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「レゴ®バットマン ザ・ムービー(2017)」確かにバットマン映画の中で一、二を争う傑作だった

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原題:The LEGO Batman Movie
監督:クリス・マッケイ 制作:フィル・ロードクリストファー・ミラー

上映時間:105分 製作国:アメリカ シリーズ:「LEGO(R)ムービー」シリーズ

 傑作「LEGO®ムービー (2014)」を監督したフィル・ロードクリストファー・ミラーのコンビが制作に回ってLEGO®ムービー」の共同監督だった人が監督した本作。まあとにかくフィル&ミラー一派の作品。
全米大ヒットして評価も異常に高く「全てのバットマン映画の中で最高傑作!」と言う人も少なくない本作。ベン・アフレックが監督するはずだったDCEU「ザ・バットマン」への影響があったのではないか‥と一部で噂されている(脚本まで出来ていたデスストロークと闘うはずだった「ザ・バットマン」のストーリーは白紙となり制作が先送りとなりベン・アフレックは監督から降りた。更にバットマン役をも降りるという噂もある)
コミックのバットマンを映画化したものではなく「LEGO®レゴムービー」に出てきた中二病バットマンを主人公にしたスピンオフ‥という形だが「LEGO®レゴムービー」との繋がりはほぼなく、実際にはレゴやコメディという設定を逆手に取って好き勝手にバットマンを総括した完全なるバットマン映画になっていた。

 

Story
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レゴで出来たゴッサムシティを守るレゴのバットマン
中二病でナルシストで独善的で孤独なヒーロー。
いつものように犯罪を企てたジョーカー。
「またバットマンに負けに来たの?」と驚きもしない市民に対して、ジョーカーは気を取り直して「‥今夜はいつもと違うぞ!」と叫ぶ。
そう、今夜、犯罪を行うのはジョーカーだけではなかった。
リドラースケアクロウベイントゥーフェイスキャットウーマンクレイフェイスポイズンアイビーMr.フリーズペンギン‥など有名なバットマンヴィラン(悪役)達。
更にクレイジーキルト(優しい衣類を羽織った犯罪者)。イレイザー(鉛筆のケツに付いてる消しゴムに扮した犯罪者)。ポルカドットマン。マイム。タランチュラ。キング・タット。オルカ。キラーモス。マーチ・ハレ。ゾディアック・マスター。ジェントルマン・ゴースト。クロックキング。カレンダーマン。カイトマン。キャットマン。ゼブラーマン。コンディメントキング(調味料キング)‥などの訳の分からん誰やねんヴィラン達も加わり、バットマンヴィラン大集合。

