原題:Justice League Dark 監督:ジェイ・オリヴァ
製作国:アメリカ 上映時間:72分 シリーズ:DC Animated Movie Universe
最近ようやくワーナーがDCのオリジナルアニメを邦訳、販売し始めた。
ジャスティスリーグやバットマンはめちゃくちゃ出てるので置いとくとして‥まだ一本しか出てないジャスティスリーグ・ダークのアニメが出てたので観た。
このメンツ好きだし、もう二度と出ないようなレア感もある。
これは一言で言うとオカルト版ジャスティス・リーグ。
JLは魔法に弱いスーパーマンを筆頭にオカルト系に疎い。
そこでJLでは対処が難しい超常現象に立ち向かうのがJLダーク。
90年台以降DCアニメを発展させ続けた天才ブルース・ティムは本作に関わってない。
DCアニメは静止画だけ観ると描き込み少なくてショボいが、めちゃくちゃ動くし傑作も多いので大人が観てもどれも面白い。
なお「ジャスティス・リーグ:ダーク」は2020年前後に実写映画化される。今んとこ
世界中の人々が突然、周りの人間が皆モンスターに見えるという幻覚を見させられた。
愛する自分の妻や赤ちゃんを殺そうとする事件が相次ぎ、困惑するスーパーマン、バットマン、ワンダーウーマンを始めとするジャスティス・リーグ。
街の人達が全員モンスターに見えてクルマで轢き殺してしまったOLが「助けてワンダーウーマン!街が悪魔がいっぱいだわ!」と言いダイアナさんは多くの轢死体を見て
「悪魔は貴女よ」と言い、我に返り呆然とするOL。
ダイアナさんのこういうマジレス大好き。
↑関係ないけど、このシリーズの彼女の髪型は古臭すぎる。
JL会議でバットマンは言う。
「魔術ならジョン・コンスタンティンの出番だ。」
バットマンはコンスタンティンがリーダーを務めるJLダークに近づく‥
JLダーク一本槍で、作品を作るのは危険と感じたワーナーは、JLダークのお守りでDC最大のスター、バットマンを抱き合わせた。
こういう事はよくあってカートゥーンネットワークのTVアニメ「バットマン ブレイブ&ボールド(2008-2011)」では他の(一般人には)マイナーなDCヒーローに、毎回一話完結でバットマンが付き添いで登場して、バットマンじゃない方のマイナーDCヒーローを活躍させてDCヒーロー普及のためのアニメもあった(ちなみに凄く面白い)
無敵のジャスティス・リーグも黒魔術には対抗できない。
バットマンはJLダークのメンバーを集める(その都度、彼らのオリジンや能力も軽く紹介してくれる)このOVA版のメンツは‥
▲バットマン
ダークのキャラをよく知らない一般人向けの客寄せ。
そしてそんな人が感情移入して観る「普通の人間」のポジション。
魔術の事をよく知らないので始終「hmm...(うーん)」と唸っているだけ。長官ポジション
今回は魔法絡みだから只の付き添いだがアニメ版の彼は殆どドラえもんの領域に入っており、ベルトのガジェットを敵に投げればどんな敵も大抵倒してしまい異常に強い。敵に操られたグリーンランタンとタイマンして瞬殺する凄いシーンがある(物理的戦力差で言えばミスターサタンがベジータを瞬殺するようなもの)
ジャスティスリーグ・ダーク
★ジョン・コンスタンティン
魔術探偵。JLダークのリーダー。
魔術も使えるが直接的に超強いわけではなく、探偵らしく推理したり魔術知識を活かして的確な魔導具を使ったりコネで強力な味方を呼んだりする頭脳労働担当。
しかし結局これが面白い。そしてアメコミ世界ではトンチ最強なのだ。
敵がどんなに強力な、平行世界全てを操れる神だろうが悪魔だろうが人間ヒーローの信念とトンチの前には最終的に敗れる。
皮肉屋イギリス人で、敵や悪魔や悪霊は勿論、味方のキャラみんなに嫌われている。
愛煙家だが、煙草にうるさいアメリカアニメなので全然煙草吸わない。
「スワンプシング」の脇役キャラだったが人気が出たアラン・ムーアが創り出したキャラ。
キアヌ・リーブス主演で映画化された(数年前にドラマ化もしたが秒速で打ち切られた)★ザターナ
普段は大人気マジシャンをしている魔法使い。
言葉を逆さから発音することで強力な魔法を放つチームの攻撃力担当。
殆ど何でも出来る勢いで、めちゃくちゃ強い(敵に操られて凶暴化したスーパーマン&ワンダーウーマンというDC最強コンビを数秒で無力化する)
最高に魅力的でDC女性ヒーローの中でもかなり好きな方。
