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映画の感想ブログ 😺 おしずかに‥〈Since.2015〉

「大菩薩峠 (1966)」本編や殺陣よりも姿なき幽霊や全ての瘴気が交差するラストだけ盛り上がった🌄

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監督:岡本喜八 脚本:橋本忍 原作:中里介山大菩薩峠」第一巻~第三巻
製作国:日本 上映時間:120分 英題:The Sword of Doom

 

 

 

🌄政治的な面で「なんかもう日本ってここ数年、封建時代に後退したかのような‥ディストピアSF映画を観て『こんな国あるかよw』と笑ってたような国に現実になってるな」と危機感を感じてたが、ここ数日の再改造内閣のニュースで更に危機感を感じた。なんというか、どうせ傀儡なので有能じゃなくていいとしても有能で賢そうな奴とかを対面上据えればいいのにと思うのにそうしない。他の先進国のようにクールで有能な奴を据えたら日本国民が「よし私たちも頑張って世の中を良くしよう」などとイキイキし始めたら良くないので、わざと無能を据えて「お前らが知ってるようにコイツは無能だ。だがお前らはその無能に逆らえない」と知らしめることで偉い人が嫌うもの‥クールな人気者が体制の矛盾を突く言動や若者の夢や希望といったパワーを萎えさせて無気力にするためにそうしてるのではないか、と思ったりもした。文化やリテラシーが発展した国ほどデモや社会活動が盛んで手強い、これはあながち冗談ではないような気もする。とにかく普段、政治的な話とか面倒くさそうなのでしない俺がしてるという時点で、自分で自分お言動を見てヤバみを感じた。そういった「漠然とした不安」を感じて頭が曖昧になってきたので山口貴由先生の「衛府の七忍」を読み返していた(俺の推しキャラは沖田総司)。ファンタジーではあるが、こういった侍と肩がぶつかっただけで斬り殺される封建時代をデフォルメして描いた漫画を読むと「即死させられるわけじゃないから現世の方がまだマシか‥」と精神を安定させることができた。当然、現実逃避に過ぎないのだが現実逃避望むところ。このままマッチ売りの少女のように幻だけ見て死んでいくのも悪くない(一度だけで終わるなら‥)。衛府を7巻まで読み終えると「そういえば時代劇ながいこと観てないな」と思って積んでた本作を観てみた。覚えてないけど8年くらい観てないかも。別に邦画が嫌とかモノクロは嫌、とかそんな事ないのだが基本、アメリカ映画ドラマばかり観てるので、気分や雰囲気がガラッと変わり過ぎちゃうので何か切っ掛けがないと観る気分にならないっていうか。面白い少女漫画もあると知ってても女の子の家に行かない限りよく知らないから読まない感じというか「朝は絶対、パン!」という人が納豆とご飯と味噌汁は何か切っ掛けがないと喰わないだろう、それと似た感じか?喩えが下手。

🌄これは芥川竜之介を始めとする文豪が絶賛したという長編時代小説「大菩薩峠」‥の全41巻のうち最初の3巻までだけを映画化したものらしい。検索してみると何と11作も映画化されている。
時代劇や新選組についても全然詳しくないし原作も読んでない。岡本喜八の映画が好きで観ただけ。原作は今後も読まなさそうだし「原作の一部だけ映画化したので、この映画の後もまだまだ続く」という事も無視して「この話はこれで終わりなんだ」という気持ちで、純粋に一本の映画として観た。今、何でもいいから長文を書きたい気分だったので長いです。ついでに最初に言うとラスト以外あまり面白くなかった。
完全にネタバレあり

 

 

主人公は残忍で身勝手な狂気の天才剣士・机竜之介仲代達矢)。
こんな狂犬には可憐すぎる名前の技「音無しの剣」を使う。どういう技かと言うと構えてじっと相手が打ってくるのを待ち、しびれを切らした相手が切りかかってきたところを、相手の剣と自分の剣を打ち合わせず音もなく斬殺するというカウンター技らしい。待ち竜之介だ。コマンドで言うと「(竜之介が右向き時に)レバー後ろ溜め・→←→+PP」といったところか。剣の腕が立つくせに待ち竜之介とは‥恥も外聞もない血に飢えた狂い犬よ。この音無しの剣を武器に暴れまわる。
この全く感情移入できない狂った男を主人公とした話。
冒頭、大菩薩峠の頂上、常日頃から辻斬りをしていたらしい竜之介は、山登りして休憩していた年老いた行商人をいきなり斬り殺す。サイコ・バーサーカーだ。
哀れな老人の孫娘・お松(内藤洋子)は、大菩薩峠の頭頂で祖父に飲ませようと水を汲みに行っていたので祖父を殺した竜之助の顔は見ていない。たった一人の身寄りを失って泣き崩れるお松。そこに、たまたま通りかかったのが盗賊・裏宿の七兵衛西村晃)。悪党の七兵衛だが、気の毒なお松を見て人並みの人情が鎌首をもたげたらしく、お松を拾って自分の娘のように育てて天本英世の屋敷へ奉公に出す。ちなみに僕は西村晃がかっこよくて好き。自分が幼い頃に死んだ祖父に似ている。ついでに東野英治郎も好きだ。幼い頃に祖母が水戸黄門をめっちゃ観てたのだが二人共、黄門役だ。幼かったので祖父とダブル黄門が頭の中で混ざりあって「ダブル黄門=祖父に似てる」という認識が産まれたのかも知れない。
一方、大菩薩峠の麓に住む机竜之介は(近所にぶらり散歩して辻斬りしてたのか‥)宇津木文之丞という剣士との武芸試合「御嶽山奉納試合」があったのだが、竜之介に主人は勝てんと踏んだ宇津木の妻・お浜(新珠三千代)は、竜之介に負けてくれるよう頼みに来る。「それには条件がある‥」と言った竜之介はお浜をファックする。そして武芸試合での約束を守らず宇津木文之丞を撲殺!(殺さなくても‥)「村に居てはヤバい」と思ったのか竜之介は江戸に出奔する事にする。夜道で待ち受ける宇津木の関係者達、だが竜之介は超必殺技・音無しの剣で皆殺しにする。無茶苦茶である。なんか最近「悪さばかりして人生の殆どを刑務所で過ごす犯罪者をテストしたら軽度の知的障害の疑いがあった」という話を小耳にしたばかりだが、竜之介も「とりあえず何も考えずやりたい事やる。それで困った事があったら相手を斬り殺すして逃げる」という考えなし人間に見えてくる。何か「どんな手段を使ってでも天下無双の剣士になる」とか、そういった思想も特にない。観る前は「悪のカリスマ」キャラかと思ってたが、そんなカッコいいキャラでは全く無く、単純に物事を深く考えず人の気持ちもわからないサイコパスという感じ。原作ではどうなのかは知らん。たとえ原作ではカリスマキャラだったとしても岡本喜八はどうしようもない男として描きそう。とにかく、そんなサイコパスはやっていけなさそうだが、良くないことに竜之介には必殺の音無しの剣があるんだな。また凄いイケメンだしモテる。だからやっていける。剣の天才、超イケメン、という二刀流を手にしたサイコパスのサディスト。これは恐ろしい‥「DV夫が、上級国民の息子しかもサディストの空手家」みたいな絶望感だ。
また夫や夫の仲間を全て失ったお浜は「行く宛がない」と言って竜之介の妻となる。くんくん。破滅の匂いがするな‥。

 

 


