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映画やドラマの感想ブログ 😺 おしずかに‥〈Since.2015〉

『パペット・マスター』(2018)/ザラー脚本のおかげか冴えたシーンが多い優れたC級ホラー映画風のB級ホラー映画でした🧸

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原題:Puppet Master: The Littlest Reich 監督:トミー・ヴィクルンド。ソニー・ラグーナ
脚本:S・クレイグ・ザラー 製作国:イギリス/アメリカ 上映時間:90分
シリーズ:『パペット・マスター』シリーズ13作目

 

 

 

『パペット・マスター』シリーズの13作目だが、本作はリブート的な内容で過去作の知識は一切要らんらしいしNetflixで配信始まったので観た。最初に結論を言うとめっちゃ良かった。
Wikipediaで調べると『パペット・マスター』(1989)から始まる 『パペット・マスター』シリーズの13作目らしい、というか本作の後にスピンオフ的な14作目もひっそり作られて公開も既に終わってるみたい。1989年から、6年以上間が空いたことなくコンスタントに延々と作られてた事を今始めて知った。この『パペット・マスター』ってシリーズがあるのは知ってたけど実のところ一回も観てなかった。
同じく最近リメイクが作られた人形系ホラー『チャイルド・プレイ』(2019)も初めて観てとても面白かったの同様、本作も凄く良かった。どちらも80~90年代に有名で自分もホラー好きの少年だったが「うーん、人形かぁ……」と、”人形を軽んじる心”があって観てなかった。他に人形で有名なのだと『アナベル 死霊館の人形(2014)のシリーズがあって一作目だけ好きだが、これも正直「人形かぁ」と”人形を軽んじる心”によって長い間積んでた覚えがある。やっぱ人形は圧倒的に質量が小さいので「そんな人形なんかサッカーボールキックで壁に叩きつけてフラッシング・エルボーぶち込めば一撃で倒せるだろ!」という”人形を軽んじる傾向”があり怖さを感じないせいだったのかも。でも本作も『チャイルド・プレイ』(2019)も『アナベル』一作目も良かったから”人形を軽んじる心”は捨てよう。そういえば僕には”怪獣を軽んじる心”もあったのだが近年色々観てその偏見も消えてきた。
監督はよく知らんヨーロッパのホラー監督、脚本は映画好きの間で人気のS・クレイグ・ザラー、『トマホーク ガンマンvs食人族』(2015)しか観てないけど突発的かつリアルで意外な死や展開が多くて面白かった。他のも観たいのだがこの監督を好きな人はやたらと熱狂しててうるさいので、その臭みが取れたら観る。
ネタバレあり。とはいえ本作もネタバレがどうこうという内容でもない気がするが……。

 

 

 

80年代、ドイツからやってきた怪しい老人トゥーロンウド・キアー)。
彼はかつて不思議な力でパペットを操ってユダヤ人や同性愛者を虐殺していた元ナチスだった。アメリカでも気に入らない同性愛者を殺害していたが警官に踏み込まれる、カメラは建物の外から建物を映してるだけだがトゥーロンは警官隊に蜂の巣にされて絶命!ここでルッソ監督のMCU作品みたいにクソでか白フォントでタイトルが出る『Puppet Master: The Littlest Reich』バーン!かっけ!そしてOPでは音楽に乗せてトゥーロンが呪いのパペットを作って虐殺したりアメリカに逃亡したりというトゥーロンの半生が紙芝居のように語られる。いいじゃない。
「パペット・マスターぁ?まぁ観てみるか一応」……と舐めくさった態度で再生したけどB級っぽくてテンポ良く洗練されたアバンとOPで期待が一気に高まった。
トゥーロンは、旧シリーズでも殺人パペットを作ってた人形師の名前らしいがリブートらしいので別人だろう多分。あとパペットの数体も旧作……のジャケットとかで見たことあるけど観てないので以降、一切旧作要素の言及はしない、できんし。
時は流れて現代。
妻と別れて現在のテキサス州ダラスのコミックショップ。
接客している主人公の男性はコミック・ライター兼アーティストでもあって『マダム・ライトニング』という作品がヒットしたが、妻と別れた傷心でスランプになって二作目が描けないでいるらしい。が、映画開始して割とすぐ新しい恋人ができた。
口数の多いグラインドコア好きの店長は主人公の親友っぽい。
邪悪なナチス人形師トゥーロンをブッ殺した建物は今ではその事を記念したトゥーロン博物館になっており、そこで散逸してしまった数十体のトゥーロンのパペットを買い取るイベントがあるらしい。
主人公の弟もトゥーロン作のパペットを手に入れてすぐ謎の死を遂げたらしい。主人公は弟の形見であるトゥーロン製パペットを手に、新恋人と親友の店長と三人で出かける。
トゥーロン博物館ではトゥーロンを射殺した婦人警官がツアーコンダクターしていた。この婦人警官を演じるのはバーバラ・クランプトン。彼女は一作目の『パペット・マスター』(1989)に出てたらしい。あと『ZOMBIO/死霊のしたたり』(1985)とか『フロム・ビヨンド』(1986)での主演が有名なスクリーミング・クイーン。僕も子供の頃、姉に『ZOMBIO/死霊のしたたり』を観せられてバーバラ氏の全裸を観て興奮した覚えがある。そんな人が世界中にいるみたいで本作とか『喰らう家』(2015)とか最近のホラー映画にもちょいちょい出てくる。基本的に顔が若い時のまま殆ど変わってないタイプの人なので60歳過ぎてるのだが40歳くらいにしか見えない。
バーバラがパペット譲渡会に集まった人たちや我々観客にトゥーロンの事を説明する。改めて教えてくれなくてもOP紙芝居で大体わかってたけど、まぁいいや。射殺されたトゥーロンは近くの墓所に眠っおり、墓所には妙なアンテナが立っている……という新情報。
その後、恋人を作りたい主人公の親友がバーで美人のナンパに失敗するが趣味が合うオタク女性と知り合う。この辺は、くだりは後で死んだり助かったりする脇役の紹介になっている。
パペット譲渡会に集まった、パぺット所有者とトゥーロン製の殺人パペットは近所のホテルに泊まる。トゥーロン墓所にある謎めいたアンテナ……。
という事で準備は整った。殺人ショーの始まりだ。

 

 

