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映画の感想ブログ 🤴 おしずかに‥〈2015年4月開設〉

「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル (2017)」どうしようもない人間達をアホみたいに描いているが同時に地球を離れて空中にいる時のトーニャへの愛も感じた👱‍♀️

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原題:I, Tonya 監督:クレイグ・ギレスピー
制作&主演:マーゴット・ロビー 
製作国:アメリカ 上映時間:120分

 

 

1990年代前半に活躍して、ライバルのナンシー・ケリガン選手襲撃事件に関わっていたとされるフィギュアスケート選手トーニャ・ハーディングの半生を描いた実話ベースの映画。
連日報道されてた事件だったが、その当時忙しくて‥というか20代の10年間全くTV観てなかったので彼女への知識も思い入れもなし。ついでにフィギュアスケートへの興味もゼロで全く観たことがない。ただ制作&主演のマーゴット・ロビーと実話ベースの映画が好きなだけ。実話だし完全にネタバレありスタイル

 

 

Story
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貧しい白人家庭に育った少女トーニャ・ハーディング(子役:マッケナ・グレイス)。
母親ラヴォナアリソン・ジャネイ)は娘のスケートの才能に気づき、彼女を一流のフィギュアスケート選手にして貧困から脱出しようと本格的にスケートを習わせるが、娘に愛情を示すことはなくトーニャはDVが日常の少女時代を過ごす。
やがて15歳になったトーニャマーゴット・ロビー)はジェフ・ギルーリーセバスチャン・スタン)と出会い、恋に落ちるが――

 

 

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マーゴット・ロビーは痩せてるが下半身が妙にムチムチしてるのでスケート選手役は合ってた感じ。
事件に関わったトーニャ周辺の、彼女ら彼らが語る証言を元にフィクション化している。
だから〈現在のトーニャ〉が「夫はすぐ殴ってきた」と語ると劇中のトーニャが夫に殴られてカメラ目線をするが、すぐさま〈現在の夫〉が「いや、むしろ彼女の方が暴力的だった」と語れば、劇中の〈当時のトーニャ〉が夫を殴り返したり銃をぶっ放したり‥と、そんな感じで進む。
つまり「羅生門」みたいに「真実は藪の中でどれが真実が定まっていない」という感じで展開する。
登場人物全員ホワイトトラッシュ(貧乏白人)なので、真剣に描くと観てられない痛々しい映画になった気がするが、彼ら全員アホの証言を元にコメディ形式に撮ってるので劇中で悲惨な事が起きていても全体的に可笑しいムードが漂う。
幼女時代は「GIFTED/ギフテッド」で天才の娘役をしてた天才子役の彼女が、本作でもスケートの天才幼女を演じている。オシッコしたくても母にトイレ行くのを許されず小便たれ流しながらレッスンを続ける幼トーニャ。
やがて高校生くらいの時にMCUバッキー役でお馴染みのセバスチャン・スタンと付き合い始め、マイルドヤンキーらしく速攻で結婚する。
で、勿論すぐにDVし合って別れたり寄りを戻す‥などの繰り返し‥という底辺定番の流れ。(どうせしょうもないに違いない)喧嘩の原因など一切描かず、まるで意味なく殴り合ってるかのように描いてるから本当に二人とも凄くアホに見えて可笑しい。
「あなた達の証言どおり描きましたよ‥」という形で完全に馬鹿にしてるとしか思えず、これはホワイトトラッシュを真剣に見せかけて意地悪く描くのが上手いブコウスキーデヴィッド・リンチみたいで面白かった。
「バッキーの人はDVとかしそうにないからミスキャストじゃないかなぁ」と最初は思ったが、マーゴット・ロビーセバスチャン・スタンという可愛らしい顔の2人が殴り合う様は、子犬がじゃれ合ってるみたいで痛々しくないので「きっとだから可愛い顔のセバスチャン氏をキャスティングしたのかもな」と思った。
また鬼ママ役の人の憎たらしさが凄い。ゴールデングローブ賞 助演女優賞、アカデミー助演女優賞を受賞したらしい(マーゴット・ロビーはどちらもノミネート止まり。まぁ若いからね)

 

 

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トーニャはアルベールビルオリンピックで四位に終わり、スケートを辞めて母と同じくウェイトレスをしていたが努力して順調に再びトップ選手に返り咲く。
最高の努力で得た最高の技術で最高の演技をしたはずが、どうにも最高の得点が出ないことに腹を立てて審査員を問い詰めると
審査員「スケートは技術だけじゃないんだよ」
審査員「君からは理想的なアメリカの家庭の温かさが感じられない」と言う。
トーニャは、その人生において過去にも現在にも、そんなものは知らない。
「才能はあるが、どんなに努力しても栄光は掴めない」と決定づけられたようなものだ。
トーニャの夫ジェフは、脅迫状が来てビビって欠場したトーニャを見て「そうや、トーニャのライバルのケリガンにも脅迫状出して欠場させればトーニャの不戦勝になるやんけ!」と思いたち、親友のニートのデブに相談。このデブ‥大柄はいい歳をして実家住まいで無職「自分は国のスパイとして暗躍している」などと妄言をいつも吐いている(最後のスタッフロールで「こいつは本当に言ってましたよ」と見せる)。
大柄はろくでもない知り合いに依頼し、ジェフの計画は「脅迫状を出してビビらせるだけ」だったのに、このジェフの親友のニートのろくでもない知り合いの更にろくでもない知り合いは何故か棒でケリガンをブン殴って、ケリガンは次の大会を欠場。大事件となる。
FBIが捜査を始め、関係者は全員バカなのですぐにトーニャまで疑われる。
実際の真実は明らかになってないらしいが、大体上の流れが真実っぽい感じで描かれ、トーニャが指示した感じでは描かれなかった。だが知ってて見過ごした可能性も高いが、実のところよくわからない。まぁ知ってた気がする。
マスコミやアメリカ国民によるトーニャ叩きについて〈現在のトーニャ〉は「大人になってもう一度虐待された気分だった。そう、お前らにな‥」と睨みつける。すごい迫力だ。彼女が語りかけてるのは映画を観てる者‥というか人類全ての修正について‥だが今、彼女が断罪してるのはこれを楽しんで観ていた俺のことだ。実際、トーニャの上手くいかない人生や彼女周辺のアホをめちゃくちゃ楽しんで観てたので当たっている。
そして今まで一度も褒めてくれた事がなかった鬼ママが初めて優しくしてくれた‥と思ったら酷い裏切りだったとか、裁判で二度とスケートできなくされたりして映画は終わる。
ちなみに〈現在のジェフ〉はトーニャに悪いと思ってる感じで〈現在のママ〉は一切悪びれていない。
映画のラストは、彼女がトリプルアクセルを成功させた人生最高の瞬間、空中でクルクル回る栄光の姿と、スケートできなくなってボクシングの試合に出てブン殴られて惨めに空中をクルクル回ってる姿がシンクロするという最高のものだった。

