gock221B

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『THE BATMAN-ザ・バットマン-』(2022)/今までで最も原作っぽいバットマン映画で雰囲気も良いが上映時間が長すぎる…🦇


原題:The Batman 監督&脚本&制作:マット・リーヴス 脚本:ピーター・クレイグ 原作:DCコミックス 製作国:アメリカ 上映時間:175分 音楽:マイケル・ジアッキーノ 劇中歌:ニルヴァーナ「Something In The Way」 シリーズ:『ザ・バットマン』シリーズ第1作目。DCエルス・ワールド

 

 

新しいエモいバッツがやってきた。
最低でも週に一回は更新したいブログなのに一ヶ月半も間が空いてしまった。映画やドラマは観てるんだが、ちょっとした感想はFilmarksに書くようになったせいかも。
どういうわけか最寄りの映画館に来ないので来るまで待ってたが一向に来ないので仕方なく今頃遠くに観に行った。
DCEUとの繋がりがなくなり、かといってDCEUとは別の世界を舞台にした『ジョーカー』(2019)とも特に繋がっていない独立した世界の話。MCUみたいなのがもう一個あったら何か心の中が忙しいからDCはこれでいい。
クローバーフィールド/HAKAISHA』(2008)とか、『ぼくのエリ 200歳の少女』のアメリカ版リメイク『モールス』(2010)とか、猿の惑星リブート三部作の2と3の『猿の惑星: 新世紀』(2014)とか『猿の惑星:聖戦記』(2017)マット・リーヴスが監督。このマット・リーヴス作品はどれも面白くない作品は無く、むしろしっかりしててこれといった欠点はないのだが個人的にバシッと刺さるものもないという印象の監督。
で、主演がロバート・パティンソン。彼がブレイクしたヤングアダルト原作映画『トワイライト・サーガ』……は興味ないので全く観てないが僕の中ではデヴィッド・クローネンバーグ監督作『コズモポリス』(2012)で凄く印象に残ってました。空虚な大富豪役だったので本作のキャスティングの人が「ブルース・ウェインっぽいな」と思いキャスティングしたんじゃないか?と推測した。本当のところはよく知らない。
ストーリーのネタバレはないけど一部ネタバレあり

 

 

 

犯罪が蔓延る大都会ゴッサム・シティ
幼い頃、犯罪者の凶弾に両親を奪われた億万長者ブルース・ウェインロバート・パティンソン)、ブルースは毎夜コウモリのスーツに身を包んだ”バットマン”となり犯罪者たちと闘ってイヤーツー(2年目)のクライムファイター。
ブルース、バットマン双方の面倒を見るのは元スパイの執事ルフレッド・ペニーワースアンディ・サーキス)。
ゴッサム市警察ジェームズ・ゴードン警部補ジェフリー・ライト)もバットマンの協力者。
ある日、市長や検事などゴッサムの大物ばかり殺害され事件現場にはリドラーポール・ダノ)を名乗る男からの挑戦的なリドル(なぞなぞ)が残されていた。
リドラーを追い捜査を進めるバットマンとゴードンは、女性と同棲している好きの女泥棒のセリーナ・カイルゾーイ・クラヴィッツ)、”ペンギン”の異名を持つナイトクラブ”アイスバーグ・ラウンジ”経営者オズワルド・コブルポットコリン・ファレル)、ゴッサムの裏社会を牛耳る大物、カーマイン・ファルコーネジョン・タトゥーロ)らと出会う―

みたいな話。
バットマンお馴染みのヴィランリドラーをゾディアックキラーに見立てて(見た目もコミックとは違いゾディアックキラーみたいな不気味な格好している)、イヤーツー(2年目)の若いバットマンが彼の連続殺人を追っていく探偵ものの流れで進んでいき、ブルースの内面や若いセリーナやペンギン等おなじみのキャラクターと出会っていく。

 

 

 

