gock221B

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『パペット・マスター』(2018)/ザラー脚本のおかげか冴えたシーンが多い優れたC級ホラー映画風のB級ホラー映画でした🧸

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原題:Puppet Master: The Littlest Reich 監督:トミー・ヴィクルンド。ソニー・ラグーナ
脚本:S・クレイグ・ザラー 製作国:イギリス/アメリカ 上映時間:90分
シリーズ:『パペット・マスター』シリーズ13作目

 

 

 

『パペット・マスター』シリーズの13作目だが、本作はリブート的な内容で過去作の知識は一切要らんらしいしNetflixで配信始まったので観た。最初に結論を言うとめっちゃ良かった。
Wikipediaで調べると『パペット・マスター』(1989)から始まる 『パペット・マスター』シリーズの13作目らしい、というか本作の後にスピンオフ的な14作目もひっそり作られて公開も既に終わってるみたい。1989年から、6年以上間が空いたことなくコンスタントに延々と作られてた事を今始めて知った。この『パペット・マスター』ってシリーズがあるのは知ってたけど実のところ一回も観てなかった。
同じく最近リメイクが作られた人形系ホラー『チャイルド・プレイ』(2019)も初めて観てとても面白かったの同様、本作も凄く良かった。どちらも80~90年代に有名で自分もホラー好きの少年だったが「うーん、人形かぁ……」と、”人形を軽んじる心”があって観てなかった。他に人形で有名なのだと『アナベル 死霊館の人形(2014)のシリーズがあって一作目だけ好きだが、これも正直「人形かぁ」と”人形を軽んじる心”によって長い間積んでた覚えがある。やっぱ人形は圧倒的に質量が小さいので「そんな人形なんかサッカーボールキックで壁に叩きつけてフラッシング・エルボーぶち込めば一撃で倒せるだろ!」という”人形を軽んじる傾向”があり怖さを感じないせいだったのかも。でも本作も『チャイルド・プレイ』(2019)も『アナベル』一作目も良かったから”人形を軽んじる心”は捨てよう。そういえば僕には”怪獣を軽んじる心”もあったのだが近年色々観てその偏見も消えてきた。
監督はよく知らんヨーロッパのホラー監督、脚本は映画好きの間で人気のS・クレイグ・ザラー、『トマホーク ガンマンvs食人族』(2015)しか観てないけど突発的かつリアルで意外な死や展開が多くて面白かった。他のも観たいのだがこの監督を好きな人はやたらと熱狂しててうるさいので、その臭みが取れたら観る。
ネタバレあり。とはいえ本作もネタバレがどうこうという内容でもない気がするが……。

 

 

 

