gock221B

映画やドラマの感想ブログ 😺🐱 殆どのページはネタバレ含んだ感想になってますので注意 😺 短い感想はFilmarksに https://filmarks.com/users/gock221b おしずかに‥〈Since.2015〉

『シーハルク:ザ・アトーニー』(2022) 全9話/現実世界で女性を憎悪する匿名インセルを劇中でも敵にしたりファンの予想や”考察”をおちょくりMCUの自己批判まで行うナイスなドラマ💚


原題:She-Hulk : Attorney at Law 脚本&原案:ジェシカ・ガオ 監督&制作:カット・コイロ(第1~4、8~9話) 第5~7話の監督:アヌ・バリア 製作総指揮:ケヴィン・ファイギほか 原作:スタン・リー、John Buscema『Savage She-Hulk』#1(1980)、ダン・スロット&JUAN BOBILLO『She-Hulk』v2 001(2004) 制作スタジオ:マーベル・スタジオ 配信局:Disney+ 製作国:アメリカ 配信時間:各話約30分、全9話 シリーズ:マーベル・シネマティック・ユニバース (Disney+ドラマシリーズ)

 

 

マーベル・シネマティック・ユニバース。フェイズ4から始まったDisney+のMCUドラマシリーズ7作目。映画とかアニメとか全部合わせたら……38作目くらい?しかし、とんでもない量になってきたね。
スタン・リーが作った女性版ハルクのシーハルク、読者に話しかけたりコミックを描いてる編集者に会いに行ってストーリーに文句つけて展開を変えさせたり……という第四の壁を破るメタ的なギャグを、デッドプールより先にやっていたキャラクター。その後、第四の壁破りギャグはあまりしなくなり普通にMARVELを代表する女性ヒーローの一人になった印象。
このDisney+のMCUドラマシリーズ、全て速攻で観て各作品に面白いところは勿論あるのだが最終話を迎える頃にはガッカリする事が多かった。だが本作は非常に良くて、第一話から最終回まで面白い初めてのMCUドラマだった。というか映画やドラマ合わせて全……38作くらい?合わせてベスト5に入るくらい好きでした。しかしSNSなど見てると賛否両論……いやむしろ否定意見の方が多い印象。
今回はちょっと長いです。

ネタバレあり

 

 

 

STORY
30代の独身女性弁護士ジェニファー・ウォルターズ(演:タチアナ・マスラニー)通称”ジェン”、彼女はスーパーヒーローとして有名なブルース・バナー/ハルク(演:マーク・ラファロ)の従姉妹。ある日、2人はちょっとした事故に遭う、ハルクの血液が体内に入ってしまったジェンはブルース/ハルク同様に、怪力を持つ緑の巨人に変身できる体質になってしまう。ただし変身したら我を失ってしまっていたブルースとは違いジェンは変身しても自我を保ったままだった。

ジェンは親友の弁護士ニッキ・ラモス(演:ジンジャー・ゴンザーガ)と共に、弁護士事務所GLK&H超人法専門の部署に就職する。
ジェンとニッキはパグマロリー等の同僚と共に、スーパーパワーや特殊武装のヴィジランテやヴィランの弁護を行う。その中にはハルクが10数年前に倒した元スーパーヴィランエミル・ブロンスキー/アボミネーション(演:ティム・ロス)や、ドクターストレンジの兄弟子、至高の魔術師ウォン(演:ベネディクト・ウォン)などMCUお馴染みの面々も……。
また何度もシーハルクに突っかかってくるメアリー・マクファーレン/タイタニア(演:ジャミーラ・ジャミル)を始めとしたスーパーヴィランらとも裁判で戦う。
ジェンは、シーハルクが有名な人気者になる一方で本来の自分は全くモテない事に悩みながらも仕事に恋愛にと頑張るが――

そんな話。
弁護士であるジェンのキャラを活かして毎話、超人の弁護を行いながらジェンが恋に仕事に頑張るコメディ
物語の細かい時系列はよくわからないが
『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)で傷ついたブルース・バナー/ハルクの腕の傷が良くなってるので『シャン・チー/テン・リングスの伝説』(2021)より後。今んとこMCUで最新のタイトルは確か『ミズ・マーベル』 (2022)だったと思うが本作も同じくらい最新の時系列だと思われる(本作の監督が馬鹿にしそうなオタク臭いトーク)。

