gock221B

映画やドラマの感想ブログ 😺🐱 殆どのページはネタバレ含んだ感想になってますので注意 😺 短い感想はFilmarksに https://filmarks.com/users/gock221b おしずかに‥〈Since.2015〉

『スパイダーマン:スパイダーバース』(2018)/良作だと思うがライミ版スパイダーマン1やアメスパ1の繰り返しにマルチバースをトッピングでくっつけただけ感🕷

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原題:Spider-Man: Into the Spider-Verse 脚本:フィル・ロード
監督: ボブ・ペルシケッティ、ピーター・ラムジー、ロドニー・ロスマン
製作: アヴィ・アラッドフィル・ロードクリストファー・ミラー
製作国:アメリカ 上映時間:117分

 

 

 

🕷アメリカ本国で大ヒット&高評価。ゴールデングローブ賞・長編アニメーション賞や、なんとアカデミー賞・長編アニメーション賞までも受賞!そしてアメリカ本国ではBlu-rayが発売されようという頃やっと日本公開された。
近所に映画館3つあるので、どれかでやるだろうと思ってたらやらなかったので機を逃しレンタルでやっと観た(ソニピクのアニメ長編映画が日本で大ヒットした実績がなかったので公開館が少なかったんだろう‥というところまで気が回らなかった)。
今まで撮った映画が全て面白くて大ヒットしているフィル・ロードクリストファー・ミラーは「ハン・ソロスター・ウォーズ・ストーリー」の監督をしてたがクビになった(ディズニーSW陣が面白い監督をクビにして、何でも言うこときく職人監督に半分以上撮り直させるのはもう風物詩になった)。その後フィル&ミラーが制作&脚本で手掛けた本作は大ヒット&アカデミー賞。一方「ハン・ソロ」は大コケ‥というディズニーSW陣の判断が間違っていた証をまた新たに一つ増やした本作。

🕷様々な平行世界のスパイダーマン‥過去の各種コミック、映画、アニメ、ゲーム、日本の特撮や漫画、お菓子の広告‥などで描かれたありとあらゆるスパイダーマンが集結して悪と戦い邦訳もされて東映スパイダーマンや巨大ロボ・レオパルドンが出たことで日本でも話題になった「スパイダーバース」が元ネタ。
いや、本作の前にキッズ向けアニメ「アルティメット スパイダーマン (2012-2016)」内でも4週に渡って「スパイダーバース編」が繰り広げられ、本作の「異なる次元から来たスパイダーマンは一人ひとり、描かれ方が違う」という要素を先取りしていた(たとえば本作にも一瞬出てきたスパイダーマン2099は一人だけCGで描かれていた)。これキッズ向けすぎるので観てなかったが、このスパイダーバース編の4話だけは観てた。
主人公マイルズ君が要る基本の世界の原作コミック「アルティメット・スパイダーマン」とかアルティメット・ユニバース、それと各種スパイダーマンの元ネタとかは面倒くさいので書かない。もうとっくに詳しいサイトがいっぱいあるだろう。それとCGの上から全部手書きを重ねて作った‥等の本作の素晴らしいアニメーション技術や、日本人アニメーターも大量に参加してる事とか、そういうアニメーションの専門的な事も大して詳しくないので省略して、お話の感想だけ書くことにする。ただメインのデザイナーの人?その人が「ラブ、デス&ロボット (2019)」でも1話手掛けてて素晴らしかったけど、本当に素晴らしかった。そもそもアートディレクター?のAlberto Mielgoによる本作のアニメーション、アクションする以前に何もしてなくても、もう街に落ちてるゴミすらカッコいい。あとサントラが素晴らしい、映画は今やっと観たんだがサントラは公開前に既に買って聴いてた。
ネタバレあり

 

 🕷🕷🕷🕷🕷🕷

 

※このブロックは感想じゃなくあらすじをまとめて俺が反芻してるだけなので次の空白まで飛ばしてOK
ニューヨーク・ブルックリン。名門私立校に通う13歳黒人の男子中学生〈マイルズ・モラレス〉。教育熱心な警官の父〈ジェファーソン・デイヴィス〉の過干渉を若干うとましく感じながらカッコいい叔父さん〈アーロン・デイヴィス〉を慕っていた。
彼は放射能蜘蛛に噛まれてスーパーパワーを得て、憧れの〈スパイダーマン/ピーター・パーカー〉の死を間近で目撃してしまう。
スパイダーマンを殺害したのは、街を裏で牛耳る実業家〈キングピン/ウィルソン・フィスク〉。
キングピンは現世では事故死してしまった愛する妻子を、時空を歪める事によって〈マルチ・ユニバース(平行世界)〉から呼び戻そうとした。しかしブラックホールが生じる事を危惧したスパイダーマンは実験を阻止しようとして殺されたのだ。スパイダーマンはマイルズに後のことを託して息絶えた。
スパイダーマンの死を悲しむ恋人MJ、メイおばさん、そしてNY市民たち。
しかしパワーを持て余していたマイルズの前に中年男性〈スパイダーマン/ピーター・B・パーカー〉が現れる。彼は平行世界から来た別のピーターだった。
マイルズはピーターBと共にキングピンの野望を打ち砕き時空の歪みを修復するため動き出した。そしてマイルズはピーターBを師として真のスパイダーマンを目指す。
更に他のユニバースからも、それぞれ別のスパイダーマン達が現れる。
女子中学生〈スパイダーウーマン/グウェン・ステーシー〉。色の無い1930年代ハードボイルド世界から来た〈スパイダーマンノワール/ピーター・パーカー〉。ジャパニメーションのような世界から来た女子高生とロボット〈ペニー・パーカーとSP//DER〉。カートゥーンのような世界から来た豚〈スパイダーハム/ピーター・ポーカー〉‥などが集まった。
彼らは皆、蜘蛛によってスーパーパワーを得て愛する者を失い、この世界にやってきた。別のユニバースから来た彼らは元の世界に帰らないと身体の分子が砕けて死んでしまう。
マイルズは彼ら彼女らスパイダー達と力を合わせ、キングピンの計画を阻止しマルチ・ユニバースを元に戻すため闘う――
というお話。

 

 

 

🕷マイルズ君がスパイダーマンになってピーターBに師事して挫折して覚醒して団結して勝利するというオリジン。そしてマイルズくんと父や叔父とのファミリードラマ。平行世界のスパイダーマン/スパイダーウーマンが集まって問題を解決するスパイダーバース展開。それが同時に詰め込まれており、スパイダーマンヴィランが6人も出てくる。
凄く面白いので構わないんだけどハッキリ言って情報過多。MCUで言うと、いきなり「アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン」から始まるようなもんで、ぐいんぐいん動く素晴らしいアニメーションも今までに観たことない画期的なものだし、おまけに全編スパイダーマンの小ネタがビッシリと詰め込まれている。情報量が多すぎて、観終わる頃には正直ぐったり疲れた。―たとえばマイルズ君がスマホでアドレスをスワイプしてたら「あっベンディス(有名な原作者)の連絡先や!」とか一事が万事そんな調子で疲れる。そもそもAlberto Mielgo氏を始めとするアニメーの人達による画面が毎秒カッコ良すぎる。「街を歩いてるだけ」等のどうでもいいシーンでは気を抜きたいのだが、それらもずっとカッコいいし背景のビルなどのどうでもいい背景までも全てカッコいいので凄く疲れた。射精orオーガズムだけ続くSEXみたいなもんで観てるとしんどい。もう少しどうでもいいシーンやカットで気を抜かせて欲しい。
あと、このアートディレクターの人が付けるSEなどの音がめちゃくちゃカッコいい。

🕷マイルズとピーターB以外のキャラでは、まずグウェンが良かった(そして彼女のツーブロックは原作よりカッコいい)、次にペニーやノワールや豚‥という感じで、マイルズ君も勿論好きなんだけど本作での彼はトムホ版スパイディー以上の未熟スパイディーなので若干イライラする。初めてスパイダーマン観る人にはいいだろうが、こちとらスパイダーマンのオリジンいっぱい観てきてるので今更スパイダーマンの2時間かけたオリジンを改めて観たくない‥むしろマイルズ以外のベテランのスパイダーマン達の方が観たかった。
特にスパイダー・グウェンは実写長編映画だろうがアニメだろうが何時でも主役張れる人気キャラだし単独作が観たくなった。素のスパイダーマン自体がそもそも何十年間ずっとオシャレなデザインのヒーローなんだが、スパイダーグウェンもまたMARVELトップレベルのクールかつセクシーなデザインだね(水色の靴が差し色になってて死ぬほどオシャレ)。ピーターやマイルズと違って、マスク取ってグウェン素顔丸出し状態でもカッコいい。ところで原作の作中ではスパイダーグウェンと呼ばれていない(正体ばれるからね)だから最近「このキャラの正式名称は『ゴースト・スパイダー』です」とか宣言してたけど「別にゴーストってイメージではないなぁ」とピンと来なかったけど本作中でも「スパイダー・ウーマン」と自称してたしオモチャなどの商品名では「スパイダー・グウェン」になってるしで「ゴースト・スパイダー」は定着しないまま消えそうだよね(「スパイダーウーマン」は正史世界にもう居るし)。
マイルズやピーターB、グウェン、父と叔父さん等メインキャラの魅力は勿論、他のスパイダーたち‥ペニー、ノワール、ハムなどのスパイダーズは出演時間がかなり短いチョイ役なんだけど、それぞれに魅力がありすぎて、もっと活躍や背景が観たくなるが、そうするとマイルズとピーターBや叔父さん父親などのドラマが薄れるからそれは出来ない、と少しもったいない気持ちにもなった。出演時間が少ない中でペニーは「メカが得意。ロボがやられるが生身でヴィランを打倒。父の形見であるロボとの別れ」、ノワールは「ルービックキューブを色のない世界に持ち帰る」、ハムは「カートゥーン世界の物理法則を無視した戦闘力」などを短い時間で見せていた。