江戸に出奔した竜之介とお浜のクソ夫婦。江戸に来てからの竜之介は偽名として「吉田竜太郎」を名乗っている。家を捨てて来たもんだから金が無い。子供も産まれたし、お浜には「あんたに着いてきたばかりに金が無く惨めな暮らしだ」とネチネチ言う。竜之介は何をしてるのかというと仲代達矢のカッコいい顔で虚空を見つめるばかり。虚空を見つめても金にはならぬ(もし現代ならずっとTwitterしてるんだろうな)。
そして竜之介は、島田虎之助(三船敏郎)の道場で宇津木兵馬加山雄三)という爽やかイケメン青年に出会う。彼は竜之介が撲殺した文之丞の実の弟、お浜の義弟だった。
取り柄が剣しかない竜之助は新選組(の前身組織)に出入りするようになる。バイトかな。
竜之介は新選組と共に寅之介を闇討ちするが、虎之助は範馬勇次郎の如く鬼神の強さで新選組を皆殺しにする。ちなみに見た目は椿三十郎そのまんまのミフネ。しかもミフネのクソ強キャラに思慮と人望といった要素を合わせた完璧剣士(ちなみに、この虎之助は実在の剣客、勝海舟の師匠)。竜之介は一歩も動けず斬りかかることが出来ないまま虎之助に「お前の剣には心がない、それじゃアカン」みたいな説教まで喰らって見逃されるという屈辱の敗北。スランプに陥った竜之介は宇津木兵馬との決闘をすっぽかし妻お浜を斬り殺して幼子を置き去りに再び京都に逃げる。
どうしようもない奴だな。虎之助先生もさっきついでにコイツを斬り殺せばよかったのに‥。前半、竜之介は「強くてイケメンだが、それだけのカス」といった感じのキャラだったが、それでも仲代達矢の美貌と演技力で「血に飢えた狂剣士‥」みたいな迫力はあった。だけど、この中盤でニートしてたらカミさんにグチグチ言われたりするので残ったカッコいい要素も全て削げ落ちて「強くてイケメンだが、本当にどうしようもないカス」という感じになってきた。しかし我が子を可愛がる様子も一切なく捨てたしマジでサイコパスなんだろうな。
舞台の後半は京都。
大菩薩峠からの因縁=お松と育ての親・七兵衛。
御嶽山奉納試合からの因縁=「兄の仇」と竜之介を追ってきた宇津木兵馬。
江戸からの因縁=新選組
これらが一つの屋敷で交差して終わる。‥いや、よく考えたら「二人で竜之介をぶっ殺しましょう!」と竜之介の元に向かった七兵衛と兵馬は、竜之介の元に辿り着く前に映画が終わってしまったので「えっ?」と言った。
とある店で竜之介は、お浜と出会い、部屋で二人。辻斬りで自分の祖父を殺した竜之介は目の前にいるのだが、実行現場を見てないお浜はそれを知らない。竜之介もお浜のことを知らない。
お浜は竜之介の背後を見て「きゃっ!」と叫ぶ。なんでも女の人の幽霊を見たという。
乾いた笑いを浮かべる竜之介だったが、どうやらこの娘は「大菩薩峠で斬り殺した老人の孫」らしいと気付いた竜之介は様子がおかしくなる。今度は竜之介がお松の背後を見て盃をポロリ‥と落としてしまう。彼もまた幽霊を見たのか?お浜は再び竜之介の背後に幽霊を見る!この一連の流れ、幽霊を見る二人の顔はアップになるのだが幽霊は別に映らない。だけど彼ら彼女が見る幽霊を映さない事がかえって恐ろしい。‥ちょっと上手く説明できないな。とにかく竜之介はお浜や捨てた赤ん坊の影を見、声を聞いて半狂乱になり周囲の物を斬りまくる。死んだ者だけでなく生きている虎之助の影や彼の説教なども聞こえて完全に気が狂った竜之介はサイコバーサーカーとなり一人で暴れまくる。お松はどっか行った!たぶん逃げたんだろう(ちなみに以降、二度と出てこない)。
まぁ「サイコパスの心の下の無意識下に知らず知らずのうちに溜め込んでいた罪悪感、負い目、自己卑下、敗北感‥そういったネガティブな感情が澱(おり)となってたまってて、それが幻覚幻聴を伴って反射屈折を繰り返しやがてスパーク‥発狂してしまった」そういった感じだろう、と思った。ネガティブな感情を元に幽霊の姿で現出した幻覚が見えた‥映画でよくある場面だ。だけどちょっと待て、お松は竜之介がどういう男なのかとか祖父を斬殺したことも知らないのは勿論、幽霊で見たお浜に至っては会ったことも聞いたこともない。だから竜之介が見聞きしたものは幻覚かも知れないが、お松が見た幽霊は本物という事になる。怖い。「負の感情が幽霊となって見えた幻覚」というシーンってだけなら、お松がお浜の霊を見る描写は必要はない。これはドでかいネガティブな要素を重ねて因果が重なりすぎた竜之介の周囲の瘴気が幽霊となったものかもしれない。もしくは敏感そうなお松が見た幽霊もまた、竜之介の負のオーラにアテられた結果、それに自分の悲しい思い出もミックスされて幻視した名状しがたい忌まわしい幻覚だったのかも。どちらにしてもネガティブすぎてやばい。「復讐者に憐れみを」で姉が死んだと思ったら誘拐した幼女が知らない間に無意味に溺死したシーンに似た感触を感じた。
そこへ、仲間と竜之介の裏切りを察知した新選組が殴り込んできて、バーサーカーとなった竜之介は音無しの剣を振りかざして新選組を斬りまくる。
見事な殺陣だが斬っても斬っても終わらない。両者は特に因縁が深いわけでもないし「美しいが長いな‥」と思って眠くなってたら突然画面がストップして「」と出て映画は終わった。

 

 

 

‥えっ!竜之介の命運は?七兵衛と兵馬は?お松は?と思ったが、わざわざここで終わるという事は、これはヤケクソではなく「ここっで終わりでええ」と思って終わらせたんだと受け取った。
いま暇だったので長文書きたくなって書いてただけで、正直あんまり面白くなかった。竜之介は悪人だし、かと言ってピカレスクロマンって感じの悪の華キャラでもない、どうしようもないカスなので結構どうでもいい。序盤とラストの仲代達矢の長い殺陣、中盤の峰敏郎の長い殺陣はさすがに見事だが、どれも文脈や因縁がなく行きがかり上、斬りまくってるだけなので特に響くものがなかった。大物すぎる役者陣、主役級のキャラが蠢きあって収束する終盤などは重厚な雰囲気を一瞬感じ取りはしたが、どうもすれ違いが多かったり因縁が薄かったせいで盛り上がりきれず‥。今まで観た岡本喜八の映画の中でも一番盛り上がれなかったかもしれん。
だがそんな中、(映画本編の殆どが乗れなかったというのもあるかもしれないが)、さっき書いた幽霊のくだり、そこから繋がる竜之介大暴れからの大胆なブツ斬りエンド。永遠に宙にプカプカ棚上げされた、お松と七兵衛と兵馬‥。などが何だか大胆で良いなと思ってしまった。一言でいうと最後だけ良いっていうか。本編全部がラストの飛躍のためだけにある感じが何だか俺の好きな「ツイン・ピークス (2017)」のラストっぽいなぁと思い、最後だけ良い映画として記憶に残った。あぁ、あと幽霊シーンと西村晃のカッコよさね。画面のかっこよさと殺陣の美しさもあったけどね。要はストーリーやキャラに乗れなかった感じですかね。
ついに竜之介の居る場所に辿り着けなかった七兵衛と兵馬だが、西村晃加山雄三に「二人いれば勝てる!鉄砲も持ってるし」としつこいくらい言ってたから、きっと映画終わった後勝つだろうと思った。
ちなみに原作はこの後も竜之介は生き残って延々と続くらしいが関係ない。俺の中の映画終了後の竜之介は「重症を負いながら新選組を皆殺しにして店の外に出たら、ばったり会った兵馬に斬られ、ついでに七兵衛の銃撃を眉間に喰らって即死。お松と兵馬は夫婦になり七兵衛も加えて末永く幸せに暮らしました‥」こんな感じでいいだろう。
一体どの辺だったか忘れたがニートの竜之介が自宅で虚空を見つめて薄ら笑いを浮かべる顔が完全にガイキチで、怖かったのでこの記事のTOP画像にしてみた。いかがかな
長くなったが思うさま長文書いて満足したのでこれで
「終」

 

 

 

そんな感じでした

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The Sword of Doom (1966) - IMDb

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「アンフレンデッド:ダークウェブ (2018)」中盤で殺人が始まるまでが面白い。後半のダークウェブ住人は魔法使いすぎる💻

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原題:Unfriended: Dark Web 監督&脚本:スティーヴン・サスコ
製作国:アメリカ 上映時間:93分 シリーズ:「アンフレンデッド」シリーズ

 

 

 

💻PCの画面内だけで連続殺人が進行するサスペンスホラー。
SNSいじめが原因で連続殺人が起こった前作も、傑作とかでは全然ないが最後まで退屈せず楽しめる程度には面白かった。大学生が面白がれそうな映画というか。
というかモキュメンタリーとか「全編主観映像」とか「全編、PC画面内だけで映画が進む」とかそういうのは楽しいからね。まぁそういうのってどれもあんまり数が多くないね。そういった特殊な形式の映画を作ってヒットさせるには相当作り込まなきゃ面白くならないだろうし、それがそこそこヒットして日本にも来るって時点である程度面白い数本しか入って来ないんだろう(全編SNS画面内で進行する映画としては「search/サーチ(2018)」が一番面白かったかな)。
製作者は前作の監督とは変わってしまってるし、前作のキャラは全員死んだので別のキャラたちが主人公を務める。コンセプトだけ同じでストーリーは全然繋がっていないタイプの続編。当然前作は別に観なくていい。
前作はメールソフトやチャット、SYOUTUBEやNSなどのメジャーなネットサービス上が舞台だったが 今回は現代では人気の都市伝説の一つでもあるダークウェブが舞台のようでワクワクする。