最近、MCUが複数のCG制作スタジオに依頼する仕事がブラックすぎると話題になっていたが本作もその影響を受けておりCGが荒いしCG加工が大変そうな戦闘シーンが異常に少ない(各話で戦闘シーンは30秒くらいしかない)、「シーハルクからジェンに戻る時にカットが変わって画面外でシュルシュルと変身解除の音だけする」など節約のための涙ぐましい努力が数多く見られる。しかし本作はジェンの「弁護士のお仕事と恋愛」がメインのコメディ。「戦闘が極端に少なくCGがショボいヒーロー作品」というのは普通だったらマイナスなわけだが、本作の場合コメディ部分や裁判ドラマがメインでシーハルクが悪者を殴る描写はオマケにすぎない、そしてそれが面白いのでCGや戦闘が少ないはマイナスになっていなかった。もし本作のそういう部分が合わず「もっと戦えよ!」と思う人は単純に本作と相性が合わなかったと言うしかない。
望んでいないハルク化のパワーを得てしまったモテないアラサー女性弁護士ジェン。
前作のドラマ
『ミズ・マーベル』(2022)アベンジャーズヲタのカマラは人助けする「スーパーヒーロー」になるのが夢だった。しかしジェンがなりたいのは有能な弁護士であってスーパーヒーローではない……むしろ「ヒーローとか恥ずかしい」と思ってる(「スーパーヒーロー」を我々の感覚に置き換えると「有名YOUTUBERなど顔出しインフルエンサーになりたいか?」という感じだろう)。だからハルク化の力を得ても祝福ではなく障害のように感じている。第一話ではヒーローとしての辛い生活を知っているハルクは、ジェンに社会生活を諦めさせてハルク修行をさせる。だが弁護士になりたいジェンはキレて「そんなんだからブルース叔父さんは彼女も友達も居なくて、こんな孤島に引きこもってるんだよ!」と罵ってしまう(バナーへの罵倒とキャップ童貞いじり等のせいでTwitterではこの第一話の時点で本作を嫌いになったMCU好きも結構いた)。
街に戻ったジェンは裁判に乱入してきた怪力美女タイタニアと戦うため仕方なくハルク化して撃退。ハルク化したジェンは一躍望んでなかった有名人になってしまい「シーハルク」と名付けられる。
「シーハルク」を呪いだと疎ましがるジェンだったが、シーハルクのお陰で親友ニッキと共に超大手弁護士事務所に就職が決まり、マッチングアプリでもモテモテになる。
連日、様々なスーパーヒーローやスーパーヴィラン、どちらでもない能力者やメタヒューマンなどの裁判をこなしていくシーハルク/ジェン。街でチンピラに絡まれてもシーハルクを倒せる男はいない、「心配なく夜の街を出歩ける」という女性のささやかな夢を叶えたジェン/シーハルク。
しかし「シーハルク」がジェンに与えたのは良いことばかりではなかった。
超大手弁護士事務所に就職できたが、所長が欲しかったのは超人専門弁護士&事務所の宣伝となる「シーハルク」のみ、「ジェン」は別に要らないので勤務中は常時シーハルクに変身しっぱなしを要求される。マッチング・アプリで言い寄る男たちは「シーハルク」に性的魅力を感じるが「ジェン」の事など誰も好きではない。
「シーハルク」も「ジェン」も、どちらもジェン本人ではあるのだが、そのおかげでジェンの自己肯定感は全く上がらない。皆が褒めるのは「シーハルク=叔父の血」だけなのだから。
毎話、色んな超人の裁判を行う。勝ったり負けたり……とても面白いのだが毎回の色んな判例やキャラについて書いてくと長くなるので省略する。90年代に弁護士恋愛コメディ『アリー my Love』(1997-2002)にハマってたから弁護士ドラマ自体好きなのかもしれん。
毎話、30分間の一話完結形式で色んな超人の裁判を行うのも本作が良かった理由だろう。TVドラマという形式を上手く使っていた『ワンダビジョン』 (2021)以外のMCUドラマは全長6時間くらいの長ーいMCU映画を6~9分割しただけ。MCUドラマが始まった時は「映画より時間も長いし一年中MCU観れるし最高やん!」と喜んでたが実際のところ最初から最後まで満足したタイトルは一本もなかった。実際のところ一本の映画が2時間くらいなのはそれがベストな長さなのであって、ドラマは本来切るべきシーンを全部切らずに分割しただけだからかもしれない。しかもMCU好きだがラストバトルは割と退屈なものが多い。ドラマだと最終回がそのしょうもないラストバトルに当てられてしまう。映画やドラマは最後の印象で評価が決まりがち。映画は2時間で突っ走るので最初が良ければラストがつまらなくても中盤までの余韻が残ってあまり悪い印象にならない(最もこのケースに当てはまるMCU映画は
『ブラックパンサー』(2018))。
だからMCUのドラマは本作とか同じDisney+作品なら『マンダロリアン』みたいに一話完結で進みながら、裏で流れてたメインストーリーを最終話で解決!みたいな形がベストではないだろうか(「MCUドラマが何故つまらないか」という持論はまだまだあるのだが長くなるので今回はこれでやめて続きは次のMCUドラマ『シークレット・インベージョン』(2023)の時に考えよう)。
そんな日々の中、シーハルクの血液を奪おうとしたり、ジェンを社会的に抹殺しようとする謎の男達の暗躍がジェンを悩ませる。
ジェンは最終話で謎の男達と対決する……というのが大まかなストーリー。