トップ画像にした火炎放射器を持つパペットがいちゃつくカップルを焼き殺す。
トイレで小便してるおじさんの首を斬り落としおじさんの頭部は便器に落ちて自分で自分の顔に小便をかける事に……(おじさんの首があったとこから自分の男性器や便器を見下ろす主観視点なのだが、おじさんのチン先をノーカットだった。本物のチンコなのか作り物なのか謎だが、先っぽだけならカットしないんだね?たまにチンコを隠す映画隠さない映画があるが基準が謎だ)。
女性器から入っていって腹を突き破る、とか男性の胸に入っていき男性に成り代わるパペットもいる。
グロといえばグロ描写なんだろうが、80年代ホラー的な笑って欲しい感じのマンガっぽい残酷描写なので観て気分悪くなる人もいないと思う。それよりオッパイとかSEXシーンをガンガン映すってのが、もうアメリカエンタメ映画では無い事なので何だか懐かしい気分になった。
近所の警察官は、容疑者として生き残った客やホテル従業員などをロビーに集める。
だが停電が起こってパニックを起こした客が外に出る。それを待ち受けてたパペット達による大殺戮!これで三分の一くらいやられる。再びロビーに閉じこもる生き残り達。
殺人パペットだ!
知ってる知ってる!みんな見とったからな!
この辺は話が早くていい。昔から映画やアニメで「人形が襲ってきた!」→「またまた、こいつ頭イかれてるぜ笑」→襲われる!みたいなのって、イライラするし面白くなかったので端折ってくれて助かった。
パペットは一応、からくりで動くものの霊的なパワーで動いているため、そのパペット分の質量からは見合わないくらいのパワーを持っている。ヘリコプターみたいなパペットは二回斬るだけで大柄おじの首を撥ねる。だけど基本的には油断した相手を暗殺するための殺人パペットなので、人間がパペットをガシッと掴んで殴ったり床に叩きつけたら普通に壊れる。色んな種類あるけど人間の死体の中に入って操ることができるパペット”ミニ総統”が一番強い気がする。他の奴らは、パペットという立場を利用して暗殺するという利点を除いたら物理的には兵士やドローンの方が強いですよね。
そんな感じで破壊したり殺られたり……の攻防。
ホテルの黒人バーテンの通称”クマさん”もドリルパペットと格闘。殺されてしまう警察署長の部下の「僕は狙われます、だって……」と言った警官は理由がわからないまま殺されてしまうが、あれは彼は実はゲイだったって事だったのかな?
主人公と恋人、主人公のお調子者の親友と知り合ったオタク女性はホテルの一室に籠城する。近くから助けを求める女性の声がして助けに行きたいが死にたくないと葛藤する親友カップル。するとパペットに殺されかけてる女性はユダヤ人に伝わる言葉で祈りの言葉を唱え始めた。
「もう見て見ぬ振りはゴメンだ!」
お調子者の親友が打って出る。彼もユダヤ人で曽祖父はアウシュビッツに居たという、助けを求めてたユダヤ人女性はもう死んでるだろうけどナチをぶっ殺してやる!という……基本、皆がサバイブするというのが目的のホラー映画の中で、義憤にかられた人物が損得を超えた行動に出るという展開は熱い。『ホステル』『アフター・ショック』とか、イーライ・ロスのホラーでよくあるけど好きだわ。
当然、ユダヤ人女性は殺されていたがパペットを怒りで何体も破壊する親友。だがやがて親友もやられてしまう。
主人公たちは親友の「窓から飛び降りろ」という遺言を聞き
トゥーロンの墓地、あれ怪しかったよな?あれをぶっ壊そう!」と窓からゴミ捨て場に飛び降りる。
ただ、親友がナンパしたオタク女性、彼女だけが着地に失敗して顔面を強打して即死してしまう。この無駄な突然の死はS・クレイグ・ザラー味を感じた。ちょくちょくある、こういう良いシーンが本作を良くしてる、と思ったが、このシーン観ても「飛び降りに失敗してパペット関係なく死ぬシーンが何で良いの?」と訊いてくる感じの人にどう説明すれば良いのかはよくわからん。
主人公と恋人はトゥーロン墓所に突撃。最近蘇ったのか、又は焼死体のまま何十年も生きてたのかはわからんが焼けただれたトゥーロンが、怪しいアンテナを通して霊的エネルギーを放出してパペットを操ってたらしい。
トゥーロン墓所の中から80年代的な色付きのライトを背に浴びてヨタヨタ歩き出てくる。彼女に襲いかかったトゥーロンを、主人公は棒で殴ってひるませたのだが恋人に「大丈夫か!?」とか言ってる間にトゥーロンはヨタヨタと墓所に入ってナチの銃を取り出し、またヨタヨタ出てきて彼女は撃たれてしまう。そしてどこかへと夜の闇に消えるトゥーロン……。というか主人公は何しとんねん。最初に殴ってトゥーロンが怯んだ時にそのまま全身バラバラに出来たのにね。「敵を殴って、軽症を負った彼女に駆け寄って大丈夫かとか言ってる間にやられる」って、かなりしょうもない展開なんだが、ここまでずっと冴えた展開だったのに何でここだけこんな感じだったんだろう。
恋人の脳が飛び散るカットは良かったけどね。
まぁとにかく生き残った主人公はそれを二作目のコミックにしてヒットするというオチ。酷い目に遭ったが創作に活かせたという『ミッドナイト・クロス』『ミザリー』を思わせるオチ。何なら「ここまでの全編は全て漫画だった」という観方も出来なくもないイカしたラストだ。
そういえば主人公の一作目『マダム・ライトニング』は別れた妻をヒーロー化したコミックで、だから離婚したら漫画が描けなくなり、新恋人も『マダム・ライトニング』を読みたがらなかった……という事を新恋人が告白して2人の結びつきが強くなるシーンも人間味あって良かった。この辺もザラー感を感じたな。
そんな感じで何かC級ホラー映画の雰囲気のB級ホラー映画って感じだった。要所要所で褒めた展開など良いところも多くて、完全に舐めててハードル低かったのもあるが凄く楽しかったです。
それと「どうせ強くないから……」という俺の”人形を軽んじる心”だが、人形ホラーに限らずロメロの遅いゾンビもそうだけど、人を襲う時は皆「カメラのフレーム外からいきなり現れて首を切り裂いてくる」って感じでやってくるから実は人形だろうがトロいゾンビだろうが、演出さえ良ければバケモノはどんなもんでも面白いホラー映画は成立するんだよね、それを思い知った(まぁ「豆腐が襲ってくる」とかになると、さすがにホラーじゃなくなるだろうけど)

 

 

 

そんな感じでした

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Puppet Master: The Littlest Reich (2018) - IMDb

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『カラー・アウト・オブ・スペース -遭遇-』(2019)/物体X+ゾンビみたいなシンプルすぎる話ながら細かい描写や演出のこだわりが好き🧠

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原題:Color Out of Space 監督&脚本:リチャード・スタンリー
原作:H・P・ラヴクラフト『宇宙からの色』(1927)
製作国:ポルトガルアメリカ / マレーシア 上映時間:111分