🕷ヴィランは大勢いるが、キングピンとプラウラーが主なヴィラン
キングピンは、まず何のスーパーパワーも持ってないのにスパイダーマンと張り合えるパワー。そして「デアデビル ラブ&ウォー」の時を思わせるディフォルメの効いたデカい身体や、妻の事をずっと考えているところなどが良かった。辛い過去を受け入れて前へ進んでいるスパイダーマン達と違って、常に過去に縛られており世界を歪めてまでも妻子を取り戻そうとする、等のネガティブさが見事なヴィラン。妻ヴァネッサと息子の事だけは愛していて頭が上がらない彼だが「平行次元から連れてくる」というのも平行次元の妻子の気持ちお構いなしだし自分本位な彼の本性がよく現れている。そして「キングピンの本性を見たヴァネッサと息子が呆れて去っていってしまう」という「100%キングピンの自業自得」という天丼も見事。だけど多くの我々の中にもキングピンのような部分があると思う。
そして何と言ってもプラウラーの魅力がデカすぎるだろう。
ネタバレするけど正体はアーロン叔父さん。まず叔父さんの時点で「何して生計立ててるのかよくわからないけど、兄みたいに話が合って不良っぽくて(真面目な父とは違い)グラフィティなどの違法サブカルチャーにも通じていて『自分自身を開放しろ』などと自分の言って欲しい事を言ってくれる」‥という、十代にとって最も魅力的で着け回したいオッサン。ルックスや部屋もカッコいい。だがその正体はキングピンに仕えるヴィランプラウラーだった。「アーロン叔父さんの自由でカッコいい暮らしはクソ野郎の奴隷をする事によって得られていた」という辛い現実を目の当たりにさせられたマイルズ。このプラウラーの魅力がデカい。原作には昔から居たようだが90年代にトッド・マクファーレンが描いたプラウラーがめっちゃカッコよかった(多分スポーンの元となったキャラだろう)。キングピン同様ほぼ普通の人間なのにスパイダーマンを圧倒するスペック。鉤爪やマントやバイク、そしてプラウラーが動き出すと異常にカッコいいSEが鳴る(ウィンターソルジャー登場時の「キェーン!」という怪鳥音以上にカッコよかった)。ハッキリ言って本作で(表面的に)一番カッコよかったのはプラウラーだった。このアニメ演出の人が得意そうなアダルトなカッコよさ。
プラウラーと言えば本国での声優はマハーシャラ・アリで顔も若干似せてたが、アリはMCUで既に「ルーク・ケイジ」の敵コットンマウスを演じておりフェイズ5「ブレイド」でブレイドを演じる。わずか数年でMARVELキャラを三人も演じるというのが凄い。プラウラーを実写化するなら‥と考えたがよく考えたら「スパイダーマン ホームカミング」でアーロン・デイヴィスは既にドナルド・グローヴァーが演じていた(ピーターが怖い声色で尋問する黒人青年)。ドナルドもプラウラーも好きだから「スパイダーマン:ホーム」シリーズでプラウラー出てきてほしいな。
プラウラーとキングピン以外のヴィランは只の兵隊でしかないので別にどうでもいい(名前ありヴィランがスパイダーズと同じくらい居たのは、恐らくラストバトルでスパイダーズ vs.ヴィランズをもう少したっぷりやりたかったのではないか?)。

🕷そんな感じで情報量が多くて疲れた。本当は各キャラのことを一人ひとり長文で書きたい気持ちもあったが長くなるし疲れるのでやめよう。
だが、これだけ詰め込みすぎてるにも関わらず全く問題なく良い話にまとまってるのが凄い。
お話の構造上「マイルズが主人公で、ピーターとの師事や別れ。キングピンの野望を止める。叔父さんや父との人間ドラマ」というシンプルの話の上に「『スパイダー・バース』という贅沢なトッピング」が乗っかってるに過ぎないので実はそんなに複雑な話じゃない。というか、このストーリー「マイルズがピーターを尊敬しながら彼を失う」‥という、ただの「アルティメット・スパイダーマン」のアニメ化だけでも充分成立するよね。別にマルチ・ユニバースは構造上そこまで重要ではない。
ただ、そのマイルズのオリジンだけでは今まで何十回も観た話と同じで弱いのでスパイダーバース展開を乗っけたのかも知れない(実際マイルズが精神的に挫折するくだりは「また、このくだりか‥」と思ってしまった)。
「僕がスパイダーマンである事は明かせないけど僕のことを知ってる人は違う世界にいる=スパイダーマンは僕だけじゃない=なんなら、この映画を観てる君もスパイダーマンになれる」という、本作が言いたそうなポジティブな結論にとっては重要なので、やはりスパイダーバース形式である理由は充分ある(MCUより先に「スパイダーバース」ネタやったれ!というソニピクの思惑もありそうだが)。
マイルズ世界だけでのオリジン作った後、グウェン作品やって、三作目でスパイダーバースやったら最高だっただろうなぁなどと空想したりもしたが後で言うだけなら何とでも言えるのでやめよう。そもそも「ソニピクのスパイダーマンのアニメ映画」って時点で成功するかどうかわかんない代物だったので、そんな三部作構想は無理だっただろうしね。
衝撃的なアニメーションのスタイルが一番の魅力で、あとは多すぎる要素を何とかまとめたストーリー。各キャラの魅力。スタン・リーのメッセージやスタンへのメッセージ‥とかが良かったです。キャラ、個人的にはグウェンとプラウラーが特に良かった。
レオパルドンは次回かな?まぁ出てきたら話題がそればっかりになっちゃうのでレオパルドンが出てくるにしても本作のペニちゃん以下‥30秒くらいの活躍で充分だろう。
本作も傑作だし好きだったが、どっちかというとファーフロムホームの方が好きかな?
マイルズ君も好きな奴なんだが、なんせトムホ版ピーター以上の子供スパイディーのオリジンって事もあって仕方ないんだけど、マイルズ君は終盤まであまりにもドジ過ぎる。しかし他のスパイダー達はベテランなのでマイルズ君以上に有能で魅力的なので「マイルズ君には悪いが他のスパイダーがもっと観たいな」と思ってしまったところもある。
なにしろ「(基本的には)独りで闘うのが基本のスパイダーマン」、その孤高の各世界のスパイダーマンが団結して闘うという、このフォーマットはやはり感動したね。ベタベタと馴れ合うわけではなく一人ひとり自立して立つスパイダーマンが、もたれ掛かり合うわけではなく近い場所に集まり合い全員垂直に力強く林の様に立ち、上から落ちてくる困難を跳ね返す!という形に感動しました。

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そんな感じでした

gock221b.hatenablog.com「スパイダーマン:ホームカミング (2017)」すごく良かったがピーターが私生活で約束を破り続けるのでヒヤヒヤする 🕷 - gock221B
「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム (2019)」冒頭からラストまで面白くないところがなく全編面白い!という点ではMCUで一番かも🕷 - gock221B
『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2021)/盛り沢山なので面白い事は間違いないが突然こんなに曇らせる意味がよくわかんない🕷️ - gock221B

 

本作のアートディレクターAlberto Mielgo氏が同じような作風で監督した話がある
「ラブ、デス&ロボット (2019)」全18話/全体的に楽しかったがセンスが抜きん出てる三本が特にお気に入り💓💀🤖 - gock221B

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Spider-Man: Into the Spider-Verse (2018) - IMDb

www.youtube.com

books.spaceshower.jp

アート・オブ・スパイダーマン:スパイダーバース

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ワールド・オブ・スパイダーバース (MARVEL)

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スパイダーバース (MARVEL)

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エッジ・オブ・スパイダーバース (MARVEL)

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スパイダーメンII (ShoPro Books)

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スパイダーマン:スパイダーバース オリジナル・サウンドトラック

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スパイダーグウェン (ShoPro Books)

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スパイダーメン (ShoPro Books)

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『ブレイド』(1998)、『ブレイド2』(2002)、『ブレイド3』(2004)/未見だったのでまとめて履修。ブレイドがニコニコでワロタ⚔️

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Blade Trilogy (1998-2004)

 

 

