gock221B

映画やドラマの感想ブログ 😺 おしずかに‥〈Since.2015〉

『スケアリーストーリーズ 怖い本』(2019) /全体的に平凡だったが大柄女性怪異と結末が良かった📕

f:id:gock221B:20200808031059j:plain
原題:Scary Stories to Tell in the Dark 製作&原案:ギレルモ・デル・トロ 製作国:アメリ
監督:アンドレ・ウーヴレダル 原作:アルヴィン・シュワルツ 上映時間:108分

 

 

 

作家アルヴィン・シュワルツが全米各地の「怖い話」を集めてまとめ上げ、全米の子どもたちにトラウマを植え付けたベストセラー児童文学シリーズをギレルモ・デル・トロが製作・原案を務めてアンドレ・ウーヴレダルが監督したホラー映画。
1968年という古い時代が舞台で、いじめられっ子の子供達が怪異に立ち向かうという『IT』を始めとするスティーブン・キング作品とか『ストレンジャー・シングス 未知の世界』を思わせる、全米の子供たちとそのアラフィフくらいの親達がターゲットな感じ。ジュブナイル・ホラーっていうの?好ましいとは思うけどアラフォー中年男性の僕はターゲットから外れてるせいか「ホラーっていうほど怖くはないし……自分が子供だったり、自分に子供が居て観せるには丁度いいかも……」と、あまり盛り上がらないことが多い。それと原案のデル・トロ作品は好きなものが殆どないというのもあるのだが監督は、めちゃくちゃ面白かった『トロール・ハンター』とか普通に面白かった『ジェーン・ドウの解剖』のアンドレ・ウーヴレダルなので、監督目当てで観ることにした。
完全にネタバレあり。
しかも内容ほぼ全部書いてしまう最低の感想なので観てない人は読んだらだめです。

 

 


1968年のハロウィンの夜、父と二人暮らしでホラー小説家を目指す眼鏡少女ステラは、いつも一緒のお調子者と色白ノッポの友達と、偶然知り合った褐色イケメン浮浪児と、お調子者の姉などと一緒に町外れにある町で有名な幽霊屋敷に忍び込み地下室で一冊の〈怖い本〉を見つけ持ち帰ってしまう。
その〈怖い本〉は、その家で魔女と呼ばれ監禁されていた女性が書いた短編ホラー小説が多く書かれていた。すると本のまだ書かれていない白紙ページに、ステラの周囲の子供を主人公とした新しいホラー小説が血のインクで書かれ、その主人公として登場した子供に物語と同じ出来事が起こり次々と行方不明になっていく……。
そんな話。
まず最初は、いじめっ子。家の仕事を手伝わされてる彼は田舎を出て兵士になって活躍する事を夢見てたので実家の畑に立ちっぱなしで虫がたかってる冴えないカカシは軽蔑の対象だった。それなのにいじめっ子はそのカカシに襲われ、終いには自分が忌み嫌うカカシにされてしまう。
お調子者の姉は気になってたニキビがどんどんデカくなって終いには毛が生えてきてそれを抜いたら中から蜘蛛の大群が出てくる……という思春期の女子にとって最悪な出来事が一気に起こる醜形恐怖症っぽい怪異。
色白ノッポの友人はシチューにオッサンの死体の足の親指が入っており、それを吐いてたらその死体が家の中に侵入してきてベッドの下の亜空間に引きずり込まれる。ホラーで子供が絶対覗き込んでやられてしまうベッドの下……もうジェームズ・ワン制作ホラー映画だけでも10回くらい観た。アメリカの子供はベッドの下に衣装ケースを入れてスペースを埋めるのが重要だ。とにかくアメリカの子供はベッドの下とクローゼットの中を見たら終わり(ちなみにクローゼットの場合、中には居なくてホッとして顔を上げると実はクローゼットの上にいた悪霊に襲われがち)。
お調子者は病院で「全ての通路から同時にゆっくり歩いて来た色白黒髪で水死体のような大柄ボディの中年女性に全方向から優しく抱きしめられて」この世から姿を消す。
ジュブナイル・ホラーあるあるだが子供達は生理的嫌悪感を抱いてる怪異に襲われる。たとえば「汚い」「醜い」「病気」「世捨て人」「狂人」「年寄り」「そして自分がそういった醜い者になるのではという恐怖」何故それらが嫌なのかと言うと死へ近づくから。要するにホラー映画を突き詰めれば殆ど全て死への恐怖だ。あと「虫などのキモい生き物」「ベッドの下やクローゼットの中」とかそんなとこか、そういった子供が怖がるものオンパレードが本作。
物語的にも描写的にも一定以上のクオリティはあるんだけど、大人の自分としては「キッズ向けホラーだな」「もう飽きたな、この昔が舞台のジュブナイルホラー」などと思い正直イマイチな気持ちで家事しながら観てたが、全方向からお調子者をゆっくり襲う大柄女性の怪異は子供じゃなくても怖いインパクトある映像で、この映画の中で一番良い怪異だった。ここは家事の手を止めてじっと観た。このオバサンのバケモノ、なんか怖いんだけど少し可愛くも見えるし、やってる事もお調子者にゆっくり近づいてそっと抱きしめてるだけだし、あまり邪悪に見えない。何だかお調子者は勝手に恐怖して勝手に自分でこの世から消えたように見えなくもない。
ステラと美少年浮浪児2人だけになってしまった。
次に書かれたのは浮浪児の物語。全身バラバラの首や四肢がデタラメな方向に合体して俊敏に走り回る死体に追いかけ回される。90年代の恋愛ばっかりしてる弁護士ドラマ『アリーMYラブ』でアリーと長い付き合いだったビリー役の人演ずるレイシスト警察官はあっさり殺された。だが浮浪児はステラを助けるため、自分が囮になってそのバケモノを引きつける!かっこいい。
ステラは幽霊屋敷に戻り〈怖い本〉を作者の女性の霊に返し騒ぎを止めようとする。
すると次の瞬間、ステラは屋敷の住人が全員生きていた過去の屋敷にいた。そしてステラは、かつてこの家で、アルビノだった為に魔女と呼ばれ虐げられていた〈怖い本〉作者となっていた。
そんでまぁステラは過去の世界で色々頑張って怖い本の作者の霊を鎮めて現世に帰還する。
ステラはホラー小説を目指してるし陰キャだしで、メタ的な意味で怖い本の作者と同一人物みたいなもんですよね。だから、単純に言うとまぁホラー小説家を目指す陰キャ少女が自分の中で己に打ち勝つ話だったと言える。ラストバトルの前に父親と、居なくなった母についての会話で心が通じ合ってトラウマを払拭したのも勝利へ繋がった一つの光の道だったんだろう。
それで本作は割と全編明るい童話的なテンションで描かれてるので、怖い本に襲われた子供たち……特に最低でもステラの親友たちは現在〈怖い本〉亜空間に囚われてて「事件が解決したら現世に戻ってくるだろ」と当然のように思い込んで観てたら解決しても戻ってこない行方不明のまま映画が終わったので凄くビックリした。
ステラと元気になったお調子者の姉は2人で「彼らを助ける方法はきっとあるはず」とか希望に満ちた笑顔で言って終わったので「もし続編があったら彼らを助ける話なのかな?」とか思ったが、しかし原因である〈怖い本〉の作者を浄化しても親友を帰還させる事ができなかったのでもう無理そうだよね。この「子供たちは返ってこない」っていうのは多分、原案デル・トロのアイデアだと思う。デル・トロの映画はあまり好きじゃないものが多いが彼の作品内では子供であっても容赦なく悲劇が起こってしまうところは好きな部分だわ。「子供だから助けてあげよう」っていうのはフィクション的な嘘だからね。だから子供たちが戻ってこないのは悲しかったが物語的には今時珍しい誠実さだと思った。
基本、子供向けホラーなので全体的には平凡な印象だったが、大柄女性モンスターと親友が生き返らなかったとこだけは心に残った。
子供たちが生き返らなかったのは可哀相だったが、そのおかげで心に残った。それがなかったらもっとどうでもいい印象だっただろう。
自分で書いといて何だが、こういう一から十まで起きた出来事を列挙して本当の感想は数行だけ……みたいな感想嫌いなので今後はこんな事ないようにします。何か特に感想書くことないくせに「せっかく観たんだから更新したい」と思いながら書いてるうちにこういった酷いページになってしまった。申し訳ない。