 

 

 
H・P・ラヴクラフトの『宇宙からの色(異次元の色彩)』を映画化したホラー。
ラヴクラフトは何となくボンヤリ好きで、各種映像作品や朗読や漫画で有名な作品は大体知ってて好きだったりするんですが肝心の原作小説は殆ど読んでない感じです。だからクトゥルー神話について偉そうな事言えないので名状し難いほどのウンチクは書きません。漫画だと色んなラヴクラフト作品を現在進行系かつ精密な作画で漫画化してる田辺剛氏による『ラヴクラフト傑作集』がオススメです(本作の原作も出てる。リンクは一番下)。
クトゥルー神話は中高生の頃に創元推理文庫のカッコいい『ラヴクラフト全集』を読もうとしたんですが挫折した気がする。恐らく文体が読みづらかったのに加え、当時は思春期特有の万能感を持ってたから、人間が旧支配者や人外に成すすべもなく殺されるというヤラれ展開が嫌だったんだと思う(子供だね)。でも知らん間に、旧支配者や人ではないものに成すすべもなくやられてしまう展開に、思春期の頃とは全く逆でカタルシスを感じるようになった。多分、加齢のせいだと思う。たとえばエイリアンで言うと、子供の頃はエイリアン達をやっつける『エイリアン2』が大好きだったのに中年になったら、人間は完全生物ゼノモーフに全く太刀打ちできず何とか宇宙に放逐して逃走する……という『エイリアン』一作目が至高!と思うようになりました。そんな感じでクトゥルー神話の旧支配者やバケモノにもエイリアンと似た強さや美しさを感じるようになりました。Jホラーの幽霊も全く倒せないところが好きだし。
ネタバレあり(というかネタバレして困るところとか無いと思うけど……)

 

 


人里離れた〈アーカム〉という土地の農場で幸せに暮らしていたガードナー
ある日突然、庭に不思議な見た事のない色の隕石が落下したのを境に、ガードナー一家は不思議な〈色(カラー)〉に心身が侵食されていく……。
そんな話。ストーリーは上の一文で事足りる。それ以上でもそれ以下でもない、お母さんが風邪引いた日にお父さんが珍しく作ってくれた食事みたいにシンプルなコズミック・ホラー映画。やろうと思えば10分くらいの短編映画で充分語り終える事が可能な物語。さっき「ネタバレなんかどうでもいい」と書いた理由はそれ。「宇宙から飛来した隕石から出た〈色〉に田舎の家族が滅ぼされる」これだけ。
侵略してくる〈色〉という存在の名状し難い斬新さと魅力。あと物語がシンプルなだけに登場人物やそれを演じる俳優達の魅力が味わい深い。
逆に言うと本作を観て「この映画って一体、何が面白いの!?」と思う人も多そう。特に凝ったストーリーとか伏線回収とかどんでん返し等、口で説明しやすい面白さを求めてる人が観ても面白くないかもしれない。YOUTUBEの10分で全ネタバレする動画とか好んで観る人にはちっとも面白くない気がする。
このアーカムという土地はラヴクラフトの他の作品でも頻繁に出てくる架空の土地。バットマンに出てくる、ジョーカーを始めとする精神異常の犯罪者を収容する精神病院アーカムアサイラムという名前はラヴクラフトアーカムから取ったらしい。それにしても「アーカム」って本当に良い響きの名称だよね……。
ガードナー家の父親、ネイサン・ガードナーニコラス・ケイジ)は若い時は画家を志してたらしいが歳取って地元に帰ってきた中年男性。仕事は何してるかよくわからんが牧場主かな?どういう訳かアルパカをたくさん飼っていてアルパカの乳を絞ったり食肉にもするつもりみたい……いや食肉はジョークか?よくわかんなかった。「牛や豚じゃなくて何でアルパカ!?」と思わされるし監督の妙なこだわりを感じる。父ネイサンは割と早い段階で〈色〉に蝕まれる。数十年前から大袈裟な演技で人気のニコラス・ケイジ、最初は抑えた演技だったが後半は如何にもニコラス・ケイジって感じのデカい馬鹿演技で暴れまくる。
母親テレサ・ガードナージョエリー・リチャードソン)は、ネットで何か取引する仕事を在宅でしている女性。彼女は速攻で〈色〉に侵食される。ネイサンとテレサは愛し合っている。
長女ラヴェニア・ガードナー(マデリン・アーサー)は思春期の少女らしく、父にちょっとだけ反抗したり水質調査で来たカッコいい青年のワード氏が気になったりする普通の女の子。愛馬を可愛がっておりウイッカン(現代魔女術)的な儀式にハマってる女の子。本作は彼女の儀式によって始まる。ワード青年に色目を使ってるのをママに軽く指摘された後、部屋で号泣してる場面も「え?そんな号泣するような事か?」と意外だった。このシーンといいウイッカンといい、やはり妙なこだわりを感じて味わい深い。この娘は一番最後まで〈色〉の侵食に対抗できていた。魔術の儀式のおかげか?凄く童顔なので子役かと思ったら24歳の女優だった。
長男ベニー・ガードナー(ブレンダン・マイヤー)は愛犬と大麻と宇宙のゲームが好きな、全体的に良い感じの少年。ラヴェニア同様、凄く童顔なので子役かと思ったら26歳の俳優だった。

次男ジャック・ガードナー(ジュリアン・ヒリアード)は6~10歳くらいの男児。ママ同様、早い段階で〈色〉に侵される。
学者ワード・フィリップス(エリオット・ナイト)は地下水の調査で訪れた青年。ラヴェニアに好かれるイケメン好青年。彼の名前は原作者の本名ハワード・フィリップス・ラブクラフトに似てるのでラブクラフト本人をイメージしてるんだろう。「〈色〉に遭遇して、奇怪な事件を書き記す使命を帯びた」って設定なのかもしれない。差別主義者だったラブクラフトを黒人の俳優が演じてるのも意識的な面白さだと思った。
原作だとワードのポジションの学者が主人公ポジションだった気がするが本作はガードナー家メインで話が進む。
老いた変人エズラは、ガードナー家の近所に〈Gスポット〉という名の猫の住む老人。元ヒッピーっぽい雰囲気の変わり者。アメリカのエンタメ映画では、便利キャラとしてマジカル・ニグロ(白人に尽くすためだけに才能を持たされた黒人のキャラクター)とかマジカル東洋人などが居たが近年は差別的だから消えた。『(500)日のサマー』のクロエ・モレッツなどのマジカル幼女などもいるが基本的には老人が知恵を授けるマジカル役になりがち。最近は「雑貨屋やコンビニエンスストアの白人の老いた店長」とか「白人の老いたホームレス」がマジカル役やりがち。何故か猫を飼ってる事が多い。彼もまたマジカル老人で、割と序盤から真実を見抜いており終盤でも解説してくれる。このやり方が最高だったが後述する。
メイン登場人物はこれくらい。後は市長と警察官と動物しか出てこない。