 

 

💚アボミネーションダメージ・コントロール
『インクレディブル・ハルク』(2008)から14年ぶりに再登場した元スーパーヴィランエミル・ブロンスキー/アボミネーションティム・ロス)。
彼はダメージ・コントロール社(以下ダメコン)の超人専用の刑務所に収容されていた。
メコンの全容はよくわからんがフェイズ4以降、存在感が増している。最初はアイアンマンが持ってたスターク・インダストリーの下請けの、超人の戦闘で壊れた街を修復する会社だったがS.H.I.E.L.D.無き今、スーパーヴィランを収容する強大な組織になっている模様。正体不明の能力持ちヒーローなども問答無用で囚えてるので悪役として描かれがちだが一番有名なダメコンキャラ(スパイダーマンの尋問やカマラを捉えようとしてた男)を見ると別に悪意はなく、市民の安全のためによくわからん能力持ちはとりあえず捕まえてから考えるって感じ。パワーを持った人物の善悪がわからないのだが、こういう組織がいても不思議ではない。
アボミネーションことエミルは変身しない事を条件にジェンに弁護され仮釈放となる。
その後、C級スーパーヴィラン達の更生リハビリ施設のような場のオーナーとなりジェンの失恋の痛手も癒やした。僕はティム・ロス好きなので、こんな面白いキャラになって戻ってきて嬉しかった。次は『アーマーウォーズ』や『アイアンハート』あたりで『アイアンマン2』の敵だったジャスティン・ハマー(演:サム・ロックウェル)が戻ってきたら最高。
エミルはヒーローでもヴィランでもないキャラに落ち着いた。最終話で一瞬インテリジェンシアかと思ってヒヤッとしたが只のバイトだった。今後も出番があるみたいで嬉しい。カーマタージがどんどん最高になっていく。

 

 

