット・シーンにて惑星タトゥイーンで今は亡き雇い主ジャバ・ザ・ハットの宮殿に赴き、ジャバの代わりに君臨していたジャバの執事だったビブ・フォーチュナを殺害、代わりにモス・エス大名となった。その続き。
本作はシリーズの構成が凄く歪な作品だった。
第1~4話は、現在のボバとフェネックがモス・エスパで大名になった出発を描きつつ大半の部分は寝てるボバの過去回想。『スター・ウォーズ ep6/ジェダイの帰還』(1983)でサルラックに飲みまれてから『マンダロリアン』〈シーズン2〉(2020)で再登場するまで何してたかって話。
第5~6話は、マンドーの行動、そしてジェダイ・テンプル予定地でジェダイの訓練を受けるグローグーの描写。この二話は完全に『マンダロリアン』シーズン2.5。
第3~4、7話(最終話)は現在のボバがパイク・シンジケートと戦って町を護る話。
ちょっと各部に分けて感想書いた後、総評を書くことにしよう。

 

 

 

第1~4話のボバの回想
ボバ・フェット(テムエラ・モリソン)がサルラックに飲まれたのが4ABY、だから第1話とかのサルラックから出てきたスキンヘッドのボバは36歳らしいのだが演じてるテムエラ・モリソンが61歳なわけでボバの素顔は明らかに老けすぎている。まぁこれは「バウンティ・ハンター生活とか喰われた心労で老けちまった」って事にしとこう。
サルラックからは武装を駆使して自力で脱出したが力尽きて昏倒する。で、ジャワベスカー・アーマー武装を全て奪い去られる。
タトゥイーン砂漠の蛮族タスケン・レイダーに拾われたボバは奴隷となるが、持ち前のバイタリティで頭角を現しタスケン達の信頼を勝ち取り、彼らの一員となってタスケンが持つ格闘用武器カダッフィ・スティックを作ってもらう。
だがボバが留守中に、銀河4大シンジケートの一つパイク・シンジケートにタスケンを皆殺しにされてしまう。パイクは砂漠で採れるスパイスが欲しかったが、ボバやタスケンが邪魔だったのだ。
ボバは『マンダロリアン』〈シーズン1〉(2019)でよくわからんチンピラの不意打ちで致命傷を負って倒れた手練れの暗殺者、フェネック・シャンド(ミンナ・ウェン)を見つけ、砂漠で死にかけて結果的にタスケンに救われた自分とフェネックとの境遇を重ね、同情して命を助ける。そしてアーマーを取り返そうと因縁のサルラックを、スレーヴI(と、かつて呼ばれてたが「奴隷」の名称を嫌ったディズニーによって「ボバの宇宙船」という名無しになってしまった宇宙船)でサルラックを撃破。実に37年ぶりのリベンジ。しかしアーマーはジャワが持ち去ってしまっていた。これ以降の話は『マンダロリアン』〈シーズン2〉(2020)で描かれた。
この「タスケン・レイダーの虐殺事件」から本作の間はずっと4ABYだから、ボバがタスケンと暮らしてたのは5年間で現在のボバは41歳。ボバ、どう若く見ても50代なかばなので必要以上に老けて見えるが、前述した通り「苦労して老けちまった」って事にしとこう。一方、フェネックを演じるミンナ・ウェンは顔も身体も身のこなしも全て若く美しいのに実年齢59歳なので脳がバグりそうになる。まぁ「ボバとフェネックは40オーバーの中年」と、ざっくり考えとこう。
本作の前半といえばタスケン・レイダーとの生活。『マンダロリアン』といい、明らかにタスケン推しの意思を感じる。「37年経って、ボバの単独ドラマがついに始まった!」と思ったら「かつて伝説の賞金稼ぎボバ・フェットと呼ばれた、ボロを着たスキンヘッドおじ奴隷という新キャラ」の奮闘を見せられた。
「これボバっていうより新キャラのおっさんを描くドラマじゃない?」という気もしたが、ボバのタスケン生活を自分は気に入ったので良しとする。一匹狼が他者との連帯に目覚める成長とも言えるし。そして第2話の最後まで観ると「ライトセーバーよりカダッフィ・スティックの方がカッコいいかも……」とまで思い始めた。