 

 

 
ガードナー家の庭に落ちた隕石。そこから名状し難い〈色〉が漏れ出て、周囲の人間の心身、生物や植物などにも影響を及ぼして侵略する。なお隕石落下の周囲では電話線や電波、スマホWi-Fi、電子機器が全て狂ってしまう。
〈色〉はカラー映画の便宜上、ピンクにしか見えないが一応「一見ピンクだけど、よく見たら何色なのか見たことない色彩」という設定らしい。地球には無い異星の色彩なのだろう。
精神と肉体、どちらか片方だけ侵略する設定ならありそうだが2つ同時というのが面白い。人間や動物の肉体が変質してしまう様、それによって小さな一つのコミュニティが不和になっていく様などが、ジョン・カーペンター監督がクトゥルー神話に影響受けて作った傑作『遊星からの物体X』(1982)と似ている(というか本作はほぼ『遊星からの物体X』)。『物体X』の場合は本体がよくわからんものの〈寄生生物〉という物理的な生物なのだが、本作の場合〈色〉という物質じゃないところが面白い。まぁ、この映画を観てると〈色〉というより明らかに〈光〉とか〈ガス〉っぽい表現なのだが、〈光〉が異性生物なのはよくある(『コクーン』とか……)。本作の場合、侵略してくる存在が〈色〉っていうのが凄みのある面白さを産んでいる。というか〈色彩〉という形態を取った異星人なのか、異星の兵器なのか全くわからないところも良い。これが悪魔とか悪霊といったオカルト的な存在ではなく、あくまでも「異星から落ちてきた隕石から出てきた色」という三次元に確かに存在する、ここに見に来れば誰でも見れる〈何か〉だというところが凄く良い。霊とか悪魔とかオカルトは大好きだが、ことクトゥルー神話に限っては一部の人しか知覚できないオカルト的な存在ではなく、誰でも観測できる恐ろしい存在が驚異っていうのが物凄く良い。どうせならビジュアルも光やガスっぽいビジュアルじゃなく、本当に物から物へ〈色〉が移り変わる描写してほしかった。
この作品の何分の一かを占める魅力は、登場時が〈色〉としか呼ばないところ。ここに値千金のセンスを感じる。不思議な存在というものは、その真実の正体も大事だが結局は観測者がどう表現するかによって全てが決まる。その正体以上に大事なのが、誰かが冴えた形容する事によって生まれる幻想だ。我々が全員持ってるスマホだが、こんなの存在知らない人が突然見たら完全に魔法とかオーパーツとしか思えないわけで、だが正体を知ってしまうと只の機械だ。UMAとしか思えない動物もいっぱいいる。キリンや象も当たり前の存在だが、もしキリンや象がどこかの山奥に数頭しか居なくてそれを初めて見た人が喧伝しても「首や鼻がめっちゃ長い生き物!?いるわけねぇだろ!そんなもの」としか思われない。誰も知らなければ魅力がある。だが象やキリンが学術的に分析されてしまと只の愉快な動物でしかない。〈色〉も同じだ、正体の説明もなく近所の老人の戯言や終盤一瞬だけ幻視する異星の光景から何かを推測するしかない。ラヴクラフト氏は84年も前によく、こんな「色が侵略してくる」という凄い設定を思いついたよね。「宇宙から落ちてきた隕石から出てきた〈何か〉が地球を侵略」……とか、パッと聞いたら「よくある話じゃん」と思うかもしれない、だが84年前だからね。自分が84年前の作家になった気持ちに本気でなって想像すると、その凄さがわかる。絶対に思いつかない。というか他の作品の旧支配者とかクトゥルー神話のバケモノとか、見た目も能力も存在のデカさも、他のエンタメのモンスターとは全く違うオリジナリティありすぎる存在だ。それが未だに人を魅了し続けてるんだから凄い。
ガードナー家の近所を物理的に侵食した〈色〉は、更に動物たちやガードナー家や近所の変わり者老人エズラの精神をも侵し始める。
最初に〈色〉の奔流をモロに見てしまった幼い弟とメンタル弱そうなママが不調をきたす。そして愛犬とアルパカ。
パパも、本当に徐々に怒りっぽくなっていく。皆が変調していく様子をじっくり描いてるので(何しろこれしかストーリーがないので描きたい放題だ)。最初は「久しぶりにニコラス・ケイジ見たけど割と普通のパパ役だな」と思ってたけど後半になると、もういつものアホみたいなニコラス・ケイジに戻った。「まずい!まずい!」「うーん!なるほど!まずい!」とか言って桃を食い漁っては全力投球でゴミ箱に捨てる。「なるほど、後半のニコラス・ケイジ演技を引き立てるために前半では、わざと全力で自分を抑えて善良なパパ演技してたんだろうな」と思い知らされた。終盤だと「いい加減にせい!」ってくらいニコラス・ケイジ全開になるので「ひょっとして、これがやりたくて、この映画作ったのでは?」とすら思った。
昼だと思ったら夜になったり「時間の流れがめちゃくちゃになってる」という設定もワクワクする。だが、この土地の時間だけが他所より違ってるとも考えにくいので、この辺は「〈色〉に侵された人の精神がおかしくなって時間感覚も狂ってる」って事なんだろう。大麻でブリった人が時間感覚わかんなくなる感じなをイメージしたのだろう(僕は大麻の事よく知らないけども)。
他には、やはりウイッカを嗜むゴスっぽい長女ラヴェニアが、かなり良かった。この女優、本作で初めて観たけど躁鬱っぽい雰囲気がめちゃくちゃ良い。
〈色〉に捕まったママと末っ子が一体化して屋根裏部屋にとりあえず隔離して、末っ子と合体したママを診てる皆が衰弱していく様子や、パパがショットガンでママと末っ子を殺す……と見せかけて殺さなかったり、長女を差し出して物体X的な変態を遂げたママに食われそうになる辺りも非常に良い。この辺はゾンビ映画だ。そう、本作はゾンビ映画の要素もたくさんある。反抗気味で土地から逃げようとしてた長女なのにパパの悲劇的な最後に号泣して家に残る宣言する辺りも意外で良かった。まぁ、ラヴェニアも精神を〈色〉にやられて正常な判断できなくなってたんだろうけど。
……さっきから「良かった」と言うばかりで一体何がどう良いのか上手く説明できてない気がする。ストーリー自体はシンプルすぎる一本道なんだが、細かい描写や展開が、ステレオタイプでなく、登場人物が生きた感じして良い。わざわざアルパカ借りてきてるのも面白いし。では何故、本作の色んなところが良いかを上手く具体的に説明できない、まぁいいか……別に説明しなくても。
イケメン黒人学者ワードと警官が、壊滅したガードナー家を半ば諦めて、近所の変わり者じいさんエズラを尋ねると、老エズラ本人は椅子に座ったまま伊藤潤二的なミイラになっており、ジジイが吹き込んだ音声テープが「〈色〉の侵略」について滔々と述べる音声が再生され続けてる辺りもめちゃくちゃ良い。普通だったら狂いながらかろうじて生きてるジジイが口で説明してワード達に襲いかかって撃たれて死ぬ展開を描くはずだが、本人は既に死体になってて「〈色〉の侵略について語る録音テープが再生され続けている」っていう回りくどさが、たまらない。警官は狂った木に殺される。
ニコラス・ケイジ演じるパパはさっき一回死んだがワードが戻ってくると普通にカウチに座ってる。ワードが「あんた死んだはずだろぉぉぉ!」と絶叫するのも良いし、起き上がったニコラス・ケイジが、劇中、家族が言ってた台詞を家族の音声で喋るのも凄く良い。この辺り一帯に蔓延した〈色〉が、一帯で発せられた音声を記憶しており特に意図もなく機械的に再生しただけって雰囲気が良い。
また、前半の家族や動物達は魅力的かつ幸せそうだったので「皆、死んじゃって可哀相」と一抹の寂しさも感じた。
そして〈色〉の奔流がワード青年に見せたビジョン!
〈色〉の母星だと思われる異界の景色、玉座を思わせる岩……それをワードが幻視させられるシーンも非常にワクワクさせられた。そして、そのワードによるラストのシメも味があった。
この監督はラヴクラフト好きらしいし是非、制作費を積んで他のも映画化して欲しい。
本作のCGも、別にショボいわけじゃないけど割とマンガっぽかったし、本作は細かい描写が妙に上手かったから『狂気山脈』みたいな壮大なものじゃなく、僕が好きな『家のなかの絵』などの、本作同様に地味かつ観客に想像させる感じの作品が合ってる気がする。スティーブン・キングばっかり映像化するのもいいけどラヴクラフトも、もっとメジャーな映画化してほしい。そしていつの日かMCUみたいなクトゥルー・シネマティック・ユニバースが展開しだしたら最高だ。