 

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ケリガンをトーニャが殴ったのかどうかはハッキリしないが、トーニャが「理想的なアメリカの家庭の温かさ」を知らない事。そしてどうしようもない母と夫、その周りのどうしようもない人間たち、それらが集まってできた澱(おり)のようなものがケリガンを殴ったようなものだろう。
「トーニャは生まれた瞬間に詰んでいた」という「ヘレディタリー/継承」にも通じるものを愉快に描いた映画だったとも言える。ベテラン女優が怖い顔のオカンを演じるという共通点もあるし。
だが、この映画は基本的に登場するどうしようもない人間たちをアホみたいに描いているが(実際アホなので仕方ない)トーニャのことを描く際は、どこか愛情のようなものを込めて描いてるように感じた。
最後の栄光と没落のクルクルを同時に見せるラストも「氷上を舞ってたトーニャが落ちぶれて殴られて宙を舞ってますよ」という意地悪な視点だけではなく「あのトリプルアクセルで地球を離れて空中にいたトーニャが輝いていたのは事実」と言いたいようにも感じた。
そしてラストカットはボクシングでブン殴られてリングに倒れた、ろくでもない女トーニャが不敵な笑みを浮かべて立ち上がる瞬間なのだ。
というかトーニャの事を好きになったかもしれん。

 

 

そんな感じでした

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「スウィート17モンスター (2016)」主演の魅力と、どの人物も一面的なステレオタイプじゃなく人間として描いてるのが良かったです👩

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原題:The Edge of Seventeen 監督&脚本:ケリー・フレモン・クレイグ
製作国:アメリカ 上映時間:104分

 

 

とても美しい女性の映画監督のデビュー作。
主演は、デビュー作「トゥルー・グリット(2010)」でいきなりアカデミー助演女優賞ノミネートされて、大ヒットして日本でもうすぐ公開される「バンブルビー (2019)」の主演でもある、あの如何にも大物になりそうな面構えの若手女優。
「友達がお兄ちゃんと付き合い始めて、いじける少女の映画‥って、あらすじめちゃくちゃ可愛いな!」と前から見たかった。ネトフリで配信始まったのでこいつはいいやと観ました。

 

 

Story
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イケメンで性格良いのでモテる兄ダリアン(ブレイク・ジェナー)とは対照的に、キスの経験すらない自分に自己嫌悪の日々を送る17歳の女子高生ネイディーン(ヘイリー・スタインフェルド)。
最大の理解者だった父を幼い頃に亡くして以来、たった一人の親友クリスタだけが心の支えだったのだが、ある日クリスタが、よりによって兄ダリアンと付き合い出したことを裏切りだと捉えてしまい絶望するが――

 

 

