gock221B

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『LAMB/ラム』 (2021)/ネタバレありじゃないと話ができないので記事タイトルに書くこと何もない感じですわ🐑


原題:Lamb 監督&脚本:ヴァルディマル・ヨハンソン 脚本:ショーン 製作総指揮&主演:ノオミ・ラパス 制作&配給:A24 製作国:アイスランドスウェーデンポーランド  上映時間:106分

 

 

気にはなってたが別に劇場で観なくていいやと思ってたが近所でやってたので観た。
これがデビュー作の監督によるA24作品。
今回はネタバレしないと書くことが何もないので物凄く全部ネタバレしてます!
観に行こうとしてる人は注意!(そんな人はこんなところを読んでいるはずがない、ネタバレ警察避けのためだけの、自分を護るためだけのくだらない一文です)

 

 

 

 

美しい映像で非常にゆったりとした描写で進んでいく。
人里離れた山で牧羊している夫婦、子供を亡くした過去があるらしい。
妻はマリアノオミ・ラパス)、夫は夫イングヴァルヒルミル・スナイル・グドゥナソン)。
雌の羊が半人半羊の獣人を出産し、夫婦は「アダ」と名付けて人間の子供と同じように可愛がって育てる。アダは頭部が羊なこと、喋らないこと以外はほぼ人間として描かれている。
アダを生んだ母の羊は、我が子のアダを追って夫婦に付きまとい、それにキレたマリアが射殺してしまう。
やがて夫イングヴァルのが訪ねてくる。詳細はよくわからんが車に乗った人らによって夫婦の山に捨てられるかのように降ろされる。最初、服役を終えた犯罪者かな?と思った。
弟は全体的に顔や雰囲気が怖いし、アダを「うわ!コレ、あんたらの子供じゃなくて羊やん!」と、『崖の上のポニョ』でポニョを人面魚だと言う老人ホームのおばあさん(好き)みたいな事を言ったり、アダを山に連れてって撃ち殺そうとしたり、事あるごとに兄に隠れてマリアと不倫SEXしようとしてきたりして全体的に不穏な雰囲気。
「こいつ、マリアやアダに何か嫌な事するんちゃうか?」と言う嫌な予感で中盤以降は引っ張る。
結論から言うと弟は特に何もしない。最初はアダを射殺しようとするが可愛いから仲良くなった。マリアとSEXしようとするがマリアに物置きに閉じ込められ放置された後、町に送り飛ばされて物語から消える。
そして結末のネタバレしますが、突然、アダと同じく大人の屈強な羊人間が現れ、夫イングヴァルを射殺してアダを連れて山に消え、マリアが絶望して終わる。

 

 

こいつは巨躯だったので普通にアダの父親でアダを取り返しに来たんだと思ってたが、Twitterのフォロワーの濁山さんが「イングヴァルがあの雌の羊と以前に性交して生まれた獣人……つまりアダの兄」と言ってるのを聞くとどんどんそう思えてきた。自分だけだと「子供が居ない夫婦が、羊の母を殺して子供を奪ったが父に取り返された映画」と、単純で特に内容の薄い御伽噺みたいに思ってたがフォロワーさんの言う「夫が無責任に外で種を撒いてたら復讐された話」説の方が、男の加害性というテーマが一個乗っかるので「そっちの方がいいやん」と自分の感想が変わってしまった。これならマリアが付いてくるだけの母羊を異様に嫌悪してブッ殺してしまうこと、夫は何も言わず悲しい顔で見てただけだったこと等すべてスンナリ収まる。
それは他人の感想なのでそれを自分のブログに書くのは虚しいが「そ、そっちや!」と思ってしまったのでもうどうしようもない。強襲してくる羊男が妙にデカいから父親だと思っちゃったんだよね。中高生くらいの年頃の羊男にしてくれたらよかったのに。
この羊男、獣人だから神秘的なパワーを使ったり、又は怪力で撲殺してくるのかと思いきや銃で夫を射殺するのが一番良かったですね。「羊男が復讐に……?えっ!わざわざ人間が使う銃を使って!?」ここは一番ワクワクした。さっきも言った事を2回繰り返してしまった。確かにパワーや怪力使ったらジャンル映画みたいになっちゃうからね。銃を使うことで「獣人として描かれてるが、結局のところ夫が他所で作った子供が成長して母の仇を撃ったんだな」と思える。
全編、台詞も少なく非常にゆっくりと進むので、この弟は、映画が持つようにかりそめのサスペンスを生むためだけの引っ張り役だったのだろうか?
ところでこの兄弟、非常によく似ている。
いや、よく見ると夫である兄は甘いマスクで弟は怖い顔してるので、よく見たら区別はつく。しかし二人共ヒゲで似たような髪型と服装なので、出てくる度に「あれ?今でてるコイツどっちだっけ……」と毎回思ってしまう。『機動戦士ガンダムF91』(1991)で「シーブックとセシリーの父親が、顔は違うのだが髪型とヒゲが似てるので混同してしまう」という問題に似ている。
兄弟の区別がつきにくかったのは自分のせいだが、何だかわざと兄弟を似せて描いてるような気もした。