何か、何ら具体的な褒めが書けなかったが、本作が合わなかった人に「ここがいいよ」と幾ら具体的に言っても多分まったく通じない気がするからこれでいい。
そもそも僕はジョン・カーペンターデヴィッド・リンチクリント・イーストウッド、それに昔のクローネンバーグやトビー・フーパー、あとホラー全般とアメコミ映画などB級映画(もしくはかつてB級だったジャンル)が一番好きなので本作は正にそんな感じで好きに決まってた。

 

 

 

そんな感じでした

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Color Out of Space (2019) - IMDb

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宇宙からの色 ラブクラフト傑作集
 
ラヴクラフト全集 4

ラヴクラフト全集 4

 
宇宙からの色

宇宙からの色

ラヴクラフト全集4

ラヴクラフト全集4

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『ジュピターズ・レガシー』全8話/過去のシンプル冒険が意外と面白かったが現代をもっと描かないとアカンのと違う?👨‍👩‍👧‍👦

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原題:Jupiter's Legacy 原作:マーク・ミラー、フランク・クワイトリー
制作&配信サービス:Netflix 製作国:アメリカ 配信時間:各話約60分、全8話

 

 

 

アメリカンコミックのライター(原作者)のマーク・ミラーがDCやらMARVELでも人気ライターだったが、やがて〈ミラーワールド〉という自分だけの出版社を立ち上げた。 ミラーは自分オリジナルのコミックを次々と映画化し『ウォンテッド』『キック・アス』シリーズ、『キングスマン』シリーズなど、どれも大ヒットしている。本作もミラーワールド作品らしい。自分だけの出版社とか自分の作品の映像化を全部ヒットさせるとか難しくて達成できる人ほとんど居ないのにミラー氏はことごとく成功させてるよね。よほど本人や周囲の人が才能あるんでしょうね。僕はというとミラー氏のコミックや映像作品は必ず面白いので要チェックなんですが彼のストーリーは、面白さのためや必要なくなったキャラクターをテコ入れのために突然、無残に殺したりする事が多く……まぁどんなフィクションもそうですが……彼が作る作品はそれが顕著で、かつ僕があんまり好きじゃない殺し方する事が多く、ミラー氏のストーリーでつまらないものは少なく面白いことは面白いんですが個人的は心の底から好きじゃない感じです。
Netflixが莫大な資金でミラーワールドの版権を買い、何年か音沙汰なかったけど第一弾がこのドラマみたいだね。ユニバースごと権利を買ったんだから将来的にはアベンジャーズみたいに合流させるんだろうか?

 

 

 

主人公のサンプソン家を始めとするスーパーヒーロー家族をメインに、彼らのもとに集まったヒーローたち、彼らの過去のオリジン(誕生譚)と現在が同時進行で描かれる。

過去
1929年、シカゴ。ウォール街大暴落を受けて〈資本主義の象徴〉と呼ばれた大富豪が自殺。その息子だったシェルドン・サンプソンは身投げした父の死を目の当たりにして以来、不思議なビジョンを見るようになる。シェルドンはヴィジョンに従って”何か”を追い求めて放浪の旅に出て、兄のウォルター・サンプソンや親友のジョージ・ハッチェンス、父を糾弾した女性新聞記者のグレース、父が仕事を奪った黒人青年フィッツ海上で拾った船医リチャード……などビジョンに出てきた仲間を集め、放浪の末に見つけた座標へと冒険の旅に出る。

現在
シェルドン達がパワーを得てスーパーヒーローとなりスーパーヒーローのチーム〈ジャスティス・ユニオン〉を結成してから約90年後
偉大なヒーロー〈ユートピア〉ことシェルドン・サンプソンとそのスーパーヒーロー家族サンプソン家やジャスティス・ユニオンのもとに集った若きスーパーヒーローたち。しかし今はもう「スーパーパワーを持った犯罪者……スーパーヴィランをぶっ飛ばして終了!」というお気楽なゴールデン・エイジではない。ヒーローたちはヴィランを倒す自警活動にも、シェルドンが定めた〈コード〉と呼ばれる規則に雁字搦めにされていた。
ある時、ユートピアンの息子ブランドンは友人である若きヒーローたちをスーパーヴィランに目の前で惨殺された怒りで我を忘れてヴィランを殴り殺してしまう。
コードを破った事で父に糾弾されるが、他の若いヒーローや世間はブランドンを支持する。1930年代の理想のまま時が止まっているユートピアンは、この事件を発端とした数々の事件を通じて、自分が定めたコードがもはや現代に対応できていない事を徐々に思い知っていく……。

