gock221B

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『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2021)/盛りで最高に面白いが、中盤の余計な曇らせで後半のお祭りの味しませんでした🕷️

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原題:Spider-Man: No Way Home 監督&脚本:ジョン・ワッツ 製作:ケヴィン・ファイギ、エイミー・パスカル 原作:スタン・リー、スティーヴ・ディッコ 制作スタジオ:MARVELスタジオ、コロンビア ピクチャーズ 製作国:アメリカ 上映時間:148分 シリーズ:MCUの『スパイダーマン:ホーム』シリーズ、マーベル・シネマティック・ユニバースMCU)第16作目

 

 


MCUの『スパイダーマン』シリーズ3作目の完結編。MCUフェイズ4の4作目(通算27作目)。トム・ホランド演じるピーター・パーカー/スパイダーマンの活躍としては5作目。
なんか知らんが日本だけ大幅に遅れて公開。ネタバレを防ぐためミュートワード60個くらい入れて護身した。だがミュートワードをそんなにも打ち込んでる時点で強力に予想できてるわけで、実際本作を観たらその殆どが出てきた。本作の予告編……本作に限った話じゃないけど予告編で観せすぎですよね。全部見せてるわけじゃないけど予告見たら「じゃあ、きっとこうなるな」「じゃあアイツも出るな」と予想した事が全部出てきたので正直あまり驚きがなかった。ケヴィン・ファイギが「過去のヴィランとかすらも予告で隠しましょう」と隠したがってた理由がわかった、ドクオクとかすらも隠しとけば他のアイツやコイツも予想できないので驚きが10倍くらいになってただろう(ちなみにSONYは殆どのキャラを予告に出したがってた)。勘の良い人は予告観たら結末まではおろか本作の後でピーターがどんな感じなるか殆どわかってしまう、実際その通りだったが、それでも想像してなかった出来事も幾つかあった。
当たり前だがサム・ライミ版『スパイダーマン』三部作(2002-2007)、マーク・ウェブ版『アメイジングスパイダーマン』二作(2012-2014)のヴィランが出てくるため、それら5作を観ておく事も忘れてはいけない。
サム・ライミ版3本とマーク・ウェブ版2本を観てなくてMCUのトムホスパイディだけ観てた人でも、キャラや過去に何があったか軽く説明が入るのでストーリーについていけなくはない気もするが……いや、やはり全部観といた方が良い。というか過去のシリーズからキャラがゲストでポンと出ただけじゃなく過去のシリーズの続きにもなってるので。あと、こう言うのは良くないが『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』(2021)と同様にリアタイで全部観てた人の方が面白い。
ちなみに僕はサム・ライミ版が尋常じゃないくらい好きでした。特に2。この『スパイダーマン2』と『バットマン・リターンズ』は、今とは違って「作られるアメコミ映画の90%」という長いアメコミ映画冬の時代で「でもアメコミ映画にはこれがあるから……」という人気の映画でした。あまりに何十回も観て好きだったが余り逆に、ここ10年くらい観てない(何か「今観たらちょっと……」と思う部分がありそうで、思い出は思い出のままにしておきたかったので)。マーク・ウェブ版はサム・ライミ版ほど好きじゃなかったがピーターがスパイダーマン状態になってのジョーク交じりでチンピラをボコボコにして屈辱を味合わせるスパイディーの原作っぽさやライミ版では描かれなかったグウェンを描ききったところ、あと『アメスパ2』ラストなど局所的には好きでした。
『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(2019)
で初めてマルチバースの概念だけ説明して一旦はスカし、その後 『ロキ』〈シーズン1〉(2021)『ホワット・イフ…?』〈シーズン1〉(2021)など何作も何作もかけてSFやアメコミ好きな人にはお馴染みの「マルチバース」の概念をこれでもかと2年に渡って説明してきたMCUMCU外だけどSONYアニメ映画『スパイダーマン:スパイダーバース』(2018)でも思いっきりマルチバースを扱ってた)。『ロキ』あたりでは最終回になっても「マルチバースって何なの?」と言う人がいたが本作公開時にはマルチバースが何なのかわからん人はもう居なくなっていた。既にお馴染みの過去スパイダーマン2シリーズのヴィランを予告で出したのがデカかった気がする。あれで「マルチバースってこういう事か、凄い発明だね」みたいな声をよく聞いた覚えがあります(そう思うと予告でヴィラン出したのは正解だったのかも)。
ちなみにトム・ホランドMCUの契約はここで一旦終わり。SONYは続けてトムホのスパイディ新三部作を作りたがってる、2年くらい前には「いつまででもスパイダーマンやりたい!」と言ってたトムホは本作完成した辺りで「そろそろ卒業したい、実写版マイルズとか出したらどう?」とピーター役継続に二の足を踏んでいる感じ?
公開初日なのでいつもより大きな字でネタバレあり感想、と書いとこう。

