gock221B

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『クリード 炎の宿敵』(2018)/中盤までの人間ドラマは異常に良いが、最後の試合の盛り上げやドラゴ父子の描写は足りてないかも🥊

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原題:Creed II 監督:スティーヴン・ケイプル・Jr 製作総指揮:ライアン・クーグラー
製作&原案&脚本&出演:シルヴェスター・スタローン 製作国:アメリカ 上映時間:130分
シリーズ:「クリード」シリーズ。「ロッキー」シリーズのスピンオフ

 

 

完結した「ロッキー」シリーズの続編かつ、ロッキーのライバルで親友アポロの息子アドニスを主人公にして大ヒット&高評価だったスピンオフ「クリード チャンプを継ぐ男 (2015)」の続編。ライアン・クーグラーは忙しいので制作に回った。
「ロッキー4/炎の友情 (1985)」でアポロをリング上で殴り殺したいイワン・ドラゴとその息子ヴィクターが、アドニス&ロッキーの師弟コンビと激突する。
観れば面白いのはわかってるが「いいけど前回で綺麗にまとまってない?」と思って観るのが遅れた(だがロッキーシリーズから常にそう思いがち)
スタローンは前作でアカデミー賞にノミネートされるほど演技も良かったし「この若手二人いいね?」と思った主人公カップルも、前作と本作の間に大スターになってしまっててビビりますね。
まぁまぁネタバレあり

 

🥊

 

前作では、アドニスマイケル・B・ジョーダン)とロッキー(シルヴェスター・スタローン)の師弟愛、アドニスと近い将来に耳が不自由になる歌姫ビアンカテッサ・トンプソン)の恋愛模様、ロッキーが発癌するが闘病して勝利、アドニスが自分を乗り越え素晴らしい試合‥などが描かれた。
本作では冒頭、うらぶれたロシアの団地に住んでいるイワン・ドラゴ(ドルフ・ラングレン)と息子ヴィクターがトレーニングしている。ヴィクターはボクシングの試合しているが貧困でもあるらしく肉体労働もしている。イワンは冷戦下のソ連でのロッキーとの試合で大敗して全てを失い、数十年間ロッキーへのリベンジしか頭になかったようだ。
場面は変わってフィラデルフィアクリードは前回のコンラン戦で名を挙げ、セコンドのロッキーとのコンビで連勝し遂にチャンピオンに。父アポロやロッキーも巻いた栄光のチャンピオン・ベルトを腰に巻く。素敵な恋人ビアンカとも熱愛中。裕福な暮らし。ドラゴ父子とは正反対に幸せの絶頂。
アドニスがチャンピオンになる試合、ロッカールームでロッキーが出てくる場面‥、「アドニスが準備してる中、部屋に入ってくるロッキーの人影が鏡に写って、少し会話した後カメラがやっとロッキーを捉える」というカッコいいものだった。ヒーローを演じてた時の若いクリント・イーストウッドとかキャプテン・アメリカなどの尊敬されてるヒーローにしか許されない神のような登場シーン!(アメリカン・ヒーローはすぐに移したら畏れ多いから影とか輪郭とか背中から登場して姿を現す)。
そのドラゴ父子は渡米してきていた。勿論ロッキーへのリベンジとしてかつて倒したアポロの息子アドニスを再び倒し捲土重来するためだ。
ロッキーのレストランを訪れるドラゴ(‥いや、どっちかわからんからイワンと呼ぶことにする)‥イワンはロッキーへ挑戦状を叩きつける。色んな思い出の写真が貼ってあるロッキーの店だが、親友アポロと死別する事になったイワンのことは思い出したくない思い出となっており彼の写真だけ飾っていない。
ドラゴ父子の挑発に乗り、アドニスは父アポロの仇を討つため防衛戦でヴィクターを迎え討つことを決める。だがアポロを失ったトラウマがあるロッキーはアドニスのセコンドを降りる。アドニスは、仕方なくデュークJr(アポロやロッキーのセコンドを務めた名トレーナーの息子)にセコンドを頼む。しかしビアンカが妊娠していることが発覚。ちなみに、それがわかるアドニスのオカン‥アポロの奥さんとの三人での食事シーン、会話や目配せが秀逸。そしてドラゴ父子との試合をおずおずと母に告げるアドニス。止めるよう言うかと思われた母は落ちいていて「貴方はもう一人前だから自分の好きにしなさい」と言う。というかアドニスは「父の仇」「ロッキーはセコンドしてくれなかった」「母さんはどう思う?」などと他人に責任を肩代わりして欲しい内心を母に見抜かれて、アドニス母はアドニスを叱責。‥というか、アドニス母は出てきて何か言うたびに「この人、ホント立派な母親だな~」と思った。
とにかく、父になるのを控えたアドニスはロッキー抜きでvs.ドラゴ父子戦に挑むことになる。

 

 