このイヤーツーのバットマンが主人公というのが絶妙で、『バットマン・ビギンズ』(2005)のようなイヤーワンならバットマンになるための流れやバットマン登場!やゴードンとの出会いなど描く必要があるが、イヤーツーなのでバットマンの事は知られてるしゴードンとも信頼関係が出来上がっている。だからオリジンなしでバットマンの捜査を描くことが出来る。バットマン関係の映像作品やゲームが出る度にブルースのオリジンとして両親が路地裏で撃ち殺され呆然としたブルース少年が膝から崩れる……、スパイダーマンのベンおじ以上にこの光景をあまりに観すぎた。で、両親が撃たれたら大抵ママの真珠のネックレスが路地に飛び散る、この光景をあまりに観すぎたせいで哀しいどころか真珠がころがる度に爆笑するようになってきたわ、だからもういい。
それでいて本作のバットマンはまだ若いヴィジランテなので、チンピラなどをボコボコにするが殴りすぎてしまったりチンピラにもある程度殴られたり撃たれたりと戦闘が荒削り。そしてメンタルも揺れやすい。美形のパティンソンが目の周り黒く塗って前髪垂らして思い悩んだりするので元々エモいキャラであるバットマンがかなりエモくなっている。バットマンといえばコミュ障気味だが本作ではブルースの状態でもコミュ障……いやむしろバットマンの時の方がまだ喋る方かもしれない。
今までのバットマン映画と差別化できるところは「探偵としてのバットマン」を強く打ち出してるところ、原作のバットマンは戦闘でヴィランをボコりもするが、それがメインというよりは捜査してて邪魔するヴィランを流れでボコるって印象あくまでメインは推理や分析や捜査ってイメージなので、これは凄く期待してたところ。それとゴードンの出番が多いのも嬉しいところ。アルフレッドは危ない目に遭うので一瞬焦ったが数十秒後には入院してたので安心した、どうも最近はメイおばさんとかアルフレッドなどの絶対死なない安全地帯サブキャラが危険な目に遭うことが増えてる。セリーナ(キャットウーマン)は浅黒くて女性と同棲してるベリーショートの怪盗……っていうのがフランク・ミラーの『バットマン イヤーワン』っぽくて良い。バットマンとの淡い恋愛描写も良い。実際に二人がキスしたりするところよりむしろセリーナに装着したカメラ付きコンタクトで彼女を監視したり録画済みのセリーナの映像を繰り返し観てアルフレッドに見られて焦るシーンなどの方がフェティッシュで良かった。
ペンギンはコリン・ファレルが特殊メイクで薄毛の大柄中年男性コブルボットになっている。正直「最初から大柄薄毛の俳優を雇えばいいじゃん……」と思うのだがコリン・ファレルのハイテンション演技が上手くハマってるので特に文句はない。ペンギンは続編にもちょいちょい出てきて欲しい。ファルコーネはゴッサムの他のキチ○イ犯罪者達とは違って現実に居ても違和感ない正気のギャングのキャラだが本作では凄く重要な役として出てくる、これも珍しい。正直ペンギンよりデカい役で出てくるとは思わなかった。
そういえば画面にハッキリ出て来ないがジョーカーらしき犯罪者も出てくる。恐らくイヤーワンのバットマンと戦いアーカムにブチ込まれたようだ。その過程でバットマンとゴードンの繋がりも生まれたんだろう。バットマンの最初のヴィランは「ジョーカー、ペンギン、キャットウーマンリドラー」の四人なので、後の三人が本作に出てくるってことはジョーカーもチョイ役で出るだろうなと思ってた。多分、完結編の三作目で戦うんだろう。

 

 

 