サンディエゴ・コミコン2019で恒例のMCUのフェイズ4のスケジュール発表があった。
前回は5年くらい前にあったけど、日本でMCU観る人が大幅に増えたのでSNSで盛り上がる人の数も体感で5倍くらい増えた気がする。前回の発表があった「アベンジャーズ:エイジ・オブ・ウルトロン(2015)」の時から「アベンジャーズ/エンドゲーム(2019)」までの間にヒーローが激増したのと日本のファンが増加したのがシンクロしてて嬉しい気持ちになりました。
フェイズ4では所謂〈アベンジャーズ〉などのクロスオーバー大作が無く、フェイズ5への種まきといった感じ。またケヴィン・ファイギが数年前から「映画作品の形式や観られ方もどんどん変わっていく」と言っていたように、フェイズ4は長編映画と配信ドラマが同格で混在しているのが大きな特徴!ワンダやホークアイなどピンの映画がないヒーローの単体作が観れる!今までの繋がりが薄かったMCUドラマとは違い、次からはドラマもMARVELスタジオがガッツリ作り、キャラクターも映画やドラマを横断しストーリーも繋がっている(将来的にはアメコミの連載形式と同様、毎月配信してアベンジャーズなどのクロスオーバーお祭り大作だけが数年に一度だけ劇場公開されるようになる気がする)。
今回の発表はフェイズ4だけだったがフェイズ5からサプライズで一作品だけ発表された。それは「『ブレイド』がマハーシャラ・アリ主演で新たに作られる」という発表だった。マハーシャラといえば(今のところ一応)MCUと同じ世界という事になっているNetflix制作MCUドラマ「ルーク・ケイジ」の最初のヴィラン、コットンマウスを演じた。その直後マハーシャラは僅かな期間に二度もアカデミー賞を獲りヒーローとなって帰ってくる。しかもマハーシャラ自身が「ブレイドやりたい!」と立候補してファイギも1秒で「やりましょう」と即決したらしい。それに遡ること数年前にウェズリー・スナイプスもMARVELスタジオ行って何やらミーティングしており往年のファンに「期待せよ」とか言ってたから、ウェズリーも助演か制作かわからんが何らかの形で絡むのだろう。
‥何か偉そうにペラペラ喋ってるが僕は、現在のMCU作品の基礎になったとも言われる、そんな「ブレイド」三部作を一回も観たことなかった。そこでお試し無料加入中のU-NEXTに全部あったから履修がてら観てみる事にした。原作読んでないし、クロスオーバーに客演したブレイドすら読んだことない。ネタバレあり

 

 

⚔️🦇⚔️

 

 

ブレイド (1998)」
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原題:Blade 監督:スティーヴン・ノリントン 脚本:デヴィッド・S・ゴイヤー
製作国:アメリカ 上映時間:121分 シリーズ:「ブレイド」トリロジー

 

 

⚔️MARVELコミック原作、黒人のヴァンパイア・ハンター〈ブレイド〉と言えば、2000年前後に厨二病っぽい映画キャラとして主に映画秘宝読者など一部の映画ファンに熱狂的な人気があった。アメコミ映画的にはティム・バートンが始めた「バットマン」シリーズの終了直後、サム・ライミ版「スパイダーマン」とかFOX版「X-MEN」が始まる前という〈アメコミ映画の冬の時代〉に公開された。当時の僕は、興味ないわけではなかったが原作も読んでないし「何だか学生服を着た鈴木雅之みたいだな‥」と、ピンと来ず、観てないまま20年経った。

⚔️ストーリーは単純明快。人間であるブレイドの母が妊娠中にヴァンパイアに襲われたためヴァンパイアと人間のハーフとして産まれたブレイドウェズリー・スナイプス)。そんなブレイドは、ヴァンパイアに妻子を殺された老人ウィスラー(クリス・クリストファーソン)に拾われて闘い方を学ぶ。そしてメカにも通じているウィスラーが作った対ヴァンパイア兵器でヴァンパイアを狩っていく‥という話。
人間とヴァンパイアは共存状態にあったが、純血種ではない野心家のヴァンパイア、フロスト(スティーヴン・ドーフ)は、ヴァンパイアの古文書を解読して無敵の力を得て世界を支配しようとする。そんなフロスト一味とブレイド&ウィスラーの闘い。
この世界のヴァンパイアの弱点は、日光、銀の武器による負傷、ニンニク‥などは従来のヴァンパイアと同じだが、十字架を始めとするキリスト教要素は別に効かないみたい。無神論系ヴァンパイアといった感じ。そして死んだら灰になる。人間の生き血を吸うわけにはいかないブレイドは血清を注射して血液への渇望を抑えている。

⚔️観るまではウェズリー・スナイプスが超スローモーションでいちいちキメまくるクドいナルシスティックなアクションなんだろう、などと勝手に思い込んでたが、観てみると思ってたほど嫌な厨二っぽさは少なく割と爽やかな厨二感だった。
ブレイドの厨二っぽさといえば「黒ずくめレザーロングコートとグラサン」「銃と剣、両方使うし手裏剣も使う」「ダンピール(人間と吸血鬼のハーフ)」とか、そんな要素くらいしかない。それでも公開当時は充分にナルシスティックな厨二病要素だったんだろうけど観ずに過ごして2019年の今現在の基準で観てみると厨二でも何でもない。「キメてるね」くらいのもんだ。中二病的な表現は時と共にキモくなっていくので本作程度の厨ニ感は今となっては厨ニではない。日本の厨二病の元祖とも言える「幽遊白書」の飛影同様、ブレイド程度の厨ニ感は、もはや小二くらいのシンプルさだ(今の厨二病っていうとジャレッド・レトが演じたジョーカーとか「ブレードランナー2049」でジャレッド・レトが演じたキャラとかだろう)。
三作全て、アバンでブレイドがヴァンパイアをスタイリッシュに倒す。
観る前のブレイドは常に仏頂面のキャラというイメージだったけど、この一作目のアバンでは妙にお茶目で、ブレイド手裏剣を取り出してスターの証である白い歯を見せてニッコリ笑った!ブレイド、ニコニコでワロタwww。敵を倒して無言で「やったぜ!」的のポーズを取る。意外と陽気なヒーロー!クソ仏頂面でナルシストな黒人を想像してたのでギャップがあって一瞬でブレイドを好きになった。だが三部作全部観ると、ここまで陽気なブレイドは残念ながら一作目アバンだけだった。いや、陽気といっても面白黒人的な陽気さではなく、友達が居ないので自分ひとりで日々を面白くしようとする内弁慶的な陽気さだ。中年になって人付き合いが減った僕も日々を楽しくする工夫してるので、誰も観てないのにポーズを取って日々を楽しもうとするブレイドに共感した。
助けたヒロインが逃げようとしたら「むぅ‥」という感じで、キラキラした綺麗過ぎる瞳で唇を尖らせて腕組みしたりして可愛い。父親代わりのウィスラーとずっと一緒にいるし、何だか8歳くらいの男児がそのまま身体だけ大きくなったようなキャラだ。あとはもう本編では「ヴァンパイアをブッ殺す」という面白い事だけしてるんだから、これはもう男児が一番好きになれるキャラだっただろう。自分も子供の時にこれを観てればめっちゃ好きになれてただろう。幼少期にブレイドを観た人が羨ましい。
ブレイドをサポートするウィスラーを演じるクリス・クリストファーソンは若い時、サム・ペキンパー映画などで活躍してた俳優。ウィスラーはバットマンのアルフレッドのようなキャラ。自身が闘ってもそこそこ強い。
終盤、敵に捕らえられ血清を打てず飢餓で弱体化したブレイド
ブレイドたちを手助けする黒人ヒロインは、囚われたブレイドの元に行き、死なない程度に自分の血を吸わせて回復させる。ハァハァ言いながら吸血するブレイドと吸血されるヒロイン。吸血描写そのものがそうなんだけどモロにSEXのメタファー。
復活したブレイドは敵のヴァンパイア達を華麗に滅殺。
さすがに今の毎年凄いスピードで発展しているMARVEL映画やアクション映画を観てる眼で観ると、中盤の展開やスタイリッシュと言われてたアクションも若干もっさりした印象だったが、充分面白かった。僕が大好きなジョン・カーペンターB級映画っぽさも感じたし楽しかった。「持ち主以外が手にすると仕掛けが作動して手を切り落とすブレイドの刀」というギミックは地味ながら、誰にも懐かない猫のようなブレイド本人をも表現してたし、こんな地味なギミックを3回も使う渋いノリが気に入った。吸血鬼が爆死するCGも良かった。

⚔️映画的な派手さは2、3の方が勝ってる気もするが僕としては、この一作目が一番良かった(ぶっちゃけ本作だけでいいと思った)。
やはりブレイドのキャラやヴァンパイアの設定が、めっちゃしっかりしてるのが全て。
男子の夢みたいなブレイド&ウィスラーのアジト、地下鉄、2000年代前後のSF映画だけよく出てきたツルンとしたApple製品みたいなハイテクビル、謎の遺跡‥など、どれもこれも一昔前の洋ゲーに出てきそうなステージ構成で、全編から男‥じゃなくて男の子って感じが充満してる快作だった。さっきも言ったが、今じゃなくて子供の時に、ポテチとコーラを手にして観たい感じの映画。内なる男児が目覚めて楽しそうにしているのを感じ、彼が楽しめて良かった、と優しい気持ちになった。

 

 

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ブレイド2 (2002)」
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原題:Blade II 製作総指揮&脚本:デヴィッド・S・ゴイヤー
監督:ギレルモ・デル・トロ 武術指導&出演:ドニー・イェン
製作国:アメリカ 上映時間:118分 シリーズ:「ブレイド」トリロジー