 

 

 

そんな感じでした

『ジェーン・ドウの解剖』(2016)/アンドレ・ウーヴレダル/解剖して体内を暴くのとシンクロして闇に踏みいってゆく👩🏻 - gock221B

📕📕📕📕📕📕📕📕📕📕📕📕📕📕📕📕📕📕📕📕📕📕📕📕📕📕📕📕📕📕📕

Scary Stories to Tell in the Dark (2019) - IMDb

www.youtube.com
Amazon: スケアリーストーリーズ 怖い本 ギレルモ・デル・トロ&アンドレ・ウーヴレダルの世界 ※Kindle
Amazon: スケアリーストーリーズ 怖い本 ギレルモ・デル・トロ&アンドレ・ウーヴレダルの世界
Amazon: スケアリーストーリーズ 怖い本 (1) いばりんぼうをつかまえた
Amazon: スケアリーストーリーズ 怖い本 (2) 恐怖のひき肉ソーセージ

スケアリーストーリーズ 怖い本 ギレルモ・デル・トロ&アンドレ・ウーヴレダルの世界

スケアリーストーリーズ 怖い本 ギレルモ・デル・トロ&アンドレ・ウーヴレダルの世界

  • ギレルモ・デル・トロ, リチャード・アシュリー・ハミルトン & 阿部清美
  • アート/エンターテインメント
  • ¥4,000

f:id:gock221B:20200808042800g:plain

『クリスティーン』(1983) ジョン・カーペンター/Evil Carに魅入られて暗黒面に堕ちた陰キャを親友のイケメン陽キャが愛で殺す🚗

f:id:gock221B:20200804195654p:plain
原題:Christine 監督&音楽:ジョン・カーペンター
原作:スティーヴン・キング 
製作国:アメリカ 上映時間:110分

 

 

スティーブン・キングの同名小説を出版と同時に長編映画化して公開したもの。
子供の時に金曜洋画劇場とかで観たことあるけど自分が自我を持って以降観たことなかったのでジョン・カーペンターファンとしてもっかいちゃんと観ときたいと思ってはいたがBlu-rayとかわざわざ買ったり借りてまで観たくはなかった間に数十年経過してしまったがNetflixで配信されたので丁度いいわと思って観ました。原作は読んでない。ネタバレあり。
最初にあらすじをざっくり言わせてもらうと、内気な少年が呪われたクラシック・カーを買って「クリスティーン」と名付けて「彼女」の修理をしているうちに彼女の影響を受け、傲慢・暴力的になっていき連続殺人を行い破滅する青春ホラー。「気弱な少年が大きな力を手にして豹変してしまう系の青春映画」の一つと言える、作品によって、その「大きな力」は超能力だったり銃だったりモンスターだったり巨大ロボットだったり……様々だが昭和の映画や少年漫画の定番だったと言える。スパイダーマンはその「大きな力」を良い事に使った例だが、悪い方に触れてしまったのが本作。
クリスティーンは破壊されてもベコベコッと自己修復する。それを活かして車体をボコボコに自損させながら狭い路地に無理やり入ってきて殺人を行う。漫画家・荒木飛呂彦が『ジョジョの奇妙な冒険』第三部の敵スタンド〈運命の車輪(ホイール・オブ・フォーチュン)〉でパクった。『クリスティーン』とスピルバーグの『激突!』を足したようなスタンドだった。荒木先生は映画や漫画など色んな先人から物凄い数のパクリをしてるのだが何時の間にか完全に自分のものにして描いてるせいかあまり非難されない(僕の想像では、荒木先生は描いてるうちに自分がパクった事を毎回マジで忘れ、本気で自分が思いついたと思って描いてるんだと思うので独特の、パクリを指摘する気にならない雰囲気が生まれるのではないかと推測)。

