gock221B

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『ウィッカーマン』(1973)/恐ろしい風習の島民よりも偏狭で傲慢な信心深い主人公の方に苛ついてしまった🌞


原題:The Wicker Man 監督:ロビン・ハーディ 脚本:アンソニーシェーファー
製作:ピーター・スネル 製作国:イギリス 上映時間:100分

 

 

 

有名な映画だが、今ではアリ・アスター監督がA24の提案で撮って日本でも話題になった映画『ミッドサマー』 (2019)の元ネタ……といった方が有名なカルト映画。
小さい頃に一瞬だけ観て以来観てなかったが住む街住む街のレンタル屋などに、常に置いてなく大人になって一度も観れてなかったが『ピースメイカー』(2022)観るために加入したU-NEXT、ここに旧作が妙に多いことに気づき「あっ!ウィッカーマンあるやん!」と、やっと観れた。心の中の「そのうち観る映画リスト」に20年以上記載されてたが観れてなかったものをやっと観れてよかった。一番下にリンク貼っといた(最近は配信にないと映画観ない人が増えたのでこれからは配信へのリンクも貼ることにした)。
ボンヤリとネタバレあり

 

 

 

ヘブリディーズ諸島にある孤島サマーアイル。領主のサマーアイル卿クリストファー・リー)が治めておりキリスト教以前のペイガニズムが信仰されるこのサマーアイル島に一人の男が飛行艇でやって来た。
その中年男性はスコットランドの警察巡査部長ニールエドワード・ウッドワード)。
彼は「行方不明になった少女を探してほしい」という匿名の手紙を受けて来た。
サマーアイルの島民は太陽を信仰し性に奔放で蛙を口内に入れる民間療法や全裸で焚き火を飛び越えたり仮装行列など……奇妙な風習や儀式を行っており、敬虔なクリスチャンであるニールはそんな島のペイガン(異教徒)たちに激しい嫌悪感を抱く。
そして島民達は示し合わせたように行方不明の少女について何かを隠していた、そう確信したニールだったが、木で出来た巨大な人形”ウィッカーマン”を燃やして豊作を願う五月祭が近づいてきていた――

という、あらすじで大体ストーリーの全容が想像つくと思うが実際その通りに進む。
ホラー映画ではあるが、超自然的な存在や異教徒が襲いかかってきたり凄惨な死体や流血などは一切出て来ず、笑顔で穏やかだがどこか不気味な島民と彼らとのカルチャーギャップに驚くニールを描いてるのが特徴。田舎が舞台のホラー映画の一部だけでなく映画のほぼ全編がこんな感じのホラーはなかなか珍しい。だから『ミッドサマー』 (2019)のような映画を他人に説明する時は皆「『ウィッカーマン』みたいな映画」と本作がよく引き合いに出されるのだろう。

 

 

 

中年なのに結婚するまで童貞を貫いているほど敬虔なクリスチャンにとってキリスト教徒じゃないってだけで腹立たしいのに、この島民たちの信仰は女性がやたらと性に奔放だったりするのでニールは余計に苛立ちを隠せない。
この映画がターゲットとする観客は当然イギリスや欧米などのクリスチャンなのでクリスチャンのニールに感情移入そして肩入れして観て「なんて奇妙な島の連中なんだ」と感じるべき映画だったんだと思うが、特にクリスチャンじゃない自分からしたらニールも島民も大差なく見える。
いや、むしろ文化の違う人様の島に来てキリスト教を振りかざすニールの尊大な態度の方が腹立たしく感じた。あからさまな悪人キャラは別として、別に悪い事してなくて正しいことをしてるキャラにこんなにムカつくのは自分でも自分が珍しかった。
感じの悪いニールと比べ、島民は(表面的にだけだが)穏やかだし奇妙な儀式も性に奔放なところもむしろ楽しそうなので余計にそう思えてくる。特に旅館の女性が隣の部屋から全裸でドアをリズミカルに叩いて誘惑してくるのがエキゾチックで良かった。土着的で陽気な感じ。

まぁもちろんニールは最終的に島の殺人儀式でブッ殺されるのを知ってて観てるのだが、それをわかった上で観ているにも関わらず、イエスを”トゥルーゴッド(唯一神)”と呼び島の神を認めようとしないニールに対しては神がいっぱい居る日本の自分はムカつくものがあった。
ニールはクリストファー・リー演じる領主に「そんな荒唐無稽な信仰じゃなくキリスト教を子供たちに教えないんですか!?」と激怒するが、観てる僕からしたら「キリスト教とこの島の太陽信仰、どっちも荒唐無稽じゃん」と思ったところで同時にクリストファー・リー領主が「イエスを産んだマリアは処女だったそうだけど父親は幽霊ですか?」とキリスト教の無茶苦茶さを指摘し、ニールは何も言い返せなかった。
完全にラスボスとシンクロしてしまった。
そんな感じで「行方不明の少女を探す、熱心で信心深い男が孤島の異教徒どもに生贄にされて恐ろしい儀式で殺されてしまった!」というニールの悲劇に絶望すべき映画だったんだろうが、最初から最後までニールに苛ついて観ていたがために結末でむしろスッキリしてしまった。
制作意図と違うであろう、こんな感想で良かったのかという気はするが、楽しかったし色んな風景や室内が可愛い孤島も見れたし映画を何十年も観たかった気持ちが解消できてよかった。
とはいえ、もっと10代20代の、本当に観たかった時に観たかったな。

 

 

 

そんな感じでした

本作に影響を受けた映画
『ミッドサマー』(2019)/普通に面白いけど、この監督の新作だという事を踏まえるとスウェーデン行って以降の平凡な内容ではとても満足できない🌼 - gock221B

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The Wicker Man (1973) - IMDb
ウィッカーマン(洋画 / 1973) - 動画配信 | U-NEXT 31日間無料トライアル

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