80年代、ドイツからやってきた怪しい老人トゥーロンウド・キアー)。
彼はかつて不思議な力でパペットを操ってユダヤ人や同性愛者を虐殺していた元ナチスだった。アメリカでも気に入らない同性愛者を殺害していたが警官に踏み込まれる、カメラは建物の外から建物を映してるだけだがトゥーロンは警官隊に蜂の巣にされて絶命!ここでルッソ監督のMCU作品みたいにクソでか白フォントでタイトルが出る『Puppet Master: The Littlest Reich』バーン!かっけ!そしてOPでは音楽に乗せてトゥーロンが呪いのパペットを作って虐殺したりアメリカに逃亡したりというトゥーロンの半生が紙芝居のように語られる。いいじゃない。
「パペット・マスターぁ?まぁ観てみるか一応」……と舐めくさった態度で再生したけどB級っぽくてテンポ良く洗練されたアバンとOPで期待が一気に高まった。
トゥーロンは、旧シリーズでも殺人パペットを作ってた人形師の名前らしいがリブートらしいので別人だろう多分。あとパペットの数体も旧作……のジャケットとかで見たことあるけど観てないので以降、一切旧作要素の言及はしない、できんし。
時は流れて現代。
妻と別れて現在のテキサス州ダラスのコミックショップ。
接客している主人公の男性はコミック・ライター兼アーティストでもあって『マダム・ライトニング』という作品がヒットしたが、妻と別れた傷心でスランプになって二作目が描けないでいるらしい。が、映画開始して割とすぐ新しい恋人ができた。
口数の多いグラインドコア好きの店長は主人公の親友っぽい。
邪悪なナチス人形師トゥーロンをブッ殺した建物は今ではその事を記念したトゥーロン博物館になっており、そこで散逸してしまった数十体のトゥーロンのパペットを買い取るイベントがあるらしい。
主人公の弟もトゥーロン作のパペットを手に入れてすぐ謎の死を遂げたらしい。主人公は弟の形見であるトゥーロン製パペットを手に、新恋人と親友の店長と三人で出かける。
トゥーロン博物館ではトゥーロンを射殺した婦人警官がツアーコンダクターしていた。この婦人警官を演じるのはバーバラ・クランプトン。彼女は一作目の『パペット・マスター』(1989)に出てたらしい。あと『ZOMBIO/死霊のしたたり』(1985)とか『フロム・ビヨンド』(1986)での主演が有名なスクリーミング・クイーン。僕も子供の頃、姉に『ZOMBIO/死霊のしたたり』を観せられてバーバラ氏の全裸を観て興奮した覚えがある。そんな人が世界中にいるみたいで本作とか『喰らう家』(2015)とか最近のホラー映画にもちょいちょい出てくる。基本的に顔が若い時のまま殆ど変わってないタイプの人なので60歳過ぎてるのだが40歳くらいにしか見えない。
バーバラがパペット譲渡会に集まった人たちや我々観客にトゥーロンの事を説明する。改めて教えてくれなくてもOP紙芝居で大体わかってたけど、まぁいいや。射殺されたトゥーロンは近くの墓所に眠っおり、墓所には妙なアンテナが立っている……という新情報。
その後、恋人を作りたい主人公の親友がバーで美人のナンパに失敗するが趣味が合うオタク女性と知り合う。この辺は、くだりは後で死んだり助かったりする脇役の紹介になっている。
パペット譲渡会に集まった、パぺット所有者とトゥーロン製の殺人パペットは近所のホテルに泊まる。トゥーロン墓所にある謎めいたアンテナ……。
という事で準備は整った。殺人ショーの始まりだ。

 

 