1972年、カリフォルニア。内気な高校生アーニー(キース・ゴードン)は、親友のアメフト選手デニス(ジョン・ストックウェル)と帰宅の途中で、放置されてるボロボロの'58年型・赤い車体のプリマスに一目惚れ。拘束衣みたいな『時計じかけのオレンジ』みたいなビジュアルロックバンドの衣装みたいな「何なん?その服」と言いたくなるカッコいい服を着たカッコいい風貌をした老人から購入。
その前にこの主人公、アーニーは眼鏡をかけたオタク風の風貌……と言っても演じてる俳優は実はイケメンで、見事な演技で空気が読めないアーニーや呪いで傲慢な若者に変貌したアーニーまでを演じているに過ぎない。オタクキャラもしくはガリ勉キャラのように見えるアーニーだが、特にオタクとかガリ勉といったキャラ付けはされておらず、母親と仲が良すぎて女子に奥手で若干空気が読めない絡まれやすいメガネでしかない。
一方、親友のデニスだがイケメンだしアメフトのスター選手なので日常的にクラスメイトの金髪女子に言い寄られている。
そんな感じでデニスはスクールカースト最上位、アーニーはいけてない認定されてる感じなのだが(デニスの友人はアーニーを馬鹿にしている)、デニスはそんな身分の差おかまいなしでアーニーの親友だ。原作読んでないからわかんないけど多分「幼少時から親友でそのまま大きくなって身分は違ったがデニスが良い奴なので親友のまま」ってパターンだろう。アーニーは精神的にも幼いのでおかしな事を言いがちだがデニスは嫌な顔しない。アーニーがナイフを持った不良生徒3人に絡まれた時も、デニスはやられるの覚悟で立ち向かってアーニーと共にボコボコにされた。めっちゃ良い奴やん。こんなナイスガイは滅多にいない。
話を車に戻すが、アーニーはクリスティーンを見た瞬間にひとめぼれしてしまいデニスや両親がいくら止めても買うと言う。しかもクリスティーンの持ち主だったという老人の弟は車を入手すると人が変わったようになり女房にも逃げられて車内で死んでいたというではないか。
クリスティーンは動くのがやっとのボロボロ車なのでアーニーは自動車工場へ持っていき廃車の部品を利用させてもらい連日、修理に出かけた。
この工場長、ここの撮影で素晴らしい陰影が顔に出来てるのも含めて暗黒街の顔役的なめちゃくちゃ良い面構えをしている!この工場長もさっきの中古車売ってくれた老人も、妙に良い顔だなと思って調べたら名優だった。かつての名優を脇役にするのジョン・カーペンター映画によくありがちですよね。
最初は「俺はガキが嫌いなんだ!」とアーニーを疎んでた工場長も、アーニーの熱心さと彼の技術に惚れ込んだようで「うちの仕事を手伝ってくれたら……廃車の部品を好きに使っていいぞ!」とデレた。しかしアーニーはコミュ障なので工場長のデレが伝わらず気のない返事。工場長は「くそっ!ガキにデレて損した」といった表情。
その後、アーニーは綺麗になったクリスティーンに乗りハンドルに愛おしそうに持たれかかる。それをフロントガラスの向こうから撮ってる。何とも言えず良いシーン。
アーニーは呪いの車の影響で少しづつ気が強くなってるのだが、この時点ではただ前より自信が着いただけに見える。正直ここで終わってれば「親離れできてなくてアーニーが始めて自分の意志でやりたい事をやり自信が着いた」ってだけの只の良い話。

 

 

アメフトの試合中、デニスがふと観客席を見るとメンテナンスが終わって綺麗になったクリスティーンの前に立つアーニーが学園一の美少女リー(アレクサンドラ・ポール)とキスしている!
あまりの衝撃に、相手選手のタックルを喰らい気絶するデニス。それどころか打ちどころが悪く「二度とアメフトはできん。もう少しで下半身不随になるところだった」とか言って思いのほか大事になっていたのだが「自分も落とせなかったリーがアーニーなんぞとキス!?」というショックの余り失神はおろか死にかけたように見えて草なんだ。
アーニーはクリスティーンとリーという両方に花を手に入れ、別人のように自信満々になっている。だが親友デニスの意識が戻らない間、何度も見舞いに来てるし大怪我の話を聞くとマジでショックを受けた表情をするしデニスへの友情は消えてない模様。
かくして陰キャのアーニーと人気者デニスは以前までと立場が逆転した。
一方、アーニーと付き合い出したリーはアーニーが自分よりも夢中なクリスティーンに嫉妬し、クリスティーンの方もリーを呪いで殺しかけたりして暗雲立ち込める。
その後、冒頭の不良達がクリスティーンを破壊して恐らくここが、アーニーが完全にダークサイドに落ちるきっかけだろう。クリスティーンはアーニーの目の前で復元(多分ここが一番の見せ場)、そして不良達を一人づつ惨殺する。
俺が好きなハリー・ディーン・スタントン演じる刑事もアーニーを疑い始める。
アーニーに優しかった工場長をクリスティーンが殺害したり、アーニーが冒頭では仲良かった母親と仲悪くなったりするのは単純に悲しくなった。
その後、退院したデニスが豹変したアーニーを見て「優しかったアーニーが変わっちまった!もうアカン」となって、リーと共にアーニー&クリスティーンを退治するラストバトルになる……。
陰キャが大きな力を手に入れ、自信を付けたのは良かったが増長してダークサイドに堕ち、親友が愛のある引導を渡す……という話だった。
正直なところ、アーニー役の俳優がどんどん暗黒面に飲まれていく演技は見ごたえあったが後半のホラー部分よりも、前半のアーニーとデニスの学園生活やアーニーが車を手に入れて修理してるといった何てことない地味~な北の国から的な青春描写の方が面白かったかも(正直大柄の不良を殺したところくらいで完全に飽きました)。
読んでないけど原作は上下巻の大作らしく、きっとアーニーその他のキャラの心理描写がこれでもかとあったかと思うんだが、この映画にはそんなのないので「リーは何でアーニーと付き合いだしたんだろ?」とかリー絡みが不可解で盛り上がらなかった。
デニスの葛藤や心情は、彼はアーニーと堅い友情を育んでたからよくわかるけど、リーの場合、彼女が付き合ってた時期のアーニーって只の空気読めない傲慢で呪われた少年でしかないので、何でリーがアーニーを好きだったのか何でアーニーを心配したりするのとか凄く不思議ですよね(というかリーは、アーニーともデニスともろくに心の交流してないからドライブインシアターの時、クリスティーンに殺されてた方が良かった気がする。映画のキャラとしてね)。
陰キャがやっと自信を付けたのはいいが呪いのせいで暗黒面に堕ちて周囲との人間関係が全部だめになって殺人鬼になってしまい(アーニーの直接的なせいではないが間接的な理由で)夢を絶たれた陽キャが、陰キャを殺す哀しい話だった。
この何とも言えない寂しい……ダウナーな哀しさがあるから今まであまり観なかったのかも。あんまり盛り上がらないからね。だけど、自分が狙われてるわけじゃないから普通の奴だったらアーニーなんか放っといただろうに、デニスの場合わざわざ責任持って自分の手で殺しに来てくれるんだから、デニスって本当に優しいなと思った。クリスティーンに魅入られたごくごく短期間しか幸福感を感じてなかったであろうアーニーだが、デニスに殺された事は最後の幸せな事だったのかもしれないと思った。

 

 

 