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主演ネイディーン役のヘイリー・スタインフェルドの魅力がすごい。
演技も上手いしクルクル変わる顔見てるだけで面白い。この子は5年後くらいにはエマ・ストーンみたいになってそう。あとこの役の服装がどれも凄く可愛い。
ネイディーンは、いつも味方してくれてた優しくて面白いパパが死んでしまった。そして唯一人の親友クリスタが自分の兄貴と付き合い始めて納得できず大喧嘩してしまう。
ネイディーンは、人気者でイケメン兄貴のことを「筋トレしてマッチョで‥ナルシストでキモい!」とか言ってるが、兄ダリアンは至って優しいナイスガイ。
親友クリスタは、お泊り会の夜に兄貴とベッドインしてそのまま真剣交際を始める。
兄貴もクリスタも至って空気の読める良い奴。
‥だがネイディーンはそんな2人が気に食わない!
クリスタに対して「私と兄貴どっち取るの?!兄貴と付き合うなら絶交!」
などとどうしようもない事を言ってしまったもんだから絶交されてしまうネイディーン。クリスタは勿論そんな事したくないがネイディーンが変わらない以上、クリスタにはどうしようもない状態。
父の死や思い通りにならなさのせい‥というより、思春期特有の面倒くささを持つネイディーンの本来持ったエモさでそうなってるだけのような気もする。
ネイディーンは終始、兄貴やクリスタ、女手一つで育ててくれてるママ、ウディ・ハレルソン演じる個人主義的な丁度いい優しさを持つ担任教師に当たり散らす!
ネイディーンは基本いい子だと思うが、周りの人と口喧嘩になった際「ママが乳首の毛を抜いてるのSNSに書いてやる!」「兄貴、頭でかくて意外とバランス悪いよ」「(クリスタは)いつか兄貴に棄てられるよ!」「先生はハゲだしダサいし年収も少ないから一生独身のまま!」などと、出来るだけ相手が傷つきそうな言葉を一生懸命ひねり出して言う様が「この子けっこう性格悪いな‥」と憎たらしくもあるが年齢を考えると可愛らしい範疇か‥と思わせる感じ。
Facebookのフォロバしてくれないイケメンに恋してるネイディーン。
そんなネイディーンは同じクラスの韓国人少年に恋されてるが、ネイディーンは彼を冴えないメン扱いして軽んじている。だが親友と喧嘩してイケメンも相手にしてくれないのでネイディーンは韓国ボーイを「何だか、おじいちゃんみたいで落ち着く」とか言って滑り止めみたいに扱う。
この韓国ボーイ、男扱いされてないしネイディーンは彼が自分の事を好きだとわかってて連れ回してるがボーイは文句も言わない。手作りアニメを創ってるクリエイティブな面もあるし、かなり魅力的な人物。
ちなみにネイディーンもだが、韓国ボーイの家はリモコンで音楽が流れるプールが設置してある豪邸で「観てる俺とは豊かさが違いすぎる‥」と一瞬心が離れそうになったが「そんな経済的理由で引くのは共感能力が低すぎるし、あまりにアホみたい」と思い直して再度、おれの魂はネイディーンや韓国ボーイに寄り添う事に成功。
周りの人は誰一人悪くなくて良い人ばかり、むしろ主人公のネイディーンの方が反省する点が多いので擁護する感じじゃなく「ネイディーンどんまい‥」という気持ちで見守ることになる。
ネイディーンはムシャクシャしてエロいメールを片思いしているイケメンに誤送信してしまう。
イケメンは早速ドライブに誘ってくるので喜んで行くネイディーン。
当然イケメンは車を駐めてカーセックスしようとするのだが、イケメンが真剣交際してくれると思ったネイディーンは拒否して走り去る。
苛立つイケメンが「これじゃ俺が悪者みたいじゃねーか」と言うのも凄く良かった。
よくある映画だと、このイケメンはデートレイプしようとする悪いイケメンとして描かれがちだが、彼はただエロメールが来たからその通りしようとしただけ。
出番の少ないヤリチン系イケメンでさえ、一面的ではなく人間として描こうとしてるのがいいですね。
ストーリー自体は、まるで道徳の時間に見るNHK教育ドラマみたいなささやかなもので、普通だったら飽きそうだけど、これがめちゃくちゃ面白い。
面白いポイントを具体的に説明するのは難しいんだけど、単純に上手い監督が明確なビジョンを持って撮ってる感じが面白いのかも?登場人物が皆、ステレオタイプな台詞は吐かないので登場人物たちが生きてるって感じする。あとやっぱ周りは良い人で悪いのは主人公ネイディーンだけ、というのがよくある青春コメディと一風違ってて面白いのかも。

 

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皆は良い人なのに、自分で自分を四面楚歌に追い込んでしまったネイディーンは昼休みに喋る相手がいなくなり、仕方なくウディ・ハレルソン演じる担任教師と喋りに行く。
相変わらず「周りが悪い」とまくしたてるネイディーンのしょうもない話を黙って聞いてた担任が「確かに君は‥」と口を開き、
何言うんだろ?ここは大人らしく何か気の利いたアドバイスするのかなと思うと
「‥皆に嫌われてるかも。」
と言い、ネイディーンはポカーンとした後
「た、担任が傷ついた女生徒にそんな事言う?!最低っ!」
とブチギレる場面がめちゃくちゃ面白かった。
人生の思い通りならなさを周囲に当たり散らすネイディーンは子供で要は甘えてるんだけど担任教師は、そんな甘えてくるネイディーンに対して毎回いたって平熱で接する様が凄く可笑しい。そして同時に、子供だから優しくするわけじゃなくクールにあしらうというのは、むしろネイディーンを人間扱いしてるからこそ、そうしてるんだなと思えて凄く良かった。
そんな感じで序盤~中盤~は凄く面白いのだが最後は、なにしろネイディーンだけが悪いのでネイディーンが心を開いて周囲に「正直スマンかった」と謝罪して仲直りする展開しかない。
愛すべきキャラクター達なので「良かった、仲直りして終わって」とは思うものの、ハッキリ言ってフィクションとしてはあまり面白くない。「だったらどういう終盤なら良かった?」と訊かれても他に思いつかないけど‥。よくあるラブコメなら「イケメンが極悪なキャラでイケメン仲間に襲われそうなところを兄貴やクリスタと韓国ボーイが助けに来て面白おかしい乱闘の末に何とか助かって、その後2人に謝罪するエンディング‥というのはよくある。だけどさっき「悪役にされがちなヤリチンボーイでさえも一人の人間として扱ったのが良い」と褒めたところなので、そんなハリウッド的なベルコンベアー式の結末じゃ褒めた部分と矛盾するな。やっぱりこの無難な着地で良かったのかな‥。考えても何も思いつかないから、まぁいいや。終わりにしよう。
同じ「周囲から浮いてるこじれた女子の青春コメディ」としては終盤あまりに引っかかりがない分だけ、僕が凄い好きなノルウェー青春映画「15歳、アルマの恋愛妄想 (2011)」には及ばなかったが、充分面白かった。特に中盤くらいまではもう一度すぐ観たいくらい楽しかったよ。

 

 

そんな感じでした
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「アンブレラ・アカデミー (2019)」全10話/キャラや設定は面白いが進行させるためにキャラがどんどんコミュ障になる脚本にイライラした☂

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原題:The Umbrella Academy 原作&制作:ジェラルド・ウェイ
企画&総指揮:スティーヴ・ブラックマン

配信局:Netflix 製作国:アメリカ 配信時間:各話約60分、全10話

 

 