💻「ダークウェブ」というのは「特別なソフトや設定や認証などを使ってしかアクセスできない、特定のWebサイトがあるネットの深層領域の一部分」を指す。
我々がググって普通に観覧できるウェブサイトやSNS等がある領域が「表層WEB(サーフェス・ウェブ)」。観覧するには認証が必要で特定の者しか見れない会員制サイトや鍵垢やフリーメールなどのサイトは「深層Web(ディープ・ウェブ)」。
「ダーク・ウェブ」はディープ・ウェブの一部。ディープウェブとダークウェブの差がイマイチよくわかってないんだけど、まぁ深層の中のヤバい一角みたいな感じか?
そこでは銃やドラッグや毒物や臓器や偽造クレジットカードや偽札やIDやパスワードなど普通の店で買えないようなものの売買、ハッキングや殺人の依頼、違法ポルノサイト、殺人鬼と殺されたい人の出会い掲示板、または只の詐欺サイトやどうでもいいイタズラサイトなど玉石混合の良くないものがある。そこでの金品のやり取りは足がつかないようにビットコインが用いられている。悪事だけではなくCIAがハッカーをスカウトするためにテストに用いられたり、権力者の悪事を告発するために情報のやり取りが行われたりもするらしいが真相は定かでない。「暗殺者を雇える」「拷問や殺人を中継するサイトがある」等は只の都市伝説で証拠が見つかっていようだが、殺人&食人したい者と殺されて喰われたい者が出会い掲示板でマッチングして本当に殺して食ったという映画のような事件は本当にあったので(ローテンブルクの食人鬼)「こんな無茶苦茶な事があるんだから殺人の依頼とか拷問やスナッフフィルムは、見つかってないだけで、ありそうだな」と思わされる。ダーク・ウェブに乗じた都市伝説や動画などは多いが、殆どはイタズラやフカシ。だけど本物にヤバい事象も存在する‥そんな認識。
都市伝説ではあるものの、ダークウェブ自体や良くない売買や違法行為は本当にあるのでダークウェブ自体は都市伝説ではない只の事実とも言える。では何が都市伝説かというと「そこにあるもの」「そこから起きたもの」が都市伝説‥という感じ。
ネタバレありなので、興味ある人はこれ読まないほうがいいと思う。

 

 💻

 

マサイヤスという青年が主人公。その彼女は耳が不自由な女性。他にはネットやコンピューターに詳しい白人のオタク青年。政府の陰謀論やデモ活動に夢中のお調子者白人青年。婚約したばかりの白人と黒人のレズビアンカップル。アジア系の女の子‥という七人がメインキャラ。
前作同様、彼らがビデオチャットで会話したりPC画面だけで映画が進む(終盤、主人公が外に出るが、その時は主人公がスマホのTV電話で彼女と話してるので、そのスマホ画面が主人公の家のPCに映り続けてる)。
全編PC画面映画なので、主人公がPCを立ち上げて恋人や仲間達とビデオチャットするためにSpotifyとかFacebookや各種サービスにログインするところから始まる。
こういう内容なら、主人公が説明台詞みたいな独り言を言いまくりそうだが本作は、主人公が恋人や仲間と通話する以外では全然独り言を言わず、PC画面だけで見せていくので「結構こだわって作ってるね」と思った。
このPC、主人公は耳が不自由な彼女と通話するために高価なPCを欲しており(読唇術させやすいようにだったかな?細部は忘れた)とある場所に何ヶ月も放置してあった高スペックPCを拝借してきてしまったらしい。どこだっけネットカフェだっけ?とにかく元の持ち主だと思われる男に頻繁にFacebookのダイレクト・メールが届く。
この日は主人公が仲間達とネット上にビデオチャットで集まって遊ぶゲーム・ナイトだったらしい、主人公はPCをセッティングしながら恋人と話したり仲間と会話する。
しかし、どうにもPCが重い。仲間に促されてPC内をサーチすると膨大な隠しファイルがあった。開いてみると近所の家の中を撮った動画がたくさんあった。‥PCに付いているカメラは、たとえ電源が落ちていようと内部電源によって全てネットに繋がっている。それをハッカーから隠すには要人であろうとカメラにテープを貼るというアナログな方法を取るしかない(アレクサとかも‥)。
近隣住人の盗撮動画を集めている変態か?更に見慣れぬソフトを起動させるとDOS画面(なんか黒いウィンドウに字だけ表示される昔のPC画面みたいなアレ)が出てきて「お前に入金した」と主人公‥いや「前のPCの持ち主」に語りかける謎の相手。調べると何千万円分のビットコインが振り込まれていた。
なにが起きている?しばらく相手の言うことを聞いていると、どうやら「金を払ったから早く自分が言うように生贄を拷問して殺してくれ」と言うではないか。
ざわめく仲間たち。
動画ファイルを探ってみると誘拐した女性を殺害する動画がたくさんあった。そして最後に女の子が誘拐されるだけの殺害は行われていない動画があった。その子の名前で検索すると確かに最近行方不明になった近所の女子高生だった。
どうやら主人公が拝借してきたPCは、女性を誘拐して殺す動画をダークウェブで見せることによってダークウェブ住人からビットコインを受け取っていた犯罪者の物だったようだ。
‥という‥中盤くらいまで?は、かなり面白い。何よりさっきも言ったが主人公が説明台詞を言わないのが良い。言わないので「今何してるんだ?」的な感じで嫌がおうにも集中して観させられて没入感が高かった。そして自分はいつもモニター大きめのPCで映画観てるんだけど、本作はずっとPC画面だし、主人公がFacebook見てる場面とか、自分がFacebook見てる画面と同じなので仮想現実感が強く自分と主人公のシンクロ度も高かった(映画館で観たらそこまででもないだろう)

 

 

そこから先は、元の持ち主であるスーパーハカー殺人鬼が主人公をハッキングし、主人公や主人公が通話している恋人や仲間たちの素性が全てバレてしまう。
そこで、犯人が恋人の家に侵入してビデオチャットで主人公だけに向かって「俺のPCを返さないとお前の恋人を殺す」「この事を警察や仲間に話せば殺す」「ビデオチャットを続けろ、やめたら殺す」などと脅してくる。画面がずっとPC済む工夫がなされてるわ。主人公は仕方なく、びびってる仲間たちにビデオチャットを再度繋げて
「さっきのダークウェブは、当たり前ですが偽ダークウェブです。初笑い、できたかな?」とおどける。笑ったり怒る仲間たち。
このままでは彼女共々殺されると思った主人公は、さきほど犯人に振り込まれた大量のビットコインを自分の口座に振り込む事で自分と彼女の命を延長させることに成功。そして「彼女とこのPCを交換だ」と交渉する。
何も知らない彼女を自分の家に呼び、犯人は彼女の後を着いてきて、自宅に来た犯人にPCを渡して彼女を開放してもらう、という段取りだ。
しかし犯人は、主人公を常時監視しているので、主人公が警察や仲間に喋ったら彼女は殺されてしまう。
主人公は彼女に「地下鉄で来るように」と言った。地下鉄では駅以外の場所を走っている時に彼女や犯人のスマホの回線が切れる。その僅かな時間を使って主人公は仲間に全て話し、何とか「回線がまた繋がったら、さっきまでと同じように自分とゲームしててくれ」と頼む。
というか、この時点で既に詰んでいるっていうか、犯人は殺人に慣れてるし待ち合わせでPCを渡したら主人公カップルは殺されるだけでは?その場で殺されなくても後日いくらでも殺されるよね。というか地下鉄走ってて様子が見られなくても犯人の仲間が主人公PCをハッキングしてるとかの心配はないのだろうか?まぁキリないからそういった事は思考停止して続きを観よう。
ところで犯人はビデオチャットで主人公と喋る時、自分の顔を隠すためにビデオチャットでも自分にリアルタイムでモザイクかけたりしていた。「いくらハカーでもそんな事瞬時に出来るか?」と思ったが、後で別のハッカーがコラや動画を数秒で作ったり終いには地下鉄を止めたりするし気にしない事にした。「アメリカ映画に出てくるハッキング」とは「現代の魔法」って表現だからね。ましてやダークウェブ住人なんだからもう大黒魔法使いも同然だ。細かいことは考えないようにしよう。
主人公が元の持ち主殺人鬼と交渉してるあたりまでは面白かったのだが、今まで通話してた犯人以上の実力を持ったダークウェブ住人達が介入し始め、仲間を一人ひとり殺し始めてしまう。単純にカメラの前で殺すだけじゃなくて、仲間のPC内にある動画とかを使って他人に撃たせるよう仕向けて間接的に殺したりとか色々工夫してるのは面白かったけど、はっきり言って街の全てを操れる勢いの上級ダークウェブ住人が何人も寄ってたかって襲ってくるのだから、自宅を出れないし通報も出来ない丸腰の主人公たちが勝てる要素はない。
最初の、スーパーダークハッカーが一人だった時は主人公と交渉しあって拮抗していたので緊張感あって楽しかったが、こうなってしまうと処刑されるだけなので何だかもうどうでもよくなってくる。
しかもダークウェブ住人達のハッキング魔法使い加減が飛躍しすぎてて、やはり一切抵抗もできず皆殺しにされてしまう。
まぁ前作の「ネットに侵入した霊が復讐の連続殺人を行う」という真相にガッカリした自分としては、人間であるハッカーが殺人するようになったのは進歩だと言えなくもないが、何だかハッカーが神のように有能すぎて「これなら幽霊とか悪魔と大差ないな‥」と感じた。
これをもうちょっと実現可能なハッキング具合にして、もう少し主人公たちが犯人に食い下がれれば‥と思ったが、そうなるとホラーじゃなくサスペンス映画になっちゃうのでこれでいいのか。ブギーマンとかジェイソンなどの殺人鬼を「ダーク・ウェブ」というホットな都市伝説に置き換えた胸糞スラッシャーホラーって感じか。
ところで前作でも思ったが罪を着せられた主人公は最後、生かされた方がキツいと思うのだが、どうして二作とも主人公を殺しちゃうんだろうね。
とは言え最後まで飽きずに楽しめるほどには面白かったです。
特に中盤までは「主人公が恋人と通話してる画面」「主人公が拝借してきたPC内を探る場面」「仲間たちのチャット画面」など幾つもの出来事が同時に一つの画面内で同時進行しており、説明台詞が少ないので「えーとこっちではアレをしてて、こっちでは多分アレをしてるのか?」などと考えなきゃいけない感じが何だか「近未来のホラー映画」感があった。
何か、ダークウェブ自体や本編起きる事の説明するだけで長くなってしまい、映画の感想は数行だけになっちゃったな。まぁいいか‥。そこそこ面白い感じかな。