 

 

⚔️二作目の監督はギレルモ・デル・トロ。既に、サムライミ版「スパイダーマン (2000)」や「X-メン (2000)」が公開されて双方とも大ヒットした後なのでアメコミ映画的なアドバンテージは無かった、と思われる。

⚔️前作で死んだ、ブレイドが父のように慕う老人ウィスラーは実は生きていて、ヴァンパイアに拉致されていた。ウィスラーが居ない間、ウィスラーのように対ヴァンパイア装備を開発してブレイドをサポートしている新しい相棒(ノーマン・リーダス)の助力もありウィスラー救出に成功。
そんな宿敵であるはずのヴァンパイア陣営から休戦&共闘の申し出が。
ヴァンパイアより凶暴で強力な〈リーパーズ〉というノスフェラトゥっぽいハゲで野蛮なバーサーカー吸血鬼を退治するまで一時休戦、手を組もうという流れに。
仲間となったヴァンパイアのメンバーにはデル・トロ作品常連のロン・パールマンとか本作の武術指導も務めたドニー・イェンもいる。
そんな感じで前半は〈敵と手を組んで更に凶悪な敵を討つ〉という決死の特攻部隊ものとなっていて誰が裏切るか誰が死ぬか予想できず、とても楽しい。
リーパーズは、血を吸う時は下顎がプレデターみたいにパカッと開きエイリアンみたいに第二の口みたいな舌を突き刺して血を吸う。スーパー吸血だ。吸血されればヴァンパイアも理性を失い血に狂うリーパーズとなってしまう。
そしてリーパーズは、ヴァンパイアには有効な銀の武器やにんにくが効かずブレイド達は苦戦、最初の戦争では何人かやられる。
「日光でしか斃せない」という事がわかったのでノーマン・リーダスは、広範囲に日光と同じ紫外線を照射する紫外線爆弾を開発。再びリーパーズ狩りに。
ところでドニー・イェンがカッコ良すぎる。目の周り黒く塗ってアーマーからムキムキの腕が出ているダークヒーローっぽい見た目もカッコいいし空中での多段蹴り、ポージングなどカッコよすぎてブレイドが霞んでしまう。これは出番少ないだろうなぁと思ってたら案の定、台詞もなく知らん間に死んでた。体術も剣術も完全にブレイドよりドニーの方が強そうだしね。「ローグ・ワン」のドニーも、大人気だったし僕も好きだけど正直「SWにドニー出すのは微妙だなぁ」と思った。だってフォースが無くて盲目の状態であってもドニーの方がジェダイより強そうだもんね。そんなん出したらダメだよ。「ではバリバリ現役のジェダイとしてドニーを出せば?」とやってしまうと、今度はドニー以外のジェダイが弱く見えるのでダメだ。ドニーをエンタメ大作に出すなら主人公かラスボスにする以外には無い(今ドニーが若ければシャン・チー役は間違いなかったのに‥)。ドニーは、どちらかというとアクション指導としてのオファーがメインで、ついでに顔見せ的な感じで出演させといたって感じなんじゃないか?と思った。
そして、ブレイドに何度か「俺達の仲間になれ」と言っていたリーパーズのボスは、ブレイドに共闘を呼びかけたヴァンパイアの首領(以下ジジイ)の息子、ヒロインの兄だという事が判明する。ジジイは永遠の命を得るため「ヴァンパイアを超えるスーパーヴァンパイア」になる方法を模索しており、その実験の末に捨てた失敗作がリーパーズ達だった(そして実の息子がそのボス)。
このリーパーズのボスが「よくもやってくれたな!」とヴァンパイア基地に殴り込みして遂にはジジイを倒してしまうまでの怪奇映画じみた展開は、怪物に感情移入しがちなデル・トロの筆がのっていて、はっきり言って本作内で特にドラマもなくウロウロしてるだけのブレイドより、このリーパーズのボスの哀しみの方が胸を打つ。
ジジイを殺したリーパーズのボスは「お前は父上のお気に入りだった」と言って妹を噛む。ダークヒーローっぽい役割だったんだけどブレイドの敵が居なくなったから彼がやんなきゃね。ブレイドと一騎打ちしてブレイドを勝たせなければいけないので、別に妹を殺したくはなかったのだが仕方なくヴィランに戻った感じがした。そしてブレイドブレイド(剣)を持たず、アクション指導したドニー・イェンを思わせるカンフーバトルに突入。格闘戦は非常に激しく迫力もあるのだが、ドラマを伴った闘いは既に終わり、ブレイドは主人公なので急遽ヴィランに戻ったリーパーズのボスを倒して主人公であることを証明するためだけの闘いなので盛り上がらない。

⚔️一作目でいい感じになったヒロインは本作には出てこず、ヴァンパイアの首領の娘、リーパーズのボスの妹が本作のヒロイン。彼女がブレイドと恋愛関係になる‥のは別にいいけど、2人は2、3回喋っただけで両思いになってしまう。いかにも昔のデル・トロっぽい小学生みたいな恋愛描写。ブレイドとかヒロインはお互いを愛しているかのような振る舞いを途中からし始めるが「‥なんで?w」と訊きたくなる。訊かれたブレイドは「台本に書いてあるからだぜ?w」と答えるだろう。
そんな感じで、本作で印象に残るのは「二転三転する面白いストーリー」「リーパーズのボスによる怪奇映画めいた悲哀」「ドニー・イェンの存在と、彼によるアクション指導」「壁をゴキブリみたいに這うリーパーズの見事な動き」など。
映画としては一作目より面白い気もするんだが、肝心のブレイドの魅力は全く出ていない。というか、ぶっちゃけブレイド削除してリーパーズのボスが主人公だった方が良い映画になりそうだ。以上のことから「デル・トロは、自分の撮りたい要素を『ブレイド』の枠を使って撮ったんだろう」と感じた。デル・トロのファンならこれが最高傑作かもしれないが、僕はデルトロ本人は好きだがデルトロ作品は「パンズ・ラビリンス」以外全部あまり好きじゃないし、ブレイドが必要ないブレイド映画というのは良くない。

 

 

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ブレイド3 (2004)」
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原題:Blade Trinity 監督&脚本&制作:デヴィッド・S・ゴイヤー
製作国:アメリカ 上映時間:114分 シリーズ:「ブレイド」トリロジー

 

 

⚔️今までの二作で、制作や脚本などをずっと続けてきたゴイヤー氏が監督。
ゴイヤー氏の本業はライターで、数多くの映画脚本やアメコミ原作を書いている。
ブレイド三部作の後は、「ダークナイト」三部作、「マン・オブ・スティール」「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」などの、DCワーナー映画の中でも僕が全然好きじゃないDC映画群の脚本もこの人だったようだ。今年公開される新しいターミネーターの脚本もこの人。 この人がブレイド三部作の制作と脚本ずっと書いてたからブレイドのキャラはブレずに統一感あったんだろう。MCUで言うとケヴィン・ファイギみたいな役割をしてた感じか。

⚔️いつものようにヴァンパイアを狩るブレイド
だが死んでも灰にならないヴァンパイアが‥彼はヴァンパイアの奴隷になっている人間の犯罪者だった。今までヴァンパイアを幾ら殺しまくってもすぐに灰になるので罪には問われなかったが、今回は人間を殺して殺人の証拠が残ってしまった。指名手配されるブレイド。警官隊にアジトを教われ、父のようにブレイドを支えてくれていたウィスラーはアジトごと爆死。機動隊に囲まれたブレイドはお縄となる。
今までブレイドは「死んだら灰になるから幾ら殺してもOK」だったヴァンパイアを法の外で殺しまくっていた。つまり我々の世界とは丸っきり関係ないファンタジーだったのだが今回初めてブレイドが現実世界と繋がって苦しむ。このシーンは、今まで夢の中みたいだった「ブレイド」世界に「現実」という要素を持ち込んで「おっ」と思った。だけど、まぁ現実と接続された刺激的な展開はここで終わりだけど。もう警察などの「社会」は出てこない。今まで通りヴァンパイアとかヴァンパイアハンターなどの夢みてーな世界に戻っていってしまう。
そしてウィスラーの死もかなり唐突に感じられた。というか後付けで生き返ったけど一作目でドラマチックに死んだので今回は「あ、また死んだの?」という感じだった。
囚われたブレイドを救いに現れたのは故ウィスラーの娘アビゲイルジェシカ・ビール)と、今回の敵の一人である女性ヴァンパイアの奴隷にさせられていた人間、ハンニバル・キング(ライアン・レイノルズ)、彼女ら彼らは人間によるヴァンパイア・ハンター集団のメンバー。ブレイドを仲間に引き入れ、かつてドラキュラと呼ばれたヴァンパイア開祖ドレイクとその一味のヴァンパイアを壊滅しようという流れ。
という事で、後は「ブレイドヴァンパイアハンター」対「ドレイク率いる悪いヴァンパイア」という単純痛快な闘いになって、当然ブレイド達が勝って終了。別に、つまらなくはないが一作目の「ブレイドというキャラや作品設定構築」「ヴァンパイアと人間のハーフとして血への渇望に苦しむブレイド」という要素、「ブレイド映画としてはダメだけどデルトロ作品としては面白い映画」だった二作目‥などと比べると単純すぎる話だったので2019年の今観るには少し退屈だった。ブレイド個人のドラマとしては「父親代わりだったウィスラーを失ったブレイドは、彼が懸念したまま死んだ『ブレイドが友達を作る』という事を結果的に達成する」という牧歌的なものだった。本作のブレイドは、ウィスラーが死んで心を閉ざしてるため一作目みたいな茶目っ気がないのが残念。だけど三作通じて「子供に優しい」という長所は共通してたね。