マリア:女。アダを可愛がる。アダの母羊を憎悪と共に射殺
夫の兄:良い夫。アダを可愛がる。羊男に射殺される
居候の弟:悪そうな男。兄の妻マリアを頻繁に抱こうとして拒絶される。アダを射殺しようとするが思いとどまりアダを可愛がるように

弟は人相も悪いし不倫やアダ殺しなどの「悪いこと」を頻繁にしようとするものの未遂に終わり、マリアの言うことを素直に聞いて山から去る。あくまで「悪そうな役柄」というだけの登場人物。
夫である兄は特に悪いことは何もしていない、甘いマスクの男。しかし最後の羊男に憎い仇敵であるかのようにドーン!と射殺され断罪される。やはりこの兄イングヴァルはマリアに隠れて他所で無責任に子供をこさえていたってことの現れなのだろうか?
でも最後の羊男が夫を殺したのは「イングヴァルが悪いのではなく、母羊を殺しさえしたマリアへの復讐」と考えることもできる。愛する夫イングヴァルと可愛いアダ両方奪ってマリアを苦しめることが出来るわけだからね。だが、この線だと「じゃ、何でマリアはそんなに母羊が憎くて殺したかったの?」という説明がつかない。だからやはり「良い夫イングヴァルが実は悪い奴だった」説が最有力なんだろう。
そうなるとマリアから見た世界は「夫が他所でこしらえた子供アダを自分達の子供だと認めて夫を責めずに育てようとして、夫の弟が自分を犯そうとしてきたが揉め事は嫌だから何とか自分だけで治めたり努力したが結局、夫は妾に殺されて子供アダも奪われて全てを失った」という気の毒な話だったのかも。
そう思うと、この映画はマリアの主観で描かれた物語であって、夫イングヴァルが不倫してた母羊や、その子供アダは「あまり顔を見たくない」から羊として描写してたのであったのかもね。たぶん本当の物語の部隊は山じゃなくて普通の街で、母羊とか子供のアダも普通の人間だったんだろうね。
まぁ、そういう「子供が欲しかった中年夫婦。でも妻は、夫の不倫相手を殺して子供を奪ったが、妾の男に夫を殺されて子供も奪われて終わった……という誰もハッピーにならない世知辛い話だし男ってダメですね」という話だったと結論づけましたわ。
それが合ってるのかどうかは知らんが、僕はそういう感じ。
でも何度も前述した通り、Twitterフォロワーの濁山さんの感想に完全に侵食されたので今回は空気のような何の価値もない記事だった事を最後に書いときますわ

 

 

 

 

そんな感じでした

🐑🐑🐑🐑🐑🐑🐑🐑🐑🐑🐑🐑🐑🐑🐑🐑🐑🐑🐑🐑🐑🐑🐑🐑🐑🐑🐏

Lamb (2021) - IMDb

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