gock221B

映画やドラマの感想ブログ 😺🐱 殆どのページはネタバレ含んだ感想になってますので注意 😺 短い感想はFilmarksに https://filmarks.com/users/gock221b おしずかに‥〈Since.2015〉

『シークレット・インベージョン』(2023) 全6話/良かったのは新キャラのオバサンだけで、この三年の良くも悪くもない作品群を律儀に全部観てまとめてたら反動が来て過去15年最大のMCU疲れが来てもう観たくないです👽


原題:Secret Invasion 製作&脚本:カイル・ブラッドストリート 監督:アリ・セリム 製作:ケヴィン・ファイギほか 原作:ブライアン・マイケル・ベンディス&レイニル・フランシス・ユー『シークレット・インベージョン』(2008-2009) 制作&配信:Disney+ 制作スタジオ:マーベル・スタジオ 製作国:アメリカ 配信時間:各話約50分、全6話 シリーズ:マーベル・シネマティック・ユニバース (Disney+ドラマシリーズ第8作目)

 

 

👽原作はブライアン・マイケル・ベンディス、作画レイニル・フランシス・ユーの『シークレット・インベージョン』(2008-2009)と一連のクロスオーバー。
銀河三大帝国スクラルのスクラル人による地球の侵略に立ち向かうアベンジャーズの話だったが「誰にでも化けれる」というスクラル人の特性を活かして「何年も前から、あのヒーロー、実はスクラルだったん?」「あのヒーローもスクラルかも……」という面白要素が使えたシリーズ。
そのドラマ化。本作ではアベンジャーズではなくニック・フューリーを始めとしたスーパーヒーローではない常人のエージェント達が主人公。
だから「数年前から活躍してたあのヒーローとあのヒーロー、実はスクラルだった」ネタがあまり使えない。だが「実はホークアイは、かなり前からスクラルと入れ替わられてた」みたいなネタをやると「えぇ、あの映画のホークアイって本人じゃなかったん?」と視聴者をガッカリさせるので、メジャーなヒーローではなくフューリー達、地味なエージェント達をヒーローにしたのかな。
本作の発表を最初聞いた時「しばらく、ヒーローが集合するタイトルがないしアベンジャーズ5作目まで随分、間があるからコレを『アベンジャーズ:シークレット・インベージョン』という『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(2015)みたいな手頃な一発ネタのクロスオーバー映画にして皆で集まったらいいんじゃない?」と少し思った。

👽Disney+作品としては随分時間が開いた。
昨年末の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー/ホリデー・スペシャル』(2022)から何と半年以上。しかも本作って昨年末にはもう完成してたよね?
ディズニー前CEOボブ・チャペックが、Disney+に加入者を集めるためにMCUとSWの作品を粗製乱造しまくった。それで最初はDisney+に人がめっちゃ集まったが、たくさん作りすぎてクオリティが下がった。とはいえ、どの作品も面白い部分は必ずあるのでMCUやアメコミが好きな者ならあれやこれやと楽しめるので何とか観てたが、普通の映画&ドラマ好きの目で見ると殆どのタイトルが最終話あたりで落胆するような出来だった。
またCGを多用するMCU作品が粗製乱造されたおかげで、CG制作スタジオも定収入で徹夜ばかりさせられ、しかしMARVELスタジオの仕事を断る=失業に近いのでCGスタジオは競って安い値段で仕事を請け負った。MARVELスタジオもインディペンデントの監督を連れてきてポンとMARVEL大作を作らせ……それ自体は良いことなのだがそういった監督は加減が分からず曖昧な発注をしては数日でs作り直させたりして……そういったデス・スパイラルの末に、悲鳴を挙げて退職したりMARVELを告発するスタジオが続出、CGのクオリティも下がったしMCUヒーローのパワーやクリーチャーの出番も徐々に減っていった。
それでDisney+の加入者がガクッと減ったのでこのボブ・チャペックCEOはクビになり勇退した前任の有能CEOボブ・アイガーが帰ってきて引き締めることになった。
具体的には一年に公開&配信するMCU作品の作品数を少し減らしたり間隔を開けてクオリティを上げるというもので、そんな感じでとっくに完成してるはずの本作が半年以上も公開されてなくても「MCUの流れを良くしようとしてるな」と感じて期待値が上がっていたのだが。

