gock221B

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『ホークアイ』全6話 (2021)/大部分とても楽しく観てたが最後にガッカリして全てどうでもよくなるというパターン🏹

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原題:Hawkeye 監督:リス・トーマス 原案:ジョナサン・イグラ 製作総指揮:ケヴィン・ファイギ、ジョナサン・イグラ、ブラッド・ヴィンダーバウム、トリン・トラン 制作スタジオ:マーベル・スタジオ 製作国:アメリカ 配信時間:各話約50分、全6話 シリーズ:マーベル・シネマティック・ユニバース (Disney+ドラマシリーズ)

 

 

 

映像配信サービスDisney+で今年から始まったMCUドラマ&アニメの第5弾。
フェイズ4の8作目。MCU第一作目の映画から数えると31番目のタイトル。
10年前から登場していたアベンジャーズ創立メンバーという古参キャラのホークアイを主人公にしたドラマ。これでアベンジャーズ創立メンバー作品は全部出揃った。
ホークアイブラックウィドウ同様「スーパーパワーを持たない常人ヒーロー」という事もあり「あまり目立たない」という事を自他共にネタにされていたヒーローだった。
マット・フラクション&デヴィッド・アジャの、めちゃくちゃアートがカッコいいコミック『ホークアイ:マイライフ・アズ・ア・ウェポン』から多くのアイデアやデザインを使ってる。というかこの原作と続巻はマジで傑作で、このドラマの数倍面白い。
ネタバレありで書きます。

 

 

 

NYに住む裕福な少女ケイトは『アベンジャーズ』(2012)でのアベンジャーズvs.チタウリのNY決戦で父親を失うも、生身の身体と弓矢のみで異星人と戦うヒーロー、ホークアイに心を奪われた。
そして『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)での闘いから1年後の2024年。
成長したケイト・ビショップヘイリー・スタインフェルド)は、13年の間に弓矢、フェンシング、武術やあらゆるスポーツを極めていた。
ケイトは、大企業の社長でもある母親エレノア・ビショップヴェラ・ファーミガ)の怪しい婚約者ジャック・デュケイン(トニー・ダルトン)を尾行しているうちに、犯罪者を容赦なく殺していたダークヒーロー〈ローニン〉のスーツをGet、ついでにピザ好きの隻眼の犬ラッキーとも友達になる。
しかしそれが原因でローニンに恨みを持つ義足聴覚障害の女ギャング、マヤ・ロペス(アラクア・コックス)と、マヤが所属するギャング集団〈トラックスーツ・マフィア〉に狙われることになってしまい、同時にママの怪しい婚約者ジャックを探っているとジャックの叔父が剣で刺殺されている遺体も発見する。
一方、アベンジャーズクリント・バートン/ホークアイジェレミー・レナー)は、長年の激戦で聴覚を失いつつあり補聴器を使用していた。
クリントは妻子とクリスマスを過ごすはずだったがニュースでマフィアと戦うローニン姿のケイトを目にする(ローニンとはサノスの指パッチンで妻子が消失して闇堕ちしていた時期のクリントが変装した殺人ヴィジランテ)。過去の負債であるローニン装備を回収しに行ったクリントは自分を憧れのヒーローだと思っている少女ケイトと出会う―
……という話。

 

 

 

全体的な流れや楽しいところ
🎯主人公クリントが「闇堕ちしてた時〈ローニン〉として悪人を殺しまくってた」「一緒に居た親友ナターシャ/ブラックウィドウの死」など過去のネガティブ要素のツケを払わされる。
🎯もう一人の主人公、クリントに憧れる少女ケイトは、ローニンの衣装を着てしまったことで、ローニンを探して殺そうとしているギャング集団トラックスーツ・マフィア(日本語訳では「ジャージマフィア」)に追われクリントと行動を共にする。その一方で「ママの恋人ジャックは殺人犯では?」というミステリーを探り、やがて二代目ホークアイになるというオリジン。
そして、この2人の弓使いが共闘していくうちに師弟関係が育っていく様子。
これがメインのストーリー。