6年前に解散したロックバンド、マイ・ケミカル・ロマンスのヴォーカル、ジェラルド・ウェイが書いたダークホース・コミックから出版された同名コミックをドラマ化したもの。
コミックはアイズナー賞獲ったり邦訳もされて面白いという評判を聞いてたが結局読まず仕舞なので(というかここ10年くらい本自体全然読まなくなった)どういう話かは知らない。だから原作と比べてどうのこうのというのはよくわからない。
この原作者ジェラルド氏は、元アニメーターでもあってバンドも売れてこのコミック描いて高評価で映像化されて‥そんな作品に自分も制作で入って主題歌作って提供したり自分でも歌ったりして‥こいつ何でも出来るな!
脚本家のジェレミー・スレーターって人は、ググってみると「ラザラス・エフェクト (2015)」「ファンタスティック・フォー (2015)」「デスノート (2017)」‥とどれも駄作ばっかりやんけ!と一気に不安になったが、とりあえず観てみよう。
ネタバレありありの感想。

 

☂ Story ☂
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☂1989年、世界中で妊娠していない43人の女性が同日同時刻に突然出産するという事件が発生。
億万長者レジナルド・ハーグリーヴズが、その中から特殊能力を持つ7人の兄弟姉妹養子として引き取り、世界を救うスーパーヒーローに育てる学園〈アンブレラ・アカデミー〉を創設。
☂しかし計画通りには進まず、子供たちがティーンエイジャーになるとアカデミーは解散
更に時が経った現在。ハーグリーヴズ卿は謎の死を遂げる。
父の死を弔うため久しぶりに再結集した兄弟姉妹は地球が8日後に滅亡する事を知るが―

 

 

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本作の開始前の状況は「謎の大富豪ハーグリーヴス卿が、特殊能力を持った少年少女7人を集めて訓練、教育して犯罪などを未然に防ぐヒーローチーム〈アンブレラ・アカデミー〉をつくる」‥という、要するに「X-MEN」みたいな設定(原作はDCコミックの、X-MENによく似た「ドゥーム・パトロール」の方をモデルにしたらしいがX-MENの方がメジャーなのでそっちを例えに出した)
だがナンバー6が死んだり色々あって〈アンブレラ・アカデミー〉は解散。
アンブレラ・アカデミーが現役だった時の子供達は、有名人となりコミックやフィギュアが出版されたりしていたが今では過去の人。
時は過ぎ現在。ハーグリーヴス卿が謎の死を遂げ、久々に集まった子供達。
子供の中で父を唯一慕っていたルーサーは彼の死に疑問を持って調査を開始。
この辺は「ウォッチメン」を思わせる導入部。
そして葬式の夜、かつて未来に行ったまま帰らなかったナンバー5が時空の狭間から帰還。それ以降、謎の組織が彼の命狙う。
物語は大きく分けると「アカデミーの子供達7人の過去と現在何があったかの人間ドラマ」「義父ハーグリーヴス卿の死を探るミステリー」「ナンバー・ファイブと彼を追う秘密結社」という三本柱で進んでいく。
ドラマとしての作風は、利他的な善意ある自警行為を行うという従来のヒーローチームものではなく、アカデミーは解散してメンバーはそれぞれ自分の人生を生きており、物語中も殆ど自分達や謎のために動いている。だからヒーローものというより「元ヒーローだった者達のSFミステリーメタヒーローフィクション」って感じ。
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現在の兄弟姉妹は仲悪いのだが第1話、長男がレコードをかけると各々がそれぞれ別の部屋でダンスするシーンがある。
これは「今は不仲でバラバラだが、彼らの深くでは今も共通する何かがある」という事を示した一番良いシーンだった。「きっと今はバラバラの兄弟姉妹だが、シーズン1終盤くらいでは団結してアカデミーというチームが復活するんだろうなぁ」と期待させられた。
この皆が踊っている様子を豪邸断面図で見せるところ、問題ある父親と不仲の家族、ブラックジョークや唐突な暴力描写‥など、全体的にウェス・アンダーソンの映画っぽいノリを感じた。
有名なアメコミで無理やり例えると「X-MEN」+「ドゥーム・パトロール」+「ウォッチメン」ってところか?
ドラマのキャラについては登場人物紹介した方が、ドラマの内容も大体伝わるし早くて便利な事に気づいたので、そうしてみよう👇

 

Character
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〈アンブレラ・アカデミー〉
ナンバー1ルーサー(トム・ホッパー)
コードネーム:スペースボーイ。リーダー格。
兄弟姉妹の中で唯一アカデミーに残ってたが事故で重症を負いゴリラの身体を移植された。父の指示で月に行き4年間調査していた。アリソンが好き。真面目すぎて父のルールを守りすぎた結果、20代後半になっても未だに童貞で友達もいない。義父の死を疑い調査を始める。たぶん怪力キャラなんだと思うけど本作はアクションがショボいし頻度が少ないのでカッコいい活躍は少ない。
ナンバー2ディエゴ(デヴィッド・カスタネダ
コードネーム:クラーケン。格闘技とナイフ投げの達人。アカデミーを出てもボクシングや自警活動を続けていて女刑事ハッチと付き合っていた。尖った性格のため、ママとハッチを愛しているがそれ以外の者とは折り合いが悪い。
☂ ナンバー3アリソン(エミー・レイバー・ ランプマン)
コードネーム:ザ・ルーマー。誰でも何でも言うことを聞かせる事が出来るという、かなりチート能力の持ち主。娘の親権を取られたバツイチの有名な女優。少女の頃はルーサーの事が好きだった。何でも解決できそうなチート能力ではあるがアリソンはこの能力が原因で離婚したためか娘以外のことに興味ないためか、この能力を発揮する場面は一度しかなかった。
ナンバー4クラウス(ロバート・シーアン)
コードネーム:ザ・セアンス。死者とコミュニケーションできる霊能力を持ったジャンキーのゲイ。常にきまっていてよく喋る。死んだベンの霊とよく一緒に居る。ハーグリーヴス卿を呼び出そうとするが薬が抜けていないためか会えない。物語の途中ベトナム戦争に飛ばされ貴重な体験をする。
ナンバー5(エイダン・ギャラガ―)
理由は描かれないが名前とコードネームがない。時空間の移動ができる。場所だけを移動するワープは簡単だが時間をも超えるタイムトラベルは不安定。13歳の頃タイムトラベルして世界が滅んだ後の未来へ行き帰れなくなり45年間〈ドローレス〉と名付けたマネキンだけを友として生き抜いていたところを秘密結社テンプ・コネクションに拾われ、暗殺者として働いていた。兄弟姉妹が集まった義父のお通夜に帰還した。未来では58歳のハゲだったが現代に戻ったら元の13歳の肉体に戻った。
ナンバー6ベン(Ethan Hwang)
コードネーム:ザ・ホラー。腹から巨大な触手を何本も出せるアジア人の少年‥だったが物語開始前、既に死亡している(原因は描かれない)。幽霊となった今は自分の事が見えるクラウスとよく一緒に居る。
☂ ナンバー7ヴァ―ニャエレン・ペイジ
コードネーム:ホワイト・バイオリン。一人だけ特殊能力を持たない、バイオリンが得意なだけの女性。兄弟姉妹の中で一人だけ能力を持たないので疎外感やトラウマを感じ自信のない女性に育った。アカデミーを出た後、暴露本を執筆出版した。バイオリンのレッスンを習いに来た青年レオナルドと仲良くなる。