 

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そんな感じでした

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Unfriended: Dark Web (2018) - IMDb

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「ラ・ヨローナ ~泣く女~ (2019)」良作だが10回くらい繰り返されたテンプレに飽きてきた。霊より中年の男女のキャラが良かった👰

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原題:The Curse of La Llorona 監督: マイケル・チャベス
製作: ジェームズ・ワン。ゲイリー・ドーベルマン

製作国:アメリカ 上映時間:93分 シリーズ:「死霊館」バース

 

 

 

中南米に古くから伝わる怪談「ラ・ヨローナ(泣く女)」を扱ったらしい。
そのうち日本から来た日本人形とかも扱ってほしい。
ジェームズ・ワン制作の〈死霊館バース〉というMCU以外で唯一成功してるシネマティック・ユニバースの6作目。「インシディアス」とかも合わせると10本目くらいかな。
「これは新規タイトルかな?」と思ってたら「『アナベル 死霊館の人形 (2014)』に登場したペレス神父が2分くらい登場してるので死霊館バースの一つ」という強引な理由で死霊館バースだとわかった。舞台を70年代にしてペレス神父とか他の既存キャラを一瞬でも出せば死霊館バースに組み込めて信頼のブランド力により客足も伸びるという‥上手いこと考えはりましたね。
時系列としては「死霊館」の後、「死霊館 エンフィールド事件」の前くらいの出来事らしい。ふーん‥そうなんだ。
監督はこれがデビュー作らしいが、はっきり言って初めての人が監督しようが誰が監督しようが、どれもほぼ同じルックほぼ同じ一定以上の面白さなのであまり関係ない。ジェームズ・ワンが監督したらさすがに力入ってるなと感じる気がしないでもないが、ジェームズ・ワン以外の人が撮る時も恐らく、このジェームズ・ワンのホラー制作チームには「こういう時はこう撮る」みたいなマニュアルが行き届いていて誰が監督やろうと大体同じようなものになるんだと思う。「初めての監督」みたいな新人監督がジェームズ・ワン監督時と大差ない感じに仕上げてくるし、そんな感じでデビューでいきなりアナベル一作目みたいな傑作撮った新人監督がジェームズ・ワン組の外部でホラーじゃない二作目撮ったらめちゃくちゃつまらなかったりするのでそういうことやろなと気付いた。‥だけど逆に死霊館バースで一番つまらなかったアナベル二作目の監督は外部で「シャザム!」撮ったら面白かった。これはホラー撮るのが得意か不得意かって事なのか?よくわからない。ファミレスやファストフードの映画版みたいな感じ?完全に推測だが多分合ってると思う。

 

 

 

1963年。夫に浮気された妻が嫉妬に狂い、夫が最も愛するもの‥つまり夫と自分の間にできた子供2人を溺死させ、直後に後悔した女は泣きながら川に身を投げた。それ以降、女は白いドレスを着て泣く悪霊〈ラ・ヨローナ〉となって水辺に現れ、自分の泣き声を聞いた子供をどこかへ連れ去ってしまうという。
これが中南米に伝わる怪談「ラ・ヨローナ〈泣く女〉」。

時は過ぎて1973年‥、といっても劇中の様子は、はっきり言って40年以上前には全く見えず「これ現代の話だよ」と言われても、そのまま受け入れそうなほど「昔」感は無い。ナンバリングタイトルの死霊館シリーズは、アメリカに居る実在の有名霊能力者の若い頃を主人公にして実際にあったとされる心霊事件を扱ってるから70年代にせざるを得ないのはわかるが、完全に創作のスピンオフは「後で死霊館とクロスオーバーさせられるように70年代にはしとかないとな‥」といった感じで「スマホを出さない」とかそれくらいしか昔感はない。本作は更に現代と大差ない。正直、冒頭「1973年」というテロップを見逃したら昔の話だとは思わないだろう。
主人公はソーシャルワーカーのアンナ(リンダ・カーデリーニ)。警官だった夫を失ったばかりの女手一人で幼い男の子と女の子を育てているシングルマザー。
‥この妙にセクシーな感じの熟女「どっかで見たことあるな」と思ったら「アベンジャーズホークアイの奥さん役の人だった。MCUホークアイの子供も2、3人だし、本作の主人公アンナが「勇敢だった夫は居ないから私が守らなきゃ‥」って感じで頑張ってるもんだから「ホークアイが留守中、悪霊に襲われたので単身、撃退するホークアイの奥さん」という風に見えてくる。
アンナが自分の家の中に現れたラ・ヨローナと初遭遇した時。若い女だったら「きゃーー☆」とか黄色い声を出すところだが、アンナは「うぉっ‥?うおおぉあああああぁぁーーーーッ!」と本域の絶叫していて良かった。美人なのに「きゃー」じゃなくて、こんな風にオッサンみたいな人目を気にしない絶叫する方がリアルだし逆にセクシーだと思った。なぜだ?それは俺が、綺麗さを保つよりも荒い人間らしさを出すことの方がセクシーさだと思ってるからかもしれん(10代には共感されなさそうな感じ方)。そういえばラ・ヨローナに殺されるパトリシアの息子が施設で絶叫した時もめちゃくちゃ良い絶叫だった。この監督は絶叫に一家言ある絶叫好き監督なのかもしれん。
まぁとにかく、この未亡人アンナはソーシャルワーカーとして顔なじみだった、自分と同じくシングルマザーの南米系お母さんパトリシアのアパート家を尋ねる。子供2人が不登校を続けてるらしく「虐待の疑いがある」という事で、アンナは気が進まないながらも夫の部下だった警官と共に訪れる。
するとパトリシアは明らかに心神喪失気味で怯えており、子供たちを部屋に閉じ込めていた。そして子供たちの腕には火傷のような傷跡が‥。「子供たちを部屋から出したら殺されてしまう!」と喚くパトリシアは監禁虐待疑惑で逮捕され、同じく「あの『女』に連れて行かれる‥」と怯える子供たちは福祉施設に預けられる。
しかし、その夜、福祉施設に居たはずのパトリシアの2人の息子は川で溺死していた。
「隠してたのに、お前のせいで子供が死んだ!お前の子供たちも連れて逝かれるがいい!」と半狂乱で怒るパトリシアと困惑するアンナ。そしてアンナの息子は、泣いている白いドレスの女を目撃。勿論ラ・ヨローナだ。これでアンナの息子と娘はラ・ヨローナに目をつけられてしまった。
昨日までのパトリシア母子のように、今度はアンナ母子がラ・ヨローナを警戒する事になった。
ラ・ヨローナは、アンナの子供達の腕を掴んで火傷のような傷跡を付けた。恐らく目印のためにGPSのような効果があるのだろう。
しかし皮肉にも、自分がパトリシアにそうしたように今度はアンナ自身が「子供達を虐待してる?」などと、親切にしてくれていた夫の元同僚や自分の同僚たちからもDVを疑われる。
ラ・ヨローナによって、因縁をつける→社会との関わりを絶たれて孤立無援になる、といった感じでアンナ母子は知らない間にデス・スパイラルの渦の中に居た。北九州や尼崎の監禁洗脳拷問の順序と同じだ。逆に言うと、こういった困り事に巻き込まれないようにするには(因縁をつけられる→弱みを見せない、危険な局面に居合わせない)(社会との関係を絶たれる→外部との繋がりを持っておく、法的機関に提出できる証拠を残しておく)といった対策が必要なんだろうね。
だがアンナ母子が目を付けられたのは、そんな現実的な手段が通用しない数世紀もの間生きている不老不死の悪霊だ、そうなれば娑婆のやり方では対抗できない。
ラ・ヨローナに襲われる日々に憔悴したアンナは、パトリシアの子供達の葬式で知り合ったペレス神父を尋ねる。「アナベル 死霊館の人形 (2014)」にて呪いの人形アナベルに殺されかけた事によってペレス神父はアンナの話をすんなり信用する。‥話が早くていいですね、クロスオーバーの利点か。しかしエクソシズムを行う承認をバチカン本部に乞うて許可を得るまでには数週間かかる。その間にアンナ母子は殺されてしまう。そこでペレス神父は南米系の中年男性、ラファエルという民間療法師を紹介する。
果たしてアンナと子供達は滅びずにいられるのか―― そんな話。