💚デアデビル
マット・マードックデアデビル(演:チャーリー・コックス)。
弁護士マット・マードックは既に『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2021)でサプライズ登場した(出るのがわかりきってる旧スパイディー達よりビックリした)。本作ではマット、デアデビル両方での登場。
僕はMARVELヒーローの中でデアデビルが一番好きです(次にカマラ)。
『ホークアイ』 (2021)で登場したキングピン同様に、Netflix制作(現在ではDisney+で配信中の)『デアデビル』〈シーズン1-2〉(2015-2016)、『ザ・ディフェンダーズ』(2017)『デアデビル』〈シーズン3〉(2018)から引き続き同じ俳優チャーリー・コックスが続投。僕はこのNetflixデアデビルが物凄い好きだったので(特にシーズン3)凄く嬉しい。
配信前の予告編で既に黄色スーツを着たデアデビルが登場するのは明らかになってたが、その登場は焦らしに焦らされ最終話の一個前に登場した。
当然、ジェンの裁判で戦う相手方の弁護士としてジェンを負かす。
その夜、共通のC級ヴィランを追うため2人は共闘する。
裁判の後のバー、ヒーロー同士の共闘……を経てジェンはマットに惹かれて一夜を共にする。
明るい性格、父の形見の黄色&赤の初期スーツ、殆ど超人寄りの戦闘能力、プレイボーイ……などは原作通りなのだが、原作の暗くてシリアスで過酷な面のみを映像化したNetflix版ドラマでしかデアデビルを知らない人達は「な、なんか違うぞ!」と拒否反応を示す人たちもいた。僕もNetflix版ドラマがMCU全体と同じくらい好きだったが、こういうデアデビルも好きなので完全にOKでした。
Netflix版の戦闘は、MCUよりリアルな世界観だったのでギャングの集団相手に死にそうになりながら勝利していた。MCUのアクションで一番良かったのは勿論『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014)『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)でのアクションだが、Netflix版『デアデビル』の痛そうなワンカット長尺格闘はそれ以上に好きだった。だがデアデビルNetflixに留まってる時から「デアデビルMCU合流したら多分強くなるだろう」と思ってました。だってNetflix版の描写のままだったら同じ人間のブラックウィドウホークアイの数分の一くらいの強さに見えるからね。戦闘の描写を揃えるなら一撃で雑魚が倒される感じになるのは何年も想像してたのでOKです。
デアデビル登場が8話まで延ばされたのは、ヲタをおちょくるのが好きな本作の製作者の性格を考えると、デアデビルを待望するファンを焦らして遊んでるんだろうと思ってたけど、ろくな男に巡り会えず、やっと巡り合ったと思った男は自分を貶めるために近づいただけだった最終話直前のジェンと恋愛させるためだとは思ってなかったので意表を突かれました(このドラマはこのようにファンの読みを毎回超えてくるので長年のファンほど気持ちよく転がされるところがあります)。
どの男も「シーハルク」に興味はあるが「ジェン」には興味がない。そこに「シーハルク」だろうが「ジェン」だろうが関係ない、最初から女性の本質しか見ていない盲目のデアデビルがジェンの相手になるとはね(マットなら見えてても変わらないだろうが)。
しかもデアデビルはヤリチンなのでワンナイトだと思ってたら最終話で割と真剣交際っぽい雰囲気だったのも驚きましたね。
デアデビル、次の登場は『エコー』(2023)、その次はついに単独作『デアデビル:ボーン・アゲイン』(2024)が待ってるので僕は楽しみです(ボーンではさすがに赤デビルになるのかな?黒デビルかもしれん)。ついでにMCUアニメ『スパイダーマン フレッシュマン・イヤーズ』(2024)でもメインキャラらしいし。数年間はデアデビルいっぱい観れるね。

 