バットマン役のパティンソンはバットマンオタで監督も多分そう。そのせいか原作ファンが喜ぶバットマン要素を抑えてきてるなと思った。
ストーリーも文句なし。監督がカート・コバーンっぽく描いたというエモ・バッツや映像も良い。僕が14~19歳とかならなら凄く好きだったかもしれん。自分が高校の時めちゃくちゃ聴いてたニルヴァーナの曲も流れるので一瞬、エモかった少年の自分にも戻れたし。映像もデヴィッド・フィンチャー映画みたいな雰囲気で路地は当然すごく濡れてる感じ。戦闘中も画面が異常に暗いが、バットマンの場合は暗くて構わない。むしろ暗くないとバットマンという現実に居たらちょっと荒唐無稽なキャラクターが間抜けに見えてしまう。これくらい画面暗くして御伽噺っぽい雰囲気を出さないとバットマンが成立しないのでこれでいい。闇にまぎれて戦いチンピラのマシンガンのマズルフラッシュで一瞬だけバットマンが見える戦闘とか良かった。正直バットマンは顔とマントだけ見えて身体の細部などはあんまり見えない方がカッコいいので暗くていいのよ。キャプテン・アメリカとかは逆に明るくしてほしいけどねバットマンは暗ければ暗いほど良い。「なんか黒いのが動いてチンピラが吹っ飛んだ、バットマンがしばいたんやな」程度でいいのよ。
好きな戦闘はペンギンとのカーチェイスかな。本作の普通の車両っぽいバットモービルも良かった(でも御伽噺っぽい雰囲気だから次からは如何にもな羽の付いたモービルのほうがいいかも)。
そんな感じでストーリーもキャラや描写も原作っぽくて全体的に良い。
ただ記事タイトルにも書いたように映画が長過ぎる!!
そういえば、この監督の猿の惑星も同様に「いい映画だとは思うが長いな……」と思った覚えがある。ひょっとしてこのエモバッツ映画最高!とシンクロしまくった大学生とかなら全然長く感じないのかもしれない。ちょっと僕は長かったですね……画面が暗いのは全然OKむしろ良かったけどねデヴィッド・リンチのファンだし……。
同じように三時間ちかくある上映時間の長いアメコミ映画といえば『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)とか『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2021)などがあったが、エンドゲームはぶっちゃけ短い映画が3つ連なったような構成だし最後は10年分のキャラが大集合する、スパイダーマンNWHも後半で大きなサプライズ展開が始まるので長いとは思わなかったのだが、本作の場合「なかなか面白いし良い雰囲気」とはいえ冒頭から同じ様なノリのまま三時間続く、だから長いと感じたのかな?別に腹は立たないしつまらないわけではない、むしろ良い感じ、しかし長すぎる!2時間ちょっとくらいが丁度よかったと思う絶対に。
バットマン好きのパティンソンは「次は〈梟の法廷〉と戦いたい」と言っていた。
はっきり言って僕はバットマンヴィランの中でジョーカーなんかよりも梟の法廷が一番面白いヴィランだと思ってて、絶対に話も面白くなるし映像映えもしそうだし他に替えの効かない敵だし何でワーナーは映画のヴィランにしないんだ?とずっと思ってたから続編の敵はパティンソンの言う通り梟の法廷にしてほしい(ちなみに来年出るゲーム『ゴッサム・ナイツ』(2023)のヴィランは梟の法廷)。
だが次からはもっと短くして欲しい……。

 

 

 

そんな感じでした

マット・リーヴス監督作〉
『猿の惑星:聖戦記』(2017)/感情を理性で乗り越えた者だけがこの惑星の覇者となる🐵 - gock221B

 

『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』(2016)/2時間以上我慢して観ればカッコいいワンダーウーマンが数分間観れるのが良かった🦇 - gock221B
『Batman: Arkham City - GOTY Edition』(2012)/瘴気溢れる街全体と闘う統合失調症になった感覚になる傑作キャラゲー🦇 - gock221B
『Batman: Arkham Origins』(2013)/面白すぎて爆弾抱えた肩が完全に死亡‥だけど目はまだ死んでないです🦇 - gock221B 
『ジャスティス・リーグ:ダーク』(2017)/楽しかった。付き添いの父兄みたいなバットマン🦇👻 - gock221B
『ジャスティス・リーグ』(2017)/ニチアサ感が強い。ワンダーウーマンのケツばかり映すのやめろや - gock221B
『アメコミ・ヒーロー大全』(2017) 全2話/小学生みたいな邦題から繰り出された神番組!アメリカ近代史とヒーロー80年📚 - gock221B
『ニンジャバットマン』(2018)/ストーリーや論理的な積み上げ無しでキルラキル的過剰演出によって少年漫画的な根性パワーアップを延々と続ける‥というノリをバットマンに持ち込まないで欲しい🗾 - gock221B
『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』(2021)/ザックと思えんほど各メンバーの役割分担が渋くて良いしサイボーグ最高✂️ - gock221B

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The Batman (2022) - IMDb

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