そんな感じの話。

 

 

 

過去のオリジンも現代のストーリー……ジャスティス・ユニオンのコードを巡っての連続事件に収束するので一見そっちがメインに思えるが、実のところ90年前のシェルドンがアメリカを放浪してヒントを手に入れ、海上の座標で兄や仲間たちと共にスーパーパワーを得るというオリジン(誕生譚)の回想が異常なまでに長く、ほぼ全話かかって描かれる。どっちかというと現代よりも過去編のオリジンの方がメインだと感じた。
そんなオリジンと現代での事件を同時に語ることで刺激的に長い時間のストーリーを味わうことができた。
現代編は「今どうなってるか」とか各キャラクターの紹介といった感じ。
2日くらいでさくっと一気に観れてしまったので充分面白いドラマだったんだけど、さっきも言ったように過去編でのシェルドンが放浪したり冒険するくだりが本当に長い。「シェルドンが幻覚を見てノイローゼになったり座標を探すために風車を探して歩き回るのとか……面白いけどこんなにじっくり描く必要あったか?」と観終えた後で少し思った。「長い」と言っても文句ではなく、このオリジンは面白いので別に文句ない。何か凄く古い海外冒険小説を読んでるみたいな感じで童心に戻れて楽しかった。それより過去から現代までの間で何があったのかの描写がオリジンに比べて凄く少ないのでその辺は想像するしかない。終盤で「黒幕は、君たちも知ってるコイツだ!」「更に黒幕は……君たちも知ってるコイツだったぁ!」とドヤ感を伴って見せつけてくるのだが、過去にヒーローになってから現在までの間で彼らがどんな活躍してたのかとか何故、悪堕ちしたのかは全く描かれてないので「あ、はい……」という想いしか浮かんでこなかった。もちろん何があって暗黒面に堕ちたのかとかは想像つくけど全くその過程は描かれてないので感動したりとかは一切ないですよね。彼らが得たパワーも一体何なんだろう(タイトルにもなってるから木星の遺跡に残されたパワーを得る装置とかそんなんだろうけど)。
キャラ的には現代パートで出てくる、スーパーパワーを持つ仲間と共に犯罪者をしてるジョージの息子ハッチが凄く良かった。全くスーパーパワーを持ってないけど自由にテレポート出来るスティックを持ってるのだが(恐らく父がユニオンのドクター・ストレンジっぽい奴から盗ったんだろう)、スティックを敵に持たせて「サメの多い深海に行け」と言って「戻ってこい」と言うだけで敵は即死するし、テーブルに置いたスティックに向かって「○○の心臓に行け」と言って自分より遥かに強いスーパーヴィランを即死させたりする。最初は道具でテレポートするだけの小悪党かと思ってたが、このスティックは実質的に「『死ね』と言ったら相手が死ぬ能力」を持ってるも同然なので意外性あって面白かった。ハッチは自由だし伸びしろもあるし、コードに縛られてるサンプソン家やユニオンのヒーローたちより面白い。どうせならコイツを主人公に……って思ったけどそれは『ザ・ボーイズ』か。
ユートピアンはスーパーマンのパロディなわけだが、本作や『ザ・ボーイズ』『ブライトバーン 恐怖の拡散者』『インビンシブル ~無敵のヒーロー~ ※観てないけど』など、スーパーマンのパロディとしてのメタヒーロー映像作品が多く作られてるのに本家DCのスーパーマンは長いこと眠ったままだね。次のスーパーマン映画も別アースの黒人スーパーマンらしいし、それってつまり本家によるパロディ……エルスワールドですよね。白人のクラークは現代アメリカを描くのに適していないのだろうか?
あと、現在と過去の映像の切り替わる時に「電球のアップ→ヘッドライトのアップ」といった感じで似た映像を切り替えに使ってるのが原作の『ウォッチメン』っぽかった。
それにしても主人公ユートピアンは一体どういうキャラなんだろう。過去編では混乱していたが目的地に皆を導いて自己実現したかと思ったら全盛期?は飛ばされて現代では、若い世代や現代に合わせて全くアップデートできていない、時代に取り残された只の力自慢おじでしかなかった。最終話に至っても家族に愛想を尽かされつつ騙されて終わった。混迷する現代アメリカを反映したキャラなのかな。
二日で一気に観れるほど面白かったけど、いざ観終えると「一気に観たけど一体何だったんだろう」という気も少しした。最初の数話は「社会に結びついてて、内向きの『アンブレラ・アカデミー』『タイタンズ』より面白いな」と思ってたけど最後まで観ると本作もやっぱり内向きのストーリーだったような気もする。
また真っ白いスーツを着たおじさんおばさんのヒーローというのも、なかなかインパクトあった。映像はしっかりしてるんだが白タイツ着た中年たちがスーパーパワーで飛んだり跳ねたりというのは、あまりに続くとヤバい感じがするせいか、彼らが闘うのは最初と最後だけだった。それでいいと思う。
面白い事は面白かったけど最後まで観ると不思議なドラマだったな。過去と現在を同時に描く構造は面白かった、過去は充分すぎるほど描いてたけど現代がちょっと少なくてバランス悪いよね。シーズン2に向けての前フリって感じでしたね。

 

 

 

 そんな感じでした

マーク・ミラー原作映画〉
「キングスマン (2014)」 愛と師によって最強の紳士に成長しレイシストを皆殺しにする爽やかな映画☂ - gock221B

「キングスマン:ゴールデン・サークル (2017)」ファンが望む要素を推し進めた続編っぽさとユニバース化の準備☂ - gock221B

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https://www.netflix.com/jp/title/80244953

Jupiter's Legacy (TV Series 2021– ) - IMDb

www.youtube.com

Jupiter's Legacy Vol. 1 (English Edition)

Jupiter's Legacy Vol. 1 (English Edition)

 
Jupiter's Legacy #2 (English Edition)

Jupiter's Legacy #2 (English Edition)

 

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『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』(2019)/最初の40分を過ぎて以降はめちゃくちゃ面白い!2回目は最初から全部面白い⚔️

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原題:Knives Out 監督&脚本&制作:ライアン・ジョンソン 製作国:アメリカ 上映時間:130分

 

 

 