🎯そこへ聴覚障害&義足の女ギャングのマヤ・ロペスが絡む。彼女はトラックスーツ・マフィア(日本語訳では「ジャージマフィア」)のリーダーで、かつて父をローニンに殺されたためローニンへの復讐でケイトとクリントを追う。このマヤは再来年くらいにヒーローになってドラマ化される『エコー』の主演が既に決まっている。
🎯ナターシャの妹エレーナ・ヴェロワ/ブラックウィドウ(フローレンス・ピュー)は、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)での「姉ナターシャ・ロマノフの死はホークアイのせい」だと吹き込まれてホークアイ暗殺の命を受け、クリントの命を狙う。
🎯この2人が他作品から本作へだったり本作から新作への橋渡し的クロスオーバー要素としてのキャラで、クリント&ケイトのメインストーリーに絡みついてきて、三つ巴の戦いに真の黒幕なども加わる最終回へと繋がる。

🎯これが本作の概要。全編、クリスマスムード満載のコメディタッチで楽しく進む。
最初の2、3話くらい、かなり地味だが尻上がりに盛り上がっていく。何だかスローな盛り上がりがMCUホークアイのキャラに被っていて良い感じだった。
ローニンでの悪人殺しを悔やむ割には、あまりに危険すぎるトリックアローをトラックスーツマフィアに対して射ちまくるが、トラックスーツマフィアは限りなくギャグキャラなので「BANG!とパンチしてHAHAHA」みたいなノリを弓矢でやってるだけなので気にしなくてもいいだろう。逆にローニンが真田広之やマヤの父親を刺殺したのは「シリアスな殺人」なんだろう。
この作品の良かった要素は、ケイトがNY決戦を目撃する場面、アベンジャーズのミュージカル、愉快なLARPSやジャック。トラックスーツマフィアとのカーチェイス。クリントとケイトとピザドッグのクリスマスパーティ。クリント&ケイト vs.マヤ vs.エレーナの三つ巴バトル。指パッチン前後のエレーナ。ケイトとエレーナの女子会。ヒーローへの覚悟が出来たケイトを認めるクリント。トリックアローを作成するクリント&ケイト。スケートリンクでトラックスーツマフィアにトリックアロー射ちまくる2人のホークアイ。……など、本作は楽しいシーンに良い場面が多かった。
ケイトは運動神経の良い女子大生に過ぎないので第1話ではトラックスーツマフィア数人にやられそうになってたが覚悟が決まった最終回ではベテラン暗殺者のエレーナと互角の戦いを繰り広げるのでちょっと待てと思ったが、メンタルで強さが決まるしエレーナもケイトを気に入って手加減して相手してるから、まぁいいかと脳内補完した。
正直「10年以上経ってようやく最後のアベンジャー、ホークアイの作品できたか」と、待った割には、ケイトとマヤの登場やエレーナに時間を使いすぎて、クリントの掘り下げがあまりにも無く、彼が色々なことに対して何を考えてるのか正直よくわからなかった。だけど、映画やドラマは面白さが突出してれば短所はカバーできる「でもまぁドラマが楽しいからいいや」と最終回の終盤までは、ちょっとした短所も全て良いように取って応援してたのだがキングピンやエレーナとの和解があまりにも粗く、それが連続して擁護しきれなくなり、そうなるとクリントの掘り下げが足りない等の短所も浮かび上がってくる結果となった。

 

 