 

 

 

第1~4話の「現代のボバ組」
新たにモス・エスパの大名となったボバ。
「恐怖ではなく信頼を持って認められたい」というボバはクリーンな統治を行おうとするが、それを良く思わないギャング、パイク・シンジケートとズブズブなモス・エスパ市長によって忍者みたいな暗殺者を差し向けられる。
「まずは小手調べ」って感じなのでここは素直にボバが華麗にタトゥイーン忍者を倒せばいい場面なのだが、ボバは異常なほど苦戦を強いられる(そして最終回まで、ボバは闘う度にひっくり返されてはタンク行きになってしまう)。
結局、忍者を倒して捕らえたのはフェネック。彼女は最初から最後まで「強い暗殺者」という印象のままだった。『マンダロリアン』〈シーズン1〉(2019)でよくわからんチンピラにやられたのが信じられないくらい強い。
そんな感じでボバは、バトルシーンでは苦戦しながら辛勝するというシーンが多い。普通勝つだろって場面でもやられたりするので、この加齢による物理的な弱体化は意図的なものだと感じた。
どうやら本作でのボバは劉備玄徳みたいな社長キャラで、強さは全てフェネックに移った感じ。一言で言うと弱いが、ここ!というやる時はやるキャラ。
この時点ではボバとフェネック、そしてジャバやビブに仕えてたガモーリアン2人、あと召使いドロイドだけのボバ組。
そんなボバの元に、タトゥイーンなのに妙にサイバーで都会的なファッションで身体を機械化してるカラフル・ベスパ暴走族の不良少女ドラッシュや不良少年スカッドその他バイカーが仲間入りし、ウーキー族の荒くれ怪力バウンティハンターのブラック・クルルサンタン、タトゥイーンを撤退するハット族の双子からは怪物ランコアを貰い手懐ける。
ボバは不良少女達の訴えを聞いて税を下げたりと良い大名ぶりを発揮する。
やがてモス・エスパの悪徳市長が繋がっている、砂漠のスパイス目当てにタスケンを皆殺しにしたパイク・シンジケートに行き着く。
ボバ組 vs.パイク。
ボバは「多勢に無勢だ」と言う。そう言われてもタトゥイーンに来てるパイクの規模を全く描いてないので観てるこちらとしてはよくわからない(ちなみに最終話が完結してもわからないままだった)。
「ひ弱なパイクとか、フェネックとブラック・クルルサンタンと暴走族だけで瞬殺じゃない?」という感じがする。
パイクは『スター・ウォーズ クローンウォーズ』(2008-2020)に出てきたそうだが僕はクローンウォーズを最初の3シーズンくらいしか観てないのでパイクはよく知らない。パイク達自体は、どのくらいの規模かわからず驚異が伝わってこない。そこを描くべき第5~6話は『マンダロリアン』2.5だったしね。
というか敵のパイクどころか仲間のボバ組の仲間たちも仲間入りしたところしか描いてないし、もっと言えば主人公である現代のボバとフェネックすらも充分描ききってないまま最終話のラストバトルになってしまう。
とにかくボバは加勢が必要だとフェネックに話す。ここで『マンダロリアンのテーマ』が流れる。この第4話ラストは盛り上がった。

 

 