⚔️アビゲイル役の若いジェシカ・ビールが良かったですね。というか彼女のことを当時は好きだったわ、というか今でも好きだ。今もカッコいい身体つきだけど、この頃は特にウエストが細すぎるけど女性的な部位もグラマー、そして二の腕の筋肉はガッチガチ‥というモビルスーツみたいなカッコいい女体。アビゲイルのキャラとしては、ブレイドのグラサンのように彼女は、当時としては新しかったiPodトリップホップを聴きながら闘うというのが特徴。原作にも一応いるみたい。ジェシカ・ビールは先週Instagramに唐突にアビゲイルの画像を貼っていた。「MCUブレイドに私も出してよ」ってアピールだろう。 Jessica Biel on Instagram: “Felt cute, might delete.”
今では「ふざけてるが凄く責任感あるヒーロー」デッドプール役として有名なライアン・レイノルズ、彼が演じるヴァンパイア・ハンターのハンニバル・キング。この当時は「イケメンでモテるが役に恵まれない不遇イケメンだったレイノルズ」。本作でも女性ヴァンパイアの奴隷だったらしいし捕まって脱がされるしで、完全に女性向けお色気キャラといった感じ。直接は言わないが性奴隷みたいな感じだったんだろうなという雰囲気が出ている。後は面白くないジョークを言って皆に無視されるというキャラ。
あとWWEスーパースター(レスラー)のトリプルHがアホのヴァンパイア役で出ていた。デヴィッド・バウティスタドウェイン・ジョンソンジョン・シナなどハリウッドスターとして成功しているWWEレスラーは多い(ストンコは上手くいかなかった)僕が好きなのはバウティスタ、バティスタと呼ばれてたWWEの時も応援してた。トリプルHは本作以降、映画には出なかったね。まぁWWEの最高執行役員になったし、プロレスが好きすぎるから映画には興味なかった気がする。
そういう感じで当時観たらそこそこ楽しめたんだろうという気はするが、今見ると「傑作では絶対なく、駄作というほどでもない」という空気な一本だった。

 

 

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まぁ、そんな感じでMCUブレイドに向けて履修できた。
最初の方で言ったように一作目だけで充分だったかな。一作目は今観ても「好きだ」と思えるものだった。デルトロファンなら二作目の方が好みかもしれない。
一作目がヒットしたので色々な要素をくっつけて三本作って稼いだという感じ。ブレイドの色んな要素やドラマは一作目で完全に終わっている。その後3作目までで獲得したものといえば友達が出来たことくらいか。
一作目アバンでのニッコニコのブレイドがもっと観たかったんだけど、あのノリは一作目のアバンだけだったね。
MCUブレイドはどんな役割を持ったヒーローになるんだろう?
とりあえず「ヴァンパイア」を、移民やLGBTや高い医療費が払えない病人や精神病患者や貧困者‥などの「アメリカ合衆国が現在抱えているマイノリティ」として描くのはマストだろう。そして人間とヴァンパイアの混血である上に黒人でもあるアウトローヒーローのブレイドは、その橋渡しとなる‥という彼にしか出来ない役割を持ったヒーローになるんじゃないか?これしか思いつかないけど、これで合ってる気がする。
ブレイド加入も楽しみだが、それ以上にドラキュラを始めとする〈ヴァンパイア〉という〈種族〉が加わり、MCU世界が更に広がる事も楽しみだ。

 

 

そんな感じでした

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Blade (1998) - IMDb
Blade II (2002) - IMDb
Blade: Trinity (2004) - IMDb

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「ザ・サークル (2017)」世界の学級委員長エマ・ワトソンが、ネットによる全体主義に警鐘を鳴らす優等生映画📱

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原題:The Circle 監督&脚本&制作:ジェームズ・ポンソルト
原作&脚本:デイヴ・エガーズザ・サークル」 製作国:アメリカ 上映時間:110分

 

 

 

Netflixで配信が始まったので観た。小説が原作。「エマ・ワトソンが自らの私生活を24時間晒す」というセンセーショナルな内容に反してヒットしなかったことから、あまり期待せずに観たけど、結構面白かったです。 
意欲みなぎる24歳の女性メイエマ・ワトソン)は、親友アニー(カレン・ギラン)の口利きで、スティーブ・ジョブズを思わせるカリスマ経営者イーモン・ベイリートム・ハンクス)が作り上げた世界最大の超巨大SNS企業〈サークル〉に入社する。
〈サークル〉は、GoogleAppleFacebookTwitterを合わせたような大企業。
福利厚生や社員へのサービスがしっかりし過ぎている。
ネット記事などでよく見るGoogleとかAppleとかPIXARのなどの人気企業のように、社員はあらゆる高水準のサービスが無料で受けられるし「自由な発想で遊びのような事がそのままビッグビジネスに繋がり、それで楽しみながら儲かるだけでなく世界そのものをより良い方向に変革さえする」‥という、ああいった大企業のイメージそのものな楽園のような、皮肉ではなく「真の意識高い」系集団という感じ。そして社員が皆、ジョブズっぽい語り口で喋る(以下イノベーション喋り)。ジョブズ役とも言えるトム・ハンクスは正にジョブズのように巨大スクリーンの前でジョークを交えて全社員の前でイノベーション喋りする。イノベーションがどうとか‥楽しみながら世界をより良くするとか‥そういうやつね。全社員はウケたり感嘆しながら意識や知識を共有していく‥。
難病にかかっていたメイの父親も、サークルが派遣してくれた医師によって完治。
メイは入社後、タイジョン・ボイエガ)という青年と知り合う。
彼はSNS「サークル」のシステムを構築した有名な天才青年だった。入社直後でサークルに感嘆してばかりのメイに対し、タイはサークルやSNSサークルの危険性を語る。まぁ要は「プライベートが無くなって全体主義に繋がる」‥とかそういうこと。
日曜大工や自然を使ったアートをやっている自然派のメイの元カレっぽい男友達マーサは、サークルのせいで「動物を殺してアートを創っている」というデマを流されて「鹿殺し」の汚名を着せられ肩身の狭い思いをしていた。マーサはメイに「君のことは好きだったが、サークルなんて異常な世界にいる君にはついていけん」と言って絶交する。
ヤケになったメイは立ち入り禁止海域?でカヤックを爆走させていたら転覆。しかしメイを24時間監視していたらしいサークルのヘリによって救助される。
ずぶ濡れで意気消沈するメイに、トム・ハンクスは優しく語りかける。
トム・ハンクスカヤックでの航海は確かに楽しい。それが不法侵入なら特にね?笑」「だけど、僕らが監視してなければ君は今頃死んでいた」「それに、その深夜のイタズラを秘密にせず、大勢で共有すればもっと楽しめたと思わないかい?」
タイの懸念やマーサの絶交などでサークルへの不信感が鎌首をもたげていたメイだったが「法を犯して死にそうにだったところを助けられたが叱責されずウィットに飛んだ感じで同調されながら優しくもっと良くなる提案をされる」という「若者が一番オッサンにされたい態度」をトム・ハンクスにされて、メイは彼に、すっかり感服してしまった。
そしてメイはベイリー(トム・ハンクス)の「全人類が隠し事をせず完全に繋がり合えば、より良い世界になる」というベイリーの信念を拡張して〈あらゆる個人情報の共有〉を目指す事となる。つまり全世界、全人類に小型カメラを与えて「隠し事できない世界」を実現させようとする。そしてメイは、そのプロトタイプ。その大型プロジェクトのモニター社員に大抜擢される。それは超小型カメラでメイの日常生活を全て記録し、メイの視界も含めてリアルタイムで全世界に配信する新サービスの公開実験。「全世界、全人類を透明化する」というベイリーの理念を素直に全肯定し、自らのプライバシーをとことん公開していくメイ。
フォロワーは社内だけでなく世界中の人に及び、たちまちフォロワーは一千万人を超え、メイは一躍カリスマ的存在となっていく。

 

 

 