👽

そしてCGスタジオ問題だけでなく、ハリウッドで脚本家と俳優たちによるストライキが始まっている。
全米脚本家組合(WGA)が5月からストライキを開始。
更にハリウッドの俳優労組、映画俳優組合 - アメリカ・テレビ・ラジオ芸術家連盟(SAG-AFTRA)が賃上げと労働環境の改善、AIの規制を求めて60年以上ぶりに7月からストライキに突入。
俳優と脚本家が同時にストに入るのは63年ぶりだそうです。
ハリウッドで脚本家と俳優たちによるストライキ。これってどうなっているの? | ギズモード・ジャパン
原因は色々あるみたいだけど、Netflixを始めとした動画配信サービスや昨今話題のAIなど新しいものが大きく関わってるみたいですね。
で「AIが、人が書いた脚本を勝手に喰って素材にして脚本家がいらなくなる」とか「俳優を端金でスキャンして永遠にタダで使いまわして俳優の仕事が減る」とか散々言ってる最中に、本作ではOPムービーがAIによる映像だったためにバッシングされました。

僕も最初は「誰にでも化けるスクラルとAIをシンクロさせてていいじゃん」と無邪気に肯定してたんですが、ストライキが起きた実情を知れば知るほど「ディズニーみたいな搾取してる側が、このタイミングでAI使った映像やってたらそりゃ叩かれるな」と思うようになりました。

このドラマ、結論だけ最初に言うと全然面白くなかったです。一番面白くないくらいまであるかもしれない。でもストーリーとかキャラクターは嫌いじゃない感じです。

以降はネタバレあり。注意

 

 

 

 

👽これまでのニック・フューリー(とスクラル人タロス) ※時系列順

『キャプテン・マーベル』(2019)
1995年
S.H.I.E.L.D.レベル3エージェント、ニック・フューリーは強力なスーパーパワーを持った地球人女性キャロル・ダンヴァース/キャプテン・マーベル、クリー帝国との長期に渡る戦争で疲弊し安住の地を求めるスクラル人の将軍タロス達と知り合う。フューリーは外宇宙からの脅威に立ち向かうため、キャロルのようにスーパーパワーを持ったヒーローでチームを作る”アベンジャーズ計画”を立案。

『アイアンマン』(2008)『アイアンマン2』(2010)『マイティ・ソー』(2011) 『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』(2011)
2009~2011年S.H.I.E.L.D.長官となったニック・フューリーは〈アベンジャーズ計画〉本格始動。スーパーパワーを持ったヒーロー達を次々とスカウト。

『アベンジャーズ』(2012)
2012年。17年目にして完成したS.H.I.E.L.D.長官ニック・フューリーの〈アベンジャーズ〉は、サノスの地球侵略の尖兵として送られたロキ&チタウリ軍を返り討ちにして地球を護った。
フューリーと副官マリア・ヒルとS.H.I.E.L.D.はアベンジャーズをサポートした。

 

『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014)
2014年1月ニック・フューリーとマリア・ヒルキャプテン・アメリカブラックウィドウと共闘し、遥か以前からS.H.I.E.L.D.に侵入していた秘密結社ヒドラの野望を砕いた。S.H.I.E.L.D.は解体された。

『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(2015)
2015年、S.H.I.E.L.D.を失ったニック・フューリーは個人として、ソコヴィアでウルトロンと闘うアベンジャーズをサポートした。

 

『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)
2018年3月20日アベンジャーズガーディアンズ・オブ・ギャラクシー等のヒーロー達はアッセンブルしていなかった為にサノスに敗北。サノスは全宇宙の半分の生命を消滅させた。ニック・フューリーは23年前にキャロル・ダンヴァース/キャプテン・マーベルから渡された「銀河の2倍の距離まで信号が送れるポケベル」で救援信号を送るが、サノスの指パッチンでマリア・ヒルと共に消滅

『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)
2023年10月頃、生き残ったアベンジャーズガーディアンズ・オブ・ギャラクシーと魔術師たちは〈タイム泥棒作戦〉で消滅した人たちを元通りに戻してアッセンブルしてサノスも倒した。キャプテン・マーベルも加勢した。再生されたニック・フューリーはトニー・スタークの葬儀に参列した。

『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(2019)
2024年6月末スパイダーマンに任務を言い渡すニック・フューリーとマリア・ヒル。しかし本編でのフューリーとヒルは、本物のフューリーに代わりを頼まれたスクラル人のタロスとその妻だった。本物のニック・フューリーはタロスの宇宙船にて休暇中。S.A.V.E.R.という新組織で宇宙での任務に当たってるっぽいが詳細不明。