〈アンブレラ・アカデミー関係者〉
レジナルド・ハーグリーヴズ卿コルム・フィオール)※既に死亡
本編開始前に謎の死を遂げた億万長者にして天才発明家。子供たちの父だが厳格で、愛情を他人に向けなかったので、その死を哀しむ者は少ない。
ポゴ
(アダム・ゴドリー)
人語を喋り人間並みの知能を持った天才チンパンジーハーグリーヴス家の執事。
グレース(Jordan Claire Robbins)
子供達の母親代わりになるよう造られた美女型アンドロイド。理想の母親的態度や言動がプログラムされている。自分の意志が全くないように見えるが、たまに複雑な態度を取ったりして、どの程度の知能があるのかよくわからない。

〈その他〉
チャチャ(メアリー・J. ブライジ)
ナンバー・ファイブを暗殺するため秘密組織テンプ・コミッションから派遣された仕事一筋の女性エージェント。様々な時代をタイムスリップして会社が指示する標的を殺して周っている。演じてるのは大物R&B女性歌手。
ヘーゼル(Cameron Britton)
チャチャとコンビで行動してナンバー5を暗殺しようとしている大柄のエージェント。重いカバン(タイムスリップ装置)を持たされている。ドーナツが好きでウェイトレスの老婦人と惹かれ合う。ぱっと見普通の中年男性だがタイマンでナンバー2に完勝できるくらい強い。
コミッション リクルーターケイト・ウォルシュ
チャチャ&ヘーゼルやかつてのナンバー5の上司。タイムスリップなど時間に干渉する技術を持ち、あらゆる時代で暗殺を行っている謎の秘密組織テンプ・コミッションの女性幹部。未来で立ち往生していたナンバー・ファイブをスカウトして暗殺者にした。時を止める能力を持つ。
レオナルド・ピーボディ(ジョン・マガロ)
ヴァーニャのバイオリンレッスンにやって来た優しい青年。

 

 

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‥そんな登場人物達が織りなす話。
アクションシーンはショボいし、そもそも戦闘シーンは少ない。
キャラの中では、ジジイの心を持つ少年ナンバー5がダントツで面白い。
キャラの中では最も事件の中心にいるし、本作は群像劇だが、こいつとヴァーニャ(エレン・ペイジ)に割かれた時間が最も多く、どちらかが主人公と言えるだろう。
ナンバー5の能力は、ワープやタイムトラベルなので戦闘シーンも面白いし、未来に行って生き抜いて秘密結社にスカウトされて現世に戻ってくるくだりはかなり面白い。
主人公がこのナンバー5一人だけでも話が作れそう。
後は霊と喋れるクラウスも相当目立っていた。彼の霊と喋れる能力は単純に面白くて、何年も前に死んだ兄弟ベンとずっと一緒にいるのも面白い。彼も過去に一年間飛ばされる展開があり、そこではベトナム戦争やってたので米軍に入れられ、同じ舞台で知り合った男性と恋に落ちて死別して戻ってくる展開があった。
霊の存在をずっと感じるのが辛いため麻薬中毒になっていたが、ベトナム戦争で薬断ちしていたためか、今まで出来なかった義父と話すことに成功する。
期待していたエレン・ペイジ演じるヴァーニャだが、終盤まで辛気臭い顔でいたが誰が見ても怪しい男と知り合った結果、最終的には闇に飲まれるという誰もが予想したであろうダーク・フェニックス的展開がクライマックスになる(カミングアウト後のエレン・ペイジは、物語の途中ですぐ死んだり極端にすっぴん風メイクした地味の服装の辛気臭い役ばかりやっている。多分わざとそんな役ばかり選んでやってる気がする。子役出身とかアイドル出身女優もそういう事よくやるが、そうやってアイドルっぽさを抜いて早めに演技派に移行したいんじゃないかと推測した)