というのが中盤くらいまでで、ここまでは凄い面白い。
「(世界一可愛い)エマ・ワトソンがトイレ以外の24時間の生活を全世界に公開」と聞くと心がざわっとしてしまうが、エマ・ワトソンが主演してるだけあってSEXしたりとか着替えがどうとか、そういった下世話な下ネタ要素は当然ない。‥まぁエマ・ワトソンじゃなくても、そんな下世話な描写はないけどね。
エマ・ワトソンについてだが、ハリーポッターは殆ど観てないので数本しか観てないけど、美しいし彼女がやってるフェミニズム活動も好感持てるし彼女を見かけるたびに、その圧倒的大正義生徒会長オーラに圧倒され、あまり彼女をよく知らないにも関わらず「よく知らないがエマ・ワトソンに嫌われないように生きていきたい」という気持ちに自然とさせられたりする。そんな感じが彼女のパワーなのかもしれない。大ファンではないが「漠然と好き」という感じ。エマ・ワトソンが出馬したら「何となく」一票入れてしまう‥そんな曖昧な「エマ・ワトソン何となく層」にいるのが俺だ。
それにしても、いつも完璧なエマ・ワトソンが演じる女性メイ。そんな彼女が「トゥルーマン・ショー」みたいな私生活公開したらもっと大変な事だと思うが、劇中ではそうでもない。恐らく本作の主人公メイは、少女漫画の主人公みたいに「読者(視聴者)の我々から観ると美人すぎるけど、劇中では『どこにでもいる普通の女子』として描かれている」‥んだろうなと思った。まぁ普通の女性だとしても私生活を一千万人に全公開していれば異常なファンが大勢生まれてそうだがそういう奴らは出てこない。
その代りと言っては何だがメイの両親が性行為しているところをTV電話越しにメイが見てしまい。その結果、メイが見た両親の営みが全世界に配信されてしまう。
メイは「ちょっともう!映っちゃいけないものが映ってる~!なんなの~笑」といった感じで「ちょっとしたハプニング」として笑いにしたが、両親は「全世界に24時間自らを晒しているメイ」と毎日テレビ電話してるので自然と自分たちも毎日一千万人の人に見られてしまう、両親はその状況に耐えられずメイと連絡しなくなる。
またカレン・ギラン演じる過労死寸前で疲弊していた同僚アニーも、メイが始めた、このイカれた企画についていけなくなり疎遠になってしまう。そしてアニーが言うには「皆は信奉してるけど社長と副社長は犯罪そのものみたいな事してるのよ。私はそれを連日徹夜でもみ消してる。もうウンザリよ」と疲れ果てている。
政府や大企業に雇われたエンジニアが、政府や大企業に都合の悪い情報を連日連夜消してるうちに病んでいく、だが守秘義務があるので更に病んで潰れていく‥という人物の集合体がこのアニーだ。
この企画を始めた結果、親友、男友達、両親‥などの大事な人に関係を一時停止されたメイ。しんどいが何とかモニター期間を終え、この〈全世界、全人類の24時間監視システム〉は完成に近づく。
メイは社長のように、モニターをバックに全社員の前でシステムを発表する。
たとえばテストとして「全世界のみんな!この子供殺しの逃亡犯を探して!」と逃亡犯の顔写真を全世界に発信するメイ。逃亡中だった殺人犯は何と20分足らずで見つかり逮捕される。全人類もカメラを持ってるのでその様子も生中継されている。
「プライバシーこそ阻害されるが犯罪の90%は無くせる」という、このシステムの威力を見せつけた。だが「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」のインサイト計画に似すぎていて暗雲立ち込める。
次に人々がサーチをリクエストしたのは、メイを絶交した個人主義者マーサだった。
「メイはマーサに絶交されて落ち込んでるから、マーサを見つけて仲直りさせちゃおう!」というノリだ。メイは「やめて!マーサはこういう事が苦手なの!」と言うが盛り上がってる独善的な同調圧力には勝てず全人類サーチがスタートする。
‥と言えば何が起きるかは想像つくだろう。
誰もが想像しうる悲劇が起きて、傷心のメイは目を覚ましてアニーや両親と仲直り、そして毎週やってる衆人環視のプレゼンテーション会合で、気さくなオッサンを気取りつつ自らの手は汚さず全人類のプライバシーを阻害しながら自分のプライバシーは死守して利権をむさぼるトム・ハンクスと副社長に反旗を翻す。衆人環視の中、人々はメイを支持しているのでトム・ハンクス達は逆らえず「彼女に見事にしてやられたな笑」
メイが勝った。終わり
うん、観ていた僕は確かに、完璧なエマ・ワトソン演じるメイが洗脳から解き放たれて親友や両親と仲直りして体制を刺して欲しかったよ?
だけどそれが残り5~10分くらいであっさり実現してしまい。ラスボスであるトム・ハンクスも「やられた~僕の負けだ~笑」みたいな態度を取られたら「‥いや、これメイの妄想やろ!」としか思えないよね。もしくは「これ、映画本編が終わった近日中にメイは暗殺されて情報操作されるだろ」と逆に不安になっちゃうよね。
原作がどうなるのかは知らないが「マーサに起きた悲劇で〈サークルの危険性〉を思い知ったメイは洗脳から解かれ、アニーやタイの協力も得てトム・ハンクスを討とうとする。だが志半ばでトム・ハンクスに返り討ちされ死亡。だがメイの残した盗聴とか盗撮映像が全世界に公開される装置が動き出した‥」こんな「ゼイリブ」とか「ウォッチメン」みたいな終わり方が丁度いいやろ。
洗脳されてたエマ・ワトソンがハッと気づいて5分くらいで完全勝利。両親も親友も全て取り戻す。ラスボスのトム・ハンクスもそこまで邪悪に足掻くわけでもなくスマブラで負けたかのようなヤレヤレムード。「ごめん、僕が悪かったよ」などと言い出しかねない雰囲気。
こうあって欲しい。こうあって欲しいけど、こんなこと現実では起こり得ないだろ。
勿論そうあってほしい。エマ・ワトソンが苦しむところも見たくないし皆が笑顔でいて欲しい。それでいいと思ってる、人間はそうあるべきだと思ってる。気ままに?楽しく?平和に人生を送る?冗談じゃない。世界はそんな風になってないじゃないか!
黒沢清「CURE」の役所広司は置いといて、前半中盤は良かったけど終盤が絵に描いた餅っつーかお花畑すぎるっつーか楽園にでも住んでウルトラマンにでも護られてるかのようっつーか‥(坂本ジュリエッタ)。そんな感じでラストで一気にアホらしくなりました。原作通りなのかもしれないが、エマ・ワトソン主演作は割とこういう理想論的な映画が多いような‥カルト宗教に入った夫をエマワトが救出しにいく映画も似た感じだったし、脚本を選べる立場のエマ・ワトソンは理想主義的すぎる脚本を選んじゃったのかな?と少し思った。エマワト本人は高潔なので「当然こうあるべきやろ」と世界にもそれを求めてるのかもしれないな‥と思うのは穿ち過ぎかな?
またメイの両親がSEXして全世界に観られる場面も、本当はメイがやるべきだろう。別にエマ・ワトソンの濡れ場が観たいわけじゃないので、その場面は別に鮮明に映らなくても良いけど、とにかく「メイの両親が営みを見られて疎遠になられてメイが悲しむ」というのは遠回しすぎるだろ「メイがカメラのこと忘れてボーイフレンドとセックスして見られて監視システムに疑問を抱く」という方が自然だろう。
とにかくあらすじだけ聞くとめちゃくちゃ面白そうな本作が全然人気でなかった理由も後半でわかったね。
「一日中スマホ観てる人や自分をさらけ出し過ぎるのは危険」「GoogleAppleに世界征服されてない?」「全体主義はアカン!」といった分かりやすいストーリーや主張自体は僕も当然共感できるものだったしエマ・ワトソンもいつも通り美しかっただけに誰かの甘い妄想みたいな終盤が勿体無い一作でした。
この監督が、もしジョン・カーペンターデヴィッド・フィンチャーだったら、傑作だったに違いない。

 

 

 

そんな感じでした

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The Circle (2017) - IMDb

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Amazon: ザ・サークル (Kindle版)
Amazon: ザ・サークル 上 (ハヤカワ文庫)
Amazon: ザ・サークル 下 (ハヤカワ文庫)

ザ・サークル

ザ・サークル

  • デイヴエガーズ & 吉田恭子
  • 小説/文学
  • ¥1,600

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「アイアン・スカイ/第三帝国の逆襲 (2019)」前作よりも都市伝説とオカルトを増量し、映画としての本編が更に薄くなったが楽しいよ🦖

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原題:Iron Sky: The Coming Race 監督&脚本:ティモ・ヴオレンソラ
製作国:フィンランド/ドイツ 上映時間:90分 シリーズ:「アイアン・スカイ」シリーズ

 

 


これ別にわざわざ映画館で観る気なかったけど時間を潰さなきゃいけなくなった街でやってたので観た。
前作「アイアン・スカイ (2012)」は、2006年に企画が始まって面白そうな予告編だけ作ってそれをカンヌ国際映画祭で公開し、クラウド・ファンディングでファンから1億円を集めて制作されたSFコメディ映画。そして7年越しの続編である本作もまた同じ様にクラウド・ファンディング1.5億円集めて制作された。
前作は「月の裏側に潜伏していた月面ナチスが、高度な科学力で作られたUFOで地球に侵略戦争を仕掛けてくる」という話だった。
ナチスに心酔している女性幹部リヒター、色々あって彼女はナチスの洗脳から解けて地球のアメリカ黒人男性ジェームズ・ワシントンと共に月面ナチスの野望を打ち砕く。
とにかく設定やあらすじがぶっ飛んでいて如何にも面白そうだったが、映画自体は割とこじんまりとした普通の作品で、悪くはないが予告編ほど印象に残らなかった。
今回は何もかも言ってしまう完全ネタバレ

 

 

 