そんな感じでした

ジョン・カーペンター監督作品】
『マウス・オブ・マッドネス』(1994) ジョン・カーペンター/ジョン・カーペンター映画大好き📘 - gock221B
『ハロウィン』(1978) ジョン・カーペンター/初めて観たけどクラシックだが堅い造り確かな味わいで楽しめた🎃 - gock221B
『姿なき脅迫』(1978) ジョン・カーペンター/サイコパス知能犯に見せかけた単なる荒いオッサンの犯行だったとは👀 - gock221B

 

スティーブン・キング原作映像作品】
「IT/イット (1990)」後編はイマイチだが前編とペニーワイズは最高🤡 - gock221B
「IT/イット “それ”が見えたら、終わり。(2017)」子供達と日常パートは昔より良いが、ペニーワイズは昔の方が良い🤡 - gock221B
「ダークタワー (2017)」異世界で屈強な黒人と‥。全体的にかなり面白くないが終わり方だけ異常に良い映画 - gock221B
「ジェラルドのゲーム (2017)」手錠でベッドから動けなくなったセクシー熟女が状況と自己のトラウマに立ち向かう👩 - gock221B
「1922 (2017)」死ぬほど地味で暗い話だがS・キングっぽさが出てるしクトゥルー神話っぽい陰惨な雰囲気に妙に惹き込まれた🐭 - gock221B
「スティーヴン・キング ビッグ・ドライバー (2014)」一本道すぎるけど蘇ると別人になるわけじゃなく本人が暴行魔に復習するのが気持ちいいレイプリベンジもの🚚 - gock221B
「スティーヴン・キング ファミリー・シークレット (2014)」おしどり夫婦の夫が連続殺人鬼。ビッグドライバー、1922と併せて観たい👫 - gock221B
「IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。(2019)」🤡 - gock221B
『ドクター・スリープ』(2019)/中盤までの遠隔サイキック・バトルが凄く面白かったのでホテルには別に行かなくてよかった🐈 - gock221B

🚗🚗🚗🚗🚗🚗🚗🚗🚗🚗🚗🚗🚗🚗🚗🚗🚗🚗🚗🚗🚗🚗🚗🚗🚗🚗
Christine (1983) - IMDb

www.youtube.com

www.youtube.com

www.youtube.com
Amazon: クリスティーン〈上巻〉 (新潮文庫)
Amazon: クリスティーン〈下巻〉 (新潮文庫)
Amazon: John Carpenter ANTHOLOGY: MOVIE THEMES 1974-1998 [CD]

Christine

Christine

  • provided courtesy of iTunes

f:id:gock221B:20200804224532g:plain

『アンブレラ・アカデミー』シーズン2 (2020) 全10話/シーズン1より面白かった。だがNetflixはタイムスリップやタイムリープばっかりすな!☂

f:id:gock221B:20200802123608j:plain
原題:The Umbrella Academy〈Season.2〉Episode.1~10
企画&総指揮:スティーヴ・ブラックマンほか 原作:ジェラルド・ウェイ

配信局:Netflix 製作国:アメリカ 配信時間:各話約60分、全10話

 

 

 

☂ロックバンド、マイ・ケミカル・ロマンスのヴォーカル、ジェラルド・ウェイが原作のアメコミ『The Umbrella Academy』をドラマ化した作品のシーズン2。
☂本作のざっくりした設定とシーズン1のざっくりしたあらすじ。
大富豪ハーグリーブ卿が同時刻に生まれたスーパーパワーを持った7人の赤ん坊を集めて鍛え上げスーパーヒーローチーム〈アンブレラ・アカデミー〉を結成。しかしメンバーの一人の子が戦死したりしたり色々あってチームは解散。更に時が経ち、義父ハーグリーブ卿の死を弔うため久しぶりに結集した元アンブレラ・アカデミー。その葬儀を欠席していたナンバー5が時空の狭間から現れ「世界があと8日で終る」と皆に告げる。元アンブレラ・アカデミーはそれぞれ自分探ししながらアポカリプスを止めようと奮闘するが、団結が足りないヒーローチームというものは『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』(2018)を観ればわかる通り勝利する事はできない。アンブレラ・アカデミーも大失敗した。それどころか地球滅亡の原因はアンブレラ・アカデミーだった。しかし地球が滅亡した寸前にナンバー5がパワーを使いタイムスリップした瞬間シーズン1が終わった。公式の総集編YOUTUBE観たほうが早いかもしれない。
つまり、キャラ紹介&世界の滅亡阻止がシーズン1だった。キャラ紹介は終わり世界の滅亡阻止を今度こそ成功させようとする。それがシーズン2。
ネタバレあり。

 

 

☂地球滅亡の寸前にナンバー5(以下ファイブ)のパワーで過去へとタイムスリップしたアンブレラ・アカデミーの7人。
だがファイブは独力でのタイムスリップが得意ではないのに複数人まとめて大規模なタイムスリップしてしまった為に、時間を遡りすぎた1960~1963年のテキサス州ダラスに7人バラバラの時間にタイムスリップしてしまった。
しかも一番最新の時間、1963年11月25日に出現したファイブは、アンブレラ・アカデミーの奮闘むなしく世界が終末戦争で滅ぶ光景を目の当たりにする。どうやらファイブの大規模タイムスリップによって「アンブレラ・アカデミーが要因となって世界が滅亡する」という結果も一緒に連れてきてしまったらしい。
ファイブは終末戦争によるアポカリプス直前に、再びタイムスリップして10日前の同じ場所に出現する。ファイブはアンブレラ・アカデミーを再結集し、10日後に訪れる終末戦争を止めて「アポカリプスが起きる可能性」を完全に消し、あらゆる時間軸を管理する秘密結社〈コミッション〉の、タイムスリップが簡単にできる〈アタッシュケース〉を入手して兄弟姉妹たちとこの世界から現代に帰還しようと奮闘する。
他のアンブレラ・アカデミーは、他のメンバーは死んだと思いこんで各々この時代で新たな出会いや何やかんやしてそれぞれの人生を歩んでいたが、やがてファイブを中心に結集し、終末戦争やタイムスリップを成功させようと色んな方法を試すが、なかなか上手くいかない。
やがて終末戦争は、アポカリプス数日前の1963年11月22日に起こる〈ケネディ暗殺〉が特異点として起きるのではないか?という感じになってくる。
そんで、この時代ではまだ生まれていないアンブレラ・アカデミーの養父であるハーグリーブ卿も当然まだ生きているのでアンブレラ・アカデミーは「養父なら何とかできるのではないか?」と思い彼に会いに行ったりもする。
前回もヴィランだったコミッションの女幹部(名前忘れた)が今回もヴィランなのだが、彼女はコミッションの良識派を皆殺しにして自分が総帥に成り上がろうとしたり、三人兄弟の暗殺者〈スウェーデン人〉を差し向けてアンブレラ・アカデミーを殺そうとしようとする。だが彼女が何故ファイブやアンブレラ・アカデミーの邪魔してるのか書こうとしても「そういえば何でだろ?」と、よく把握してなかった。まぁ多分「コミッションの存在や内情をよく知ってて自力でタイムスリップできるファイブや、この世界では数少ない超能力者であるアンブレラ・アカデミーが生きてたら後々、障害になるから消えて欲しい」って事かもしれない、とそう思った。