www.youtube.com後半の誰やねんヴィランのうち、キラーモスとカレンダーマンは割と有名。
前半のメジャーヴィランに入ってない有名ヴィランも多いがテンポを考えて、オチの誰やねんヴィラン大集合に早めに行きたかったので短くしたのだろう。
紹介はされなかったヴィランのうち、ハーレークインは全編に渡ってジョーカーをサポートしてるし、他にもキャプテンブーメラン、マンバット、キラークロック、Dr.ヒューゴ・ストレンジ。「バットマンダークナイト・リターンズ」のミュータント団リーダー。レッドフード。その他よくわからん奴らも登場。全然関係ないが僕が一番好きなヴィランMr.フリーズ
www.comingsoon.net他にもバットマンバットマン映画の小ネタはいっぱい出て来るがキリないから以降はスルー(というかオマージュとか小ネタにはあんまり興味ないんだ)
ジョーカーやヴィラン達はゴッサムシティの地盤を破壊する爆弾を設置した。
レゴの世界なので薄い地面が崩れたらこの世界は終わってしまう。
しかしバットマンが現場に急行。秒速で事件を解決。
いつものようにやられつつも嬉しそうなジョーカーは「お前のライバルは俺様だよな?!」とバットマンに告白するが
バットマン「私のライバルはスーパーマンだし、お前なんか数あるヴィランの一人にすぎない。というか、お前に何の興味もない。お前には何の価値もない」と言い放つバットマン
哀れ、ジョーカーはガチ泣きしてしまう。。
今日も街の人から勝利を褒め称えられたバットマンは孤児院でバットマングッズをサービスする。バットマンに憧れていつ孤児のディックもニッコリ
帰宅後、好物のロブスターを食べながらホームシアタートム・クルーズの映画を観てご機嫌。独りで
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バットマンのメインのファン層(アラサーやアラフォー独身中年男性)の心にヒットする一人暮らし描写だ。
この世界のバットマンも、やはり両親が強盗に殺されて心を閉ざしている。
バットマンのコスチュームに素顔を隠し、自警活動や秘密基地バットケイブの各種乗り物や武器やコスチュームなどのオモチャ、ジョーカーやヴィラン達とのじゃれ合いに逃避して生きている。
父親代わりの執事アルフレッドは、中年なのにいつまでも大学生みたいな精神状態のバットマン‥ブルースに対して「そろそろ家族を持つことに向き合っては?」と助言する。
ブルースは痛いところを突かれた(中年なのに結婚もせず映画ばかり観てこんなブログ書いてる僕の胸も、それを読んでる君の胸も同時に痛くなる)
そして、このバットマンの問題‥他人に対して閉ざされた心こそが本作のテーマ。
ここまでで20分くらいだが、異常に多い情報量を短時間に詰め込めたのもレゴのコメディアニメ形式の利点だなと思った。
あとレゴのバットモービルがさすがのカッコよさで思わずレゴが欲しくなる。
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ブルース(バットマン)は、ゴードン本部長の引退パーティに出かける。
スーパーマンがライバルのゾッド将軍を捕まえた話をしているTVを、羨ましそうに観ているジョーカー。
ジョーカー「スーパーマンはちゃんとしてるのにバットマンときたら‥」
スーパーマン「ゾッドなどのスーパーパワーを持ったスーパーヴィランは、人間用の刑務所では収監しきれないので僕の持つワープ銃でみんな極悪ゾーン(ファントム・ゾーン)という異次元に飛ばしたよ」と語るスーパーマンを観て新しい悪巧みを思いついたジョーカー。
ブルースはパーティで、後にロビンとなる孤児ディック・グレイソン、後にバットガールとなるバーバラ・ゴードンらと知り合う(本作でディックは子供で、バーバラはブルースが一目惚れする大人の女性という役回りになっている)
引退したゴードンの代わりにゴッサム警察本部長になったバーバラは
バットマンゴッサムの平和を護ってくれています。しかし私たちはバットマンだけに頼ってはいられません。今後はバットマンには警察と手を組んで悪と闘ってほしいと思ってるわ」と、ぐうの根も出ない正論を言う。
他人と協力なんてできないバットマンはショックを受ける。
そこへジョーカーをはじめとするヴィラン達が現れ、彼らは全員自首する。
バットマンゴッサムは平和になりました。これからの人生どうするんですか?
TVリポーターにそう訊かれて愕然とするバットマン
バットマンは、今まで彼が軽く見ていた犯罪者たちがいたからこそバットマンとしてのアイデンティティが保たれていた。
ヴィラン達が居なくなればバットマンは只のコスプレしたオッサンでしかない。
バットケイブに帰ると、ノリで養子にしてしまったディック・グレイソンがいた。
彼という子供を育ててみては?とブルースに助言するアルフレッド。
精神年齢が子供レベルのバットマンは、リアル子供のディック‥ロビンとは気が合い、行動を共にしている間に父性が目覚めてくる。
バットマンは、アーカムアサイラム収監されたが何か企んでいる風だったジョーカーを危険視する。
バットマンはスーパーマン所有のワープ銃を盗もうと、彼の孤独の要塞に侵入(要塞では付き合いの悪いバットマン以外の、ワンダーウーマンやフラッシュやグリーンランタンを始めとするジャスティス・リーグがパーティしていた)
身軽なロビンにワープ銃を盗み出させ、収監されているジョーカーを撃って異次元空間ファントム・ゾーンに飛ばした。
バーバラは、かつて憧れていたバットマンが独善的な男だった事にがっかりする。