第5~6話「マンダロリアン2.5」
第5話。『マンダロリアン』〈シーズン2〉(2020)にてグローグーを伝説のジェダイに弟子入りさせ一人ぼっちになったマンダロリアンの男ペドロ・パスカル)が描かれる。宇宙船も失ったしイライラしてるマンドー。冒頭の戦いでダークセーバーを振るうが剣術を習ったわけでもないので自らのセーバーで自らの脚を怪我したマンドーは故郷の惑星ネヴァロに帰郷する。
『マンダロリアン』〈シーズン1〉(2019)での戦いで、マンドーの民族はマンドーと鎧造りのアーマラーと、ジェダイだった伝説のマンダロリアンの子孫パズ・ヴィズラの3人だけになっていた。『マンダロリアン』〈シーズン2〉(2020)でGETしたベスカーの槍は危険だという事で溶解されたので、グローグー専用のベスカー鎖帷子を作ってもらい届ける事にしたマンドー。ベスカーの槍、好きだったので残念だがダークセーバーという大業物を手にした今は確かに要らんか。
そしてタトゥイーンのエンジニアおばちゃんことペリ・モットーのところに来て新たな愛機としてナブー・スターファイターN1を仲良く組み立てる。部品はジャワが調達してくれる。タスケンだけでなくジャワへの愛着も高まっていく。ドロイドを入れる部分はグローグーが乗れるように組み替えた。それは良い事だが「えっこんなん作ったら展開的にグローグーすぐ戻ってくるやん。ベスカー鎖帷子まで作ってるし……」と心配になってきた。
それにしても「なるほど第5話はまるごと『マンダロリアン』なのね。面白い趣向だったわ。ナブーファイターの飛行シーン最高だったし。6話はボバ組にマンドーが合流するんやな」と思ってると第5話ラストでマンドーは勧誘に来たフェネックに「その前にグローグーに会いに行ってくる!」と言って終わった。こんな引きで終わったらもう第6話はグローグー見に行くやん……と思い、更にそんなブライス・ダラス・ハワード監督のこの第5話が「今までで最高の神回!」と称賛されて、自分もこの回が一番面白かったのだが不安になってきた。
第6話。建設中のジェダイ・テンプルの近くでグローグーを指導する伝説のジェダイ・マスター、ルーク・スカイウォーカー
「マンドー出るのはわかってたがグローグーまで出すの?」と思ってたらルークまで出てきた!かつてヨーダを背負って修行させられたルークが、ヨーダと同じ種族のグローグーを背負って今度は逆に指導している。傍らにはR2-D2も!それを遠くから見る我が子可愛さでモンペに堕ちてしまったマンドー、それを諌めるアソーカ・タノ。ルークと会話するアソーカも。この数十分だけでEP7~9より観たいものばかり出してくるのだから、もはや完全にお祭り状態。前話、SWオタを検索したらナブースターファイターだけで脳が破壊されかけたSWオタが多数いたので今回もまた検索したら想像通り溢れ出す脳内物質によって脳が完全に破壊されて狂喜乱舞していました(SWは楽しさや落胆の落差が激しく、その落差の連続によってSWオタは脳が通常よりも破壊されやすくなっています)。興奮するものの「この展開の後、タトゥイーンの小競り合いを一話だけやって終わるわけ?」とシリーズ全体の事が心配になってきた。ネットでは当然「最高の神回!」という評価。imdb見てみたら当然この第6話が最高評価、で次がさっきの第5話。タトゥイーンに話が戻る最終回は評価がガクンと落ちる。
これもう失敗ですよね、このボバのドラマ。
確かに僕自身も今となってはボバよりマンドーの方が好きだし、ルーク達の事も当然観たいに決まってるわけで第6話も喜んで観ましたけど、第5~6話でマンドーとジェダイの話まるごと入れたのって完全にボバのシリーズを破壊してますよね。第5話はまだわかるけど、この第6話って必要だったか?と思った。まぁそのように苦言を呈する僕も「あのボバとかいう新キャラの話よりこっちの方が面白いからなぁ」と思ってしまっているのだが。それにしてもルークの修行シーンが始まった時ボバとかに同情してあんまり入ってこなかったわ。
マンドーも、あんな今生の別れみたいな感動的なお別れしたのにグローグーにもう逢いたがって「会わせろ!会わせろ!」とか言っててちょっとガッカリしましたね。
この問題は後でもう一度考えよう。
更にタトゥイーンに話が戻ってきてパイクに、ボバに並ぶ伝説のバウンティ・ハンター、キャド・ベインが登場し、マンドーが加勢を頼んだ保安官コブ・ヴァンスを一騎討ちで倒して終わる。
キャド・ベインは、アソーカやパイク・シンジケート同様に『スター・ウォーズ クローンウォーズ』(2008-2020)から実写化された人気キャラ。と言っても僕は最初の方しか観ておらず彼が出てくる話を観てないのでよく知らない、名前と顔と人気ある事しか知らない。だが凄い存在感と魅力を撒き散らして第6話は終わる。