 

 




☂今回もまたテンポ早くてなかなか面白い。だけどシーズン1も最初は同様に面白かったんだが話が後半になるとストーリーの都合に合わせて登場人物たちの頭がどんどん悪くなって、相談すれば簡単に解決しそうな事も仲が悪いし全員コミュ障だったり自分探しがまだ終わってない若者なもんで団結を一切しないもんだから事態の悪化を招き続けて終わった感じで、観終わると割とどうでもいい印象になってしまっていた。
だが今回はシーズン1終盤で腹を割って相互理解が進んでた為か、情緒不安定だったり世界の命運という大きな目標より目の前の個人的な問題に目が行きがちっていう部分はあるものの、前回よりは利他的なヒーロー性や団結力があった、だからシーズン1ほどイライラせず最後まで楽しく観れた感じ。

☂キャラ的には、前回以上にファイブが殆ど主人公って感じの中心人物となって進む。
彼は「世界滅亡阻止」と「兄弟姉妹と共に元の時代に戻ること」だけを目標としており、そのためには誰を殺しても構わないって感じなのでヒーロー性は薄い。だが感情で突っ走って事態を悪化させがちな他のメンバーと違って、全く精神がブレず目標に突っ走るファイブは観ててイライラする事が無く快適に視聴できる安心感があった。
他のメンバー。現実世界でも同性愛者だとカミングアウトしたエレン・ペイジ演ずるヴァーニャは劇中でも年上の人妻と愛し合って世間のレイシズムと戦ったり、黒人女性アリソンが公民権運動で黒人の人権のため戦ったり、ゲイのクラウスがベトナム戦争で死ぬ未来が待ってる好きな青年を死なせないよう努力したり、シーズン1ではほぼ出番がなかった幽霊になってる東洋人青年ベンも活躍が増えて終盤に見せ場もあった。そういった多様性に配慮した要素が多かったのも現在の世相を反映してる印象だった。
それにしても、このベン役の東洋人は爽やかでめっちゃいい感じだな。
好きな俳優はヴァーニャ役のエレン・ペイジ。彼女の話に戻るが、強大なパワーを持つヴァーニャだが彼女はシーズン1ラストで『X-MEN』のダーク・フェニックスみたいな強大なパワーに覚醒した。だが、そんな超パワー持ってたら苦戦しようがなくてストーリー作りづらいためか第1話冒頭のタイムスリップ直後に交通事故にあって記憶喪失になった。これで前回せっかく長い時間かけて、やっと覚醒したのに、また覚醒のし直しになってしまいテンション下がった。こういうのって物語を停滞させるための停滞って感じであまり楽しくない。まぁ再び能力が使えるようになっても只の警官に後ろから棒で殴られてすぐ失神したりしてたので大して違いはなかったが……。情緒不安定で世界滅亡のきっかけになりやすいヴァーニャは、やっぱダーク・フェニックスに似てるな。だが殆ど苦しんでるだけだったシーズン1と違って同性と恋愛したり誰かを助けたり他のメンバーやベンと心を通わせたりして、まともな活躍が増えていた。これを踏まえて次回はもっと中心人物になって欲しい感じ。
個人的に好きだったメンバーはルーサーとディエゴ。彼らはMCUで喩えるとドラックスと弱いバッキーという感じのキャラ。
ゴリラの身体を持つ怪力だが繊細すぎるルーサーは、巨漢怪力キャラにありがちだが、そのフィジカルとパワーが役に立つ場面は殆どないコメディリリーフで正にドラックスみたいな面白大柄枠。
ディエゴは髪と髭を伸ばしてて見た目が単純にかっこいい。最近の俺はキアヌ・リーブスとか『バイオハザード RE:3』のカルロスなど、こういった毛量の多い髭ロン毛の男が一番カッコいいルックスだと思ってるみたい。ディエゴは「格闘技とナイフが上手い」という「それってほぼ普通の人じゃない?」という気もするがとにかくディエゴは恋に落ちたり戦闘シーンも多めで面白かった。やはりヴァーニャのように数千人を一度に倒せるキャラは扱いが難しく本編の殆ど戦闘不能だったがディエゴのような常人と変わらんキャラは出番や戦闘が多くて良い。だけどラストバトルで念力で大量の銃弾を止めてたのは何だったんだろう?(あんなパワーあったっけ)。

☂ここからネタバレ多めになるが、ラストバトルで戦うディエゴと恋に落ちたコミッションの悪い女幹部の義娘、インド人のライラはアンブレラ・アカデミーと同日に生まれたがハーグリーブ卿に見落とされた能力者だった。説明はないが「対峙した能力者のパワーをコピーできる」という能力っぽかった。終盤になるまで格闘技以外全然パワーを使わなかったのは格闘とナイフ以外できないディエゴとずっと一緒だったからだろう。
最後の最後のネタバレだが、何とか終末戦争を回避して元の時代の屋敷にも戻れたアンブレラ・アカデミー。しかし1963年に大暴れした影響なのか元の世界とは少し違った世界になっておりハーグリーブ卿もベンも健在だった。そしてハーグリーブ卿はアンブレラ・アカデミーではなくベン率いる〈スパロー・アカデミー〉というスーパーヒーローチームを結成していた。今回はここで終わり。シーズン1のラストは、俺が嫌いなクリフハンガーの真っ最中にぶつ切りになって終わったが今回は「一つの事件は一応解決して、次の事件の冒頭だけチラ見せして終わる」という終わり方で良かった。前回もこうしとけよ。
アンブレラ・アカデミーは1963年で色んな無茶やったので世界線が変わってもおかしくない出来事が多すぎるが、やはりディエゴが義母とハーグリーブ卿の結婚を潰したからこうなったのは間違いない。全員の名前とパワーをハーグリーブ卿に教えてしまってるのでハーグリーブ卿はアンブレラ・アカデミーに対抗できる能力者を集めたのかもしれない。だがスパローはシルエットだけで誰が演じてるのかわかんないので全員アカデミーと同じ俳優が演じてるアンブレラ・アカデミーの色違いという可能性もある。エレン・ペイジのイケイケキャラとか観たいので個人的にはそっちの方が観たい。
「自分探し&世界滅亡回避編」は終わって次シーズン3は「アンブレラ・アカデミー vs.ハーグリーブ卿&アンブレラ・スパロー」って感じか。スパローを倒す楽しい展開と、今まで一度も子供達と心を通わせた描写がなかったハーグリーブ卿との真の和解が描かれるんだろう。それにしてもハーグリーブ卿は宇宙人とか怪物みたいな人間以外の存在のようだが、その設定っているか?普通のジジイでよかったんじゃないか?
しかしシーズン3も楽しみにしとこう。スパロー・アカデミーのメンツが早く見たい。