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そういう感じで、大勢の面白いキャラや数多くの謎によって後半まではかなり面白く観ていたのだが後半以降になると展開が荒くなってくる。
そもそも結果を知ってるからそう思うのかもしれないが、ハーグリーヴズ卿の計画や彼の教育や育成が全部下手くそ過ぎて、まるで世界を破滅させるために計画してたようにしか見えない。兄弟を集結させるための方法とかもあり得ないし。世界を救うという目的のために全て捨てて計画&行動した結果、誰にも理解出来ないコミュ障の狂人にしか見えなくなったという事だろう。というか彼と猿は子供達に普通に話せば良かったのでは?
それと兄弟姉妹が「不仲になってる」という設定だから仕方ないのだが後半ずっと「兄弟姉妹揃って、座ってゆっくり話し合って団結すれば解決できるじゃん」とずーっと思って観てた。アカデミーの中で最も事態の真相に近くて賢いナンバー5も、兄弟姉妹を頼ればいいのに「あいつら信用できない」と信用してないキャラなので一人で何とかしようとするから上手くいかない。‥いや、仮に喋ったところで兄弟姉妹もナンバー5の事を狂人だと思ってるので進展しないか。
どのドラマもそうなるのだが、誤解や行き違いで口論になり「もう帰って!」などと決裂することがどんどん増えてくる。言われた方も食い下がったりせずに帰ってしまう。
何故かと言うと、各キャラクターのコミュニケーション能力を極端に低下させないと物語が進まないのでそうしてるんだろうが、これがまた観ていてイライラしてくる。
一応「兄弟姉妹はお互いを信用してないからそうなんだ。だけどラストは信用しあって団結する」という流れがあるのでわかるのだが、それが凄く下手な気がした。
子供の頃とか90年代、しょうもないアニメとか映画やドラマって、こういう展開が多くてイラつく事が多かった事を思い出した。
傑作メタホラー映画「キャビン」で、謎の組織が特殊なガスを使って主人公たちの思考を「ホラー映画の登場人物みたいなアホ」にして「地下室に行って怪しいテープを再生する」「仲間はバラバラに行動する」などのホラー映画でよくある間違った行動を取らせてモンスターに襲わせていたが、それを思い出した。
最近の面白い映画やドラマも実はそんな感じだったりするのだが「それなら変な行動しても仕方ないな」と、観てるこちらが納得させられる理由や描写があったりするのだが本作は、そこら辺のフォローが下手で「何で?何でそこでそうするん?」という事が多い。
それでも前半はまだキャラ設定や展開が面白かったので、そこに目が行って気にならなかったのだが、それにも慣れてストーリーに集中するようになってからの後半は不自然な描写が気になって徐々に楽しめなくなった。特にヴァーニャがアリソンを拒絶して喉を切り裂くに至りダークフェニックス的ラスボスと化してしまう展開がイライラした。
少女時代のトラウマとか初恋のせいとはいえヴァーニャが急にアホになってレオナルドが殺人鬼である証拠とか見せられても一切聞く耳持たないしイライラがたまっていく。そして普通のドラマだったらビンタする程度である「カッとして、つい」って場面で、最初は持ってなかったナイフを持って姉の喉を切り裂く。確かにトラウマになった子供時代は可哀想なものだったし「アリソンがヴァーニャのパワーや性格を去勢してしまっていた」のだから憤りはわかるが、過去を後悔して歩み寄ろうとしているアリソンに対しての殺意がありすぎて、やりすぎ感が多すぎる。
後半は「わかるけど、いいから全員ソファーに座って一時間でも良いから会話しろや!」と何十回も思わされた。
あと恐らくアカデミーが解散する原因となった?であろうベンが死ぬ回想が全くないのも変だしナンバー5に何故名前とコードネームがないのかもわからないしハーグリーヴズ卿が超能力を持った赤ちゃん達の誕生を何故知ったのか、破滅の日を知ってたは何故なのかとか歴史に干渉する秘密結社は何なのかとか全部一切わからない。
たとえば「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」とか好きだが、よく見るとジモ大佐の計画が無茶苦茶だったりアベンジャー達の性格がいつもより極端に喧嘩っ早くなってたりする。勿論そうしないと一本の映画に収まらないから多少極端にしたんだろうけど映画が面白すぎて気にならない。本作アンブレラ・アカデミーはツッコミポイントから目を逸らさせるだけの面白さが足りなかったという事だろう。
その辺の足りないところは、このページの序盤で危惧したように書いた脚本が歴史的な駄作「ファンタスティック・フォー (2015)」とか普通に駄作の「ラザラス・エフェクト」「デスノート」などを書いた脚本家ジェレミー・スレーター氏のせいなんだろうと思った。
面白いところもいっぱいあるのだが後半はずっとイライラしてましたね。
ヘーゼルの老女との恋や成長は面白かったし、時間を統べる秘密結社は「抗えない運命」のメタファーって感じで面白かったので実は説明なくてもいい。

☂ちなみにラストは「世界滅亡を回避‥できたか?」という瞬間に終わるというクリフハンガーで終わって、僕は元々映画が好きでドラマが苦手なせいかクリフハンガーでシーズン終えるのに慣れてなくて「何で映画4、5本分もの時間かけて観て一応の結末すら見れないんだ?」と思ってしまう。同様の終わり方する「FLASH/フラッシュ」とか「TITANS/タイタンズ」の時も嫌だったな~。まぁ爆風が届く前にワープしたので「シーズン2が作られたら兄弟姉妹揃ってどこかの時代にタイムトラベルしてるんだろうな」とはわかるけど、とりあえずの結末観ないとケツが拭けてない感じで気持ち悪い。
ドラマ好きの知り合いとかにそう言うと「次のシーズンを見させるため」などと言ってたしドラマ好きでは常識なのかもしれないが、そもそもシーズン2が作られるかどうかわからんし、作られて配信されるとしても最短で1、2年後になるわけで、もうそんな先だとどうでもいいよ。とりあえず1シーズン通して追ってきた事件は一旦終わらせて欲しい。その上で「○○が誘拐された!」とか言ってクリフ・ハンガーするとかして欲しい。というか「デアデビル」とかは、こういうタイプのクリフハンガーしないけど大人気じゃないですか。デアデビルはそのシーズンの事件の結末は一旦終わらせて次に出るやつをちらっと見せて終わる、あの感じで良いと思うんだが。。
本作のラストを映画「アベンジャーズ インフィニティ・ウォー」でたとえると「サノスが指をスナップした瞬間に映画が終わる」みたいな感じで終わったぞ。そう思うと、めっちゃイライラしないですか?
でも、キャラや設定が面白いので途中まではかなり楽しめました。
エレン・ペイジのキャラも思いのほか辛気臭くてアホのキャラだったが最終回はイライラしつつも「エレン・ペイジめっちゃ目立ってる!」という喜びはあった。
何だかんだ言いつつ2日くらいで一気に観てしまったから面白い部類に入るかも。
あとNetflixドラマの80年代風ネオンサイン率とタイムリープ率が高すぎる!
もう何10回もタイムリープするSFドラマ観たぞ。もうタイムリープすんなよ。
何でこんなに若者向けドラマはタイムリープ率高いんだ。
そんだけリアルがクソって事なのかもな。