前作のラスト、人類は月面ナチスを倒したのに、地球の各国は愚かにも月の資源をめぐり核戦争を起こして地球の文明は60億年の歴史を終えた。核戦争の影響で地球には氷河期が訪れた。
前作の主人公リヒターとジェームズはナチス月面移住区の良き指導者となり、つかの間の平和を甘受した。
そして30年経過したのが本作。
リヒターと、本作では既に亡くなっている黒人男性ジェームズの間に産まれた娘〈オビ〉は大人の女性に成長していた。ちなみに年老いたリヒターは月の女王となっていたが病にかかり余命幾ばくもない。生命の危険はリヒターだけでなく月の人たちも同様、月の資源は尽きる寸前。月面人たちは滅亡寸前であった。スティーブ・ジョブズiPhoneを神のように信奉し、iPhone以外の携帯電話を持っている信者を粛清する〈ジョブズ〉なるカルトのバカたちも勢力を拡大していた。
オビはある日、前作で倒したはずの月面ナチス総統ウド・キアー)を見つける。
彼はとある不思議なエネルギー物質を口にして延命してきたと言う。
そして彼の正体はレプティリアン(ヒト型爬虫類エイリアン)だった。
彼らレプティリアンは遥か昔の原始時代に地球にやってきて、映画「プロメテウス」みたいに人類を作り上げたという。
彼が言うには地球の北極と南極にある穴から入ると、地球内部の広大な空洞が有り、地球滅亡した現在でもその地下世界は健在。そしてレプティリアンが持ってきた神秘のエネルギー源が〈聖杯〉に入っており、それさえあれば月面人類は生き延びられる。神秘の物質を一欠片貰ったオビはリヒターに食わすと母は20歳くらい若返った。これならリヒターの病気も治せるし月面人滅亡も免れる。‥という事でオビは数人の仲間‥仲良しの怪力男、殆ど滅びてる地球からUFOで何とかやってきたロシア人の科学オタク青年、ジョブズ教信者達と共に地球に向かう。
だが地球の空洞に実在した地下都市アガルタは、アドルフ・ヒトラーを始めとしたドイツの秘密結社〈ヴリル協会〉が支配していた。
協会メンバーはヒトラーをボスとしてカリグラ、チンギス・カンスターリン毛沢東スターリン、人食い大統領アミン、ウルホ・ケッコネン、ビン・ラーディン、マーガレット・サッチャーウラジーミル・プーチン金正恩スティーブ・ジョブズマーク・ザッカーバーグ‥など、死んだと思われていた過去の独裁者や偉人や著名人が居た。そして彼らは全員レプティリアンだった。
「人類が地球の文明を発展させて来たのはレプティリアンの暗躍だった」という事。
ここまでならよくあるが、ジョブズザッカーバーグが居るというのが面白い。ちなみにザッカーバーグは「一日中、SNSや猫の動画とかに夢中にさせて地球人のオツムをバカにする」という役目。
前作で地球滅亡の口火を切ったアメリカ合衆国大統領(トランプではなくサラ・ペイリンをモデルにした女性キャラ)は、地球滅亡の責任を詰められて他のメンバーに食い殺される。
あと、アガルタには恐竜たちが生き残っており〈聖杯〉が発するエネルギーで小型の太陽が地下世界を照らしており、かつての地球の地表同様の美しい世界が広がっている。

 

 

 

‥と、ここまでで本編の後半くらいまでかかってた気がする。
前作もそうだが、このシリーズは設定こそがコアで、映画本編のストーリーや展開などは殆どおまけみたいなものなので、まぁこれでいい。
前作の〈生きていたナチス〉〈月の夜側に月面都市〉〈各文明国が宇宙戦艦を保有〉という設定に加えて本作では上記の〈レプティリアンが人類創生した〉〈地球空洞説〉〈小さな太陽がある地下世界〉〈恐竜戦車〉〈地下都市アガルタ〉〈秘密結社ヴリル協会〉〈生きていた独裁者〉など数々の都市伝説やオカルトが出てきて飽きさせない。
特に僕は最近、地球空洞説が大好きなので楽しかった。真偽の程はわからないが今の地球の科学では一定以上の地球内部がどうなっているかわからないので、本当に地下世界があってもおかしくないって言うじゃないですか。
映画の残り時間も少ないので、オビ達は襲いかかる独裁者達たちと恐竜戦車で争いながら聖杯をさっさとGET。地球に来たロシアUFOで月にさっさと帰る。普通の映画なら二時間くらいかけるところを10分で済ませてしまった。
せっかく出てきた独裁者や偉人達だが、出落ちでしかない彼らをじっくり描いている時間もないので、レプティリアンの本性丸出しでヨダレを垂らして襲いかかってくる只の蛮族でしかない。ジョブズも知性を全てどっかに落としたみたいでジョブズ教信者を踊り食いする。
早い話が、石川賢の「ゲッターロボ」みたいな話だ。
そんでアガルタ宇宙戦艦で地球を出発したヒトラーや恐竜たちは月を攻めてきた。
だが聖杯のレプティリアンのエネルギーを飲んで前作くらいの年齢にまで美しく若返ったリヒターはキャプテン・マーベルのように覚醒し、月面スーパー飛び蹴り一発でヒトラーと恐竜を瞬殺!やったぜ。だがウド・キアー演じる月面ナチス総統に銃殺された!泣きわめくオビを宇宙輸送船に押し込めて、月を捨て出航した月面人たち。追う月面ナチス総統。だがiPhoneの伏線を使って逆転勝利!(Appleを散々おちょくったがここでバランスを取った)
「どこへ行く?」「赤い星‥火星よ。80年後には着くから私たちの子供や孫に託しましょう」オビとロシア人青年は残りの人生を火星までの旅で平和に暮らしていく‥。
ラストショットは〈赤い星〉で誰でも想像する、続編を作ろうと思えば作れそうなオチがついて終わる。ゆるい映画だから人気キャラであるリヒターも若返ったことだし死なせなくてよかったのに。普通の映画なら「前の主人公は次世代に託して自己犠牲」が定番だが普通の映画じゃないので存命だったり生き返っても一向にかまわん。
低予算で恐らくCGに殆どの予算が使われていると思われる。敵のヴリル協会だが、兵士とかいっぱいいるはずなのに元大統領だった幹部たちやヒトラー自らが飛びかかってくる。まぁご愛嬌か。前作も本作もそうだがコメディでもいいけど、莫大な制作費をかけてシリアスな語り口で作られてたら、もっとハマれそうなのだが基本低予算のコメディだからね。全ての敵は一撃で絶命したりして‥とにかくすぐ死ぬ。「1コマ1ページごとにどんどん超展開が進んでいってしまう」という‥60年前のアメコミとか漫画をそのまま映画化したかのようだ。死さえもギャグとして扱うコメディ映画だとしても、せめて「マイティ・ソー:バトルロイヤル」みたいにシリアス要素もあれば‥と思ったが、あの境地まで達してる映画は他にないので無理な注文か。ロバート・ロドリゲスの映画にも言えるが出てくる登場人物全員が弱く見えるので「ヒトラーとかレプティリアン達も、俺が鉄パイプ持ってれば皆殺しに出来るんちゃうかな?」と思えてきてしまう。一発一発が軽いというかね。
さっきも言ったようにこのシリーズは「どうだい?この設定?面白いだろ」と見せつけてくる楽しい基本設定が映画のキモで、映画としての本編はオマケみたいなもんだ。だけどつまんないわけでもなくちゃんと作られてるけどね。
このシリーズで観れるものは他では観れないので独自の楽しさもある。
そして前作も本作も「特にもう一回観たりソフトを買う気には一切ならないが一回観る分には最後まで楽しめるよ」って感じだ。こう言うと貶してるようだが、そんな事はない。それと〈主人公が黒人女性〉〈ヒロインが男〉〈マッチョな怪力男が実はアレルギー持ちのゲイ〉などのキャラ設定は現代的だな、と思ったりもした。
海の家で食う焼きそば、みたいな、安いけど確実な面白さを持ったインディペンデント低予算SF映画。監督は、その範囲内で最大限に面白くしてると思う。だけど真っ赤な3作目はもういいかな‥(でもリヒター生き返るなら続き観たいかも)。

 

 

 

そんな感じでした

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映画『アイアン・スカイ/第三帝国の逆襲』オフィシャルサイト

Iron Sky: The Coming Race (2019) - IMDb

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Amazon: アイアン・スカイ (竹書房映画文庫) ※前作のノベライズ

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「おとなの恋は、まわり道 (2018)」偏屈キアヌと屁理屈ウィノナが一時間半喋りつづける恋愛映画🧔🏻👩🏻‍🦰

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原題:Destination Wedding 監督&脚本:ヴィクター・レヴィン 製作国:アメリカ 上映時間:87分

 

 

 