☂まぁ、そんな感じで2日に分けて一気観するほど面白くはあったが特に心に残るものはなかった、だがシーズン1よりずっと面白かった『アンブレラ・アカデミー2』の感想でした。
やっぱ、若者向けのNetflixオリジナル作品や深夜アニメとかゲームって、やたらとタイムスリップやタイムリープや平行世界が出てくる作品が多すぎるよね。てっとり速く面白くなるから。でも、それらの要素って諸刃の剣っていうか乱発すれば作品が薄っぺらくなる部分がある。何か失敗したり誰か死んでも「まぁタイムスリップすればええやん」と思うので目先の面白さは得られるが「死なないで!」といった緊張感は減っていくよね。『アベンジャーズ エンドゲーム』(2019)でも、11年間キャラを増やして育てまくった末での一度きりのタイムスリップだから(今後は乱発しないと決めてそう)「おお!タイムスリップしおった!過去のアイツが出た!」とか感慨深いわけだし平行世界も散々引っ張って13年目にやっとやるみたいだしMCUの性格からしてタイムスリップとか平行世界とか死者の蘇生は多分一回きりっぽいよね。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』も「これでタイムスリップ失敗したら次はない!」とかハラハラ感を色々工夫してますよね。本作の場合、ファイブが自力で出来なくもないし常人が運営してるコミッションに行けばノーリスクでタイムスリップできるカバンが数千個あるので、どうしても「頑張れば何千回でもタイムスリップしてやり直せるんじゃない?」という軽い気持ちになってしまいがち。本作の場合、軽いノリでタイムスリップするのが楽しいし売りだと思うけど緊張感はどうしても減っていくというリスクもある。本作の場合「五体満足でタイムスリップできるが、その度に別の危機が生まれる」という続編に繋がる『バック・トゥ・ザ・フューチャー』的なタイムスリップ・リスクを取ってるわけか、それはそれで一つのやり方ではあるか。
Netflixに入ってると新作が配信される度にタイムスリップや並行世界を扱った若者向けSFやアニメが多すぎて、その度に「タイムスリップすな!」「同じ一日を繰り返してばっかり……もうタイムリープすな!」と、しょっちゅう思わされがちなので書いといた。それっと俺がついついそんなもん再生してしまうから表示されるのかも。
出来れば人生をやり直したい?そう思ってそうな現代の我々下級国民の気持ちに寄り添ってタイムスリップやタイムリープや並行世界ネタが多いのかもな?たしかにそれは言えてるかも。「この世は仮想現実説」も好きだし。だが出来ることなら「時間を繰り返したりせず一回きりの人生やっていこうぜ!」と強く言いたい。本当はやり直したい気持ちがあるので強くは言えないが、なるべくそう思えるように思いたい。……といった弱い結びで終わりたくはないがそろそろ潮時なのでこの感想も終わるか?
一行目まで遡って感想を繰り返すってのはどうだ?

 

 

 

そんな感じでした

gock221b.hatenablog.com

☂☂☂☂☂☂☂☂☂☂☂☂☂☂☂☂☂☂☂☂☂☂☂☂☂☂☂☂☂☂☂☂☂☂☂

www.netflix.comThe Umbrella Academy (TV Series 2019– ) - IMDb
The Umbrella Academy | Dark Horse Digital Comics

www.youtube.com

www.youtube.com

Amazonアンブレラ・アカデミー ~組曲「黙示録」~ (ShoPro books) ※書籍、邦訳
Amazon: The Making of The Umbrella Academy (English Edition) ※Kindle
Amazon: Umbrella Academy Volume 1: Apocalypse Suite (English Edition) ※Kindle
Amazon: Umbrella Academy Volume 2: Dallas (English Edition) ※Kindle
Amazon: The Umbrella Academy Volume 3: Hotel Oblivion (English Edition) ※Kindle
Amazon: The Umbrella Academy #0 (English Edition) ※Kindle

f:id:gock221B:20200802130840g:plain

『オールド・ガード』(2020)/妙にうかつで全編はめられっぱなしの不死者たちとブッカーの不憫さの魅力🧑🏻

f:id:gock221B:20200727204810p:plain
原題:The Old Guard 原作&脚本&製作総指揮:グレッグ・ルッカ
監督:ジーナ・プリンス=バイスウッド 制作&主演:シャーリーズ・セロン
制作局:Netflix 製作国:アメリカ 配信時間:125分

 

 

 

DCやMARVELでも作話していたアメリカンコミックライター(アメコミ原作者)、小説家のグレッグ・ルッカがイメージ・コミックから出版したグラフィック・ノベル(大人向けアメコミ)『The Old Guard(2017)を実写映画化してNetflixで最近配信されたのがこの映画。原作者グレッグ・ルッカは本作の脚本や製作総指揮なども務めており、配信してるのはクリエイターに自由に制作させる事で定評のあるNetflixなので漫画原作者がガッチリと実写化を掌握したかたち。本作がウケたら本作の続編や他のコミックも映像化しようと思ってるのだろう。
監督は、こういうエンタメ映画ではまだ珍しい女性監督(これもまたNetflixらしい)。
主演は今最もヒーローのオーラが出ている女優シャーリーズ・セロン。セロン氏は『イーオン・フラックス』(2005)『アトミック・ブロンド』(2017)などマイナーなアメコミの女性ヒーローを主演している(イーオン・フラックスは海外コミックじゃなくて海外アニメが原作だけど)。『アトミック・ブロンド』は力作だったが大ヒットこそしなかったがセロン氏のヒーロー性やプロップスはより高まった。
ネタバレあり。

 

 

 