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ファントムゾーンに送られたジョーカー。しかしそれこそがジョーカーの狙いだった。
そこには「ロード・オブ・ザ・リング」の冥王サウロン。「ハリーポッター」のヴォルデモート卿。キングコング。「ジョーズ」の鮫。グレムリン。「タイタンの戦い」のメデューサとクラーケン。「マトリックス」のエージェント・スミスオズの魔法使い」の西の悪い魔女とフライングモンキー。ドラキュラ伯爵、半魚人、ミイラ男などのユニバーサルモンスターズ。シンプルな恐竜のレゴ商品‥など色んな作品の大物悪役たちがいた。
スーパーパワーを持つ彼らを口八丁で手下にして現世に戻り捲土重来を果たすジョーカー。
ちなみにジョーカーの仲間でジョーカーとともにアーカムに収監されてしまった他のヴィラン達は、バットマンジョーカーに対する冷たさに似た心なさでもってジョーカーに見捨てられてしまう。
ジョーカーはバットマンと自分以外のことは全てどうでもいいのだ。
警察だけではスーパーヴィランに対抗できないバーバラは、バットマン&ロビンついでにアルフレッドに協力を頼む。バットマン・ファミリー誕生だ。
チームプレイが苦手なバットマンだが、バーバラ達と一緒に闘ってるうちに独りでは不可能な事もチームプレイなら可能な事に、いい年してやっと気がつくバットマン
そしてバットマンは彼らの事を、かけがえのない家族だと感じ始める。
しかし犯罪者の凶弾に倒れた両親の姿が彼らにダブる。
ロビンを自分のような大人にしたくないと思うバットマン
危険に晒したくないロビン達を安全な隣町に勝手に送り出し再び独りで闘うバットマン
それは彼らのためではなく自分の心の弱さを守るためだという事に気づいていない。
再び相まみえるバットマンと宿敵ジョーカー。
ジョーカー「お前は一度だって俺様に『お前が嫌い』だと言ってくれたことがない。さあ今こそ言ってくれ!」と迫る。
他人に向き合うことが出来ないバットマンは、やはりジョーカーに向き合うことが出来ない。
恐らく、ここでバットマンジョーカーの心に応えていればジョーカーはいつものように喜んで負けてくれていたに違いない。
バットマンに心の底からがっかりしたジョーカーは
ジョーカー「お前の言うことは一つだけ正しかった。確かに俺様はお前の最大の敵じゃなかった。お前の最大の敵はお前自身だよ
ジョーカーはワープ銃で、バットマンをファントムゾーンへ送る。

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ファントムゾーンに来た悪者を査定するお喋りブロックは、やって来たバットマンが今までアルフレッド、ロビン、バーバラ、ジョーカー‥など、他人に言った酷い台詞や行動を映像で振り返る。
お喋りブロック「あなたは自分の大事な人達の事も見捨てて行きてきたのね」
自分が他人にしてきた酷い態度を見てショックを受けるバットマン
お喋りブロック「あなたは悪人ではないけど、かといって良い人でもないわね」
バットマン「違う!私は良い奴だ!彼らを守りたかったから遠ざけたんだ!」
お喋りブロック守られてるのはどっちかしら
現世ではバーバラたちが、バットマン抜きでスーパーヴィラン達と闘いピンチだ。
ロビン「バットマンパパを見習って、汚い喋り方で自分勝手に戦わなきゃ‥!」 
尊敬するバットマンの独善的スタンドプレイを模倣した結果、窮地に陥るロビン。
バットマンは今までの自分を反省し、今すぐ地上に送り返してくれ!と懇願。
「悪者たちをファントムゾーンに送り返した後、ここに自分も戻ってくる」という事を条件に、バットマンは現世に戻る。
そして、ロビン、アルフレッド、バーバラ達に謝り、生まれて初めて心を開く。
そしてジョーカーが見捨てたバットマンヴィラン達もバットマンファミリーに助太刀し、ジョーカーたちとの最後の闘いに臨む‥
ゴッサムの危機は。そしてバットマンジョーカーの愛憎のゆくえは‥

 