💚シーハルクを劇中と現実世界の双方から叩くインテリジェンシア
シーズン通してシーハルクは何者かに狙われている。
まずはニューアスガルドの工具を武器したレッキング・クルーが夜道でシーハルクの血液を奪おうとするがシーハルクの肌に注射針が刺さらず失敗(後にリーダーのレッカーはアボミネーションの施設で更生)。ハルクから輸血された血液は人間のハルク化を促す(もしくは死ぬ)ので悪用しようとしているのは明白。
そしてジェンの親友ニッキはシーハルクを憎む男達が集まる匿名掲示インテリジェンシアを発見。ハルクキングを名乗るハルク信者が「ハルクの力を奪った汚い女」としてジェン/シーハルクを陥れようとしている事がわかる。ハルクは
『マイティ・ソー バトルロイヤル』(2017)で数年過ごしていたサカールから迎えの宇宙船が来たため地球におらずジェンの擁護もできない(ジェンが何とかするしかない)。
次に「シーハルクではなくジェンが好き」というジェンガ一番言われたい理由で近づいてきたイケメンと結ばれるが実は彼はインテリジェンシアの一員で、ジェンの血液を奪うため近づいたのだ(ジェン状態じゃないと針が刺さらないので一緒に寝る関係でないと血を奪えない)。
そしてジェン/シーハルクの優秀な弁護士の授賞式みたいな場で、ジェンの両親など居る前でジェンとインテリジェンシアのイケメンとの盗撮SEX映像を上映。これ自体は恥ずかしい以外のダメージは無いのだがジェンの溜まり溜まった怒りが爆発!つい暴れてしまう。これによりジェンはダメコンに捕まる。
かくしてハルクキングとインテリジェンシアによってジェンは社会的生命、ハルクの血液、心的ダメージ、シーハルクへの変身すべて奪われる(ダメコンに捕まれば変身する権利を失う)。
そしてシーハルクとインテリジェンシアとの対決は最終話に持ち越される。
全編明るいコメディとして描かれてるのだが相当えげつない事をされている。SNSなどを見てると「もっとシリアスに怒れよ!」と怒ってる人もいたが、僕はこの明るい描写で酷いことされてもコメディとして描いてる本編を見て「酷いことされてキレたらセカンドレイプされるから出来る限り笑って耐えてる女性」みたいに見えて良いと思った。別に酷い目にあったからって深刻に落ち込んだ様やシリアスに復讐する様だけを見せる必要はない。何故なら人間には想像力があるから。まぁ酷い目に遭った人がシリアスに怒りたければそうすればいい。とにかく第三者ではなく被害者本人が決める事だ。
そういった感じで本作のメインヴィランは「ハルクキングとインテリジェンシア」という匿名ミソジニー男性たちだ。
後半で明らかになる彼らだが、本作はimdbやロッテントマトなど、ネット映画批評サイトで物凄い数の低評価爆撃を受けている。
ロッテン🍅

特にimdbは評価の割合を見れるので一目瞭然だ。

僕はこのドラマ好きだが、人には好みがあるので「シーハルクいまいちだったわー」という人が居ても何とも思わない。でも10点満点で1点が連打されるほどはダメではないし配信前からこんな感じだった。これは10日前のスクショで今見たら4.9から5.1に上がってたが、しかしそれにしても低すぎる。
シーハルクに限らず『ブラック・パンサー』『キャプテン・マーベル』『ミズ・マーベル』……など、白人や男性じゃないヒーロー単独作は公開前から低評価爆撃されるのが恒例。まぁ後に正当な評価されたり不当な評価は削除されたりしてこういう状態ではなくなったりするけども。『ミズ・マーベル』も、批評家の評価は最初から高かったが一般人の評価は最終話直前まで35%くらい?と激低かった、今見たら80%まで回復してた。これが白人男性ヒーロー以外のMCU作品の毎度の恒例行事。
このドラマ後半でMCUで最も陰湿な敵インテリジェンシアとの戦いが始まるが、こういった現実世界での匿名のシーハルク叩きと完全にシンクロしてて凄いと思った。
今まで散々やられてるからストーリーに盛り込んだんだなと思った。このインテリジェンシアの設定もまた本作の面白いところだった。
劇中のインテリジェンシアは滅んだが現実世界のインテリジェンシアはそう簡単には滅ばないだろう。

 

