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「ニンジャバットマン (2018)」ストーリーや論理的な積み上げ無しでキルラキル的過剰演出だけが延々と続くのでゲームのムービーを繋げて観せられてる気分になった

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原題:Batman Ninja 制作会社:神風動画、YAMATOWORKS
監督:水崎淳平 脚本:中島かずき キャラクターデザイン:岡崎能士

配給:ワーナー・ブラザース 上映国:日本 上映時間:85分

 

アメリカではOVAとして発売されたが日本では劇場公開された。
監督はジョジョ1~3部アニメ‥のOP映像の監督による監督デビュー作らしい。
脚本が劇団☆新感線や「天元合体グレンラガン」や「キルラキル」の脚本家の人、アニメの制作はジョジョ1~3部アニメOPや「ポプテピピック (2018)」などの神風動画。
ジョジョのアニメを観てる時「この荒木タッチのままグリグリ動いてるOPのCGアニメのまま全編やったらいいのに‥」と思っていたが本作はちょうどそんな感じだった。
これは去年、発表された時に予告編がめちゃくちゃ面白そうなのでずっと期待してた。
グレンラガンキルラキルもそこそこ好きだったし

 

 

Story
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ゴッサム・シティの闇の騎士バットマンブルース・ウェインは、ゴリラ・グロッドの発明した空震エンジンによって戦国時代の日本に飛ばされてしまった。
ジョーカーを始めとするゴッサムシティのヴィラン達やゴリラグロッドも一足先にタイムスリップして来ており、それぞれ戦国大名となって
日本統一を狙っていた。
このままでは日本や世界の歴史が変わってしまう。

バットマンは、同じようにタイムスリップして来ていたキャットウーマンバットマン・ファミリーと合流し、ヴィラン達を倒して元の時代に戻る方法を模索するが――
みたいな話

 

 

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とりあえずアニメの作画やアクションは最高だった。CGアニメはグリグリとアクションするし(ジョジョ1~3部アニメのOPがずっと続く感じ)、中盤「かぐや姫の物語」っぽい和風アートアニメみたいなのも織り交ぜてあって全編良い。
アクションもパースが効いた日本のアニメっぽくてケレン味あって良い。
そこは手放しで褒められるところ。
脚本の人のおかげか演出が凄くグレンラガンキルラキルっぽい。
キャラクターや新しいオブジェクトが出る度に、止め絵になって毛筆で書かれたデッカい字で「JOCKER!」とかバーン!と表示される、あの歌舞伎っぽいノリ。
他にも何かワーナー+DCが、日本アニメに求めたであろうありとあらゆる演出をバットマン世界にぶち込んだ闇鍋のようなアニメだった。
ニンジャ、サムライ、戦国大名、農民、忍術、力士、パワードスーツ、巨大ロボ、巨大合体ロボ、巨大特撮ヒーロー、和風アートアニメ表現、天守閣でのチャンバラ‥
きっと「和の要素を入れつつ、キルラキルっぽい感じでバットマンをニンジャにしてくれ」と頼まれたに違いない。きっと、そう発注されたのだと推測したとして、それはクリアしている。だけどそれだけだった