感想
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‥という話で、あんまりいい話だったし現在公開中とかでもないので、観ながらあらすじを殆どそのまま全部書いてしまってた。
中盤までは、面白いけどまあ普通かな‥と思って観てたが、処女の股ぐらのように堅かったバットマンの心がほぐれていく後半は感動せざるを得なかった。
これは確かに、バットマンが出てくる映画10本の中で‥一、二を争うくらい良いかも。
少なくとも「ダークナイト」トリロジー三本合わせたより本作の方がずっと好きだ。
いや‥まあどのバットマン映画も長所と短所があるし、色んなバットマンの要素を内包した本作を見習って全部愛することにしよう。
本作のジョーカーは映像化されたジョーカーの中で最高(ジャック・ニコルソンや「ダークナイト」のヒースジョーカーより好き)
ロビンは、今までバットマン&ロビン問題を真面目に扱ったバットマン映画がなかったので本作の存在は大きい。
ルフレッドは大抵どの作品のアルフレッドも良いのだが、本作のアルフレッドは戦闘技術を披露してくれるところが良かった。バーバラは‥恋愛させるためにオトナの女キャラにしたんだろうにバットマンが恋愛すっ飛ばして子供ができたために親友になってしまってたので原作の少女バーバラで良かった気もするが、まあ映画が良かったのでまあ良し。
関係ないがラストバトルでジャスティス・リーグを呼べばあっさりカタがついたんじゃないかという気がしなくもないが彼らが来たらバットマンファミリーやジョーカーやヴィラン達の見せ場がなくなってしまうので来なくてよかった(できればスーパーヴィランがJL全員眠らせるとか閉じ込めるとかの理由付けを一瞬挟んでくれたらより良かった)
それにしても終盤で、愉快な見た目のクレイフェイスや誰やねんヴィラン達、全く知らない調味料キングがケチャップとマスタードを飛ばして闘う姿は妙に感動的だった。
彼ら、姿が滑稽な誰やねんキャラが真剣に戦う姿は不思議と心打たれる。
誰も知らない間抜けな格好の‥たとえば鉛筆のケツの付いた消しゴムを模した犯罪者イレイザーなどが世界のために闘ってるのを観てると思いがけない感動があった(50年前にタイムスリップしてコミックを読んでるアメリカの子供に「このイレーザーが将来ナンバーワンヒットになるバットマン映画の中で世界のために闘う」と言って果たして信じるだろうか?)
この感動はきっと、オモチャで出来た はぐれ者が頑張ってる事にだけじゃなく、バットマンの歴史の重みに感動してるんだろうなと思った。
サム・ライミスパイダーマンの公開時、映画が始まる時にスパイダーマンのコミックがパラパラめくれるところから映画が始まるのを観た時、スパイダーマンの歴史や関わってきた人たちの重みを感じて(別に熱心に購読しているアメコミ読者でもないくせに)異常に感動してしまった覚えがある。
同様にMCUの冒頭もそうだし、幾つか映画を積み重ねて到達した「アベンジャーズ」に至っては、そんなような感情で本編中ずっと感動していた。
コメディだけど今までのバットマン映画の中で最も、バットマン78年の歴史の重みを感じさせる映画でもあった。メインキャラ以外は殆ど台詞ないし自我があるかどうかも怪しいが、そういうものを感じさせるのが凄いね。
やっぱり劇場で観ればよかった‥。「傑作なんだろうな」というのはわかってたが「主人公、レゴか‥」と思って二の足を踏んでしまった。
LEGO®レゴムービー」も登場人物が人間じゃない3DCGアニメ作品が多いPIXERが面白い傑作ぞろいだし「そもそもフィクションの登場人物とはキャラクター性を内包した器にしか過ぎない」というのは充分わかってるのだが、どうも登場人物が物だったり動物だったら二の足を踏んでしまう。でも実際観るとレゴの質感は最高に良かった。
バットマン&ロビンをモデルにしたオリジナルキャラでバットマンの理想的な最終回を描いた「アストロシティ:コンフェッション」という傑作アメコミがあるのだが本作もまた理想的なハッピーエンドだった。
続編があるとしたらきっとジャスティスリーグなんだろう。
吹き替えで「小島よしおのロビン結構上手いな」と思いながら観てたんだけど、全編ハイテンションのキャラクターの吹き替えを耳に入ってきやすい吹き替えでずっと聴いてたら疲れたので次は字幕で観てみよう。
そして本作のバットマンのように自分の心の弱さゆえ他人の優しさや好意を無下にしてきた自分自身の心なさにも向き合わざるを得なかった。それはまあ後で個人的に考えるとして、映画の感想はここで終わろう

 

そんな感じでした

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