💚ファンおちょくり第四の壁
このドラマがおちょくるのは白人男性ヒーロー以外の特に女性ヒーローを叩く反ポリコレ匿名ネットユーザーだけでなくMCUファンも叩く。正直これも痛快だった。
第四の壁を破るジェンは毎回のように「みんなウォン好きだよね?」と友好的に話しかけてきたり、MCU考察厨などが「シーハルクは今後こうなる」と話題にしがちな「レッドハルクが出てきて」とかいう予想を次々と先に喋って潰していく。
ジェンの語りかけだけでなく描写でもファンの予想を次々と先回りで上回っていく。これほどまでに予想を上回るMCU作品は初めてだったのでそれがファン歴長ければ長いほど風通しがよくて気持ちいい(中年が若い子に突っ込まれたら妙に嬉しくなるようなもんか)。
たとえば僕の推しのデアデビル、第8話でシーハルクと共闘。シーハルクは潜入の素人なのでデアデビルだけ侵入。敵がぞろぞろ出てきて「誰デビルだ!?」とか言うので暗い廊下で構えを取るデアデビル……!
誰がどう見ても「Netflix『デアデビル』での長回しワンカットバトルが始まる!?」と思う。だが次の瞬間シーハルクが壁をブチ破ってデアデビル長回しバトルはキャンセルされてしまう。シーハルクが「これは私のドラマだから」と止めたというギャグだ。僕はデアデビル好きで彼の長回しバトルが見たかったが、それは『デアデビル:ボーン・アゲイン』(2024)でたっぷり観れるだろうし、これは確かに彼女のドラマなので彼女がギャグで潰す方が正しいし楽しい。一々挙げてくとキリないから止めるがこういうのが毎回あった。これが凄い楽しかったが観た人皆がそう思うかどうかはわからん。前述のデアデビルのネタもNetflix『デアデビル』観てないとわかんないし、そう考えると本作はある程度アメコミリテラシーが必要なのかもしれない。
最終話の大ネタはその最たるもので圧巻でした。
ここから最終話ネタバレ
ジェンは変身禁止命令が出て、親友の同僚ニッキとパグがインテリジェンシア集会を探し当てる(この2人の活躍はシリーズ通して楽しかった、ニッキは『ソー』シリーズのダーシー、『スパイダーマン』のネッド、『シャン・チー』のケイティに匹敵するBEST友達キャラだった)。
とにかく集会所にジェンや本作のキャラが続々と集結。なんだか観ていて不安になってくる。そこでハルクキングの正体が明らかになり彼は入手したシーハルクの血液を注入、ハルク化する。
まぁ想像通り、シーハルク軍団がハルクキングをやっつける流れだが、ここで不安がますます広がる。
第1話は面白かったがMCUドラマは第一話はどれも面白いので置いといて、第2話から第8話まで面白さが最高のままだった。こんなに楽しいのは初めてだ、最終話もおもろいはずと思ってたら今まで通りMCUでよくあるしょうもないラストバトルが始まってしまった!そういう思いが頂点に達するのを見計らったかのようにジェンが「ちょっと!最終回がこんなんでいいわけ!?」とストーリー展開に文句をつける。そしてDisney+メインメニューに戻り『アッセンブル』(MCUメイキング番組)のサムネイルをぶち破ってMARVELスタジオに乗り込んでケヴィン・ファイギに会いに行く。するとファイギは実は『K.E.V.I.N.』という名のAIで、彼に直接文句言って解決する。
シーハルク世界に戻ると、ハルクキングがハルク化した事実はなくなり連行され、シーハルクは大好きなデアデビルや家族たちと打ち上げする……。
製作者のところに行って望みどおりの展開にするという古い原作でもあったネタだが、かなり思い切ったなと思った。視聴者に話しかけたりはしていたがまさかここまでやるとは思わなかった。最終話も見事に予想の上をいかれたので満足しました。更に長いことずっと思ってた「MCUの……特にドラマのラストバトルしょうもないな~」という2年間の想いがシーハルクにすくい上げられ、MCUによる自己批判が展開され「ハルクキングを殴って終わり」という、しょうもないラストバトルが回避されたのが本当に良かった。
SNSなど見たらこれに戸惑う人やブチギレてる人も多かった。「バカにされた」と感じる人も多かったんだろう。アメリカ本国の批評家も「もしシーハルクのシーズン2があっても、引っくり返されるのが怖くて楽しめない」と言ってる人もいた。シーハルクのキャラがわかってないと「えっあのAIが全ての神なの?」と真剣に心配してる人もいて、それもわからんでもないが考えすぎだろう。シーハルクもデップーもそうだが彼女らの第四の壁破壊能力はMARVELのメインストーリーには全く影響しない。『アべンジャーズ シークレット・ウォーズ』とかにシーハルクやデッドプールが出ても観客に話しかけてきたり、ちょっと時間巻き戻したり別の場所からお菓子取ってきたりといったストーリーに影響しないギャグをやるだけだろう。
確かに「神に会いに行って自分の思いどおりにする」というのは夢オチなどの反則に近いものだから怒る人がいても不思議じゃないが、ハルクキングをスマッシュするというしょうもない展開にならず予想を超える驚きをくれたので満足です。メタ的にはジェンをいじめてたのはハルクキングより製作者や脚本家たちの方が一個上のレイヤーに居るから彼らに文句言うのは筋が通ってる。それでいてこのオチができるのはシーハルクとデッドプールだけだしやる権利もある。
ただ一つだけケヴィン・ファイギの正体が「『K.E.V.I.N.』という名のAI」というのがガッカリしましたね。ここは「はぁ?」と思いました。普通にケヴィン・ファイギ本人を出してシーハルクに殴られて「ごめん、君の言う通りにする!」と言うべきだろう。WWEビンス・マクマホンみたいに。
「Disney+の作品じゃないと出来ない」という事も含めて最高でしたがファイギ本人がボコられないのだけが残念でしたね……ファイギも自分から率先して出てこないとダメだろう、何でそうしなかったんだろ?まぁ、ファイギ本人が出てくるのは『デッドプール3』に残しておいたと考えておこう。
で、『シーハルク』世界に戻ったジェンはハルク化できなかったハルクキング、自分のすべてを奪いかけて傷つけられた相手をハルク・スマッシュ!……ではなく「裁判で争いましょう」と言ってダメコンに引き渡す。直接的な殴り合いがカットされた事にがっかりする人がいても不思議じゃないが、この結末は完璧に良いでしょう。
シーハルクは憎い相手を前に怒りに飲まれず自分を弁護士として完全にコントロールした。(いつまで付き合うかわからんが)デアデビルもGetした。何だかんだで仕事も恋も上手くいった。良いオリジンでした。賛否分かれてるみたいだが、そんな感じで僕は気に入ったのでまだまだ続き観たいです。
なんか書くことがありすぎて面白いキャラとか展開について全然書けなかったが……長くなって疲れたので終わります。
MCUドラマは良いとこも悪いとこもあって総合すると手放しで好きなものはなかったがこれは初めて最初から最後まで面白かったドラマでした。
とにかく今までで最も「明るく楽しいMARVELコミックの映像化」という感じが凄かった。最もMARVEL「コミック」らしい作品でした。