 

 

 

本作はドラマ『ホークアイ』(2021)と殆ど同時期の2024年の冬の話で現在のMCUで最も未来の話になる。
『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(2019)のラスト直後から始まる。
幻影を操るヴィラン、ミステリオを倒したピーター・パーカー/スパイダーマントム・ホランド)だったが、ミステリオが作りニュースサイト「デイリー・ビューグル」のJ・ジョナ・ジェイムソンJ・K・シモンズ)が広めたフェイク・ニュースによりピーターそしてスパイダーマンは殺人犯として正体が全世界に知られてしまう。
殺人容疑をかけられたピーターだけでなく、母親代わりのメイおばさんマリサ・トメイ)、恋人MJゼンデイヤ)、親友ネッド・リーズ(ジェイコブ・バタロン)らも共犯者として尋問されるが、異常な空間把握能力を持った盲目の弁護士マット・マードック(チャーリー・コックス)が1秒で不起訴にしてくれた。
しかしピーター達の生活はどうにもならないほど混乱しきっていた。3人のスキャンダルを嫌った大学は三人を不合格にする。
進退窮まったピーターは、サノスの侵略から共に地球を護った元ソーサラー・スプリームのティーブン・ストレンジ/ドクター・ストレンジベネディクト・カンバーバッチ)を訪ねる(現在のソーサラー・スプリームはウォン)。
ストレンジは「全ての人からスパイダーマンの正体の記憶を消す」という世界規模の秘術を使おうとするが、身内の記憶も消えたら困るピーターに邪魔されて魔術は中断。
しかし魔術の失敗は時空に歪みを生じさせ「スパイダーマンの正体を知っている者」を他の異なるマルチバースから、この世界に召喚してしまった。
オットー・オクタビアス/ドクター・オクトパス(アルフレッド・モリーナ)、ノーマン・オズボーン/グリーンゴブリンウィレム・デフォー)、フリント・マルコ/サンドマントーマス・ヘイデン・チャーチ)、マックス・ディロン/エレクトロジェイミー・フォックス)、カート・コナーズ/リザードリス・エヴァンス)ら、スーパーヴィランがピーターの前に立ちふさがる―

そんな話。

 

 

 