『ホワット・イフ…?』〈シーズン1〉 (2021)
マルチバースでの話なので正史には関係ないがニック・フューリーは第1、3、7話に登場。

……そんな感じ。MCUフェイズ1ではそれぞれの単独作の主人公であるヒーロー達を結びつけてクロスオーバーさせる大役をしていた。
『アベンジャーズ』(2012)が大ヒットした事で「色んな主人公や凄いヤツが集まったチーム」を一般名詞として”アベンジャーズ”と呼ぶようになった(プライドを捨てたワーナー・ジャパンが「吹き替え声優のアベンジャーズ!」などと吹き替えを宣伝して「そこはジャスティス・リーグって言えよ……」とDCEUファンの心を傷つけた)。それと同じように「暗躍して凄い奴らを結びつけるキャラクター」を「ニック・フューリーみたいな役割のキャラ」と言われるようになった。MCUフェイズ4でサンダーボルツを作ろうとしているヴァルとか、末期DCEUのアマンダ・ウォラーとかハーコートなども”フューリーみたいな役割のキャラ”。
当のフューリーは、フェイズ2でヒドラに蝕まれてたSHIELDが解体させられたので以降は単純に出番がなくなった。指パッチンを喰らって5年間、塵になって元に戻り、トニー・スタークの葬式に出た後は宇宙に上がり「タロス達、友好的なスクラル達と行動を共にして宇宙で活動してるっぽい」という事だけ匂わされていた。何してるかわからんがクリー帝国やスクラル帝国や他の宇宙人を監視しているのか?それは『マーベルズ』(2023)でわかるのだろう。
フューリー単体としての物理的な活躍は『アベンジャーズ』(2012)『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014) 内での戦闘がカッコよかった。特に『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014) 前半でフューリーがヒドラとカーチェイスするのはMCUベスト5に入るくらい好きだった。

本作のSTORY
元S.H.I.E.L.D.長官、ニック・フューリー(演:サミュエル・L・ジャクソン)。しばらく地球を離れて宇宙での任務に当たっていたが、姿を他人に変えることの出来るシェイプシフター異星人スクラルによる地球侵略計画を知り、地球へと帰還した――

そんな感じで宇宙に行って何やらしているフューリー。この組織は『マーベルズ』(2023)予告を観る限り”S.A.V.E.R.”という組織みたい。『ワンダビジョン』(2021)に出てきた”S.W.O.R.D.”は音沙汰ないけど「ビジョン複製」などの悪行でまた解体されたのかな?
とりあえずフューリーが宇宙でやってる事は本作には直接関係ないので置いとこう。
とにかく宇宙に何年も行ってたフューリーが地球に帰還して始まる。
『キャプテン・マーベル』(2019)で描かれたが劇中で1995年、ニック・フューリーはタロスを長とした”平和的な”スクラル人に「君たちが住める場所を見つける」と約束して地球に保護した。
それから約20年後がいま「安住の地となる惑星」は見つかっておらずスクラル人は地球人にシェイプシフト(擬態)して地球人として暮らしていた。
そしてタロスを始めとしたスクラル人達は忍者のようにニック・フューリーの影となってフューリーの仕事を支えていた事がわかり「あぁ、今までフューリーが凄かったのって何百?何千人ものスクラルの助けがフューリー一人の手柄になってたのね。そりゃフューリー最強だったわけだわ」というあまり知りたくない事実も明かされた。……というかそれってスーパーパワー持ってるより凄いもんね。誰にでも化けれる無数のスクラルが手足だったとか……。
ちょっと他のキャラ紹介みたいな感じでしばらく書いていこう。

そんな中、グラヴィク(演:キングズリー・ベン=アディル)という、かつてはフューリーやタロスの下で活動していたスクラルの若者が、フューリーやタロス夫婦など親世代に対して「俺たちに暗殺ばかりさせて、一向にスクラルの新天地が見つからないじゃないか!」と業を煮やし、地球を占領するための過激派テロリストになってしまう。
フューリーが帰還したのは、このグラヴィクを止めるためで、本作のヴィランはグラヴィクだ。結果的に言うとグラヴィクはフューリーやタロスの下で暗殺など汚れ仕事をしていくうちに心が壊れて凶行に走った感じ。そういう意味では同情するところもあるのだが、過去を描くわけでもなく作品内ではひたすらお馴染みのキャラを殺しまくるのでヘイトを集めるだけのパッとしないヴィランだった。