 

 

 

最終話
最終話はもちろんマンドーが合流したボバ組が、パイクやキャド・ベインが率いるギャングの戦争。ランコアにまたがるボバも観れるが第4話から半月間以上「最終回でランコアにまたがるんだろうな」と予想し続けてたので特に驚きはない。
今までぶん殴られてはパンツ一丁でタンクで寝てばかりだったマスク全く被らないボバだが、さすがに最終回はマスク被って武装をフル活用してマンドーと共に活躍する。カッコいい膝ミサイルも御辞儀ミサイルも全弾放出。とても良いのだが「『ボバ・フェット/The Book of Boba Fett』がやっと始まったな。一時間以内に終わるけど」という気持ちになった。
前回、ルークに子連れ狼的な選択を迫られたグローグーはベスカー鎖帷子着てマンドーのもとに帰ってきた。マンドーに抱きつくグローグーは微笑ましいのだが「一体何のために死にもの狂いでルークに預けたん?」という気持ちにもなった。まぁ、ルークのジェダイテンプルにずっと居て後でカイロ・レンに殺されたら嫌だからこの方がいいか。
最終話の戦争、パイク達自体は見た目通り強くないんだけど強敵キャド・ベイン、中立を誓った他の3つのシンジケートの裏切り、トップクラスのジェダイじゃないと倒せなさそうな巨大ドロイデカ二体によってボバ組はピンチに。
しかしランコア搭乗ボバ、マンドーのダークセーバー、グローグーのフォースで事態は収拾。
ボバもキャド・ベインとの一騎討ち、これは良い勝負だと思いました。撃ち合いではキャド・ベインが圧勝、しかしベスカーアーマーで即死はしないボバが乱戦に持ち込み舐めプしてボバをいたぶるキャド・ベインをカダッフィ・スティックで逆転!(それにしてもボバはカダッフィ背負ってたっけ?突然現れたように見えた)。
そういえば「実はボバが世話になったタスケンを虐殺したのはニクトではなく我らパイクだ」と、パイクのタトゥイーン支部がキャド・ベインに明かしキャド・ベインはそれをボバへの挑発にしていた。だがこれは僕が悪いのかもしれないがタスケンを潰したのは最初からパイクだと思ってたし「ニクトって誰?」とキョトンとしてしまった。正直、未だにパイクとニクトがどう違うのかよくわからん。タスケン時代のボバが列車でシバいて徒歩で帰らせた奴らがニクト?あれがパイクだと思ってた。
戦争では他に不良少女ドラッシュが目立ってましたね。ベスパっぽいカラフルなバイクはSWっぽくなくてあまり好きじゃないけど豆鉄砲みたいな銃しか持ってないのに「これ以上撤退できん!ここで迎え撃つ!」とか100%勝てない巨大ドロイデカに立ち向かったり、強すぎるフェネックに憧れの表情を見せたり「若い衆はやっぱこれくらい威勢が良くないと!」という感じで良かった。一方、不良青年スカッドは訳のわからん一回転撃ちがダサかった(絶対ロドリゲスの演出でしょうね)。
いつの間にかベリ・モットーまで戦争に参加してたのも可笑しいね。それにしてもランコア飼育員ダニー・トレホもついでに参加して欲しかった。他には、フリータウン勢が来てくれたり、強いのか弱いのかよくわからんブラック・クルルサンタン。なすすべもなく崖に落ちるガモーリアン悲しかったね。
あとはパイクのタトゥイーン担当と裏切ったシンジケートの親分連とモス・エスパ市長を数秒で皆殺しにするフェネック。あまりに強すぎる!(ますますもって『マンダロリアン』〈シーズン1〉(2019) でチンピラにやられた事が本当に不意を突かれたんだなと思えてくる)。
あと何といってもキャド・ベインの良さですが、これはまとめで。