過去のスパイダーマン映画シリーズ2本からやって来たヴィラン達。
とりあえず彼らをストレンジの魔法の檻に収監して、元の世界に戻そうとするピーターとMJとネッドのチーム。
……本作は情報量が多すぎるため物凄いスピードで事態の推移が展開するので面白いに決まっている。ピーター達が困りまくる様を凄いスピードで見せていき、Netflix『デアデビル』(2015-2018)のマット・マードックがピーターたちを不起訴にするのは実に1秒くらいで完了する。……ちなみに本作は本来もう少し早く公開するはずだったので『ホークアイ』全6話 (2021)Netflix版『デアデビル』のマットの宿敵キングピン(ヴィンセント・ドノフリオ)が出てくる……より先に本作でもマットが……というのをやってくれてたのだがアホのSONYが日本だけ遅れらせたので「ピーターたちを弁護するのはシーハルク……もしくはマットもワンチャンある?」などと少し予想できてしまっていた。スパイダーマン単体じゃなく公開日とか全部、計算してるんだからしょうもない理由で公開日を遅らせるな、と強く思った(この公開日の遅れはデメリットしか生んでいない)。ちなみに僕はMARVELコミックのキャラでも実写アメコミでもデアデビルが一番好きだしNetflix『デアデビル』(2015-2018)も大ファンだったので本作でマットの杖がズンッと出た時に「えっ?」と思った直後マット本体が出てきて「おっ!」と思い、更にMARVEL市民がヒーローに不信感を抱いた時に飛んでくるオブジェクトでお馴染みの「MARVEL市民レンガ」が飛んできたのをノールックでキャッチ!したシーンでも「おおっ!」と喜びはしたが、『ホークアイ』全6話 (2021)でのキングピンの扱いが尋常じゃなく悪かったので素直に喜べなかった、MCU世界に出てきて嬉しかったがちゃんとした扱いじゃない限りもう出なくていい、「期待しなければ裏切られない」。このマットがピーターたちをどう弁護したのかも詳しく知りたいが本作はこんなところをじっくり描く時間はない。なにしろハッピーやベティやフラッシュ、一作ごとに一人づつ増えていく変な教師などのサブキャラは各数十秒しか出番がない。猫を飼ってるコンビニのおじさんは……店だけ一瞬だけ出た(このシリーズ、彼らサブキャラが凄く良かったのだが最後まで情報量が多すぎて出番なかったね、もっと学園生活が観たかったよ)。
とにかくスピードだけでなく、本作の特徴として物語を展開させるため、ストレンジやピーターの決断や行動が尋常じゃなく強引だという事がある。
事の発端となる「世界中の人間から『スパイダーマン=ピーター』という記憶を消す」というストレンジの魔法……原作で言うとメフィストがやって編集長が「魔法だからいいじゃん」と言って叩かれたアレ、アレですね……とにかくこの世界規模の秘術をストレンジが始めた途端ピーターが「いや恋人MJの記憶はいじらないで!」と言いストレンジが「途中で止められないんだぞこれは!……よしMJの記憶はそのままに……」するとピーターが「ネッドの記憶も……」「あっメイおばさんの記憶もそのままに……」と邪魔をして中断しまくる。このせいで秘術が不完成になり時空が歪んでマルチバースからヴィランがやってきてとんでもない事になる。