この映画はミステリーなので久々に殆どネタバレ無しの感じで書こう。
……まぁネタバレ無しと言ってもミステリ好きや映画好きが、感想読んだら推測できるだろうから、なるべく最初に映画見たほうがいい。最初に言うとめちゃくちゃ面白かったったのでオススメです。
だから感想短くなる代わりに前置きと本作を観るまでの話が長いので、感想だけ読みたい人は3行の改行が挟まるまで、このブロックを飛ばしてもOK。
「ちょっと昨年末から忙しかったりゲームしたりで映画観る本数が激減して更新頻度が遅くなってるな」と気にしてたので、このコロナGWは映画いっぱい観ようと観てますが、全部ブログに書こうと思ったら大変だし、よほど「ブログに書き残したい!」と思わない程度のものはFilmarks(映画感想アプリ&サイト)に書いてます。
gockさんの映画レビュー・感想・評価 | Filmarks映画
感想書く事自体は、そんなん観てさえいれば幾らでも書けるんですがサムネ画像とかトップ画像とか監督がどうのとか予告編のリンク貼ったりする〈映画ブログっぽい体裁〉を整える作業自体が面倒なんですよね。それらは「必要な情報だから読む人がわかりやすいように……」と貼ってるわけではなく「この映画の感想がたくさん書かれている映画ブログ、何だかまるで映画ブログみたいだなぁ」と訪れる人に思わせる〈映画ブログっぽい体裁〉が、感想の内容と同じくらいに大事なので怠るわけにはいかないというわけです。ちなみに、当ブログは「映画の感想ブログ」であって考察やレビューではありません。

……で、今回の『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』(2019)、公開時は「なかなか面白い」とか「キャップ役でお馴染みのクリエヴァがチャラい役で出てる!」とか評判だった記憶ある、続編の権利争奪戦もあって早くも2&3作目が決まったようだし。だが監督のライアン・ジョンソン『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(2017)で印象があまり良くない感じだし、過去に唯一観た別の監督作だと『LOOPER/ルーパー』(2012)もあまり好きじゃなかったのでスルーして、最近Netflixで配信始まってもスルーしてました。
だけどフォロワーの方が本作を薦めてくれました。それで、あまり気が乗らないがモニターも右半分でネットしながらモニターの左半分で再生して、ながら観するという不真面目な態度で観始めましたが前半、正直かなり長い時間、興味が持てませんでした(この部分については後で改めて書きます)。30分くらい観ても、あまり物語に入っていけず観るのやめて、しばらく経って、再び同じ方から「そういえばナイブズアウト観ました?」と訊かれ「ごめん、入ってこなくて中断しました。また観とくよ」と言い、彼は「そうですか……」という感じになりました。そして更に時が経った最近「このGWはやることないから映画観てブログ更新するぞ!」と決心して何作か観てる時に本作の事を思い出し、前半なかなか物語に入れないのは知ってるのでもう自宅が映画館のつもりで何があっても停止せずに観るぞ!と観てみて、やはり序盤が頭に入ってこなかったものの、映画開始から40分後に事件の真相が語られる場面で一気に引き込まれ最後までとても楽しく観れました。……というか去年の映画のベスト3に入るくらい凄く面白かった。2回薦めてくれたフォロワーの方のおかげですね。
ちなみにライアン・ジョンソンは2010年に「アガサ・クリスティ推理小説みたいなミステリ映画を撮りたい」と思い本作が出来上がったみたい。そして実際にアガサ・クリスティ推理小説みたいな本作が面白かったので「どうせなら本作の原作も読みたいな……」と思ったのだが当然ながら原作はない、この映画自体が原作だ。

 

 

 

世界的ミステリー作家にして大富豪ハーラン・スロンビークリストファー・プラマー)の85歳の誕生日会が、NY郊外にある彼の豪邸で家族が集いパーティが開かれた。
豪邸には大量の剥き出しのナイフを使った『ゲーム・オブ・スローンズ』の鉄の玉座のようなナイフの玉座が置かれている。
ところが翌朝、ハーランは自ら首を切り裂いた遺体で発見される。
どう見てもハーランの自殺に見えるので警察は自殺で済ませようとしたが、匿名の人物から依頼を受けた名探偵ブノワ・ブランダニエル・クレイグ)が他殺を確信して調査を開始する。
容疑者家族9人家政婦ハーランの看護師マルタ(アナ・デ・アルマス)……といった屋敷にいた全員。
探偵の調査が進み、家族の秘密や嘘が次々と暴かれていく……。