 

 


そういう感じの、殆どのジェームズ・ワン制作ホラーのテンプレ通り、前半はじわじわと悪霊が忍び寄ってきたり色々なビックリ要素で脅かせられ続け、中盤で悪霊退治できる人を探して一回戦、後半で倒しきれなかった悪霊が襲ってくるところを迎え撃ってラストバトル‥!といういつもの流れ。本作もこのテンプレ通りで非常に手堅く面白いのだが、幽霊屋敷ものが好きな僕とはいえ10本近くこのテンプレ観てきたのでさすがに若干飽きてきた。だが、こういう幽霊屋敷ものに向いてるけどジェームズ・ワン制作ホラーをまだ数本しか観てない人は、すれた僕よりも楽しめるだろう。だが人には向き不向きというものがあって、Jホラーとか幽霊屋敷ものを見ても「思わせぶりなシーンばっかりで何も起こらんやん」と面白がれない人はいる。そういう人が言う「思わせぶりなシーン」というのは実は既に本番の最中なのだが、そういう人にとっては「思わせぶりだが何も起きていない」と感じるらしい。だからそういう人はこういうオカルトものは無理なので走るゾンビとかを観たほうがいいのかも。
こういう悪魔や悪霊ものは人間が負けて終わる(もしくは何とか退けるだけ)というのが基本だが、ジェームズ・ワン制作ホラーの場合「前半はJホラーっぽくじわじわと怖がらせつつ、後半では皆で協力して悪霊を退治しちゃう」というJホラーとアメリカンホラーの良いとこどりみたいな構成をしており、この怖がりつつスッキリして家に帰れる、という構成がアメリカ人にウケたのだろう。ほぼ全作大ヒットしている。
この前半のJホラーっぽいビビらせ要素、だんだんと「新しいアイデアが出なくなってきたな」「ベッドの下とクローゼットの中覗く場面もう10回くらい観たぞ。もう覗くのはやめたら?」などと思ってたら去年辺りから「エクソシスト3」「呪怨」などの超メジャーなところからモロにパクり始めたので「もう、そろそろこのフランチャイズも店仕舞いが近いかもしれん」と懸念し始めた今日この頃。でも次回作の「死霊博物館」とか来年の「死霊館3」は、何となく派手なモンスターがじゃんじゃん出るっぽいし「Jホラー表現ネタが尽きてきたのでモンスターものに移行しようとしてる?」と俺は推測している。
そういえばアンナの娘がシャンプーしてたらラ・ヨローナが娘の頭を触る‥という「呪怨」みたいなシーンがあったが、いつも入浴を手伝ってくれるアンナママだと思いこんだ娘は「ママ、頭洗って~」と言う、するとシリアス悪霊のはずのラ・ヨローナがちょっとだけ娘の頭を「わし‥わし‥」とシャンプーする場面が何だか可愛かった。
ペレス神父に紹介された南米系の中年男性ラファエル。彼はもともと神父だったが教会と対立して辞め、今では民間療法やまじない師などをしている。
オカルトものには定番の霊能力者キャラだ。霊能力者キャラは、一般人である主人公にオカルト要素の事を解説してくれるし、一瞬でやられて勝敗を一般人主人公の手に委ねたり逆に勇ましく悪霊を退治したりと、如何様にも使い勝手の良いキャラだ。
ところで、このラファエルおじ、最初は如何にも〈無口な霊能力者だが、これといって特徴のない南米系のたっぷりした体型のオッサン〉っていう記号的なキャラとして出てきたと思ったけど、無表情でギャグを言ったり無表情な霊能力者のくせに実はラ・ヨローナを怖がってたりアンナ母子を囮にして闘ってアンナに怒られて「でも上手くいっただろ?!」と言い訳したりと、凄く立体的で人間臭い魅力のあるオッサンとして活躍した。霊能力者って超然としたエキセントリックなキャラもしくは只の無能として描きがちだがラファエルは凄くそこら辺の電気屋さんの店主でもしてそうな普通のおっさん感が素晴らしかった。この映画で一番拾い物だったのはこのラファエルとアンナだと言っても過言でない。という事はこの監督は中年男女を描くのが上手いのかもね。
映画に出てくる霊能力者キャラの中でもかなり好きなタイプ。
アンナの亡き夫の同僚には懐かなかった子供達がラファエルには懐いて抱きついたり、夜食を作るラファエルにアンナが「夫を思い出すわ」と言ったりと、空白の父親ポジションをラファエルが一夜だけ埋めた‥という淡い感じで終わった。アンナがラファエルおじと安易に恋に落ちないのが現代の映画って感じで良かったわ。‥別にラファエルおじならアンナとくっついてもいいけど悪霊退散は悪霊退散、恋愛は恋愛、と分けてやりたいものだ。関係ないことを同時に行うとおかしな事になるからな、特に恋愛。これが10年前の映画なら絶対ラファエルおじとアンナをくっ付いてただろう(そして、その場合ラファエルは絶対にイケメンの白人男性だっただろう)。それにしても、もし自分が独身っぽいラファエルおじだとして、助けを求めてきた美人シングルマザーの家で卵焼き作ってて「死んだ旦那に似てるわ‥」と言われたら、ただちにデートに誘ったり‥は良識ある者としてしなくても勃起‥はしないまでも男性器に血液が2、3滴流れ落ちて男性自身が一回り大きくなる気がする。そうだろ?
後半、アンナ母子はラファエルのオカルト知識やオカルト民間アイテムの助けを借りてラ・ヨローナと戦う。アンナもまたラ・ヨローナとの闘いで「ラ・ヨローナが実の子供に生前プレゼントされたネックレス」というアイテムをマジカルアイテムをGETする。
「ラ・ヨローナは水があるところに現れる」というルールに則り、最初は水たまりやバスルームやプールなどで子供を襲うが後半になるともう水とかどうでもよくなって家の中や屋根裏部屋にも現れる。まぁ動物が森を通って獣道ができるかのように何度も襲って強い因縁(えん)を付けたので侵入範囲が広がり出現できる時間やパワーが高まったのだろう、そのように見える。
冒頭に出てきた人物が、ちょうど忘れた頃にラ・ヨローナのように再登場するくだりや、あんまり活躍されたらアンナや子供のピンチが描けないからラファエルが怪我してしばらく気絶したりしてラストバトルを盛り上げて終わる。
感想書いてないけど最近「MAMA」を観た時もあったが「子供が原因で怨霊となった女性の悪霊に思い出グッズを渡すと一瞬成仏しそうになるけど何か邪魔が入って悪霊に戻る」っていうくだり、これはママ悪霊によくあるパターンだね。
それにしてもラ・ヨローナも自業自得とはいえ何世紀も発狂した状態で彷徨ってて何だか可哀相だ。さっさとブッ殺すしてあげるしかない。
ラ・ヨローナは浮気されて子供2人殺した人妻。パトリシアはラ・ヨローナに子供2人を殺されたシングルマザー、アンナはラ・ヨローナに子供2人を殺されそうになるシングルマザー。本作はやっぱり「ババドック 暗闇の魔物」同様、世のお母さんが一番感情移入して楽しめそうなホラーだったね。「ちょっと目を離したスキに子供が車に轢かれたり変な奴に連れて行かれたりプールで溺れたらどうしよう」という、幼子を育てている時ずっと続く不安をホラー映画にしたものとも言える。観てるとひたすら辛くなる「ババドック」と違って本作は、子供達が勇敢だったりラファエルおじがいるからババドックよりは気軽に楽しめる。
そんな感じで、前半の「幽霊でビックリさせるアイデアがもう枯渇してるんだなぁ」という懸念や「作品自体は良作だけどシリーズや関連作全部観てる身からすると正直飽きてきました‥」という倦怠感は感じたが全編手堅くまとまっていてジェームズ・ワン制作ホラーの中でも上位に入る気がする。
ラ・ヨローナという悪霊や怪異は正直面白くなかったが、アンナやラファエルといった人間臭い中年男女が魅力的だった。ラ・ヨローナはもうこれっきりでいいけど2人はまた出てきてほしい。それにしてもパトリシアはどこ行ったんだろ。普通に帰宅か?