観てるこちらからしたら「ちょっと待って、そんな危険な魔法まずやる前にストレンジがピーターに説明してミーティングして……段取り全部決めた後にやるべきだろ」とは思うのだが、本作はそういった「強引な行動」が他のアメコミ映画に増して異常に多い。『アベンジャーズ』(2012)の前半でヒーロー達が突然大喧嘩する時の強引さだ、あの時は「ロキの杖で精神を少し操られている」という言い訳があったが本作は……?本作ではストレンジが「共闘したから忘れてたが、こいつ……まだ子供だったわ」と何度も何度も言う。本作の強引さは「ピーターは子供だから感情的ですぐ行動に出る」という言い訳一本槍で突き進む。冷静に考えると本作は常に凄く強引なのだが、それでもいい。面白いから多少の強引さは許される。
「そういえばサム・ライミ版もこんな風に超強引に話が進んでたな」と懐かしくなった。サム・ライミ版は思春期ヒーローであるスパイダーマンの「現実がどうにもならない様」がストーリーやアクションにそのまま反映されていた。本作の強引な展開のあれこれもやはりトムホピーターの性急に事を進めたがる思春期特有の安定しない思考や行きあたりばったりな行動が、そのままストーリーやアクションに反映されている、と思えばさほど変じゃない。
とはいえ実際にはピーターだけでなくストレンジも突然とんでもない魔法をブチかまし始めてとんでもない事になったり、優しいメイおばさんが今までの数倍優しい行動を取りとんでもない事になるのだが。その辺は、本作は精神が安定してないピーターの主観世界だから彼ら大人も突然極端な事を始める……という風にピーターからは見えていると受け止めて観た。
そもそも本作は「過去2シリーズの別世界のキャラクターを召喚させる」「そして彼らを元の世界に還す」「やっぱそれを止める」「止めて治療する」「そして還す」「ピーターの事を世界中の皆に忘れさせる」などの、普通の映画ではありえない無茶苦茶な事を破綻なく次から次へと展開させていく話なので、メインキャラが多少強引に行動しないとこれらの事を実現させることができないのだ。だから多少の強引さや粗には積極的に目を瞑って楽しんだ。
ドクオクを始めとするヴィラン達も、ピーターに対して聞き分けが良かったり突然ピーターに襲いかかったりと冗長が安定してない。だが彼らヴィランは「精神と肉体が安定してない」という説明が入るのでまぁわかる。
それに、ドクオクにナノアーマーを奪われ、逆にピーターがドクオクのアームをハッキングして行動不能にする等、アクション面は流れるように展開していき凄く面白い。
最初はストレンジの指示で、ピーター&MJ&ネッドの仲良し三人組がヴィラン達をポケモンよろしくGETしていく。冷静に「何故、危険なヴィラン達を捕まえるのに高校生のMJとネッドが必要なのか?」と考えると疑問が深まるが、まぁそれは彼女達をラストバトルまで付き合わせるために必要な展開だ。それと同時にメイおばさんがヴィラン達を「彼らはヴィランではなく『困ってる人たち』」と言い出して元の世界に送り返すのを止めるという危険な優しさ。それがきっかけで「ピーターが世界一頼りになるストレンジをミラー・ディメンジョンに封印する」という展開も普通に考えると異常な行動なのだがストレンジが居たら色んな事が出来すぎてしまうので一時退場して貰う必要がある。とにかく、あらゆる要素が強引な行動で進むのだが、さっきも言ったように面白いのだからOKだ(それとピーターがミラーディメンジョンのオブジェクトを観て難しい計算をして数学でストレンジを捕縛する展開も面白いので許せる)。