キングピンとエレーナ説得へのガッカリ感
🎯キングピンというのはMARVELコミックのヴィラン
分類的には街系のキャラでデアデビルスパイダーマンとよく闘う。普通の人間だけどスーパーパワーのヒーローと素手で戦ったりするし、それ以上に頭脳を活かした策謀が得意なのが凄く厄介。表社会では名士だし、あらゆる組織に手を伸ばしてるので捕まえること自体が困難だし、苦労して証拠を集めて捕まえてもすぐ出てこれる。そして出てきた後は社会的に抹殺してくる。
他メディアに出た有名な作品だと映像作品としては映画『デアデビル』(2003)、Netflixドラマ『デアデビル』(2015-2018)、アニメ映画『スパイダーマン:スパイダーバース』(2018)等のラスボス等を務めたし、あとゲームだと最近だと『Marvel's Spider-Man』(2018-)シリーズとか昔だとカプコン制作の『パニッシャー』(1993)にも出てるし他にも色々出てくる。
だが、やはり他メディアの決定版はNetflixドラマ『デアデビル』(2015-2018)だろう。はっきり言ってデアデビルと同じくらい描かれてて殆ど主人公のように描かれ、愛する妻に対してだけは愛情や繊細さを持っており、その代わり犯罪の王としてはデアデビルを初めとして自分に逆らうものは物理的、精神的、社会的に徹底的に排除する。サノスに狙われても死ぬだけだがキングピンに狙われたら「殺された方がマシ」という状況に追い込まれる。サノスは災害だがキングピンはリアルな嫌な驚異となる。Netflix版は評判の良かったシーズン3でMARVELスタジオが引き取って終わった。僕はこのシリーズの強力なファンだったのだが(特にシーズン3はエンドゲームと同じかそれ以上に好き)、ブルズアイ以外はシーズン3で一旦ケリがついて満足感あったのでNetflix版が終わってMCUで仕切り直すのは全く構わなかった。
本作にウィルソン・フィスク/キングピンヴィンセント・ドノフリオ)が出てくるのは第3話で「マヤ・ロペスの育ての親で裏社会を牛耳る大物」として、マヤの肩に手を置くキングピンの手だけが出た(他にも数多くの匂わせがあった)。
そして最終回の直前回のラスト、Netflix版と同じくヴィンセント・ドノフリオ演じるキングピンが画面に出た。これが本作最大のクリフハンガーでありサプライズだった。
ちなみにNetflix版のMARVELドラマは当初『エージェント・オブ・シールド』(2013-2020)と同様にMCUと繋がってる設定だったが、どちらも今となっては繋がりが曖昧になった(多分つながってないと思う)。
本作では存在とか後ろ姿だけチラ見せして本格的に登場するのは『エコー』からだと思われたが最終回、ケイトの母親エレノアと密談するキングピンがバッチリ出てきた。
エレノアやマヤの離反に怒りと共にハートブレイクな傷心ぶりを見せる繊細さは正にドノフリオ版キングピン。
しかしこの最終回だけではどういうキャラなのかよくわからない。何か凄い安いバーでエレノアに謁見するしNetflix版とは別キャラだとしても彼はホークアイが連呼してた通り「大物」キャラのはずだが、本作を観る限りトラックスーツマフィアしか部下が出て来ないし本当に只の「街のギャングのボス」程度の力しか持ってないかのように見える。だが、これはホークアイ2人のドラマだし最終回でキングピンを描いてる時間などないのでそれは仕方がない。色んな配下の一つトラックスーツマフィアの様子を見に来たんだろう、と脳内補完した。
まぁ出番はこれだけかと思ったら、2人のホークアイとトラックスーツ・マフィアの戦いが盛り上がって僕も楽しんでいた時にキングピン自ら現場に現れ怪力を見せ、ケイトとタイマンし始めるので驚いた。
「やばい!ケイトが殺されてしまう!」と思ったがケイトが子供だからかエレノアの娘だからか、キングピンは飛びかかってくるケイトを振り払うだけでとりあえず殺す気はないようだ。……と思ったらケイトがクリスマスパーティでクリントに習ったコインスローで秘密兵器アローを起爆させ何とキングピンを倒してしまう。
Netflix版とは別人っぽいとはいえNetflixデアデビルが39話かけて倒したキングピンをほんの5話前は只の女子大生だったケイトが倒しちゃうの?しかもキングピンの真の実力を描いてないうちに倒しちゃったら只の怪力大柄ギャングでしかないじゃん」と、ここまで凄く楽しんでたこのドラマから一瞬で大きく心が離れそうになったが「いやいや!これはNetflix版とは関係ないんだしホークアイ2人のドラマ。それにキングピンが只の怪力大柄ヴィランとして描かれる事もちょっとした事で物理的にやられる事もよくある。これはヒーローデビューしたケイトのビギナーズラックも合わさった御祝儀だろう」と、強引に脳内補完した。何故かと言うと僕もMCUホークアイが好きなので出来る限り良く思いたいという力が無意識に自分の中で生まれているからだ。