👰死霊館バースの次回作は今月20日に「アナベル 死霊博物館 (2019)」。これはウォーレン夫妻の娘や子供達が、心霊保管室にあるアナベル人形を始めとした悪魔や悪霊を一度に全部相手するみたいで今までよりも派手で面白そう。霊感もある夫妻の娘が、泊まりに来た友達に「触ったら呪いが解けちゃうアナベル人形に触ったの?」「いや、他にも‥」「どれに触ったの?!」「全部。」という予告編が最高に面白かった。ここ数年の予告編で一番好きだね。
映画『アナベル 死霊博物館』US版予告【HD】2019年9月20日(金)公開 - YouTube

そして来年のちょうど1年後にウォーレン夫妻が狼男を調査するらしい「死霊館3」が公開される(監督するのは本作の人らしい)。あと「インシディアス5作目」「死霊館のシスター2作目」「へそ曲がり男」なども公開されるらしい。こんな4本も乱発して大丈夫なのかな?

 

 

 

そんな感じでした

死霊館バース〉

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〈「インシディアス」シリーズ〉
「インシディアス(2010)」「インシディアス 第2章(2013)」ジェームズ・ワン/絶対に2本続けて観ないとダメ。時空の流れに逆らって悪霊退治 - gock221B

「インシディアス 序章 (2015)」面白かった!監督が製作に回ったシリーズものや前日譚は大抵つまらないものだが本作は良かった - gock221B

「インシディアス 最後の鍵 (2018)」凝ってて面白いがシリーズのファンじゃない人は楽しめないかも。〈彼方の世界〉のツインピークスっぽさ🔑 - gock221B

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The Curse of La Llorona (2019) - IMDb

www.youtube.com

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「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー (2014)」MCUで一番何回も観返してるのはこれ👱

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原題:Captain America: The Winter Soldier
監督:アンソニー・ルッソジョー・ルッソ 制作:ケヴィン・ファイギ
制作会社:マーベル・スタジオ 製作国:アメリカ 上映時間:136分
シリーズ:マーベル・シネマティック・ユニバース。「キャプテン・アメリカ」シリーズ

 

 

 

※2015年6月23日に書いた感想を10倍に増やした‥要は殆ど書き直したもの 
MARVELスタジオによる映画ユニバース、MCU。23作目「スパイダーマン ファー・フロム・ホーム (2019)」が公開された事により、全23作からなるウェーブ1「インフィニティ・サーガ (2008-2019)」が終わった。そして、この一ヶ月だけでも「トム・ホランド主演のスパイダーマンMCU離脱してしまう?」という悲報とか、フェイズ4のめちゃくちゃ面白そうな映画&ドラマ群が一挙に13本発表されたりと色々あった。
11年間の一区切りがついたのでブログ始める前から「アベンジャーズ4(仮)終わったら書こう」と思ってた、ここまでのMCU全体‥今で言う「インフィニティサーガ」全体のふざけた感想を書こうと思った。
だが、その前に、このブログは「アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン (201)」くらいの時に開設して逐一、MCU作品の感想書いたり過去作も見返して書いたりして、もう記事がないのは「アベンジャーズ」一作目だけだったから「じゃあアベ一作目も観返して感想書いてから『インフィニティサーガ』の感想書くか‥」と思ったが、その前にブログ開始直後でブログの自分なりの書き方テンプレが出来てなかったため「キャップのスーンとした表情がいいですね」と一言コメントしか感想書いてなかった本作の、ちゃんとした感想書かないと納まりが悪いな、と思って本作を2夜連続で観て三回目を今観ながら、これを書いている。
本作ウィンター・ソルジャーは俺にとって最も鑑賞耐数が高い。本作より好きなMCU作品(ガーディアンズ一作目とかキャプテンマーベル)はあるが一番何度も観た作品はコレだ、次にアベンジャーズ一作目。
だが、あまりに何回も観てるので「ここが凄い!ここ驚いたし感動した!」といった初見時のような新鮮な感動とかはもうないし思い出せない、思い出して書いても君を醒めさせるだろうし一銭も入らないのにそんな無駄な努力をする意味はない。よく語られる作品でもあるので他の人が既に書いてある事だらけだろうが、まぁ1秒前に書かれたことは全て過去でもあるし、今初めてウィンターソルジャーについて検索して読む人にとっては全部同じなので何も考慮せず書くことにしよう。
当然ネタバレあり

 


※あまりに何回か観てたら曲も好きになったのでサントラ買った。このバッキーのテーマが一番オススメ 

 

※ここは、あらすじ書いてるだけなので飛ばしていい
地球のスーパーヒーローたちは「アベンジャーズ (2012)」にて団結し、サノスの先鋒として地球に侵攻してきた悪戯の神ロキ&チタウリ軍を退けた。その〈NY決戦〉から2年後の物語。
第二次大戦の英雄にしてアベンジャーズのリーダーである超人兵士キャプテン・アメリカことスティーブ・ロジャースクリス・エヴァンス)。彼は、同じくアベンジャーズの一員である女スパイ、ブラック・ウィドウことナターシャ・ロマノフ(スカーレット・ヨハンソン)と共にS.H.I.E.L.D.長官ニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン)率いる国家防衛組織〈S.H.I.E.L.D.〉の対テロ作戦部隊〈S.T.R.I.K.E.〉の一員として国防の活動をしていた。
そんなある日、スティーブは「巨大空中母艦ヘリキャリア新型3機によって全人類を監視し、犯罪者を未然に抹殺する」という恐怖のシステム〈インサイト計画〉を見せられ、疑問を感じる。
キャップ同様、フューリーはインサイト計画への懸念を上司であるS.H.I.E.L.D.高官アレクサンダー・ピアース(ロバート・レッドフォード)に対して示したところ、伝説の暗殺者ウィンター・ソルジャー(セバスチャン・スタン)が現れ、フューリーは殺害される。
同じくスティーブも、平和を護り仲間であるはずのS.H.I.E.L.D.から命を狙われるようになり、もはや誰も信用できない窮地に追い込まれたスティーブは、ナターシャや元空軍のサム・ウィルソン(アンソニー・マッキー)ら少数精鋭の仲間と共に真相究明に乗り出す。そんなスティーブの前に立ちはだかるウィンター・ソルジャー。
過去50年間、一切歳を取らず正体も不明で”幽霊”と称される伝説の暗殺者。その素顔はスティーブがよく知る人物であった―
‥という、そんなストーリーのポリティカル・アクション映画。

 

 

 