フューリーの影の相棒といえるスクラルの将軍だった盟友タロス(演:ベン・メンデルソーン)はフューリーと再開し行動を共にする。
『キャプテン・マーベル』(2019)の時は幼女だったタロスの娘ガイア(演:エミリア・クラーク)も本作では大人の女性に成長していたがグラヴィクの過激派に入ってしまうためタロスは奪還したがっている。ちなみにタロスの妻でありガイアの母はグラヴィクに殺されてしまった(『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(2019)の後で殺されたのだろう)。ガイア役は『ゲーム・オブ・スローンズ』(2011-2019) の主人公の一人デナーリス役で大ブレイクしたが大作映画に出る度に作品が大コケしてた。だから彼女がMCU作品に出て本人も僕も喜んだんだがイマイチ魅力ないキャラでしたね(この続きは後で)。

そしてS.H.I.E.L.D.時代の部下だったマリア・ヒル(演:コビー・スマルダーズ)もフューリーと共闘するためサポートする。しかしヒルによれば、フューリーは指パッチンで塵になった事で無力感を感じたのか、かつての鋭さを失ってしまっているという。
そしてその言葉通り、第一話ラストでグラヴィクの爆破テロを止めようとしたフューリーとヒルはグラヴィクの策にはまりヒルは殺害されてしまう。
本作はこういった感じで、お馴染みだが今後使い道なさそうなキャラが殺されるのが各話のフリフハンガーになっている。それも何だかなという感じがあった。
本作のフューリーはヒルが言ったように最終回までイップス状態で出し抜かれてやられてばかりで爽快感がありません。それも本作をつまらなくしています。『アベンジャーズ』(2012)『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014) での常に敵の先を行ってぶっ飛ばすカッコいいキャラではない。本作でのフューリーはやられまくりでタロスとの初老コンビとして帽子被ってウロウロしてるだけの黒人の老人という感じがある。「ヒルが殺されて2話でやる気出すか?」「○○も殺されて今度こそやる気出すか?」どれも不発で最終回までは何時ものフューリーじゃないので何だか騙された気分だったな。

本作初登場のキャラとしてフューリーの妻プリシラ(演:シャーレイン・ウッダード)、彼女はフューリーの本当の妻が病死して入れ替わった。しかしフューリーと愛し合うようになる。敵か味方か「妻の姿をコピーしてなくても愛せるのか?」というドラマになっていく。彼女が出てる場面はしっとりした大人のドラマ感あっていい。

完全に誰とも関係ない新キャラとしてソーニャ・ファルズワース(演:オリヴィア・コールマン)という中年女性が出てくる(上のトップ絵にした中年女性キャラ)。彼女はイギリスのMI6の高官で、かつてフューリーと相棒だった事もあるという。評判が悪いしTLでもう誰も観てない本作だが生き残った観てる人の中で一番人気あるのはこのソーニャ。「本作のフューリーはイップス状態でずっと調子悪い」とさっき書いたが、このソーニャは「フューリーにはこんな感じで活躍してほしい!」と、本作に期待していた事をやってくれるんですよ。いつも微笑していて「他人を痛めつけるのが好き」で拷問しまくり(切断した指の断面というMCUでは珍しいものが見れる)敵を倒そうと思った1秒後には対象の頭を撃ち抜いている。それが何度も繰り返される。パニッシャー以外のヒーローには出来ない殺し方。「MCU」というヒーローが主人公の世界においてこんなドライな殺し方できるのはヒーローではないフューリーなどエージェントキャラかヴィランにしか許されないやり方だよね。だからこのポッと出のヒーローでもない見た目普通っぽいオバサンが殺しまくるのはカッコよすぎる。はっきり言ってズルいカッコよさだ。でも主人公のフューリーがイップスでパッとしない、本当なら主人公フューリーが、ヒルが殺されて目が覚めてこうなってほしかった。ソーニャが本作で一番かっこいいのは間違いないがフューリーがダメなままでソーニャが本来のフューリーみたいな活躍しまくるのはどうなんだと思った。元ネタはあるが殆どオリキャラみたいなもんなんで監督が「自分」が乗ったキャラを活躍させたかったのかと思ってしまう。

あとは既出キャラとして、大統領の警護もしているアメリカ空軍大佐ローディ・ローズ/ウォーマシーン(演:ドン・チードル)と、ワカンダと仲が良いCIA捜査官エヴェレット・ロス(演:マーティン・フリーマン)。彼らは予告を観て誰もが思う通りスクラルに入れ替わられてるので割とどうでもいい。ちなみにせっかくのローディだが一度もウォーマシーンにならない。あのCG金かかるからアーマー着ないだろうなとは思ってたが本当に着ないのでガッカリした。