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ストーリーは「戦国時代に全員タイムスリップしたので、バットマンは仲間と協力して敵をやっつけて元の時代に戻るぞ」というシンプルなもので、後はひたすら過剰な戦闘が繰り返されてるような感じで前半のバットモービル vs.アーカム城くらいまでは「このアニメ良いね!」と思ってたけど、中盤過ぎた頃くらいから殆どまともなストーリー進行せずにハッタリばかりの過剰なアニメ表現が繰り返されることに疲れてきてハイテンションの終盤では完全に飽きた。
本作の過剰なアニメ演出は、その派手さを見せつけるためのものでストーリー的にはあまり意味がないし。「ジョジョアニメのOPで全編作ったアニメが観たいな」と思っていてそれは叶ったわけだが「本当にジョジョアニメOPが一時間半ただ続いただけのアニメ」だとキツイものがある。
やたら過剰な演出だった今川泰宏アニメ(ミスター味っ子ジャイアントロボGガンダム真ゲッターロボ)が好きだった10代後半~20代前半の学生だった自分なら喜んでたかもしれん。
前半、自分一人で解決しようと焦るバットマンは即、バットモービルジョーカー操る亜火無城(アーカム城)に突撃する!‥するが破壊され、バットモービルの中から飛び出したバットウイング‥も破壊され中から飛び出したバットポッド‥の前に立ちはだかった力士ベインに対抗するためにバイクが変形したものを装着してアーマード・バットマン!になって相撲でベインを倒す‥が、アーカム城に破壊される。
‥といった感じの、この脚本家っぽいエスカレートするマトリョーシカ戦闘が、何度も繰り返される。
色んな苦難を経てのラストバトルでこういう日本にしか出来ない戦闘をやってたら盛り上がるのだが最初から連発されるし、そういった過剰バトルで勝利する側は必ず根性と友情で謎のスーパーパワーを発揮したり「こんな事もあろうかと‥」と後出しで新兵器を出してくる。
映像は素晴らしいので一瞬面白いことが起きてる気になりかけるが、子供のごっこ遊びを綺麗な映像にしたかのように見えてきてアホらしくなった。
アメコミにあまり触れてない人にとってのアメコミは「BANG!!と殴ってHAHAHA!」というイメージらしいがそれは多分60年位前の話だ(多分‥)。アメコミでは敵を倒す決め手となるのは基本的にはトンチで倒すものが多く、少年ジャンプ漫画のキャラみたいに怒ったり友情を感じたりしてパワーアップしたりする事は少ないのだが、本作は強くなる理由が感情だったり後出しジャンケンなので真面目に観る気がなくなっていく。
また本作のジョーカーは何時ものように悪知恵も使うのでそれはいいが剣術や忍術を駆使してバットマンと互角レベルに強い。
そんな本作のジョーカーを見て「物理的に強いジョーカーって何の魅力もないな」と思った。
終盤はさっき言ったようにどんどんエスカレートしていって色々と巨大ロボがどんどん出てくる。現代のゴッサムでもロボなんて作れないのに蒸気機関だけでそんなものが作れるのかという問題はあるが、まあ巨大ロボ=ニンジュツの一環と思えばいいのでそれはまあいい。そして巨大ロボに対抗するためにバットマンも突然、超巨大なものを召喚して対抗する。今川アニメ的というかグレンラガン的というか、そういうエスカレート倍々ゲームバトルも悪くはないのだが「何でそんなことできるの?」という気がしてしまう。一応「ダミアンが猿と仲いい」とか「自然は偉大」などの取ってつけたような前置きはあったが。。
そして、そんな巨大ロボや巨大ヒーローは中身がなく派手さを出すためだけのものなので「こんなの意味ないな」と思ってると、その通り登場して数分で動かなくなってしまうし凄く虚しい。
キルラキル」とかは、色んなストーリーや演出が積み上げられた末に、そういったエスカーレート過剰表現が出てくるから楽しめたし感動できたが、本作はそういった積み上げや内容がないまま過剰な演出だけが延々と続くので非常に虚しいし疲れた。
あまりストーリーが売りじゃないゲームに、とりあえず付けられたかのようなムービーがあるでしょう。素晴らしいムービーじゃなくて「これ全部飛ばしても大丈夫だな」ってやつ。あれを繋げて見せられた感じ