コンスタンティンと付き合ったり離れたり繰り返している。
コンスタンティンを嫌っているが本当は大好きというツンデレUSA。
昔は、耳と尻尾のないバニーガールみたいなセクシーな格好だったがポリコレの波のせいか普通っぽいコスに変わった。
絶対に昔の方がセクシーさや魔法っぽさもあってよかった★デッドマン
5年前、サーカスの空中ブランコ乗りボストンが殺されて幽霊になった。
幽霊なのでバットマン等のオカルト弱者にはデッドマンの姿も声も認識できない。生者に憑依できる能力があるので常人と会話する時には人間に乗り移る(コンスタンティンの魔術を付与されると普通に喋れる)
死んでるがお調子者のJLダーク№3。バットマンのファン★エトリガン・ザ・デーモン
中世の立派な騎士ジェイソンが瀕死となった時に魔術士マーリンが呼び出してジェイソンと合体させられた悪魔。
普段はジェイソンの姿だがエトリガンに変身することで怪力、超回復、火炎、魔剣、テレパシーなどの強力なパワーを発揮する。
冒頭の魔界ポーカーの件でコンスタンティンに怒っている。▲スワンプシング
植物学者アレック・ホランドが薬品を浴びて沼に落ちて植物生命体になった。
植物を操ったり、植物をつたってワープする凄い能力がある。
別にJLダークのメンバーではなくゲスト出演した感じ。
アラン・ムーアが語り直したオリジンは「実はアレック本体はもう死んでて、自分をアレックだと思い込んでる植物」というものが人気出た。
通称”ザ・グリーン”
一言で言うと植物フランケン。コンスタンティンを嫌っている。▲オーキッド
コンスタンティンの幽霊屋敷「ハウス・オブ・ミステリー」。
その屋敷の持つ魔力が女性の形になって出現した存在。
各キャラのレビューをしてくれる。
▲リッチー
コンスタンティンの親友。神秘的な遺物の収集家。
魔法の病気にかかって弱っておりコンスタンティンを嫌っている。
バットマン、コンスタンティン、ザターナ、デッドマンの一向は病院に行き、コンスタンティン&ザターナはリッチーから受け取ったキシャンティの鍵を使って狂気に囚われて家族を殺した男の意識にダイブする。
一方、敵の黒魔術によって病院の下水から大量のウンコが飛び出して「もののけ姫」のタタリ神をパクった動きで暴れ始める(こんな汚い敵は初めて見た)
デッドマンとバットマンは苦戦するが(彼らにはウンコ魔獣を倒す手段がない)現世に戻ってきたザターナが魔法で瞬殺する。「hmm...」と納得いかない唸り声を出すバットマン。
それにしてもコンスタンティンが何かする度にバットマンに「お前にはわかんないだろうけど‥」「タイツ着た奴はこの件じゃ役立たずだ」などと皮肉を言ってるのでバットマンもそのうちキレるんじゃないかと思った。
その後ジェイソン(エトリガン)と会って、ホランド(スワンプシング)と会って‥
‥と、ダークヒーローが出てくる度に、彼らのオリジンや能力を紹介しながら、次の目的も教えてくれるというゲームみたいなお使い展開だが凄く面白い。
DCアニメは、観てると自分がアメリカの古き良きオタクになったような楽しい気分になる(ケビン・スミスみたいに太って黒Tシャツに眼鏡かけた姿を想像)
最新の映画みたいに、世間に影響を及ぼす新しい価値観や概念だとか発見などは全くないが、今まであったものを全力で提供してくれる感じの楽しさ。
とにかく凄く動くし、展開が早くトンチがきいている。
とにかく出てくるものが、バットマンのバットモービルや不思議道具、魔法や悪魔、セクシーな女性、皮肉めいた冗談、突然の死‥など、古き良きオタク中年独身男性が好きなものが全部詰まっている。
いくつか適度などんでん返しを繰り返して終わる。
最初は圧倒的なパワーのラスボスにいいようにやられていたが、コンスタンティンのトンチで逆転。完全に勝った状態で「一応言っておくがお前は完全に負けたぞ!」とか言い放つのですっきりする。
結構大きなトピックも何人かのキャラに起こるのだが、いいのか?と少し思った。
そしてザターナとバットマンに無力化させられたスーパーマン、ワンダーウーマン、グリーンランタンらが放置されたままアニメが終わってしまったのが笑った。
楽しかったのでダークの続きもまたリリースして欲しいものだ
そんな感じでした
〈バットマンが出てくるアニメ〉
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