 

 

 

メイおばさんとラスト
ここから予告編にはないネタバレが増えます。
ストレンジに一時退場して貰ったピーターは、天才科学者ノーマン・オズボーンに助けてもらい、トニーのハイテク工作機械を使ってアームに支配されたドクオクの精神を元の立派な紳士に戻す機械、エレクトロの電力を消す機械、ノーマンの中からグリーンゴブリンを消す薬品などを次々と発明する。
途中、ピーターのスパイダーセンスが発動する(ここはホームカミングで覚悟を決めたピーターの場面を思い出して凄くカッコいい)。ノーマンの中のゴブリンが目覚めてしまった。ゴブリンの悪のスピーチに感化されたエレクトロやサンドマンも建物を破壊して脱出。善人に戻ったドクオクはストーリーの邪魔だからビルから落ちて生死不明に。
メイおばさんはノーマンの中からゴブリンを消す薬品を持って逃げる。やばい、メイおばさんが危ない!
ゴブリン治療薬を持って逃げるメイおばさんをゴブリンから護りながら逃がすピーターだが苦戦。更にゴブリンのパンプキン爆弾で吹っ飛ぶメイおばさん……等、メイおばさんへの殺意が高すぎる、非常にざわっとする展開。
更にゴブリンのグライダーがガシャーン!とメイおばさんを巻き込んで飛び込んでくる。このグライダー突撃シーンの雰囲気があまりにシリアス過ぎて「やばい……メイおばさん死ぬ……」と思った。スローモーションにならないのがよりヤバさを感じさせる。
メイおばさんはフラフラしながら「大いなる力には大いなる責任が伴う」とピーターに告げる。やばいやばいやばい!「大いなる……」あたりでもうヤバイヤバイ!だ。パワーを得たピーターが慢心してたら愛するベンおじさんが殺されて死に際にピーターに言う名言ね。これを聞いたピーターは自分の甘さを悔いて一生、利他的な正義に身を投じる事になる、ヒーローになるためのイニシエーション的な台詞。MCU版ではベンおじっさんが既に死去してしまっているし、この台詞も今まで出てきた事がなかった。ベンおじはサム・ライミ版、マーク・ウェブ版と2回も死んで「大いなる……」言っており「なんでベンおじっさんすぐに死んでしまうん?」というムードが充満していたためMCU版でベン叔父シーンが無くても誰も気にしなかった。「大いなる……」もあまりに有名過ぎて「逆に言わんでいいだろ」というムードだったのですっかり忘れていた。
油断して忘れていたがどうやらMCU世界ではメイおばさんがベンおじさんの役割だったようだ。
爆弾で吹っ飛ばされ、グライダーに轢かれ、「大いなる……」言わされて、スパイダーマン的にはもう三回死んでるようなもんだ。
ピーターと共に逃げるメイおばさんだがフラフラしている。自分が致命傷を負っている事に気づいていない最もシリアスな致命傷描写だ。さらにピーターが自分の手を見るとメイおばさんの血がべったり付いている。
MCU世界ではレイティングを上げたくないため、銃で撃たれようがナイフで刺されようと剣で目玉を抉られても血が殆ど出ない。そんなMCU世界で妙齢の女性であるメイおばさんの血が少年のピーターの手にベットリ付いてるんだから、これはもう内臓がこぼれたり首が取れかけてるに等しい。
当然メイおばさんは死んでしまう。予告を観て色々想像したことが全部起こる。ネタバレだがこの後スパイダーマンも当然2人出てくる。デアデビルが出てくるのもわかってたし、ピーターの事を全ての人が忘れるのもわかっていたが、しかしまさかメイおばさんが死ぬとは思ってなかったので本当に驚いた。しかもこんなに突然そして完全に死んだ雰囲気の……迫真の死に顔のドアップが長い時間スクリーンに大写しになる(トニーが死ぬ時に似ている)。
メイおばさんはMARVEL世界の聖域という印象で絶対に死なないキャラ……いや、もちろん作品やゲームによっては死ぬこともある(だが、総合的には死なない)。映画版で死んだのは初めてか。
これは思いのほかショックでした。
ただメイおばさんが死んだからってだけでなく、観終わって何時間か経っても「何でメイおば死んだん?」と釈然としないものがあるというのがある。本作のストーリー的にはピーターがゴブリンに憎悪を燃やしてゴブリンをシバいてグライダーを突き刺そうとしてサム・ライミ版ピーターが止める……という『スパイダーマン』(2002)をやり直すためなのかな?『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)でナターシャが死んだ時も若干、腑に落ちないものが未だにあるが、同じ様に腑に落ちないものがあった。