本作の脚本のうち「大戦時に死んだと思われていた相棒バッキーが実は生きていた。だけど洗脳されて暗殺者になっていた」という要素は、エドブルベイカーによる原作コミック「キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー (2005)」を元にして、70年代に数多く制作されたアメリカ政府陰謀映画の数々を参考にして書かれたらしい。
また「平和を護るはずの組織S.H.I.E.L.D.が悪の組織ヒドラに乗っ取られていた」という展開は、1973年のウォーターゲート事件にインスパイアされた原作者S・エングルハートに書かれた原作コミック「Captain America #175 (1974)」での「悪の組織シークレット・エンパイアのボスの正体がアメリカ合衆国大統領だった」という衝撃展開から来てると思われる。そして、その原作で「キャップは国に失望してキャップを辞めてNOMADノーマッド)を名乗る」のだが、MCUでも逃亡犯になってしまった「シビルウォー」終盤から「インフィニティ・ウォー」ウォー・マシーンの所に戻ってくる中盤までのスティーブは、キャプテン・アメリカではなくノーマッドとして活躍した。
MCUが誇る天才キャスティング・ディレクターのサラ・フィン氏は、コメディドラマの最終回を観て引き抜いたルッソ兄弟を本作の監督にして、ルッソ兄弟は「エンドゲーム」までMCUの中心となり大作映画を撮ったことなかったはずのルッソ兄弟は本作でキャップの凄いアクションを撮って一躍世界一の興行収益を上げる監督になった。なんで?サラ・フィン氏は何で次々と人材を発掘できるんだ?とりあえず、このサラ氏はファイギに匹敵する才能だと思う。
アイアンマンが「MCUのエース」だとしたら、キャップとルッソ兄弟は本作以降MCUのリーダー‥背骨のようなポジションとなった。キャップシリーズで起こる出来事は他のシリーズよりも密接に本体のアベンジャーズシリーズやMCU世界に影響してくる。
「正義を護るはずのSHIELDが悪の組織ヒドラに乗っ取られておりSHIELDトップがラスボス」などを始めとする展開は以降「エンドゲーム」まで、本作以降のMCUにも強く影響しており、本作以降のMCUキャップの「体制や監視システムへの疑念が深まった結果シビル・ウォーが起きる」→「そのアベンジャーズ分断が原因でサノスに敗北する」など、本作での出来事が後々まで波及してくる。
MCUの各作品は初見でも楽しめる簡単なので、どこから観てもある程度は楽しめるのだが大きな流れはやはり全作観た方がずっと楽しめる。特に本作は絶対に必見の一本だ。「シビルウォー」を観て「キャップが頑固すぎる」と、キャップを好きじゃなくなった人も一部居たが、キャップがヒーロー登録に反対なのは本作の、ヒドラに乗っ取られて数万人を一気に皆殺しにしようとしたSHIELDを踏まえるとよく理解できる。
本作の結末「ヒドラに乗っ取られたSHIELDの実態が、ナターシャによって世間に暴露される」という部分は恐らく、本作の脚本執筆中の2012年に偶然起きたエドワード・スノーデンによる暴露などに影響されたものだろう。
そういう感じで、本作はMCUを誕生、発展させた特異点「アイアンマン (2008)」やクロスオーバーの概念を持ち込んだアベンジャーズ一作目同様、この三本は必見のMCU心臓部という印象。

 

 


5年前の本作公開時だが、僕は正直ユニバース疲れをしていた。
今となっては考えられないが当時は、まず映画5本からなる「アベンジャーズ」を作るという時点で「そんなの無理だろw」と思ってたけど大成功した(この話はアベンジャーズの感想の時に書く)だから「アベンジャーズ」一作目はめちゃくちゃ応援して何十回も観た。
てっきり「アベンジャーズ」一作でMCUは完結するのだと思ってたらラストにサノスが出てきて‥続行!MCUは、後にフェイズ2と呼ばれる新シリーズに続いたので驚いた。
アイアンマン3」から始まるフェイズ2作品群は、どれも毛色が違う映画だった。
「作品が違うからそりゃそうだろう」という話じゃなくて、たとえば「アイアンマン3」はユニバースのことをあまり考慮せずアイアンマンとしての映画単体の完成度を高めたシェーン・ブラック作家主義的な作品だった(その結果、映画としては名作だがシリーズ、ユニバースの中の一本としては微妙な出来だった)、ダーク・ワールドは‥まぁいいや、一応何回か観たはずだがロキの活躍とラスボスの魅力の無さ以外あまり覚えてない。本作はポリティカルアクション。MCU自身が、自分のシリーズの方向性そのものを模索していた印象の時期だった。
フェイズ1を応援しすぎて燃え尽き症候群っぽくなっていたところに、先行き不明瞭なフェイズ2前半を観てたら「続くのは嬉しいけど地図を持たずにボート漕いでるかのようで観てて疲れるな‥」とユニバース疲れを起こしながら観ていた。
本作は、その名の通り他のタイトル以上に〈アメリカ〉に向き合ったストーリーポリティカル・アクション映画となった。トニー本人に迫った「アイアンマン3」と比べて本作は、ユニバースの集合地点である「アベンジャーズ」やMCU本筋に強く作用する。それは「ファーストアベンジャー」「シビルウォー」も同様で、そういった作品自体の在り方もまた〈キャップ=MCUのリーダー〉というポジションを強く意識したものなんだろう。一方トニーの場合は〈アイアンマン=MCUのエース〉という感じ。 

 

 

 

キャップと言えば、本作の前作にあたる「キャプテン・アメリカ ファースト・アベンジャー (2011)」の時、公開初日に観に行ったにも関わらず客が五人くらいしか居なかった。客がいっぱいでキャップの人気もトニーに匹敵する感じになってた「エンドゲーム」公開日と比べると如何にMCUの人気が数十倍に大きくなったかを感じて感慨深かった。
キャップは今でこそアイアンマンに匹敵しうる人気者になったが、本作公開時では「アイアンマンとその他のアベンジャーの中のあまり強くない一人」という受け取られ方をしていた。
アメリカ本国ではともかく、日本人というのはこういうジャンルのものを見た時「ドラゴンボール」を始めとする「戦闘の数字の強いほうが必ず勝つし活躍するし重要なキャラ」という少年漫画的な捉え方をする。だからアメコミのチームものに出てくる人間と大差ないキャラを見ると舐めてかかる。「なんでミスターサタンが悟空と同じチームに?」と思ってしまうのだろう。だが実際のところアメコミのチームものでは強大なパワーを持つキャラよりも人間と大差ないパワーのキャラの方が活躍する事が多い、のは幾つか観たり読んでるとわかるだろう。
とはいえ「アベンジャーズ」のキャップは明らかにスーパーパワーを持つキャラより大きく劣るキャラという風に描写されていたので舐められがちで連日「アベンジャーズに一人いらない子がいますww」みたいなまとめが連日立てられて悔しい思いをした。
だが本作は、ストーリーもさることながらルッソ兄弟が撮ったアクションが異常にカッコよかった。そんな本作のキャップの登場によってキャップをバカにする者は急激に居なくなり、もし居たとしても「お前ウィンターソルジャー観てないの‥?」と本作を観てキャップの新しいファンによって狩られ、絶滅した。
だけどカッコよくなっただけじゃなくて本作のキャップ、明らかに強くなってるよね?
だが本作冒頭、パラシュート無しでヘリからダイブして乗船、キャップに蹴られた海賊は壁まで水平に吹っ飛ぶキャップ無双‥戦闘機をフリスビーだけで撃墜しキャップ着地(盾を持ってアイアンマン着地して画面が盾一色になってカッコいい着地)‥痴漢エレベーターで皆殺しにしてラムロウを床じゃなくて重力に逆らって天井に叩きつけKOして地面まで生身でダイブ‥ヘルキャリアから落とされても主人公補正によってしがみついて平気。どこに落としても呪いの人形のようにキャップの元に戻ってくる盾‥など、どう観ても明らかに「ファーストアベンジャーやアベンジャーズの時のキャップ」よりパワーが数倍強くなってるように見えるよね?
メタ視点じゃなく作品に寄り添って考えるなら「アベンジャーズまでは冬眠から覚めて身体が慣れてなかったけど、身体がすっかり温まって本調子になった」と思うことにした。
というかMCUはこのフェイズ2あたりから全体的に、パワーあるキャラのパワーは現状維持で、人間と大差ないキャラのパワーをめっちゃ上げて差を近づけてるよね。それを面白い本編の描写で徐々にそうしていってるから違和感ないし、ファンの意識も変わっていったと思う。まぁこの方が良いと思う。
アベンジャーズ」一作目のキャップ vs.ロキ戦の時、キャップがロキに圧倒されたけど、あの程度でも「おい、このロキ弱すぎるしキャップが強すぎるぞ!」と文句言う原作ファンが結構いた。だけど本作を経たキャップは「シビルウォー」で「ヘリと力比べして勝つキャップ」とか「アイアンマンは近接戦闘分析機能を使わない限りキャップに殴り合いで勝てない」と、「アベンジャーズ」の時にはパワーに大きく差があったはずのアイアンマンとキャップの差を埋めたが、その差に文句言う奴は居なかった。‥というか一作ごとにキャップは明らかに怪力になっている。
そしてさっきの対ロキに話を戻すが最近の‥IWとかEGで、もしキャップとロキが殴り合う場面があったとしたら、多分キャップの方が普通に殴り勝つと思うし、そうなって当然だと思う。それくらいキャラの強さ表現がしれっと変わっていっている。
逆にパワーダウンしたキャラも居て、「シビルウォー」の時のブラックパンサーはキャップとアイアンマンの長所を合わせたかのような完璧ヒーローとして描かれていた、だが「ブラックパンサー」単体作やIWとEGなどでは「ティチャラ本人と、シュリやオコエを始めとしたワカンダを足したヒーロー=ブラックパンサー」という感じにしれっと変わっていった。初登場のシビルウォーではキャラを立てるため完璧だったが、単体作では逆にブラックパンサーの力を分散したんだと思う。これはこれで賢く勇気ある描き方だと思った。