いつ生まれたのかもわからないほど長く生きている不死者アンディ(シャーリーズ・セロン)をリーダーとする不死者の小隊。
他のメンバーは、十字軍時代に宿敵同士だったがやがて互いを永遠に結びついた魂のパートナーだと想うに至ったジョーとニッキーという男性同士のカップル。彼女ら彼らに比べると最も新しく不死者に加わった頭脳担当?のブッカー。そして本作の前半の時に加わる新たな若い黒人女性海兵隊員の不死者ナイルを加えた5人のチーム。
不死者たちは、傷を負ってもすぐ治癒してしまう不死身の肉体や膨大な経験を活かして何世紀にも渡って人々を助けるため戦い続けていた。
ある日彼らは、元CIA工作員コブリー(キウェテル・イジョフォー)に嵌められて不死身である事実を撮影されてしまう。コブリーは製薬会社に映像を売り込み、その製薬会社CEOは不死者の肉体の秘密を知るため捕獲のための私設工作員を送り込む。
……という話。
劇中で彼女らは「私たちはオールド・ガード!」などとは一度も言わないので作品内で彼女らがそう自称してるわけではないらしい。多分、作者が作品タイトルとして彼女らをそう名付けただけで作品内ではそういった名称は使われていないと思う。
彼女らは不老の上に、撃たれても爆破で内蔵がまろび出ても高所から落下して複雑骨折しても1分もせず全快する肉体を持っている。一体どこまで損壊しても全快するのかはよくわからない。さすがに水爆等で一瞬で蒸発したら分裂する細胞が残ってないので回復できない気もするが、彼らが科学的な要因で治癒するのか、それともオカルト的な理由で全快するのか、本作を観ただけではよくわからないので原爆喰らっても回復する可能性もゼロではない。他のアメコミヒーローで言うとウルヴァリンデッドプールみたいな感じか(ちなみにウルヴァリンは一瞬で肉体が消し飛ぶ爆破を喰らってもアダマンチウム性の骨は残るのでそこから蘇生可能らしい)。
だが不死者たちの長い歴史の中で、かつてアンディと共に戦っていた黒人男性の不死者は、ある日突然、ヒーリングファクターが機能しなくなり普通に死んだりと、その不老不死には何百年か何千年かはわからないが限界があるようだ。
また、同様にアンディと共に闘っていたアジア人の女性クインという相棒も、魔女裁判の時に魔女として〈鉄の処女〉のような鉄の檻に入れられ海中に沈められてしまったらしい。
そのクインが海中で苦しんで頭がおかしくなっている様子を新人ナイルが夢で視たと言う(不死者は他の不死者の事を、まだ出会ってもいないうちに前に夢で視る)。
それで「まさかクインは海中で死ねずに500年以上、溺れ続けている……?」という恐ろしい予感が不死者たちを震撼させる。アンディ達はクインを必死に捜索したが見つからず、やがて諦めてしまいアンディの罪悪感となったという。沈められた場所も大体わかってるのに、そんなに見つからないもんかね?でも、とても潜水艦でも行けないくらい深い場所に沈んでいってしまってダメだったのかな?
このクインがどうなったかはラストまで語られないのだが、クインに起きた出来事が悲惨すぎて「クインどうなった!?」「クイン何とかして!」と凄く気になって本編に集中できなかった。だから、このクインのエピソードは、クインの話になると思われる続編の冒頭で語れば良かったのでは?
前半では、不死者の戦闘と、騙されてしまうくだり、アンディが新人不死者ナイルをスカウトするくだりなどが描かれる。
シャーリーズ・セロン以外の俳優はよく知らない人が多いが他に知ってる人は、彼女らを騙した元CIA工作員コブリーは『それでも夜は明ける』(2013)とかMCU『ドクター・ストレンジ』(2016)のモルド役の人が一番有名な俳優か。あとオールド・ガードのニッキー役は『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』(2015)でロン毛の悪役マフィアのイタリア人俳優だった。可哀相なクインは『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(2017)の冒頭で戦死したローズの美人の姉の役してたベトナム人女優の人。
といった感じで、不死者たちのキャラ紹介や、彼女らの肉体の秘密を知りたい製薬会社が接近してくる様子が描かれる。

 

 