 

 

 

そんな感じで、前半では「苦難の回想」が延々と続くという渋すぎる滑り出し。
そして「統治が上手くいかずすぐやられてはタンク行きになるボバ」という煮え切らない展開が続き、「マンダロリアン2.5+ジェダイ・テンプル展開で爆ハネ!しかしボバと関係ない話」という喜んで良いのかどうなのか微妙な中盤を経ての「最終回」。
それぞれは決して悪くはないんですが、順番とか配分とかあまりにバランス悪かったですね。
「伝説の賞金稼ぎボバ・フェットの話」だと思って観てると「あれ?」「あれっ?」って感じで最終話まで行っちゃいましたからね。
実際のところ「めちゃくちゃ面白いマンダロリアンの続きとジェダイ・テンプルのストーリーが観れる。ついでに伝説の賞金稼ぎボバ・フェットと呼ばれていた中年男性の第二の人生も観れる」って感じでしたからね。
考えたんですが本作のタイトルが『マンダロリアン/The Book of Boba Fett』だったり『デイブ・フィローニ&ジョン・ファブロープレゼンス:ザ・スター・ウォーズ・ストーリー』みたいなタイトルだったら良かったと思うんですよね。
「なんで『マンダロリアン』シーズン3でやらずにボバの第5~6話でこんなのやっちゃったの?」という疑問がずっと頭にあったけど、キャスリーン・ケネディのSW本隊が大人気ジェダイを主人公にした『オビワン』を配信する一足先に「大人気キャラのルークが大人気キャラのグローグを指導!」「それを見守る大人気キャラのR2-D2!」「ルークと会話しながら師匠アナキンを思い出すアソーカ!」などの爆ハネシーンを見せつけて「やっぱフィローニ&ファブロー派は神!こっちを正史にしようぜ!」という気運を生みたい、そのためにボバ本は犠牲になったのかもな……と少し思いました。そうなってほしいので、そういう理由ならまぁ仕方ないかなと思います。