トップ画像にした火炎放射器を持つパペットがいちゃつくカップルを焼き殺す。
トイレで小便してるおじさんの首を斬り落としおじさんの頭部は便器に落ちて自分で自分の顔に小便をかける事に……(おじさんの首があったとこから自分の男性器や便器を見下ろす主観視点なのだが、おじさんのチン先をノーカットだった。本物のチンコなのか作り物なのか謎だが、先っぽだけならカットしないんだね?たまにチンコを隠す映画隠さない映画があるが基準が謎だ)。
女性器から入っていって腹を突き破る、とか男性の胸に入っていき男性に成り代わるパペットもいる。
グロといえばグロ描写なんだろうが、80年代ホラー的な笑って欲しい感じのマンガっぽい残酷描写なので観て気分悪くなる人もいないと思う。それよりオッパイとかSEXシーンをガンガン映すってのが、もうアメリカエンタメ映画では無い事なので何だか懐かしい気分になった。
近所の警察官は、容疑者として生き残った客やホテル従業員などをロビーに集める。
だが停電が起こってパニックを起こした客が外に出る。それを待ち受けてたパペット達による大殺戮!これで三分の一くらいやられる。再びロビーに閉じこもる生き残り達。
殺人パペットだ!
知ってる知ってる!みんな見とったからな!
この辺は話が早くていい。昔から映画やアニメで「人形が襲ってきた!」→「またまた、こいつ頭イかれてるぜ笑」→襲われる!みたいなのって、イライラするし面白くなかったので端折ってくれて助かった。
パペットは一応、からくりで動くものの霊的なパワーで動いているため、そのパペット分の質量からは見合わないくらいのパワーを持っている。ヘリコプターみたいなパペットは二回斬るだけで大柄おじの首を撥ねる。だけど基本的には油断した相手を暗殺するための殺人パペットなので、人間がパペットをガシッと掴んで殴ったり床に叩きつけたら普通に壊れる。色んな種類あるけど人間の死体の中に入って操ることができるパペット”ミニ総統”が一番強い気がする。他の奴らは、パペットという立場を利用して暗殺するという利点を除いたら物理的には兵士やドローンの方が強いですよね。
そんな感じで破壊したり殺られたり……の攻防。
ホテルの黒人バーテンの通称”クマさん”もドリルパペットと格闘。殺されてしまう警察署長の部下の「僕は狙われます、だって……」と言った警官は理由がわからないまま殺されてしまうが、あれは彼は実はゲイだったって事だったのかな?
主人公と恋人、主人公のお調子者の親友と知り合ったオタク女性はホテルの一室に籠城する。近くから助けを求める女性の声がして助けに行きたいが死にたくないと葛藤する親友カップル。するとパペットに殺されかけてる女性はユダヤ人に伝わる言葉で祈りの言葉を唱え始めた。
「もう見て見ぬ振りはゴメンだ!」
お調子者の親友が打って出る。彼もユダヤ人で曽祖父はアウシュビッツに居たという、助けを求めてたユダヤ人女性はもう死んでるだろうけどナチをぶっ殺してやる!という……基本、皆がサバイブするというのが目的のホラー映画の中で、義憤にかられた人物が損得を超えた行動に出るという展開は熱い。『ホステル』『アフター・ショック』とか、イーライ・ロスのホラーでよくあるけど好きだわ。
当然、ユダヤ人女性は殺されていたがパペットを怒りで何体も破壊する親友。だがやがて親友もやられてしまう。
主人公たちは親友の「窓から飛び降りろ」という遺言を聞き
トゥーロンの墓地、あれ怪しかったよな?あれをぶっ壊そう!」と窓からゴミ捨て場に飛び降りる。
ただ、親友がナンパしたオタク女性、彼女だけが着地に失敗して顔面を強打して即死してしまう。この無駄な突然の死はS・クレイグ・ザラー味を感じた。ちょくちょくある、こういう良いシーンが本作を良くしてる、と思ったが、このシーン観ても「飛び降りに失敗してパペット関係なく死ぬシーンが何で良いの?」と訊いてくる感じの人にどう説明すれば良いのかはよくわからん。
主人公と恋人はトゥーロン墓所に突撃。最近蘇ったのか、又は焼死体のまま何十年も生きてたのかはわからんが焼けただれたトゥーロンが、怪しいアンテナを通して霊的エネルギーを放出してパペットを操ってたらしい。
トゥーロン墓所の中から80年代的な色付きのライトを背に浴びてヨタヨタ歩き出てくる。彼女に襲いかかったトゥーロンを、主人公は棒で殴ってひるませたのだが恋人に「大丈夫か!?」とか言ってる間にトゥーロンはヨタヨタと墓所に入ってナチの銃を取り出し、またヨタヨタ出てきて彼女は撃たれてしまう。そしてどこかへと夜の闇に消えるトゥーロン……。というか主人公は何しとんねん。最初に殴ってトゥーロンが怯んだ時にそのまま全身バラバラに出来たのにね。「敵を殴って、軽症を負った彼女に駆け寄って大丈夫かとか言ってる間にやられる」って、かなりしょうもない展開なんだが、ここまでずっと冴えた展開だったのに何でここだけこんな感じだったんだろう。
恋人の脳が飛び散るカットは良かったけどね。
まぁとにかく生き残った主人公はそれを二作目のコミックにしてヒットするというオチ。酷い目に遭ったが創作に活かせたという『ミッドナイト・クロス』『ミザリー』を思わせるオチ。何なら「ここまでの全編は全て漫画だった」という観方も出来なくもないイカしたラストだ。
そういえば主人公の一作目『マダム・ライトニング』は別れた妻をヒーロー化したコミックで、だから離婚したら漫画が描けなくなり、新恋人も『マダム・ライトニング』を読みたがらなかった……という事を新恋人が告白して2人の結びつきが強くなるシーンも人間味あって良かった。この辺もザラー感を感じたな。
そんな感じで何かC級ホラー映画の雰囲気のB級ホラー映画って感じだった。要所要所で褒めた展開など良いところも多くて、完全に舐めててハードル低かったのもあるが凄く楽しかったです。
それと「どうせ強くないから……」という俺の”人形を軽んじる心”だが、人形ホラーに限らずロメロの遅いゾンビもそうだけど、人を襲う時は皆「カメラのフレーム外からいきなり現れて首を切り裂いてくる」って感じでやってくるから実は人形だろうがトロいゾンビだろうが、演出さえ良ければバケモノはどんなもんでも面白いホラー映画は成立するんだよね、それを思い知った(まぁ「豆腐が襲ってくる」とかになると、さすがにホラーじゃなくなるだろうけど)

 

 

 

そんな感じでした

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Puppet Master: The Littlest Reich (2018) - IMDb

www.youtube.com

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