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前述のストーリー(っていうか只のシュチュエーション)以外にはドラマはほぼ無いに等しい。一応「バットマンはいつものように一人で解決しようとするが何度やっても負けるので、仲間と団結したり郷に行っては郷に従え精神で和を学んでニンジャバットマンとなって闘う!」という少年ジャンプ的なテーマはある。あと「ジョーカーを許せないレッドフードと、記憶を失って弱々しい農民となるジョーカー」などのストーリーらしきものもあるが、あまり意味はない。そもそもジョーカーは何故あんな仕掛けをしたのか意味がわからない(ただ身を隠せばいいだけなので)。
また、これは本国のファン向けのOVAなので仕方ないのだが、レッドフードやジョーカーとの因縁などの説明がないので日本の一般客にはわからない(というかバットマンのファンじゃない限りレッドフード自体知らんだろう)
このアニメ、随分前から楽しみにしていて「4人のロビン勢揃い」とか色んなヴィラン勢揃いに期待してたが、はっきり言って時間がないので彼らを描いてる時間はなく殆どのキャラの活躍シーンはなかった。ナイトウィングは説明するだけだしレッドロビンはただ居るだけ。ヴィラン側は、ジョーカーとハーレイとゴリラグロッド以外のヴィラン達は派手に名乗りを上げたりたまに数秒間暴れる以外は全員、雑魚扱いでガッカリした。これなら最初から出ない方がよかった。
登場キャラのうち、バットマンジョーカー、ゴリラグロッド、ロビン(ダミアン)の4人だけ居れば話は成立するところを15人に無理矢理増やした印象。キャットウーマンとハーレイくらいは居てもいいか‥
‥今気づいたが、これだけいっぱい出てるのにバットガールだけ出てないのは何でだろう?まあどうでもいいが。。
たとえば脚本家の人はインタビューで「デスストロークは隻眼だから伊達政宗にした!」とか言っていて、そんなアイデア自体は面白いと思うけど、そんな独眼竜デスストロークも活躍する時間が合計60秒くらいしかないので、アイデアが全部活かされてないと思いました。
どのヴィランもただ「悪いぞ~」ってだけの童話に出てくるような自我のない悪者みたいで魅力なかったが、ゴリラ・グロッドだけが殆ど准主役ってレベルで大活躍してたのだけが好印象だった。
そもそも何故、バットマンヴィランじゃないフラッシュのヴィランであるグロッドがメインで出て誰よりも大活躍したんだろう?
スタッフの中に熱烈なゴリラグロッドファンがいたのかな?
そんな感じでゴリラグロッドは良かったし僕もグロッドは好きだが「だったらメインの敵であるジョーカーにこのグロッドの立派な役もやらせれば良かったのでは?」と思った。

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というかストーリーも無ければ、ヒーローがトンチも使わないアメコミアニメって「俺は、いい歳して一体なにを観てるんだろう‥」という恥ずかしい気持ちにさせられるものなんだなと思った。アメコミの映画やアニメやゲームが好きだがそんな事思ったの初めてだ。
神風動画にはアニメ制作だけさせて監督はDC+ワーナーの人がすれば良かったのでは?というか脚本家の人はアメコミマニアとして今まで色んなメディアでアメコミを語っていたが何なんでしょうかこれは。。
同じバットマンのアニメなら「レゴ バットマン」や、ブルース・ティムの90年代バットマンカートゥーンや、「バットマン:アンダー・ザ・レッドフード」を始めとするバットマンOVA各種の方が何十倍も面白いと思った。
そんな感じで「やっぱり普通のバットマンアニメの方が良いな」と思った。
だけど最初に言ったように作画やアクションは見事だし演出も派手なので、そういう演出が観れれば後はどうでもいい人にはオススメできるかも。
一体何でこんな事になったのか?ワーナー+DCの実写映画は微妙なものの方がいいが、ワーナー+DCのアニメ部門作品は殆ど面白いのでこれはない。アメコミ好きの脚本・中島氏は連続アニメは面白いが映画は微妙。‥という事で中島氏と神風動画のせいではないか?と推測した。
せめて1クールくらいの連続アニメだったり、監督が神風動画の人じゃなくてDCアニメの人だったり今石洋之氏だったりしたら良いアニメだったと思う。
 

そんな感じでした

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