gock221B

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『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』(2023)/元々スパイダーマンの運命が好きじゃなかったからマイルスが抵抗するのは嬉しい。でも情報力多くて疲れた……🕷


原題:Spider-Man: Across the Spider-Verse 脚本&製作:フィル・ロード&クリストファー・ミラー 監督:ホアキンドス・サントス/ケンプ・パワーズジャスティン・K・トンプソン 脚本:デヴィッド・カラハム 原作:MARVELコミック 製作国:アメリカ 上映時間:140分 シリーズ:『スパイダーマン:スパイダーバース』シリーズ第2作目

 

 

🕷SONY制作のアニメ『スパイダーマン:スパイダーバース』(2018)の続編。
ちなみに本作は二部作の前編。後編は来年公開される『スパイダーマン:ビヨンド・ザ・スパイダーバース』(2024)。
同じアメコミ映画……DCの『ザ・フラッシュ』(2023)と同日公開ってのが困った本作。
本作は二部作の前編だし、『ザ・フラッシュ』(2023)の方が凄そうなので同じ劇場で本作→『ザ・フラッシュ』(2023)の順番で観た。この順番で合ってたけど『ザ・フラッシュ』(2023)が面白すぎて先に観たこっちの方を既に忘れつつある。だから本作に絶賛している世間よりかなりテンション低めな感想です。基本的に面白くて良いアニメ映画だとは思ったんだけどね。

🕷MCUより先にマルチバースの概念を持ち込んだ前作『スパイダーマン:スパイダーバース』(2018)は、良い作品ではあったし面白くはあったが、過去のスパイダーマンシリーズを観てる身としては「叔父さんが亡くなって『大いなる力には大いなる責任が伴う』いつものスパイダーマンの繰り返しだな」「せっかくのマルチバース要素だが、せいぜいピーターBがマイルスの師匠になるってとこくらいで、あとのペニーやノワール等は装飾として映画にくっ付いてる只の装飾だな、残念ながら」といった感想で、若者や初めてスパイダーマン作品に触れた人たちが『スパイダーマン:スパイダーバース』(2018)を観て熱狂したほどの感動はなかった。
どっちかというとストーリーよりも、僕が大好きなアーティスト、Alberto Mielgo氏のコンセプトアートを始めとする素晴らしいアートが醍醐味で、前作の映画のルックスは世界のアニメ最高峰レベルでした。本作にAlverto氏のクレジットないから参加してないっぽい。

🕷製作総指揮はフィル・ロード&クリス・ミラー。『くもりときどきミートボール』(2009)、『レゴ®ムービー』(2014)、『21ジャンプストリート(2012)、『22ジャンプストリート』(2014)、とかの監督。全部面白い。『レゴ®ムービー2』(2019)だけ観てないわ(というか2あったの知らんかった)。本作の監督は別だが、彼らが大きく関わってるので殆ど彼らが監督みたいなもんだと思ってる。

ネタバレあり

 

 

 

 

この世界に唯一人のスパイダーマンは優秀な高校生、マイルス・モラレス/スパイダーマン(CV:シャメイク・ムーア)。マイルスは前回、共に闘ったマルチバースのスパイダー仲間、グウェン・ステイシー/スパイダーウーマン(CV:ヘイリー・スタインフェルド)を忘れられずにいた。
一方、グウェン。本作は彼女のオリジン丸々一本をアバンにして始まる。
街で暴れるトカゲの怪人リザードを取り押さえるとグウェンと仲良しだったピーター・パーカー(CV:ジャック・クエイド)だった。グウェンがスパイダーウーマンである事に気づいていた彼は彼女のように”特別”になってグウェンの隣に立ちたくて薬品に手を出しリザードになってしまっていたのだ。対決の影響でピーターは命を落とし、グウェンは大事な友だちを喪った。その現場を目撃したグウェンの父ジョージ・ステーシー警部(CV:シェー・ウィガム)は自分の娘とは知らないまま「スパイダーウーマンが娘のボーイフレンドを殺害した!」と誤解する。ギクシャクし始めるステーシー父娘。
そんなある日、マルチバースからバルチャーが現れ、マルチバースのスパイダー、ミゲル・オハラ/スパイダーマン2099(演:オスカー・アイザック)とジェシカ・ドリュー/スパイダーウーマン(CV:イッサ・レイ)が現れ、グウェンも混じってバルチャーを捕える。
ミゲルは、あらゆるマルチバースのスパイダーのチーム〈スパイダー・ソサエティ〉のリーダーだった。ソサエティマルチバース全体を破壊しかねないマルチバース災害を取り締まる役目もあった。
父に正体がバレて、自分の世界に居場所がなくなったグウェンも流れでソサエティに入会する。
というここまでがアバン。グウェンのオリジン、ミゲルやソサエティの登場……など、アバンにしてはかなり長くたっっぷり描かれる。体感15分くらいあった(本当は5~10分くらいか?)。
前後編だからか時間の猶予があり、一つ一つのシーンに使える時間が長いのかも。