 

 

そんなキャラが暗躍するドラマ。
常人のエージェントキャラが多く出てくるし、敵のスクラルの強みは「人間に化けられる」という事でスパイ映画みたいな渋い感じで進んでいく。
予算のないドラマだし前述のCG会社がどうのこうので、ヒーローや派手なガジェットは出てこないし殺されたスクラルが正体を見せるところくらいしか目立ったCGがない。
それは観る前からわかってたので、原作のように「あのヒーローがスクラルだった!」とか「ヒーローにシェイプシフトしたスクラルがヒーローのパワーを使って襲ってくる」などの派手なシーンは最初から求めてはいない。そんなの無理だとわかって観てるし「面白いスパイドラマとしてフューリーたち、いつもはヒーローのサポートばかりだったフューリー達エージェントが活躍すればいいわ」と最初からハードル下げて観てたのだが、そのハードルの下を行かれた感じでつまんなかったですね。
最初の2~3話くらいは「ずいぶん渋いドラマだな」と思って観ていた。
雰囲気は良いし人間ドラマのシーンも良いので地味だが期待していた。
「この『シークレット・インベージョン』は『キャシアン・アンドー』〈シーズン1〉 (2022)みたいなドラマかな?」と3話くらいまで思ってたんだけどね。『キャシアン・アンドー』〈シーズン1〉 (2022)は、凄い地味だし「これ全12話もいらなくて全6話くらいでまとまるだろ」というくらい冗長だったが最終的には盛り上がりが2、3回あって面白かったし誠実なドラマだった。
本作にもそういう感じを期待してたのだが4話、5話……と観ても全く面白くないので「これは最終回、盛り上がったとしても面白くない時間があまりに多すぎてもう無理だろうな」と諦めの気持ちで観終えました。面白くなさすぎて1話30分のドラマを2、3回に分けて観てたからね。
まず良いところは人間ドラマのシーンは良いです(多分これが得意なんだろうね)、それと移民を思わせるスクラル難民のストーリー自体は別に悪いとは思いませんでした。もう単純に観ててつまんないですよね。まずアクションがつまんないところがあってタロスがやられる場面……原っぱのど真ん中で合衆国大統領が乗った車数台とロシアの車数台が鉢合わせになって、グラヴィクの策で撃ち合いになる。原っぱの真ん中で出会った車両数台……という要素もあって田舎の暴走族が鉢合わせて喧嘩してるみたいなんですよね。なんかヘリとか対空砲とか出てくるけど……。
あんまり覚えてないけどフニャフニャした戦闘シーンが多かった印象ですね。
で、前述の通り本作のフューリーは調子悪くていじめられてるジジイみたいな感じでちょっと可哀想な感じがある。『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』(2021)の時も似た不満があったんですけど、普段は死ぬほど強いファルコンとバッキーが後半までめちゃくちゃナーフされて……弱くて頭も悪くなってるのがお話の都合上つまんなかったんですよね(バッキーに至ってはキャップ作品外に出てずっと弱いままだが)。最終話ではファルコンがクソ強くなって知能も上がるんですが「終盤、盛り上げるために主人公二人を無能にしてるだけだよね」と思った(そこ以外は良いところが多い面白いドラマでしたが)。で、本作のフューリーも似た感じですよね。というか本編の殆どが「フューリーだと思い込んでるジジイ」状態なんですよね。そして仲間たちは次々に殺されるか既にスクラルに入れ替わられてるというだけの役割でしか出てこないし。
前述通り新キャラのソーニャだけは痛快だし面白すぎるキャラなんですが「いや、こいつは面白いけど、こいつを出さずに主人公を立たせてからこいつも立たせろよ」と思ってしまう部分がありました。