そんな感じでした

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アンブレラ・アカデミー ~組曲「黙示録」~ (ShoPro books)

アンブレラ・アカデミー ~組曲「黙示録」~ (ShoPro books)

 

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「バトルフロント (2013)」スタローン制作&脚本でステイサム主演の、荒らしを論破してプライドを傷つけたら被害が増えるという話😼

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原題:Homefront 脚本&制作:シルヴェスター・スタローン 監督:ゲイリー・フレダー
原作:チャック・ローガン 
製作国:アメリカ 上映時間:100分

 

 

😼なんか先週「そういえば『MEG ザ・モンスター』て変な映画だったけどステイサムよかったなぁ」と思いたちステイサムブームが自分の中に来て色々観てる。
ステイサム自体は昔から知ってるし観てるものもあったのに一体何故だろう?と考えたが、きっと今アクションとかSFなどのエンタメ映画の主流がアメコミ映画になり「スターじゃなくキャラの時代」で、アメコミじゃなくても映画監督自体がマニアックな人が増えて「オタクの方が多い時代」って感じで、でも自分もオタクだしアメコミ映画は元々好きなので問題ないんだけど、そればっかだと何だか不安になってきたのでオタ要素の少ないステイサムに目が行ったのかも知れない。というかステイサムは元々、俳優を目指してすらいないもんね。
😼俳優として魅力的なスタローンだが彼の監督とか脚本っぷりも凄いですよね。
本作ではエクスペンダブルズでは弟分であるステイサム主演作の手掛けたもの、だと今知ったので期待して観た。ジェームズ・フランコウィノナ・ライダー等、第一線から落ちてきた元大スターたちをささっと起用している点も注目。
まぁまぁネタバレあり

 

 

Story
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元麻薬潜入捜査官フィルジェイソン・ステイサム)は、ある事件をきっかけに現役を引退し、一人娘マディと2人で、亡き妻の田舎で静かな生活を送り始めた。
そんな矢先、マディが学校でいじめっ子とケンカしてしまう。そのいじめっ子は町を裏で牛耳る麻薬密売人ゲイタージェームズ・フランコ)の甥だった――

 

 

 

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ステイサム演じる元麻薬捜査官の娘が、学校でウザ絡みしてきた大柄のガキをボコボコにしたことがきっかけとなって話が始まる。
学校に呼ばれたステイサムといじめっ子大柄の両親。大柄の父親はホワイトトラッシュ(貧乏白人)っぽい清掃業の男とその妻。夫が頭上がらない気の強い妻はジャンキー。
ジャンキー母はステイサムの娘を部熟し、更に妻にけしかけられた夫は渋々ステイサムに殴りかかるが、当然ステイサムに一撃で倒されてしまう。これがいけなかった。
横で見てきた警察官も言う「お前さんが強いのも、あのバカ夫婦が悪いのは誰が見てもわかる。だが子供が見てる前で父親を完全敗北させちゃいかんよ」
この序盤で出た警官の台詞、割とこれがこの映画の重要メッセージかもしれん。
気が済まないのはジャンキー母親、夫は当てにならないので兄に電話してステイサムを懲らしめてくれと頼む。
ジャンキー母親の兄はジェームズ・フランコが演じてる‥彼は覚醒剤を精製して売りさばき町を牛耳っていた。
町一番の不良がそのまま年取った感じの小悪党。
わざわざ好き好んで引っ越してくる者などいないような田舎町なので、何の仕事してるかわからないが小金を持ってるステイサムは目立っていた。しかも新入りの父子揃って町の父子をボコってしまった。ずっと住む予定なのに、変な噂立てられ、この町で余計に孤立してはいけない。
悪いのはいじめっ子父子の方だが、ステイサムは自分から折れて状況をさっさと解決しようとする。いじめっ子の両親といじめっ子に謝罪する。いじめっ子親子は「お、おう‥。それならまぁ‥」という感じ。いじめっ子大柄も娘の誕生日パーティに呼んで仲直りする。まぁ最初から深刻ないじめではなく「帽子を取った取られた」みたいな可愛いものだったからね。ついでにステイサムも娘の美人担任教師と良い感じになる(この美人の担任はチラシ等にも印刷されてるしヒロインだったのかもしれないが上映時間節約のためか、これ以降まともに出てこない)
ここまで見て「もし自分がステイサムだったら‥」と考えたが、娘が大柄をボコった時点で仕返しは済んでるのだから呼び出された時に大柄の両親に、まず最初に自分の方から「いやぁ、じゃじゃ馬の娘がすみませんでした~」という感じで自分の方から謝罪してホワイトトラッシュ家族のプライドを満足させて、帰宅後に娘に「よくやったぞ」と褒める‥そんな感じでいいかな(こっちが謝ったことにホワイトトラッシュ一家が乗っかってきたり何か要求してきたら、それは子供同士の件とは別の話なのでそっちはそっちで撥ね付ければいい)
とにかく自分よりも相手に落ち度がある場合って相手の逃げ場はないので、むしろそういう時に逃げ場を作ってやった方が、息継ぎしたい相手はそこにハマってくれるはずだ。言ってる意味わかる?