仇討ちという自分が無い目的‥ロッキー不在による戦術不足‥子供が産まれる不安‥などなど様々な精神的負担が重なったアドニス、「父の仇が来た?よ、よーし‥迎撃してやろう?」という程度のモチベーションの裕福で幸せなアドニスに対して、イワンは数十年間ロッキー打倒のためだけに生きてきたしヴィクターは父からボクシング技術とロッキー戦術の対策を人生まるごと叩き込まれている。しかも父子はハングリーさを煮染めた火の玉のような塊。
勿論この流れでアドニスが勝てるわけがない。アドニスのヒット・アンド・アウェイ戦法はヴィクターに全く通じず、何も出来ず病院送りにされる大敗を喫する。ヴィクターの反則によってベルトは移動せずチャンピオンのままだが誰がどう見ても一方的にボコボコにされており、だがチャンピオンなのでバカにされ始めるし心は死んでるのに早々に強いチャンピオンに戻らなければいけない‥という、ある意味負けたより辛い状況。
‥あれ?何かあらすじをそのまま書くというクソみたいな映画感想になってしまっていた‥、あらすじそのまま書くのはもうやめる。まぁ、とにかくアドニスの心は死ぬがロッキーとの仲直り、産まれた娘の子育てなどでアドニスの心は回復していく。
ここでアドニスが娘をあやしながらサンドバッグを敗北以来初めて叩いてるうち、心を回復させるために叫んで号泣し、心の膿を全て吐き出すプライマル・スクリームの場面は凄く良かった。
そんな感じでアドニス&ロッキーの師弟コンビ復活(デュークもいるよ)。ボコボコにされた時のアドニスはファミリーと心が通じておらず一人で闘って敗れた。だが今回はロッキー、ビアンカ、オカンなどとも心を通わせクリード・チームとしてドラゴ父子が待つロシアでの再戦となった。

 

 

 

ところでビアンカ役のテッサ・トンプソン。前作で初めて観て「魅力的な女の子だし妙に迫力と貫禄あって良いね~!」とか思ってたが、その後の破竹の勢いもあって妻にもなった本作では、その迫力と貫禄が常人の十倍くらいある。
魅力と強さとセクシーさと人間臭さを兼ね備えたオンナっぽさ‥というよりむしろメスっぽさと呼びたくなる人間力が凄い。「この子と付き合って一日経ったらもう金玉全て握られて老いて死ぬまで添い遂げざるを得なくなりそう、いや自然と誰でもそうなりそう」と思わせる人間パワーが凄い。というかこの人、助演が多いけどもうどう考えても主演女優レベルだよね。
当然マイケル・B・ジョーダンやスタロンの演技も人間くさすぎるし、この中盤、ボクシング全くせずに仲直りや子育てしかしてない「北の国から」みたいな大河ホームドラマ状態になる。ホームドラマは興味ないが「ロッキー~クリード」シリーズは別だ。子供の頃から観てるし、他の映画だったら退屈極まりないはずの子育てやら仲直りシーン凄く楽しめた。
そんでロッキー特有の効果あるんだかないんだかよくわからん大自然レーニングや、ドラゴ父子との激突を経て映画は終わる。アドニス再びの成長、ロシアまで応援に来たばかりか歌い上げるビアンカ、着いてきたオカン、ロッキーの放ったらかしにしてた実子との結末などがある。
勿論ドラゴ父子。イワンは「シグルイ」の岩本虎眼みたいにロシアの政治家の元で何とかかっぱいでいこうと頑張る(ブリジット・ニールセン演じる別れた妻もいる)。そして父と共に頑張ったヴィクター。その父子はどうなるのか?なおも良かった。
だけど今までのシリーズや前作は最後の試合がめちゃくちゃ良かったのだが、本作の試合は、悪いわけじゃないけど今までみたいに興奮しなかったな。
ぶっちゃけアドニスがロッキーと仲直りしたり子育てして再戦に乗り出すところで98%くらい映画が終わってる感じがあった。そんで今までだったら大興奮のはずの試合は中盤までの人間ドラマのオマケくらいにしか感じなかった。
何というか「ロッキー~クリード」シリーズの試合でよくあるブチ上がる感じがなかった。だけど試合終了を告げるイワンの人間臭い結末は凄く良かった。
だから、まとめると本作の監督は、人間ドラマはめっちゃ上手いけど(メインキャラは勿論、アドニスのオカンをあそこまで魅力的に撮るのは凄い)ファイトシーンとかはあまり興味ないのかもしれないなと思った。でもこの監督の人間ドラマはマジで上手い。
あっ!だけど試合の終盤で焦るヴィクターを前に、落ち着き払ったアドニスにカメラがぐーっとクローズアップするショットはめちゃくちゃカッコよかったです。アドニスは本編でベソかいて泣きわめく場面が多かったので余計にね?
それと中盤、アドニス周辺の人間描写をあんなに念入りに撮るならドラゴ父子をもっと描写してくれよーとも感じました。
中盤まではめちゃくちゃ良かったが、特訓シーン~試合の後半になると前作よりガクッと劣る感じかな。でも中盤までめちゃくちゃ良かったし試合も別に駄目なわけじゃないので普通に面白い映画でしたよ。
三作目は‥別にこれ以降作らなくていい気もするが、それは「ロッキー」一作目以降ずっとそうだけど作られたら作られたで面白かったし「三作目のアイデア浮かんだ!」とか言って続編作られたらまた観ますけどね。三作目作るとしたら‥それはもう「ロッキーの死」でしょうね(ついでにトミーガンも‥)
‥全然関係ないけどアドニスって友だち全く居ないよね?ヴィクターと友だちになれてたらいいな。

 

 

そんな感じでした

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〈スティーヴン・ケイプル・Jr監督作〉
『トランスフォーマー/ビースト覚醒』(2023)/ユニクロンが自分のための巨大装置を作るが何故かそこに人間がギリギリ通れる細い通路をわざわざ作るのか謎で可笑しかった!🦍 - gock221B

 

 

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Creed II (2018) - IMDb

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👇Steamの「クリード」のVRゲーム。クリードIIやロッキーシリーズのキャラも居る

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