最終話、フューリーの策でガイアがグラヴィク同様にスーパースクラル化。もうありとあらゆるMARVELヒーローのパワーを「こんなに!?」ってくらいキメラ的に持っている。
「経験さえ積めばガイアを倒せるのは、もうキレたスカーレットウィッチしか居ないだろう」ってくらいエゲツない多くのパワーを持ってます。
このラストバトルは、おつもラストバトルがつまらないMCUドラマに比べると珍しく面白いし最終回にふさわしいマンガっぽくて面白い飛躍だと、普段の僕なら思ってそうだけど何というか最終話までがあまりにつまらなかったし、イマイチな作品が多かったMCUのフェイズ4と5の全20作品を律儀に全部観てきてて……もちろん『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』(2023)など面白い作品も中にはあるんですが殆どが「4話まではよかったけど……」「悪くはないけど……」と煮えきらないものばかりで「三人のスパイダーマン!」などカメオ出演に一瞬喜んだりはしたけどそれって作品の面白さには関係ないですし、いま一言で言うとMCU、特にディズニー+作品ウンザリしてるんですよね。今まで律儀に全作当日に観たり感想書いたり応援してた反動が来てるんでしょうね。ストライキやってMCU作品遅れてるけど、もう正直MCU終わってもいいくらい来てます。フェイズ1の時のMCUに対してのように今はDCUに期待してるというのもあるけど……。
話は戻って、ガイアは両親の仇グラヴィクをブッ殺し、おもしろキャラのソーニャと組んでイギリスに去る。なんか「二組目のヴァル&サンダーボルツ」みたいな感じになってきたな。
面白いソーニャとエミリア・クラーク演じるガイアの続投も、普段なら嬉しいところなんですが「続投ってことはまた続き観なきゃいけないのか……」と思いました。
またスーパースクラル人ガイアもパワーが強力すぎて、アメコミ作品ではパワー強すぎるキャラは活躍できないからね(キャロルも永遠に宇宙行って帰ってこないしワンダは永遠にメンヘラですからね)。あまり活躍できなさそうで心配ですわ。
ちょっと、あんまり良くなかった部分を具体的、論理的に説明できなかったですが、本当にめちゃくちゃつまんなかったんですよね。
「フューリーとスクラル人を好きに使える話」という面白くしなかならない話から来る期待度と「ボブ・アイガーが公開を半年伸ばしてた」から、じっくりと面白く調節してるんだろうな~という勝手な期待が裏切られたせいかもしれないけど。ひょっとしてストライキで脚本家が途中から現場に来なくなった?とかも考えた。
本当に中盤以降のことを思えば、最初の2話くらいもただの前フリだから総合すると恥絵から最後まで良いところの全くない初めてのMCU作品かもしれん……。『アイ・アム・グルート』(2022)も全てつまんなかったけど、アレは最初から幼児向けに作ったキッズアニメなので中年の俺が観てるのが悪いって感じで不問にするなら本作がぶっちぎりでつまんないですね。もう本当にどうでもいいですし何ならMCU自体全部終わって欲しいです。何十年も待ってたMCUX-MENとか来る前にこの症状も回復すればいいけど。
皮肉にも最終回寸前までのフューリーのようなMCUイップス状態にされてしまうとはな。『君たちはどう生きるか』(2023)観て感想書いて気分良かったけど本作最終回見て一気に具合悪くなりました。
もうウンザリです、作り過ぎなんだよ!原作とかキャラが好きだから無理してでも観るじゃん。キャラを人質にされてるようなもんだよね。もう作るな!
本作に比べたら最近観たイマイチだったヒーロー映画『シャザム!~神々の怒り~』 (2023)が傑作に、まぁまぁよかった程度の『ブラック・アダム』(2022)が大傑作に思える。
ストライキやってるけど、雇う脚本家が少なかったり、ドラマ撮りながら現場にしょっちゅう来て微調整するのも脚本家の仕事らしいけど、ギャラ不払いでそれやってないんじゃないかと思い始めた。
ストライキで来年以降のMCU全作品が遅れてるけどハッキリ言って「やった!当分の間観なくてすむぞ」としか思えないからね。

 

元気になったフューリー、そして次回作は11月10日公開の『ザ・マーベルズ』(2023)。これは、とりあえずMCUで一番好きなカマラが映画デビューなので楽しみですが、さっきも言ったように過去15年で最大級のMCU疲れが来て本作のフューリーみたいにMCUイップスになってますね。
まだまだ今後も何十本も作られるの知ってるから吐きそうですわ。もうデアデビルとかX-MENとかブレイドなどの観たくてたまらないやつだけ観ることにしようかな……。
もう3年くらい「悪くはないけど……」って感じのものを何十本も喰らわされ期待を裏切られて反動が来ましたね。作品の感想の頭に「悪くはないけど……」と付けなきゃいけないのって全部ゴミですからね。
もうMCUの新作が来ても散歩する方が身体に良い気がします。

 

 

 

 

そんな感じでした

MCU関連作〉

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