 

 

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そんな感じで、いじめっ子一家の方はあっさり解決してしまったのだが、最初にジェームズ・フランコに話が行ってるので事態は収拾しない。
ステイサムはフランコの息がかかったチンピラから嫌がらせを受ける。
ガソリン入れてたら、囲まれて「もうガソリン入れなくてもいいよな?」とガソリン注入を止めさせられる、とかそういうセコいやつ。
だが、まぁステイサムなのでガソリン注入を再開し「‥誰がガソリンいれていいつったぁぁ!」と殴りかかってきたチンピラ達を瞬殺。
またステイサム父娘が留守中に、ジェームズ・フランコが忍び込みステイサムが元麻薬捜査官である事などを知る。
そして、たまたま、ステイサムが射殺した犯罪者の父親である大物ギャングが、ジェームズ・フランコの知り合いだったので、そいつに息子の仇であるステイサムの情報を売ることによって違法薬物売買としての地位を上げるチャンスだと野心を燃やす。
その際、ステイサムへの嫌がらせとして娘のぬいぐるみを移動させたり、飼ってる黒猫を誘拐したりする。
ちょうど僕も黒猫飼ってるので、この嫌がらせがめっちゃ嫌。
自分と娘の身の危険も感じるし、猫が見つかるまで気が気じゃないし精神ダメージがでかい。
ステイサムは町のダイナーでジェームズ・フランコに会い「おい、いいかげんにしろよ」と忠告しに行くがフランコは知らんぷり。交渉決裂だ。

 

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その後、ガソスタでのチンピラに不意打ち喰らって拘束→ボコられるものの、ステイサムなので拘束された状態で全員瞬殺した。
ステイサムは作品によって強さの表現に幅があるが本作のステイサムは比較的、多少強すぎるものの、鍛えた人間なら実現可能な程度の強さ。具体的に言うとこの「拘束された状態でチンピラ複数人を瞬殺」というのがそれだ。
黒猫は無事だった。というか餌も与えられてた(ジェームズ・フランコもネコチャン好きだったのかな?)
ジェームズ・フランコは、さっき言った大物ギャングに紹介された中ボス的なギャングに自分の女を差し出してまで殺しを依頼する。
ちなみに、このジェームズ・フランコの女というのがウィノナ・ライダーだったんだけど、あまりにもショボくて惨めな役だったので、観てる間ウィノナ・ライダーだと気づかなかった。今知ったわ。
小品のステイサム映画って印象だが結構、有名な人達が出てるよね。
スタローン制作のおかげか?
ジェームズ・フランコが頼んだこのギャングはキャップの敵としてウィンターソルジャーとかシビル・ウォーに出てたクロスボーンズ/ラムロウ役の人。
クロスボーンズは頼んでもないのに殺し屋を更に5、6人余計に連れてくる。
「やるしかないな‥」と武器を取り出すステイサム。
ジェームズ・フランコが苦労して集めたクロスボーンズ達だったが、怒ったステイサムには叶わず全員2、3分で皆殺しにされる。後はまぁ色々あって解決。

 

 

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それにしても「ランボー」一作目とかでもそうだがスタローンは、田舎のホワイトトラッシュの小悪党ぶりとか嫌~な絡み方、嫌がらせとか書くの上手いよね。スタローンも若い時にそんな揉め事が多かったのかな?
とにかく相手をやりこめてしまえば恨みや仕返しや町の孤立を呼んでしまう。
かといってこちらが折れても「紳士ぶりやがって!オラたちをバカにしてんのけ?!」
それが田舎。そんな田舎の嫌な感じがタイトにまとまって出てたわ。
別にリアル対人の処世術ってだけでなくネットやSNSの対応でも同様。
昨年、真正面から論破したり叩き潰すのを何年も続けてた著名人が相次いで殺傷事件にあったりアカ凍結されて顧客を失ったりするのを見て、
「やっぱり実害が出てないのに、論破や訴訟で相手を直接叩いてプライドを傷つけても良いことないな」という結論に達した。「論破すればSNSを見てるそいつが即死する」とかいうのならまだしも、プライドを潰された相手はその後も生き続けるんだからね、恨みを持って。やはり、なあなあな感じで流したり気持ちよくしてお帰ししたりして、それでも何か調子くれてきて実害が出たら、やっと実力行使に出るくらいでいいんじゃないか?さっきも言ったが相手が悪い時ほど逃げ場=落としどころを作ってやれば相手はその穴に逃げ込むはずだ(食堂の厨房の灯りを付けたら物陰に隠れるゴキ○リのように‥)
論破して自分が溜飲を下げても、それは一時のことだし「やっぱ○○さんはすげーや!」などと自分のファンや身内に褒められたところで一文にもならない。
本作のステイサム見て更に、その自論が確信に変わった。
本作の作風は90年代までイーストウッドがよく撮ってたようなB級映画っぽいというか、ランズデール的なアメリカの田舎での嫌な軽犯罪ものみたいな感触があった(‥というか本作もそういうアメリカ犯罪小説が原作だっけ)
観てると「どん百姓どもがステイサムと娘に嫌がらせしやがって!」「ネコチャンがさらわれた!ネコチャン無事か?!」みたいな、心配を煽られて続きを観ずにはいられない系の求心力で一気に観させられた。スティーヴン・キングの小説を読んでる時も似たような感じで手が止まらなくなるね。本作もそんな感じよ。

 

そんな感じでした

《ステイサム主演映画》
「MEG ザ・モンスター (2018)」異能生存体ジェイソン・ステイサムが巨大鮫と対決!良くも悪くも18年前の作品みたいな映画🦈🦈 - gock221B

「ワイルド・スピード SKY MISSION (2015)」「ワイルド・スピード ICE BREAK (2017)」ステイサム目当てで初めて観たけど普通に面白かった🚗 - gock221B

「ハミングバード (2012)」イースタン・プロミス脚本家によるアクションよりドラマ中心のステイサム映画➕ - gock221B

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