そして本作のボバなんですが、あまりに今までのボバのイメージと違ってましたね。

今までのボバ (のイメージ): 一匹狼マスク被りっぱなし非情強い(らしい)
 ↓
本作でのボバ皆でわいわいマスク殆ど被らない優しいあまり強くない

そんな感じでほぼ真逆でしたね。まぁ「今までのボバのイメージ」とは言ったものの、本編で殆ど描かれてなかったので、あくまでイメージに過ぎず「本作こそが本当のボバ」なんですけどね……。
そして比べてるうちに思ったけど上の「今までのボバのイメージ」は全部マンドーに行っちゃってるんですよね。マンドーと同じことしても仕方ないから「劉備玄徳的な大名になってファミリーをまとめる」というキャラになったんでしょう。
一匹狼からファミリーのボスになったのは「成長」なのでボバの大名人生は応援しておこう。
そんな「今までの賞金稼ぎボバのイメージ」を受け継いだマンドー、当然僕も『マンダロリアン』シーズン2あたりでボバよりマンドーに乗り換えましたが、そんな彼もグローグーにメロメロすぎてしまっている……というのが懸念されました。もちろん観てる僕も、彼とグローグーの関係を暖かく応援しており何時までも永遠に一緒に居てほしいと思ってるんですが、それにしてもあまりにメロメロになりすぎてるなぁ……。
そんな感じで、好きは好きだがちょっとキャラ変わったな……と思うボバとマンドー、そんな中、最後まで非情な賞金稼ぎキャラを貫いてるキャド・ベインに凄く癒やされました。
第6~7話でのキャド・ベインを観て「ああ、自分はこういう非情な賞金稼ぎキャラをやるボバの話が観たかったんだな」とわかりました。
『マンダロリアン』シーズン1のマンドーは正にそうだったかも。『マンダロリアン』のルーク登場するラストバトルとかも勿論好きですが僕は『マンダロリアン』のカエルの奥さんを送り届けたり、他の賞金稼ぎと共闘して裏切られたりとか、地元民と共闘してクレスト・ドラゴンを倒したりする「通常回」みたいな回が凄く好きだったんですよね。だから本作も復活したボバとフェネックが色んな依頼をこなすのかと期待してた部分がありました。
本作の変わってしまったボバを若干批判するような口調で言ってしまいましたが、今回のボバは連帯や利他的な精神を覚えて成長したボバであるし好感はちゃんと持ってるんですよ。ただ、あらかじめ脳内にあった「今までのボバのイメージ」と違うので「これはこれで美味しいが頼んだ料理と違うな」と思ってしまったというだけです。その点キャド・ベインは「今までのボバのイメージ」に近いキャラなので癒やされてしまった。そんなキャド・ベインは言い換えれば「成長しなかったボバ」で、だから他者の事を考えるようになった成長したボバに倒されてしまうのはよくわかる。だが親切になったボバよりキャド・ベインを見て癒やされてしまった自分は成熟してないんだろうなと少し落ち込みました。
キャド・ベインに話を戻しますが、いわゆるグレイ型エイリアンみたいな造形してますよね。グレイって鼻もないしポップすぎて、どうやってもカッコよくなりそうにないのに、それでここまでカッコいいの凄いですね。雰囲気は『続・夕陽のガンマン』(1966)の「悪い奴」を演じたリー・ヴァン・クリーフにそっくり。何より声と喋り方がカッコ良すぎる(これで甲高い声だったら魅力ゼロ)。何だか鳥山明が描くキャラっぽくもある。ガンビットみたいな頬当てとパイプ、長身、ハット、西部劇っぽさ等で上手くグレイ型の間抜けっぽさを消してますよね。
ほんとに良いキャラだった。実は生きてて新ドラマ『キャド・ベイン』が始まっても歓迎だし、ライバルとタイマンで殺されて死んだままでも別に良い。
そんな感じで「ボバの回想」「新キャラの大名ボバ」「マンダロリアン2.5+ジェダイテンプル」など、シリーズがズタズタに分断されてる印象はあったものの、それぞれ面白いところはありました。でもやっぱ歪なシリーズではありましたね……。ボバは「ボバ大名は仲間に囲まれて幸せに暮らしました」って感じで、アポロの人みたいにたまに脇役で出るくらいで、もうボバメインの作品はやんなくていいかな(シーズン2が作られたら勿論すぐ駆けつけて応援しますけど)。あとロドリゲス監督回もあまり好きじゃないかも。

次は5月25日から『オビ=ワン・ケノービ』が配信される。キャスリーン・ケネディの意向がデカそうなのが不安だが『マンダロリアン』でも監督してたデボラ・チョウが監督している。デボラ氏がキャスリーン氏に抵抗できれば面白くなり、キャスリーンのパワーに負けてしまうとつまらなくなる……そんな予想。
オビワンが悪いわけじゃないけどタトゥイーン続きで既に喉が乾いてきました。青いミルク飲まないと……。
オビ=ワン・ケノービ』がダメだったとしても、その次は『マンダロリアン』一派による『アソーカ』が癒やしてくれるかも。

 

 

 

そんな感じでした

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『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』(1999)/そのクソさ回顧。逮捕されたアナキン坊や⭐ - gock221B

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スター・ウォーズドラマ『ボバ・フェット』|ディズニープラス公式
The Book of Boba Fett | StarWars.com
ボバ・フェット (TV Series 2021– ) - IMDb

www.youtube.com

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