🎯場面は一旦キングピンから離れて、クリント vs.エレーナ。これは『ブラック・ウィドウ』(2021)のエンドクレジットの時から楽しみにしていた。どちらも悪くないのに肉親の仇だと思いこんで殺そうとする。古くは『じゃりン子チエ』の「小鉄 vs.アントニオJr」などでもよくある胸に来る戦いだ。
そして、これ系の誤解仇討ちの定番として誤解されてる年上のクリントは殴られるがままになる。エレーナは姉を失った哀しみを八つ当たり的にクリントにぶつけ、彼の説明も信じない。クリントはナターシャとエレーナしか知らない秘密の口笛を吹くと、エレーナは「な、何故それを……」と動揺する。「姉と自分しか知らない秘密の口笛を知ってるって事はこいつは本当に心が通じた親友なんや」と納得する。理屈はわかるんだが何だか『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』(2016)で「母ちゃんの名前が一緒だったから心を入れ替えるバットマン」と雰囲気が似ていて……いや、幾らなんでもそこまで酷くはないが何だか上手くいってない感じがした。何でだろ?「それで説得できるなら、もっと早くちゃんと話し合えばよかったんじゃないか?」というのもあるし、レイティングを上げないため血が一滴も出ないMCUの常としてエレーナが金属の棒で全力でクリントの顔面をシバきまくってたのにクリントは血を出してないばかりか痣すら出来ていない。仕方ないとはいえバカバカしいよ。「はっ!中年の僕はこのシリーズ好きだしこれからも好きだが、やっぱ子供向けなんだな」と気づいてしまう、その気付きが嫌なんだよね。せめて腹を蹴りまくるようにするとか配慮して欲しい。そしてナターシャの説明を受けたエレーナが超号泣し始めるのも驚いた。説明を受けたエレーナの感情の表し方は、少し眉を歪める程度で「そう……今日は見逃してあげる」と背を向ける程度だと思ってたらこんなに号泣するとは。こんなメンタルの子だったのね……。「姉の仇を討ちに行ったら真相を聞かされてワンワン泣いちゃった」というエレーナのツイートの文面が頭に浮かび少しアホらしくなった。この対面はずっと楽しみにしてたのだが、こんな感じかぁ……という感じだ。さっきのキングピンの件もあって俺の心の中心がどんどんこのドラマから離れていく……。こんなはずじゃなかった。トリックアロー使い放題の時まではあんなに楽しかったのに……。
だが気を取り直して「エレーナも暗殺しか知らんまだまだ子供だったんだな」と思い直した。自分のエレーナの解釈が間違ってた、もっと成熟した子だと思いすぎてたのかも。