 

 


何か「ウィンターソルジャーの感想」というよりも「MCUの中のウィンターソルジャーとキャップ」といった感想みたいになってるな。というか、ここまでの文章は感想書く前の前置きみたいなもんでWikipediaとか見れば全部わかることだし全て要らなかったな。だが不思議なもんで駄文を書くにも段取りというものがあって、自分の言いたいことを言う前に前置きしないと感想が書けないところがある。よく年寄りが天気の話とか始めて間合いを詰めてくようなアレだ。いきなり感想言いだすのは何だか前戯を飛ばして突然FUCKから始まるSEXみたいでちょっと荒い気がしてくるというか‥そんな「ブログ開いて2.9秒で即ハメ」みたいな構成なんて‥そんな大学生みたいなノリは嫌だな、せっかく歳取ったのに。。年取ったと言えば昨日が誕生日だったから昨日UPすれば良かった。どうでもいいか。
まぁ皆が好きな、サムの左から失礼するとことか、バトロックが突然オリコン発動したみたいに酔拳2の敵みたいにキックしながら前進するバトロック乱舞とか、キャップは何故かバトロック乱舞を弾かず後ろに下がるもんだからバトロックがめっちゃ前進させられてしまうとことか、キャップがマスク外して相手してくれたらバトロックがニチャアと笑うヤバい笑顔とか、めっちゃカッコいいフューリーvs.ヒドラ戦とか威力が高すぎるフューリーの穴掘りライトセーバーとか、壁をぶち抜いて突進するキャップゴリラとか、白人貧乏カップに扮したキャップ&ナターシャの楽しい逃避行とか(ナターシャのフードの安そうな服が可愛いとかステルスのためといいつつ自分がしたくてキスしてるように見えるナターシャとか)、ゾラが語るSHIELDの真実とか、シャロン結構かっこいい顔してるなとかラムロウに抵抗する立派なSHIELD隊員とか(IWポストクレジットでフューリー&マリアが連絡しようとしたのは彼なので出世したらしい)怪鳥音と共に現れる怖いバッキーに迫真顔するナターシャ顔アップとか、キャップvs.ナイフ持ったバッキーの格闘戦とか、痴漢エレベーターとかガトリングヒドラを跳弾で倒す場面とかバッキーとのラストバトルとか、裁判でのカッコいいナターシャとか‥まぁつまり割と全部好きだ。これらの出来事一つ一つをめっちゃ長く語れるが、そうすると文量が10倍くらいに増えてしまうのでやめておく。本編を観たら面白いと思うのは大抵同じ部分なので今更ピックアップしなくてもいいだろう。
それにしても何度観ても飽きない本作だが、車に乗ったフューリーがヒドラやバッキーに襲われるシーンが一番好きかもしれんと思った。ヒドラ兵が「車に乗ったフューリーを困らせる機械」を持ち出してフューリーを困らせるのもいいしキャップの家で音楽聴いて横たわってるのもいい(フューリーやマリアが本作で使う穴掘りライトセーバーの威力が高すぎる件についてはインフィニティサーガ全体の記事で触れる予定)
だけど、本作を最初に観た時にぐっと来たのはキャップの表情だった。
本作のキャップは常にスーンとした表情で堂々とした態度だ。
何度か観てると「キャップっていつもこのスーンとした顔してるな」と思った。
そしてこのスーンとした顔を見ると妙に感動する。
フューリーに「戦時中は君も汚い事した記録があるが?」と煽られる場面があるが、キャップは「道を踏み外した事もあった、おかげで眠れない夜もあった。だが自由のために闘っていたんだ(スーン)」と堂々と言い放つ場面も良い(さり気なく「立派なキャップも、さすがに戦時中は殺しをしていた」と語る誠実なシーンでもある)。
本作のキャップはまだ自分のことを異邦人だと思っている。そのことや自分の過去の葛藤をスーンとした顔で隠し、現代人と対峙する、その態度がカッコいい。
唯一スーンとした顔が崩れるのは唯一、自分の本来の世界の人物である老ペギーのお見舞いにいった時くらいだ。
本作で、現代‥彼にとっては未来のアメリカに慣れようと悪戦苦闘するキャップ。だが彼が所属していたSHIELDはSHIELDではなかった事を知って死んだと思っていたが暗殺者となって現れたバッキーとの再会などによってキャップのスーンとした表情と、かつて命を捧げたはずの彼の信じた国家への想いに亀裂が入る。だがナターシャやフューリーやマリア、新しく知り合ったファルコンなどとの共闘や友情、そして我が身を犠牲にして、幽霊となってしまったバッキーを現世に呼び戻し、キャップは現代の世界も自分のものだと思えるようになっていったのではないだろうか。
まぁ次作「シビルウォー」ではキャップのホームと言えるアベンジャーズに亀裂が入ってしまうのだが‥。
あんまり上手くまとまらなかったが、本作は一本の映画作品としても、ユニバースの中の一つのピースとしても非常に完成度の高い一本なのは間違いないだろう。

MCUで一番多く観たのも本作だし、最初から最後まであらゆる要素が面白いので、感想の焦点を一箇所に絞れず掴みどころのない文章になってしまった。
これ書きながらまた観てた。細かい感想書く暇なかったが今回新たに思ったことだけ。この時のナターシャは最近とは違ってキャップに対して妙にイキった皮肉口調で喋ることに気付いて、そして言われたキャップが真面目だからちょっと嫌そうにしてるのがだんだん可笑しくなった。そういえばナターシャと言えばアベンジャーズのママ役、ツッコミ役だから彼女のキャラそのものに着目したことがなかった、いや着目しようとしても「ナターシャ=スカヨハ」という印象が強すぎてキャラが掴めなかった。そういえば「シビルウォー」の冒頭でも米倉涼子の声で「ごめ~ん人間観察するのが癖になっちゃってて」とかイキった高校生みたいな事言ってたな(訊かれてもねーのに)。本作でもジャスパー・シットウェルをビルの屋上から蹴り落として1秒後に「~あ、そうだ経理部のあの娘‥ローラだったっけ?いい感じよ彼女~」などとキャップに対して言うという、これ以上ないほどイキった態度も、今まで気にならなかったがそこに気づくと妙に可笑しい。ジャスパー・シットウェルは落ちたし一体誰に向かってイキってるのか?!キャップか?いや観客にか。とにかく引っ込み思案の弟にリア充の姉がちょっかいかけてるようにキャップに絡むナターシャが良いです。幼少期の姉を思い出しました。
もしキャップがゴミ箱にゴミを投げ入れるのに失敗したとしたら本作のナターシャなら「なに~?ゴミをゴミ箱の外に投げる練習~?w」とか米倉涼子の声で皮肉言いそうだ(そしてキャップが嫌そうな顔で「よく言うよ‥」と言って歩き去る)。
本作の時点ではナターシャはまだキャップと打ち解けきっておらず、また現代社会を「自分の居場所じゃない」と馴染めないキャップに対して外から棒で突っつくのが皮肉になって現れてたのかもな(同僚の女子を妙に薦めるのもその一環だろう)
ちょうど次のMCU作品は「ブラック・ウィドウ (2020)」だし、しばらくナターシャに着目していこう。
それにしてもまた3回観返して思ったが、EGでキャップとナターシャが引退してしまったために俺が好きなキャップ&ナターシャの逃避行シーンや作品全体の価値がまた一つ上がった気がした。
また近日中に「アベンジャーズ」見返して感想書いたらやっとインフィニティサーガの感想書ける。
‥なんか長くなったな。もう少し手短にまとめるのがベストか?
じゃあ終わらせよう。最後までとことん付き合ってくれてありがとう。

 

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そんな感じでした

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Captain America: Winter Soldier (2014) - IMDb

www.youtube.com

キャプテン・アメリカ:ウィンターソルジャー (ShoPro Books)

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Captain America (1968-1996) #175 (English Edition)

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