キアヌ・リーヴスウィノナ・ライダーという「二人とも90年代を代表する元カリスマ的な俳優だったが私生活が荒れたり昔ほど大ヒット作に恵まれなかった二人だったが、どちらも近年、老若男女に大人気かつ大ヒット作に出演した」そんな2大スターの共演作。‥何か今、文章としてキャッチーだと思って「低迷してたが再ブレイクした2人」って雰囲気で書いたが、二人の出演作はずっと観てたし、あんまりそういう冷たい言い方はすべきではなかったかも。この2人のダブル主演での共演と言えばリチャード・リンクレイターフィリップ・K・ディックの小説を原作とした「スキャナー・ダークリー」とか、コッポラの「ドラキュラ」が思い浮かぶ。どっちも好きだわ。特にスキャナーはディック小説で一番好きだったし思い出深い。
そんな2人が本作ではアラフォー独身者を演じ、共通の知り合いである新郎のリゾート・ウェディングに参列して出逢うという話。
キアヌは仲の悪い新郎と異父兄弟で、ウィノナは新郎に少し前に捨てられたばかり。
2人は空港での初対面時からお互いを罵り合う。その後も席が偶然常に隣、という事が続きホテルの泊まる部屋まで隣で、disりあってるうちにコミュニケーションも増え、畑のような場所を歩いてるとネコ科の獣に出くわしたことでアドレナリンが分泌され切っ掛けとなったのか、その場でファックし、その後やがて惹かれ合う‥みたいな流れ。カジュアルにネタバレしてしまったが、大きな出来事は本編の90%は2人がずーっと喋っているだけというのが基本。その会話が本作のメインで後は全部舞台装置みたいなもんなので個人的にはネタバレしようがしまいが影響ない気がする。
で、台詞やキャラクターの性格というものは主演2人にしかなく、他の人物は台詞一言もなく画面の書き割りに過ぎない。二人の共通の知り合いだという〈新郎〉も一切喋ったりアップになったりもしない。2人芝居みたいなものか。
偏屈でめっちゃ喋るキアヌと屁理屈めっちゃ喋るウィノナが全編(ファックしてる時も)ずーっと喋ってる。ウディ・アレン映画のウディアレンの喋りを更に1.5倍増やした感じでちょっと台詞が多すぎる気もする。リンクレイターの「ウェイキング・ライフ」とか「スキャナーダークリー」みたいだ、幾ら何でも初対面の異性同士がこんなに喋りまくらんだろう、とは思うが映画にそんなツッコミしてもしょうがねー。きっと英語できる人が原語で観たら、もっと面白いのだろうが、そうじゃないので観終わる頃には何だか単純に疲れた。字幕だと台詞に対しての字幕がめちゃくちゃ少ない上に字幕が2人のトークに全く追いついてなくて若干ズレてる気もするので吹き替え推奨。
ウィノナ・ライダーは先週観た「ストレンジャー・シングス〈シーズン3〉」でも思ったが、相変わらず美人なんだけど近年急激に老けた気がする。長年の心労が響いたのか痩せすぎのせいか、あるいはその両方か。。個人的にはもう5kgくらい太って顔に丸みを帯びさせた方がいいと思うが大きなお世話だろう。そもそも女性の容姿について語る行為自体が何だか下卑ているのでこの話題はもうやめよう。
キアヌのおしゃべり偏屈野郎っていうこのキャラは何だか新鮮でいいなと思った。彼の過去に何があったのか‥?というか40代なので他人と深く関わった後の面倒臭さ、もしくは「人間は殆どの出会った人とは末永く付き合わない」そして、そうやって知り合った他人と離れる時の面白くもない空気を嫌い「だったら深く関わらなきゃいいだろう」と、他人に心を開かなくなったばかりか「いま君に心を開かないようにしている」と会話してる最中のウィノナに直接言いさえもする男。僕もアラサーの時は友達何人出来るかなって感じの性格だったのにも関わらずアラフォーの今では、知り合う前から縁の切れる時を想像してしまい、何だか何か始まる前に既に面倒くさくなってしまう‥そんな感じの性格になってしまった40代独身男性なのでおのずと(僭越ながら)キアヌのキャラに共感して観ていた。すみませんね‥恐縮です。「気まずさ」というのは実際気まずい相手の前に行けば数十秒や僅かな会話で霧散して後は普通に話せる‥というのも知ってるのだが何かもう「気まずい」という数秒間がもう面倒くさいと感じるようになってしまった。「何か、もう他人とか、それぞれ死ぬまでにあと一回づつ会えればそれでいいか」といった状態になってしまった。まぁこの状態も誰か知ってる人が死んでハッとして反省するなどの切っ掛けがあれば‥変わるのだろう。なかなか我ながら死人の考えみたいなヤバい状態にある気がする。
話を映画に戻そう。
このキアヌのキャラはそんな感じで自分と他人‥ウィノナの間にシャッターを下ろしたままで「君には全く興味ない」とか言って口喧嘩ばかり言ってる癖に、いざウィノナがピンチになったりすると「身体が勝手に動いて」彼女を助けたりする。これではウィノナのキャラがキアヌのキャラに好意を抱くのも無理ないな。そもそも本体がキアヌだしな。。いや、どうしようもなく身体が勝手に助けてしまうのだから最初からキアヌの方がウィノナを好きだったのかな。そもそも空港や機内で無視し合うわけでもなく延々と口喧嘩やり合ってる、という状態が既にSEXみたいなもんだし、2人の色んな動作や癖がシンクロしていた映画冒頭から惹かれ合ってたと観る方が自然か。
2人も疑っていたが、共通の知り合いだという嫌な新郎がわざと2人を隣り合わせ続けてくっつけたのかも知れない。また2人は新郎のことを「嫌な奴」だと言ってはいるが言ってるのは偏屈なキアヌと捨てられたウィノナだけだし「別に新郎は嫌な奴じゃないのでは?」という気もしてきた。答えが提示されなくて想像する余地がある方が面白いですね。提示されてたら「ナルホド」とか言って納得してそれで終わりだからな。具体的な答えがないという事を洞窟に喩えると、そこで大声(疑問)を出せば洞窟内に響く、そしてその響き(自分の考え)が跳ね返って帰ってきて「おもしろいね」と感じたりする。これが答えのない面白さではないだろうか。
ラストのキアヌが、今までのこのキャラと全く違う真摯な表情、ウィノナもまた往年の可愛らしい表情、2人がこの映画で初めてそれを見せるのはラストだけ。このラストは丁度いい爽やかさがあった。
このラスト観たら「ふたりとも映画冒頭から、このラスト数秒の素直なキャラだったら話はもっと早く、またこんな膨大な台詞量もいらなかったのでは?」と思ったが「これだけの遠回りやトラブルや偶然性(もしくは仕組まれ)がない限りアラフォー独身同士の男女は付き合い始めない」という事が言いたかったのだろうと思った。SEXの始まりの時お互い止める気なんてないのに止めようとしたりSEX中にずーっと喋ってるのも2人が付き合い出す流れと一緒だ。「アラフォーならではの挙動」とさっき書いた気がしたがこうしてみると何だか思春期の子にも思えてきた。年寄りが見たら確実に「可愛い2人」とか「ガキみたいな2人」とも思ったりしそうだ。中年というのは思春期とそう変わらないのかもな‥。劇中でキアヌ氏も「人は死ぬまで思春期」とか言ってたしな。本作は、2人と一緒にリゾート地を歩いてワイン飲んでる気持ちにもなれて楽しめた。以前から思ってたがキアヌがバイクで各国を転々とするというノーマン・リーダスがHuluでやってた配信番組みたいな『キアヌさんぽ』というコンテンツがあったらいいのになと思った。
「結局この映画の内容は、この何ともダサい邦題の通りだったな」と思わされてしまうのが何だか癪だが実際その通りだった。いや、だけど本作を観る人の多くは「キアヌとウィノナのこじらせアラフォー恋愛映画?へー観てみるか」と思って観始めるはずなので、こういった結末を示唆するダサい邦題はやはりダサいと思う。普通に「リゾート・ウェディング (2018)」でよかったんじゃないか?「ウェディング」がタイトルに入ってれば恋愛ものだとわかるだろう。それとも、この「こじらせた年長者の遠回り恋愛を示唆する邦題」じゃないと手に取らない奴が多いと思ったのだろうか?そんな奴はいやだね‥。だが映画会社の邦題を付ける人も当然、変な邦題というのは言われなくてもわかってるはずだろう。邦題付ける時に、マーケティングによる前例に習わず自分ひとりが責任取る覚悟で自由な邦題つけてたら会社の人間としてやっていけなさそうだし自然と似たような変な邦題が増えるんじゃないかな。‥などと、そこまで変過ぎる邦題でもない本作の邦題について内容ゼロなのに字数を取りすぎた。結局最初に言った「だせー邦題」という一言で話は既に終わっていたのだが本作の内容に習って、最初にわかっていた結論を後回しにして遠回りしてみた。だが特に気が利いてるわけでも面白くもないダサい結果になった。俺にお似合いだな?
それにしても気がついたら最近ヒーローとかバケモノが出てくる映画や爆発が起こるような映画ばかり観てたので(最近というか10代の時からずっとだが)、こうやって喋ってばかりの恋愛映画ひさびさに観て新鮮だった。おれの最近の映画鑑賞、バランスを欠いてたなと思った。何事もバランスよくしないと。しかも40代のこじらせた感じの男女の恋愛というのも自分に合ってたし、主演の2人が自分より歳上というのもいい。映画じゃなくて、もっと他に重要なことがあるだろう、ともう一人の自分が問いかけているような気もするが、それは明日考えることにしよう。

 

 

そんな感じでした

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Destination Wedding (2018) - IMDb

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