🎯とっておきのトリックアロー&コインスローの合わせ技で重症を負って逃亡するキングピン。初登場でいきなり物理的な敗北は……気に入らないが、さっきも言ったように「ケイトへの御祝儀」として強引に納得済みだ。
だが男女の関係だったと思われる右腕のカジを殺して恐らくダークヒーロー〈エコー〉となりつつあるマヤが現れる。キングピンは説得しようとするがカメラがパンして銃声……。
という、くだりでもう完全に嫌になった。この最終回の後半だけで何度も心が離れそうになったが色々この『ホークアイ』に寄り添って考えたり脳内補完したりしてきたが、それがバネの反動になって無理やりポジティブ変換していた感想がネガティブ方向へと逆流した。
ケイトにやられるくらいは主人公だから……と、まだ許せたけど本作ではサブキャラに過ぎないマヤにまで、同じ日に二度負けるのか?という感じがあった(撃たれてない可能性も高いが、描かれてないので今の時点では撃たれたも同然)。百歩譲ってエコーにやられてもいいが、それはドラマ『エコー』劇中とかでもいいだろうと思った。
もちろんこれでキングピンが銃殺されてるわけもなく(死んでたら後で改めて怒るが)続きは『エコー』で描かれるんだろうけど、本作でのエコーは「カジを殺して髪がバラッとはだけてエコー化して逃亡」で終わっていいだろ。キングピン銃殺の匂わせまでしないで欲しかった。そもそもキングピンがマヤの父を何故ローニンに殺させたのかとかもサッパリわからないし。
何度も言うようにNetflix版とは恐らく関係ない新キャラとしてのキングピンなんだろうが、同じ俳優を使っておいて、こんな吉本新喜劇的な役回りだとNetflix版の方で色んな犠牲を伴ってキングピンを倒したデアデビル&カレン&フォギーや、Netflix版ドラマを作ったクリエイターとかもバカにされてるように思えて本当に嫌。こんな怪力大柄なだけならドノフリオを使わず別の俳優でやって欲しかった。
それと本作だけでキングピンを観た新しいファンからしたら本当に「数日前まで只の女子大生だったケイトにやられて逃亡してたら、ついでにマヤにも撃たれた力持ちのおっさん」という印象にしかなんないじゃん。それが嫌。
それでいて本作で初めてキングピンを知った子からしたら、こういう扱いでも何とも思わないのもよくわかる。それどころか「いろんな事件の黒幕だった怪力の存在感ある良いヴィランだったね、何が嫌なの?」とか思われそうだし。で、何でキングピンの扱いでガッカリしたか説明しようとしたら「あーうるせうるせ」と言われてしまうというね。逆の立場で考えて欲しい。何らかの理由で10年後にMCUが終わって新しいMARVELシリーズが始まって、ダウニーJrが演じてるが凄く知能が低いトニーとか、クリエヴァ演じるすぐ諦めるキャップとかが出てきたら「ち、ちがう!アイアンマンやキャップは、もっと凄いキャラなんだよ。これならダウニーJrやクリエヴァ使わないでほしかった……」と言いたくなるだろう。で、説明しようとしたらうざがられる。そういう感じ。だがさっきも言ったように怪力頑丈大柄でぶつかり稽古するのもキングピンのキャラのうちではあるので「策謀キャラはNetflixで充分にやってたからウチのMCUキングピンはフィジカル推しで行くよ!」という事かもしれん、それはそれで一つの手だが、キャラの描き方を変えるならNetflix版のドノフリオじゃなく別の大柄俳優を使ってほしかった、ドノフリオ使ったらどうしてもNetflix版の用意周到な賢いキングピンを期待してしまう。
MCUヴィランは割と適当というのが10数年続いてて、その中でも魅力的に描いたヴィランもロキ、サノス、ジモ、キルモンガー……など例外はありますが大抵は適当な単純悪として描かれる事が多い。一番多いのがヒーローのダークバージョンとしてだけの存在として倒される単純悪(レッドスカルやイエロージャケット)とか、映画の悪役として悪くないが原作の魅力的なキャラをめちゃくちゃ変えられてしまったり(タスクマスターとか)とか色々ある。逆に原作では大したことないけど映画では凄く良くなったバルチャーみたいなのも僅かにいますけどね。だけどヴィランが適当だった事が多いのは「MCUはヒーローを丹念に描く事に全振りしてるからヴィランにまで手が回らないんだな」と納得済みではあった。あと「原作では超凄いキャラだけどMCUでは凄く卑小な悪にされた」というので最大のものはやはりレッドスカルか。キングピンもここに仲間入りした感があり、さっきも言ったNetflix版の賢いドノフリオをわざわざ使って力持ちキャラだけフューチャーしたキングピンにした事でガッカリ感が強く、また10数年間、MCUに寄り添って「ヒーロー描写を頑張ってるからヴィランは適当でも仕方ないよね……」と忖度して自分を抑えて多分も噴出したのかもしれん。
そんな感じだから以降の、LARPやジャック大活躍とかバートン家とケイトとラッキーのパーティとかミュージカル等の楽しいはずのシーンは完全に感情ゼロで観る事になっちゃいました(それでも逮捕されるエレノアがケイトに言う一言はめちゃくちゃ良かったです)。