不死者の秘密のアジトが何故か製薬会社に知られており、アンディとナイルが留守にしていた時、奇襲を受けてジョー&ニッキーは攫われ、ブッカーは内臓ぶちまけて放置されていた(でもすぐ生き返った)。
連行されたジョー&ニッキーは、殆ど拷問のような研究されるモルモットとなる。
ちなみに本作のヴィランと言える製薬会社CEOは、とんでもなくムカつく顔している。GOTの悪役として出てきそうな面構え。シェイクスピアの舞台に多く出て演技が大仰な英国人俳優によくいそうな顔。何も憎まれ口叩いてない時ですら常に「ハァ?僕の何が悪いの?下級国民が(嘲笑)」って顔面自体が語りかけてくるような顔している。こいつがまだ何も悪い事してなくても逮捕覚悟でダッシュして殴りつけたい顔をしている。コイツが登場して本作への集中度がぐっと上がった。こいつが死ぬところを観ないと俺はもう夕食作ったり次の事ができない!そう思わせる顔だ。お前が捨てられて凍えている仔犬を助けた事があるとしよう、でも死ね。
だが連行される途中で、ゲイを嘲笑う工作員たちにジョーは、ニッキーが如何にかけがえないパートナーであるかを詩的に述べるロマンチックなシーン。そして輸送車両が製薬会社に到着した時、工作員達は両手両足縛られたジョー&ニッキーに皆殺しにされていた。ここが非常に熱い場面(どうせなら殺すところも観たかった)。原作者兼脚本家兼製作総指揮者のルッカはインタビューで、ここに凄く力を入れたと言っていた。確かに大作エンタメ映画でこんなにLGBTQ+カップルが堂々と愛を語ってキスして暴れるのは観たことないかも。アメコミ映画だと、MCUだとヴァルキリーがレズビアンらしいが、その描写や言及はカットされてしまったし『デッドプール2』でネガソニ&ユキオという女性同士のカップルが出てきたくらいか、その出番も凄く少ないのに「同性カップルが普通に出てた!」という理由だけで熱狂されてたから如何にそういうキャラが大作に出てこないかって事を物語ってますよね。MARVELやDCより遥かにマイナーな出版社原作のアメコミ映画である本作が意外な分野で先んじたな、と感じた。
「家族と暮らしたい」と不死者の部隊加入に戸惑っていたナイルを残し、アンディとブッカーはジョー&ニッキー救出そして自分達の存在の痕跡を消すために、敵の居場所を知るために元CIA工作員コブリーの住まいを強襲。しかし不死者を売ったのはブッカーでアンディは工作員に捕らわれる。
永遠に思える長い時間を共有できる友を裏切って金なんか貰っても仕方ないよね?と不可解だったが、ブッカーはどうやら「不死身の肉体の秘密がわかれば死ぬこともできる」ついでに世の中のためになればいいって動機だったらしい。アンディ達を嵌めたのは言ったら反対されるためだろう。
しかし製薬会社CEOは不死者を人間だと思ってないので、そんなブッカーも与沢翼が1億円を稼ぐよりも秒速で捕獲された。ブッカー「ぐわあああ!」。わぁ頭脳担当()のブッカーも捕まったあぁ!。
というかジョー&ニッキーが攫われたのにブッカーだけ置いていかれた事を不審に思わなかったり空の銃を渡されても残弾を確認しなかったアンディがぼんやりしてたのだが、そんな感じで不死者たちは色々とうっかりしていると思われる。
そもそも何千年も生きて人々を救いたいなら近代に入ってからはもっと財団や企業を作って社会的に働きかければいいものの、いつまでも現場主義のガテン系だったところからして「考えるより身体動かせ!」ってチームなんだろうと思われる。
仲良く全員捕まって「ブッカーの裏切り者!」「お前らは孤独の辛さを知らん!」などと罵り合う不死者たち。何だか彼女ら彼らが愛おしくなってくる。
だがブッカーの挙動が変だった事に気付いたナイルが、家族を捨てて不死者たちを救いに戻ってきて皆を救出!ブッカーも気まずい表情でチームに復帰!ここのブッカー今、気まずいだろうなぁ。脱出のための戦闘っていうやる事があって良かったよな。たまに治癒力が消えつつあるアンディの弾除けになって撃たれたりするのも「痛いけど気まずくなくて助かる!」と思ってるんだろうなぁと可笑しくなった。
弾が切れたのでアンディは彼女のトレードマークかつ得意な武器らしい斧を使っての戦闘、これがかっこいい。シャーリーズ・セロンは何千年も斧を使ってる雰囲気を出すために日常生活でも暇さえあれば本物の斧に見えるプロップを持ってたらしい、そしてホテルだかレストランだかの店員が「シャーリーズ・セロンがデッカい斧持っとる!」とクソビビリ散らかしてたというエピソード好き。
何だかんだあってムカつく顔のCEOや工作員を全員ぶっ殺し一件落着。
バーで打ち上げしてる時、アンディがブッカーに近づき
アンディ「ナイルは謝罪で許す気みたいだけど私達からアンタには一応、罰がある」
ブッカー「ああ……当然の報いだ……なんだ?」
一体どうするんだ?痛めつけるのも違うし
アンディ「100年間、私たちと会うのを禁ずる
ブッカー「……!あ、あぁ……わかった……
三ヶ月後、「100年間一人ぼっちの刑」に処されて酔っ払いになったブッカーの姿が!!
これが只の人間なら恋人や友人を作れば気も紛れるだろうが、ブッカーの場合「人間と知り合っても彼らが老いたり死ぬのを見る事になるから辛い」って熱弁してたから多分、不死者じゃない人間の知り合いは作らないタイプだよね。それを思うと思いのほかキツい罰ですよ、これは。マッツ・ミケルセンみたいに端正な顔もあいまって絶妙に可笑しくて笑ってしまった。
そして最初に彼女らを嵌めた元CIA工作員コブリーもまた、彼女らの肉体研究がガチで世の中のためになると思ってした事だったが製薬会社CEOが想像以上のヤバい奴だった事で罪悪感を感じており、アンディ達が無数の戦争で多くの人を救い人類滅亡の危機も何度も救い、救った人の中から多くの偉人を排出してる事などをアンディ達に伝える。
アンディ達は「へーそうなんだ。思いもよらんかったわー」って感じの顔をしている。本作のシャーリーズ・セロンはめちゃくちゃ美しいので最初はその様に観てるが、こういった感じで「何千年も生きててそこに気付かん?」って事が多すぎて、その美しいルックスとのギャップで、本作の後半ではずっと可笑しい感じを醸し出している。
そもそも映画の後半で「アンディの治癒能力は切れつつある」という展開でハラハラさせようとするのだが、これは映画なのでメタ的に言えば不死者だろうが普通の人間だろうがクライマックスになれば死ぬか生きるかのどちらかになるので、不老不死だろうが余命1日だろうが実は映画にとってはあまり関係ない設定だと乱暴に言うこともできなくはない(少年漫画で「この技を使えば寿命が10年縮む」という設定が何の価値もないのと似ている)。だから、数千年の経験から来る常人では不可能な思考やスキルをもっと観たかったのだが、原作を書いた作者も監督も俳優も不死者じゃないので、ガチな不死者感を出すのはなかなか難しいんだろうなと感じた。
そしてコブリーは今回みたいな事が起きないように、不死者たちの痕跡を消す役目として不死者チームの一員に加えられて終わる。
で、ポストクレジットシーンで500年溺れ続けてたクインが「100年、仲間はずれの刑」にされたブッカーの前に現れてヴィラン的な笑みを浮かべる。続編では彼女がアンディに復讐するのだろう。そこで何が起きるかは何となく想像つくけど、だがその場合ブッカーは?クインと共にアンディと戦う?罪悪感を抱いてるみたいだし、それは考えにくいな。とにかく続編でのブッカーが気になる。
何か、感想は数行で、後はあらすじ全部書いてしまう系の俺の嫌いな感想になってしまったが、そんな感じで結構面白かった。再生されてる回数も『タイラー・レイク -命の奪還-』(2020)には及ばないまでも『アイリッシュマン』(2019)を超えたらしいしセロン氏もやる気まんまんみたいなので続編はあるでしょう。

 

 

 

そんな感じでした

 🧑🏻🧑🏻🧑🏻🧑🏻🧑🏻🧑🏻🧑🏻🧑🏻🧑🏻🧑🏻🧑🏻🧑🏻🧑🏻🧑🏻🧑🏻🧑🏻🧑🏻🧑🏻🧑🏻🧑🏻🧑🏻🧑🏻🧑🏻🧑🏻🧑🏻🧑🏻

www.netflix.com
The Old Guard (2020) - IMDb
www.youtube.com

www.youtube.com

www.youtube.com
Amazon: The Old Guard: the old guard fans notebook journal gift ※洋書
Amazon: The Old Guard ( Netflix Movie+2020): Ending Explained (English Edition) ※Kindle

Amazon: The Old Guard (Issues) (10 Book Series) ※Kindle(原作全10巻まとめ)

f:id:gock221B:20200727230752g:plain

#sidebar { font-size: 14px; }