💚次は……一ヶ月後の11月11日に『ブラックパンサー:ワカンダ・フォーエヴァー』。
クリスマスにDisney+で『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー/ホリディ・スペシャル』(2022)。
ドラマは……来年の『シークレット・インベージョン』(2023)まで無し。

 

 

 

 

そんな感じでした

『インクレディブル・ハルク』(2008)/10年ぶりに観てみたら知らないおじさんが大暴れしてました💚 - gock221B
『シャン・チー/テン・リングスの伝説』(2021)/シャン・チーとケイティと中盤までのアクションとストーリーが最高⭕⭕⭕⭕⭕⭕⭕⭕⭕⭕ - gock221B

 

『デアデビル』〈シーズン1〉(2015) 全13話/ストーリーもワンカットアクションも全て傑作/ついでにS2と『ディフェンダーズ』も😎 - gock221B
『デアデビル』〈シーズン3〉(2018) 全13話/S1以上の傑作。MCUにないものが全てある😎 - gock221B

💚👩🏻💚👩🏻💚👩🏻💚👩🏻💚👩🏻💚👩🏻💚👩🏻💚👩🏻💚👩🏻💚👩🏻💚👩🏻💚👩🏻💚👩🏻
👩🏻💚👩🏻💚👩🏻💚👩🏻💚👩🏻💚👩🏻💚👩🏻💚👩🏻💚👩🏻💚👩🏻💚👩🏻💚👩🏻💚👩🏻💚

disneyplus.disney.co.jpShe-Hulk: Attorney at Law (TV Series 2022– ) - IMDb

www.youtube.com

#sidebar { font-size: 14px; }