 

 

タイトルの後、マイルスの日常、スーパーヴィランのスポットとの闘い、マイルスパパのパーティ、愛しのグウェンが訪問してくる……など次々に進んでいくが、一つ一つのシーンが異常に長い。……といったら文句みたいだが、つまらないわけではなく全シーンちゃんと面白いし画面の端々に神経が行き届いてるし、本当に気合が入ったアニメだと思う。だが一つ一つのシーンが長すぎる。後編を観るまでは判断できないが、二部作にすると決めたから一本の映画なら切るべきシーンを全部そのままにしてる感じが強い。一本の映画みたいなノリで撮った6時間位の素材を、切らずに6分割しただけのMCUドラマっぽいというか。ちょっと悪く言い過ぎか。「2部作にするため引き伸ばしすぎ、遅延行為だ」とまでは思わない、少し思ったが。それより一つ一つの場面が濃厚すぎるのかも。前菜やスープ全てに肉が入ってるというか……「肉はメインディッシュの時だけでいいですよ?」と言いたい感じか。ここ10年の映画は店舗よく進めてつまらないシーンがないように作ってるが個人的には中盤にちょっと退屈なシーンや「ここ居るか?でもまぁいいか」みたいな場面を入れて抜けがある方が好みだ。
アニメーションのビジュアルや動きは前作同様に世界一カッコいいし、特に無駄なシーンはない。マイルスや両親、グウェンと父親などの感情表現も余すことなく描写していて素晴らしい。もし自分に子供が居たら観せたい感じ……だが全シーン凄くたっぷり描くなぁと思った。このシリーズは基本好評だがたまに「毎秒毎秒、素晴らしいグラフィックと色んなスパイダーマン小ネタ膨大な情報量で、よく動くカッコいいアニメーションが最初から最後まで延々と続いて面白い……んだけど観てて疲れる」とよく聞くが、前半だけで自分もそれをたっぷり感じさせられた。
何度も言うように決してつまらないわけではなくクオリティも低くない……というかむしろ最高峰なんだが「疲れるし一つ一つの描写が長い」というのが正直なところだ。
ひょっとして自分が中年だからかも?10~20代なら丁度いいのかも?わからんが。

 