……みたいな話。
とにかく大金持ちの作家が自殺のような遺体で発見される。家族は皆、欲深く全員が怪しく見える。まぁ割とミステリでよくある導入部だ。
コロンボとか古畑任三郎みたいに最初に被害者が死ぬor殺される描写が映されるわけではなく遺体で発見され、探偵が容疑者達を面接していく……、これが30分以上続くのだが、まだ被害者にも容疑者にも誰一人、興味を持ってない状態で10人くらい知らないキャラが次々と出てきて「こいつら容疑者の名前と性格と家族関係ととアリバイを覚えろ!」と突きつけられる。僕がミステリものをあまり観ないせいかもしれないが、これが結構しんどい。初見では全く面白くなかった。
前置きで「最初の30分で何度か挫折した」というのは、この部分だ。
ミステリ映画なら、探偵が小規模な事件を解決するアバンだったり、犠牲者が謎の人物に殺されるアバンが冒頭に描かれるといった所謂ツカミが描かれて引き込まれたりする。もしくは容疑者となる多くの人物たちの人間ドラマを魅力的に描いた後で殺しが行われたりする。本作の場合、探偵のキャラは静かなまま(ちなみにダニエル・クレイグ演じる探偵ブノワは終盤の終盤、魅力が爆発する、最後の最後に爆発させるため本編ではずっと金田一的な静かなキャラにしたんだろう)。そして既に殺しは行われた後。容疑者達はというと、演じてる俳優は有名な人ばかりなのだが正直、キャラクターがあまり面白くない。ただ嫌な奴らってだけなので、そんな彼らと面接してるだけの前半は面白くない。強いて言うならクリス・エヴァンス演じる〈バカ息子〉は面白いのだが、彼は面白くなる中盤以降にならないと出てこない。しかし実のところ一回最後まで観て二回目観たら凄く面白かった(だから、ひょっとして僕の見方が良くなかったのかもしれない)。それと美術や衣装は素晴らしいのでもう少し前のめりで観れば初見でも面白かったかも?
僕の経験上、面白い映画は前半から既に面白かったり、凄いのになると開始数秒の風景で既に面白かったりする(イーストウッド映画の面白いやつとか、風景だけでなぜ面白いのかはよくわからん)。だから「30分面白くないって事はこれはもう面白くないだろ」と思ってしまったのだろう。
だが実際のところ、映画が始まって40分くらい経った頃、事件の真相が描かれる。
ここが凄く面白い!変わっていて先がどうなるか全くわからない展開。しかも凄い緊張感!時間を急ぐ被害者ハーラン氏と焦るもう一人の人物が言いたいことが被ってハーラン氏が相手の口を塞いで離す場面の緊迫感!もう全く目が離せない。それまでと同じ映画だとはとても思えない。そこから先はもうずっと面白い。前半が全く興味持てず面白くなかった事とかどうでもいい。というかむしろ40分以降が面白すぎて「あれ?前半も面白かったのでは?」と思い始める。実際に翌日、最初から観たら普通に面白かった。
やっぱり俺が悪かったのか……どうかよくわからない。
だが大勢のキャラクターがあまり面白くない事は確かだし、面白いキャラといえば……探偵ブノワ、死んだハーラン氏、看護師マルタ、クリエヴァ演じるバカ息子、この四人だけ。前半、映画を観る人の興味を惹き付けるため、この四人の誰かを活躍させればよかったのでは?と思った。
まずブノワ探偵は前述した通り、最後に爆発するまでキャラを隠したかったんだろうから終盤までの彼は冬のナマズのように静かなキャラで居なければいけない、次にハーラン氏は40分から始まる事件の真相の回想まで秘匿しておかなくてはならんからダメ、あとは看護師マルタとバカ息子か。マルタは嘔吐の伏線を張りはしたがアレ以上目立たせると都合が良くないと思ったのかもしれない。やっぱり、クリエヴァはパーティを抜け出すのではなく家に残って面白い茶々を入れるキャラとして屋敷に残して前半から「バカ息子だが実は良い奴?」みたいな感じで引っ張るキャラにしとくべきだったのではないか?と思った。もしくは探偵の面白いキャラクターを最初から出すべきだったかも?
それにしてもダニエル・クレイグの主人公探偵は良いキャラだった。ホームズ的な、観察眼と推理力に優れた感じの探偵。独自性があるとすると終盤、人情家だとわかるところか。とてもそんな感じに見えなかったので凄く意外だった(だからこそ終盤まで彼のキャラを秘匿していたのだろう)。彼が感情を爆発させてナイフの玉座に座り一気呵成に捲し立てるシーンはクライマックスに相応しいカッコいいシーンだった。玉座に飾り付けてあるナイフが放射線状になっているため、玉座に座って捲し立てるブノワ探偵がまるで、漫画の集中線みたいでとてもカッコいい。はっきり言ってダニエル・クレイグがボンドを演じた007作品より何倍もカッコよかった。玉座自体もカッコいいし、その玉座も物理的にも後で使われる。玉座や仕掛けはハーラン氏の人柄や性格を示している。そして、それにしてやられた犯人は「ハーラン氏の近くに居たのに彼のことを全く理解していなかった」事を、この玉座で表現される。玉座だけでなく開始40分目の回想でもハーラン氏の面白いキャラが短い時間で充分に描かれてる。
アナ・デ・アルマス演じる看護師マルタは善良な善人。アナ・デ・アルマスといえば『ノック・ノック』でキアヌ氏をいたぶる美女役『ブレード・ランナー2049』で主人公が恋するAI役でしか知らないけど凄い美人なので印象に残っている。美人は勿論好きだが僕は比較的、美人にうるさくないと思うのだが映画に出てくるラテン系の美人はヤバいくらい印象に残る。少し前ならサルマ・ハエックとかモニカ・ベルッチとか?とにかく「凄い美人だ……!」と思わされた。彼女は嘘をつくと嘔吐してしまうという体質の持ち主だから、これでもかと嘔吐し、ゲロとか苦手なんだが(あまり得意な人も少ないだろう)看護師マルタが、あまりに美人かつ良い娘なせいか全く汚いと思わなかった。……ひょっとして吐瀉物が汚く見えないようにアナを配役したのかも?彼女の嘔吐癖や数々の伏線や結末の全てがマルタというキャラを表現している。また不思議な経緯で容疑者の一人であるにも関わらずブノワ探偵の助手のような役でずっと出ずっぱる。誰が観ても好きになるキャラだと思った。
本作のキャスティングで一番、評判だったのはキャップとは180℃違うバカ息子役のクリエヴァだろう。だがクリエヴァ本人は割と明るい性格だし、キャップ以前のクリエヴァが演じていたのは『ファンタスティック・フォー』のジョニー、『スコット・ピルグリムと邪悪な元カレ軍団』のチャラい元カレ、『セルラー』の犯人、タイトル忘れたけどラブコメに出てきたチャラい男など、チャラかったりクズの役が多かった。だから10年近く前、クリエヴァがキャップ役に決まった時「え~、あのチャラい奴がキャップ役かよ」と不満に思ったのを覚えている。実際にはクリエヴァのキャップ役は最高だった(可愛げが強い分、原作キャップより好きかもしれん)。そして今となっては「クリエヴァがバカ息子役!?」と驚かれたりするんだから、そういう時の流れを追ってると面白いですよね。
まぁ、そんな感じで映画開始から40分目から最後まで一気に惹き込まれてめちゃくちゃ面白かった。昨年2020年の日本公開映画でベスト3に入るくらい好きかも?そして、これまた前述した事だが一回最後まで観て、再び最初から観返すと今度は最初から面白かった。……まぁミステリものでよくありがちな事だけど。
前半がイマイチだったのは、40分経ちさえすれば面白いのだから「Netflixじゃなく一時停止できない映画館なら問題ないのでは?」と思った。だけど配信サービスなら、頭から観返すのも容易なので、どっちも良いのか。まぁいいや。
極力ネタバレを限界までしないようにしたら内容にあまり触れない感想になったが、とにかく面白かった。あまりに面白かったのでSWのep8がつまらなかったのは「オリジナルの企画が得意で突飛なことをしたがるライアンを、基本が大事なSWの監督に据えたキャスリーン・ケネディが悪い」と思うようになった。
とりあえず続編も、そのまた続編も今から早く観たいし今後の楽しみができた。
マルタは、変則的なワトソンみたいな役割を演じてたのでブノワ探偵に「ワトソン」とか言われてたし、今回同様にブノワ探偵のサイドキックとして続投して欲しいなぁ、ちょっと無理かな?いや出来ないことはないはず。

 

 

 

そんな感じでした

『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(2017)/映画としてもSWとしても完全に破綻してるが初見はその焼畑農業っぷりを楽しんでしまった⭐ - gock221B

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Knives Out (2019) - IMDb

www.youtube.com

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