「大いなる……」を死に際にピーターに言う親族というのはピーターを真に利他的なヒーローとして目覚めさせる役割なので、この死が『スパイダーマン:ホームカミング』(2017)のクライマックスとかならわかるんですよ、「メイおばがベンおじ役になってピーターを覚醒させたんだな」と思うから。だけど過去のMCUピーターには師匠のトニー・スタークが居て『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)でピーターはトニーを失う、そんなトニーがMCUにおけるベンおじの役割だと思ってたし、そもそもトムホスパイディーは『スパイダーマン:ホームカミング』(2017)で思い瓦礫を持ち上げて敵であるバルチャーを救ったりしてたし「色々あったし身内が死ななくても真のスパイダーマンになってるだろう」と思ってたんですがメイおばさんのくだりを見て「まだ真のスパイダーマンになってなかったの?」と呆気に取られた感じがありました。どうやら『スパイダーマン:ホームカミング』(2017)がオリジンなのではなく。ホーム三部作+ゲスト出演したMCU作品3作を足した合計6本が長いオリジンだったようだ。
それともピーターの油断のせいで大事な人が死んで「大いなる……」言われなきゃ通過儀礼が終わらないのか?ストレンジが「そういえばこいつ、まだ子供だった」と繰り返し言うからピーターの子供っぽいところがこれで抜け、今度こそ大人のヒーローになるためにメイおばは死んだのか?MCU版は何となく「ピーターの貧困」「身内の死」などの不幸オンパレードがない楽しい世界だと思ってたので本作でそれらが一気にピーターを襲うので突然、死神に捕まったような……軽い気持ちで人間ドックに行ったらガンが見つかったかのような感じでした。
最初の方で「過去の2つのスパイダーマンシリーズをリアタイで観てる人ほど面白いはず」と言ったが、このメイおばさんに限っては逆で、コミックも合わせるとメイおばさんって見た目や演じる人は変わってても……30年くらい?下手したら自分の両親よりもメイおばさんを見てるわけでちょっとダメージでかかったです。逆に「ノーウェイホーム観に行く日までに過去のスパイダーマン5本を数日で一気観して準備できたぞ」って人の方が素直に本作を楽しめてるよね。
この後、何故かストレンジの指輪で修行なしでポータルを開けるようになったネッドが、ピーター・パーカー/ジ・アメージング・スパイダーマンアンドリュー・ガーフィールド)、ピーター・パーカー/フレンドリー・ネイバーフッド・スパイダーマン(トビー・マグワイヤ)らを召喚しトリプルスパイダーマンとなってヴィラン達と闘う……という『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)を超える一度きりの大ネタが終盤がある。ラストバトルはMCU集団戦でよくあるつまんない原っぱでのシバきあいではなくスパイダーマンのスイングアクションを活かした自由の女神での立体的な戦いで、誰がどのスパイダーマンか見分けが付きにくいという以外はとても良かった。ミラー次元でのvs.ストレンジ戦もコンドミニアムでのvs.ゴブリン戦も重さを感じる戦いで良かったしアクションは全体的に良かった。そして、ありとあらゆるスパイダーマン三作またいだファンサービスもたっぷりあり何度か行われるスパイダーマン座談会も楽しい実写スパイダーバース展開……だったが、正直なところ永遠に「メイおばさん殺す必要あった?」という事が最後まで頭に残ってトリプルスパイダーマンの楽しいシーンや感動すべきシーンで全く味しませんでした。
「落下する『ピーターの恋人』を今回は助けた!」等の本来なら感動する場面でも「今回は助けたね……それよりメイおばさんを……」という感じでメイおばさんが邪魔になって後半は只、起きてる出来事を目で見て確認してるだけみたいな感じになってしまいました。
またメイおばさんが利他的で献身的な精神を持ってるというのは「メイおばさんだから」というだけで十分なので基本文句ないんですけど、このMCU版メイおばさんは「明るくSexyでホットな中年女性」という印象しかなかったから意外でしたね。「さっさとスイッチ押したら?」と言っても違和感ないというか、いやスイッチの上に肘ついてしまい「あ、ごめん……」とか言いそうなキャラですよね。こんな風な役割ならもう少し以前からピーターとメイおばと絡ませといて欲しかった気もする。
そういえばアメージングスパイディーがアンドリュー・ガーフィールド顔を晒した時は映画館がざわっ……としてたね。
まぁ色々あって、サム・ライミ版とマーク・ウェブ版のヴィランたちは「治療」されて「スパイダーマンと殺し合う」以外の運命を手に入れて元の世界に還っていく。これは悪人を病気だと診断して身を削って治療する……という尊い行為で良かったと思う。実写版スパイダーバースというだけでなく5作品それぞれの違う未来が見れたというのも良い。
そして主人公、トムホ演じるMCU版今までで最も恵まれていたスパイダーマン……ピーター・パーカーは家族、恋人、親友、知り合い、ヒーローの戦友、進学、住処……自分の記憶とスパイダーパワー以外の全てを失ってホーム三部作は幕を下ろすNo Way Home(ひょっとして学歴、貯金、社会保障番号も失った?)。