この後はマイルスがグウェンの後を付けてスパイダー・ソサエティ本拠地に行く。
スパイダー・ソサエティは、アバンでのバルチャーや前作のキングピン、マイルス世界のスポットなど、マルチバースに影響を与えかねない事象を監視している。そして、掟はそれだけでなく「スパイダーマンには親しい人の死が定められている。これを回避してしまえばマルチバース全体に被害が及び兼ねない」という事がわかる。それぞれのマルチバースでの、ベンおじさんやメイおばさんやステーシー警部や恋人……そんな大事な人を喪う事は回避不可能だという事。
マイルスは、その運命と自分を恨むスポットなどを考え、スポットが警部に昇進する父を殺そうとしている事を悟り、自分の世界に戻って父を助けようとする。
しかしミゲルは「気持ちはわかるがお前にそうさせるわけにはいかん!」と阻止する。
奇しくも同日に観た『ザ・フラッシュ』(2023)も「自分の運命にどう折り合いつけるか」の話だった。『ザ・フラッシュ』(2023)は「未来にしか自分の道はない。過去を改変するのは現在の自分を否定する事も同然」といった感じだった。これはこれで一つの正解。「DCEUはもう終わる」というDCEU全体に流れる終末感にも合ってたし。
本作の場合は「運命は自分で切り開く!」という『ザ・フラッシュ』(2023)とは逆のものだった。本作にも間接的に関係する『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2021)の明るいピーターも、悲惨な運命から逃れられなかった。『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2021)は、面白かったけど「そんなにおじさんだのおばさんだの恋人や友達を失わなきゃいかんか?スパイダーマンはよく知ってるけど別にもう不幸縛りはいいだろ」という気持ちがあった。
そういう意味で本作は、それに疑問を投げかけているのは良いと思った。
まだ前半だが「運命に立ち向かう!」と立ち上がったマイルスが「やっぱ運命には勝てなかったよ……」と父が死ぬ関係はあり得ないだろう(そうなったらガッカリだしね)。
全体的な評価は後編観てからしよう。本作はマイルスvs.ミゲルやグウェンと父などのシーンが一応のクライマックスだったが『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)などと違い思いっきり「途中」で終わってしまうタイプの前編だった。

そういえば「実はピーターBたちは前作ではキングピンが起こすマルチバース犯罪を止めに行っていた。そして別のマルチバースの蜘蛛にマイルスが噛まれたせいでピーターAが死にマイルスはその世界の……いや全世界の異分子となった」みたいな設定で「良作だけどマルチバース要素うすいなぁ」と思っていた前作を底上げしたのが上手いなと思った。
そういえばミゲルが吸血鬼っぽいのって何なんだろ?原作でもそうだっけ?

 

 

良かったキャラ、今回は何といってもホービー・ブラウン/スパイダーパンク(CV:ダニエル・カルーヤ)だろうアナーキー大好きな性格とかクールすぎる素顔とか、何もかも良さしかなくて少しズルいくらいの良キャラだった。
隠しキャラはドナルド・グローヴァー演じる実写版アーロン・デイヴィス/プラウラーか。『スパイダーマン:ホームカミング』(2017)に出てたデイヴィスおじさんが後でプラウラーになったのかな?
他にもペニー再登場とか妊娠してる事だけがアイデンティティかのようなジェシカとかベン・ライリーとかプレステのゲームのスパイダーマンとか色々出てきたが、まぁメインの4、5人以外は基本出てるだけなので省略します。もう「画面の端に○○世界のスパイダーマンが出てた!」とか喜ぶことに疲れました。とはいえさすがに東映が出るとこは面白いだろうなと思う。後編のクライマックスとかかな?「グウェンの新バンド」とミゲル率いるスパイダーソサエティだけで対抗できなくなり更なるマルチバースから呼んだスパイダーの中に居そうだよね。ポータルが開いてレオパルドンの巨大な手が敵をパンチして掌を開いたら中から東映が居て「地獄からの使者……」と始めるんじゃないか?実写は実写のまま出るっぽいから実写かな?出たらインパクトありすぎて話題が東映に集中してしまうからこの前編では出ないと思ってた。

この続きは来年の春公開の『スパイダーマン:ビヨンド・ザ・スパイダーバース』(2024)。

 

 

 

 

そんな感じでした

スパイダーマン関連作〉

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『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)/この世に白と黒はなく灰色だけが在る事を描いたヒーローの内戦👱 - gock221B
『スパイダーマン:ホームカミング』(2017)/すごく良かったがピーターが私生活で約束を破り続けるのでヒヤヒヤする 🕷 - gock221B
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)/予想を裏切り期待に応えるMCUの到達点🎨 - gock221B
『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)/なんで真田広之すぐ死んでしまうん?🎨 - gock221B
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フィル・ロード&クリストファー・ミラー監督作&制作作品〉
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『レゴ®バットマン ザ・ムービー』(2017)/確かにバットマン映画の中で一、二を争う傑作だった🦇 - gock221B
『ミッチェル家とマシンの反乱』(2021)/本編も文句ないし何よりもキャラデザが良すぎる👩‍👩‍👧‍👦 - gock221B

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Spider-Man: Across the Spider-Verse (2023) - IMDb

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