🎯Disney+のMCUドラマでの虚脱感と言えば第5話くらいまで死ぬほど面白かった『ワンダビジョン』(2021)で「ピエトロが出た!しかもFOXのX-MEN版の!?どういう事!?」という最大のワクワクからの「自分をピエトロだと思い込まされた只の青年でした」というアレも本当にガッカリした。製作者がインタビューで「ピエトロ出したらヲタが沸き立っててウケたw」みたいな事言ってたのもムカついたし。マジで誰一人嬉しくない展開だよね。種類は違うけど似たような虚脱感を覚えた。
「許せん!」とか「こんなの認めんぞ!」という怒りとか不満の感情じゃないのよ、感情ゲージ自体が消失する虚脱感に襲われる種類の「はぁ、もういいですわ……今日はもう寝るから」というガッカリ感(実際に最終回観た後すごく早めに寝た、ペットが死んだ日のように)。長い恋愛で色んな事が重なって別れる時の感情に近い、そういう時「何が原因で?」と聞かれても「色んな事が重なって……なんかぽっかり穴が空きました……」と答えるしかない、ああいう感じに近い。
各作品のメイン製作者は映像作家としてメインストーリーやキャラの描写がしたい。MARVELスタジオは話題性やオタ受けのために今後の伏線とかサプライズによるクリフハンガーを入れたがる。……それは、これまでのMCUも全部そうなんだけどDisney+のMCUドラマはどれも、上手くいってない気がする。色んなサプライズで最終回までは「MCUドラマ最高や!」と楽しんでるんだが最終回になると「はぁ、そうですか……」とガッカリして終わる。ガッカリしなかったのは『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』(2021)くらいか。ファルコンはサプライズ少なかったから破綻しなかったのかも。『ホワット・イフ…?』(2021)も最終回でガッカリしなかったがあれは正直、逆に最後の2話以外あまり面白くなかったね。
MARVELスタジオが「これ入れろ!」と差し込み続けるサプライズやイースターエッグを監督が処理しきれないのではないか?作品数も多すぎるし。
MCU何でも来いOK状態」を13年間、維持してきたけどMCUドラマには疑問が生じてきた。何度も言うようにどれも途中までは色んなサプライズによって最高なんだが、最後にそれが結実しないんだよね。MCUは映画だけでいいかも……と思い始めてきた。また次も観ますけども……。
ヘイリー・スタインフェルドの演技の素晴らしさとか良いところをいっぱい書くつもりだったが正直そういう良かった大部分も全部ふっとんじゃいましたね。ジェレミー・レナーとヘイリー氏とピュー氏の演技は本当に良かった。エレノアもね。女性陣は全員いい意味で大袈裟な演技なのでコミック原作演技にピッタリだったね。
あとスケートリンクでの戦いでトラックスーツマフィアがどんどん50人くらい湧いてきて「こいつら無限に湧いてくる!w」と、ああいう適当さは好きでした。まだ楽しんでた時間やね。
次はアメリカではとっくに公開済みでドクター・ストレンジ2の宣伝が始まったが日本ではまだの『スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム』(2021)

 

 

 

そんな感じでした

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