最初ストレンジが展開しようとしていた「『スパイダーマンの正体がピーターだったという事を』皆が忘れる」どころではなく知り合いの記憶からピーター・パーカーの存在自体を忘れている。という恐ろしい結果になった。
術者のストレンジですらピーターを忘れるという強烈な魔術だったが、スパイダーマンの事は皆覚えてるんだよね?だから皆、スパイダーマンの事は「NYクイーンズで犯罪者を捕まえてYOUTUBEで話題になり、空港でチーム・キャップと戦い、バルチャーを捕まえ、サノス軍と戦って地球を救ったが、ミステリオ殺人疑惑があったがマットに弁護されて自由の女神像で正体不明のヴィラン達とシバきあってJJジェイムソンに憎まれてる正体不明のヒーロー、スパイダーマン」の事は覚えてるんだろう。
従来のスパイダーマンと言えば、ピーターはとにかく不幸に次ぐ不幸で「スパイダーの蜘蛛は曇らせのクモ」ってくらい酷い目に遭うのがスパイダーマンだが、さっきも言ったがMCUスパイダーマンは明るい世界なんだろうと思ってたら、この寂しいラスト。
メイおばさんに続き、このラストもまた「ここまで寂しくする必要ある?」と疑問が残った。それとも「この曇らせこそがスパイダーマンの本質」だとでも言うのだろうか?。ピーターはMJが記憶を失う前の約束通りMJに会いに行くが、ピーターはMJとのコミュ二ケーションを途中で止めて去る。MJは「誰だろう……あの人?なんか懐かしい感じがする……?」などという雰囲気すらも無い。ゼンデイヤやネッドの人の再契約も決まってないし現時点ではピーターとMJとネッドはこれで終わりだろう。なんでしょうね、このサムライミ版一作目やアメスパ2ラストみたいな寂しい終わり方……。トムホの楽しいスパイディがこんな寂しい終わり方すると思ってなかったので動揺しました。
クロスオーバーやサプライズ等の「豪華な装飾」を取り外した本作のあらすじは「病院から脱走した精神異常者を、困ってる人は誰でも救いたいメイおばさんが匿う。最初はおとなしかった精神異常者は精神に異常をきたして匿ってくれたおばさんを殺す。だがピーターは怒りを抑えてメイおばさんの想いを受け継ぎそんな精神異常者をも救う。だがピーターは全てを失う。そして誰もそれを知らない」って話だと言えなくもない。
これはこれで一つの筋の通った主張なので、この筋書き自体には文句はない。ただ寂しいなと思うだけで。
そして「如何にもスパイダーマン」って感じの鮮やかな赤と青のコスチュームで、如何にもスパイダーマン的なアパートの窓から助けを求める人の所に飛んで終わる……。
続くとしたらピーターのブランニューデイはSONYが作っていくのだろうが
「ベンおじさんは既に死んでてメイおばさんも新たに殺しました。恋人MJや親友ネッドや大人気のMCUヒーロー達とのつながりも全部消しました。ピーターは一人ぼっちなので新三部作する時はブラックキャットだろうが新グウェンだろうがシルクだろうが誰とでも付き合えます(ただし観客は永遠に近所に住んでるMJとネッドの事を覚え続けてますけど)。悲願の実写スパイダーバースもやっときました。後はヴェノムと絡ませたりピーターの浪人生活とか描いて頑張って下さい」といった感じの……こんな意地悪な引き継ぎの仕方ある?次の監督はプレッシャーですね。一昨年くらいまで「スパイダーマン永久にやりたい!」と言ってたトムホが「もう卒業でいいかな……マイルズを実写化しなよ」と最近言ってたのもゼンデイヤが本作について「この結末は寂しすぎる……」と悲しんでたのもわかる気がする。
そうは言っても仮に新三部作が始まったら気になるので初日に観に行くと思いますが。なんだか「明るくて今までとは違うと思ってたMCUスパイディも曇らせに捕まってしまった……」という絶望感が凄い。新三部作の大学生編が面白かったとしても三作目でピーター死んでマイルズに受け継いで終わりそう。そうなりそうだからこそトムホスパイダーマンは戦死しないで欲しい。
でも本作も別に筋が通ってないわけじゃない、「大いなる力には大いなる責任がある、だから困ってる他人には親切にすべきだ……という行動の結果たとえ人が死んでも行いを変えない、それによって救われる人がいれば犠牲は無にならない」というのは一貫してるので。最終的には大勢の人を救い、だがピーターは貧困の一人ぼっちで通りに投げ出されそれでも他者を救いに行く……それはきちんと筋が通ってる。……ただ、トムホピーターがこんな寂しい感じになるとは……と思うだけで。
「親離れや幼馴染と疎遠になっていって大人になる様」のメタファーなのかな?と思ったが、いやそれでも周りの人を取り上げなくても……という感じがある。
スパイダーマンの定義は人それぞれだけど僕の場合「蜘蛛のパワーを持ったスパイダーマン」に「貧困の青年ピーターと、周囲のメイおばさんやMJ(又はグウェン)や知り合い」足したものがスパイダーマンという認識なので突然知り合いの部分が全部消えてしまい動揺が大きかったです。

 

 

 

去年のMCU映画3本はどれも気に入ったけどDisney+で配信された5本のドラマやアニメは、面白いながらもモヤモヤする感じだった、それらのシャキっとしないDisney+作品よりは本作の方が遥かに良い。明確なラストやメッセージやショックがあったからね。
さっきも言ったように凄いスピード感と情報量、マンガ的ハッタリやファンサービスも充分で面白い映画だったのは間違いない。
だけど「メイおばさん殺す必要あった?」というのと「ピーターここまで何もかも失う必要あった?」というのはちょっと疑問ですわ。TwitterのTL見たら本作観た人は号泣して大感動してたが僕はその辺が引っかかったままでした。
とはいえMCUには意外と欠けている「我々はこうした」という明確な結末があるのは凄く良かったし、本編は勿論すごく面白い。MCUが下手な集団戦アクションも良かったし流血もあった。ただしラストバトルは3人のスパイディの区別は全くつかないので、一つの殴り合いが終わってスパイダーマン同士の面白会話を楽しむという感じだったが。MCUが得意なクロスオーバーやサプライズは勿論いいし。メイおばさん殺しやラストの展開に自分が納得いかん以外は傑作なのは間違いない。
一度、ストーリーを把握したので次に観ればもう少し違った観方できるかも?
ジョン・ワッツ監督は次に監督するのはMARVELにとってアベンジャーズと同じかそれ以上に重要な『ファンタスティック・フォー』後にファミリーになる明るくて未知を開拓していくチーム。本作の多くのキャラを捌いて面白くする様子を観たら期待できる。

※追記:観に行って4日経って、ラストは納得いかんがこれはMCUだし「今後のピーターで色々描いて再びMJネッドと交わるんだろうな」とかユニバース的に考えて納得できてきた。でもメイおばさんの件は未だに要らんかったと思う。この三部作完結編まで「大いなる……」無かったから「『大いなる……』を三作目でやって終わる」と多分ホームカミング作る時から決めてたと思うんですよね、あと「今回はベンおじ居ないからメイおばで!」とも決めてたんでしょう。『スパイダーマン:ホーム』三作品だけならそれでもいいけどアベンジャーズと戦ったり自分も入ったりサノスの指パッチンで自分もろとも世界の半数が消えたり師匠のトニーが死んだりして……幾らなんでも『大いなる……』を保護者に言われると同等のショックと覚悟は出来てるだろうと思いますね。あ、前述と同じこと書いてるだけだからやめとこう。

 

次は、5月4日に『ドクターストレンジ イン・ザ・マルチユニバース・マッドネス』(2022)。本作とは逆で日本は2日早い公開。これはタイトル発表時された時にフェイズ4で一番楽しみにしてたやつ。Disney+作品は何をいつやるのかよくわからん(正直興味なくなってきました)

 

 

 

そんな感じでした
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『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)/この世に白と黒はなく灰色だけが在る事を描いたヒーローの内戦👱 - gock221B
『ドクター・ストレンジ』(2016)/西洋医学に見捨てられ東洋魔術でヒーローになっても医療を捨てないドクター👁‍🗨 - gock221B
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)/予想を裏切り期待に応えるMCUの到達点🎨 - gock221B

『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)/なんで真田広之すぐ死んでしまうん?🎨 - gock221B

『ホークアイ』全6話 (2021)/大部分とても楽しく観てたが最後にガッカリして全てどうでもよくなるというワンダビジョンと同じパターン🏹 - gock221B

 

『スパイダーマン:スパイダーバース』(2018)/情報量多くて疲れたが傑作でしょう。キャラはプラウラーとグウェンが特に良かったです🕷 - gock221B
『デアデビル』〈シーズン1-2〉(2015-2016) 全26話/シーズン1はストーリーもワンカットアクションも全て傑作/ついでにS2と『ディフェンダーズ』👿 - gock221B
『デアデビル』〈シーズン3〉(2018) 全13話/S1以上の傑作。映画のMCUにないものが全てある👿 - gock221B
『ヴェノム』(2018)/2000年代の古いアメコミ映画みたいだったがトム・ハーディと元カノカップルの魅力が高かった⚫ - gock221B
『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』(2021)/前作とほぼ同じ話だったが主人公の元カノの婚約者ダンの魅力がすごい⚫🔴 - gock221B

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スパイダーマン: ノー・ウェイ・ホーム (2021) - IMDb

www.youtube.com

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