gock221B

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『シン・ウルトラマン』(2022)/オタ臭さと性的シーンが多く人を選ぶがウルトラマンのこれ以上無い程の善性や楽しい展開、好きでした✨


企画・脚本・制作:庵野秀明 監督:樋口真嗣 監督補:摩砂雪 音楽:鷺巣詩郎 主題歌:米津玄師「M八七」 原作監修:隠田雅浩 デザイン:前田真宏、山下いくと 原作:『ウルトラマン』(1966) ウルトラマン&禍威獣&外星人のオリジナルデザイン:成田亨 製作:円谷プロダクション東宝・カラー 配給:東宝 製作国:日本 上映時間:113分 シリーズ:『ウルトラマン』映画シリーズ。シン・ジャパン・ヒーローズ・ユニバース(SJHU)

 

 

 

特撮TVドラマ『ウルトラマン』(1966)のリブート作。
そして、 『シン・ゴジラ』(2016)『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』(2021)、本作、そして来年公開の『シン・仮面ライダー』(2023)からなる”シン・ジャパン・ヒーローズ・ユニバース”(SJHU)とかいうシネマティック・ユニバースの3作目という事が本作公開の少し前に明らかになった。このユニバースについては後述……。
連続で監督するのはキツかったのか本作で庵野秀明は監督ではなく企画・脚本・制作で、監督は樋口真嗣になっている。といっても他の作品もそうだが庵野氏や樋口真嗣氏やら摩砂雪氏やら諸々のお馴染みメンバー全員で作ってるのは間違いない。そして庵野といえばゴジラよりウルトラマン……庵野の発言権が最も強かっただろう事は想像に難くない。
「自分とウルトラマン」と言えば正直、小学生の時に観て以来観てない。
僕は正確には『ザ☆ウルトラマン』(1979-1980)とか『ウルトラマン80』(1980-1981)世代。だけど、それらは殆ど観てなくて、それより夕方に初代『ウルトラマン』から『ウルトラマンレオ』まで再放送してて、そっちの方が明らかに面白いのでそっち観てた。そして本作の原作である初代が一番一番得体が知れなくて好きだった(でもそれは大人になった現在の感覚で「モダンな初代ウルトラマン」が良いなと思うのであって子供の時はゴテゴテしたタロウやレオの方が好きだった気がする)。ウルトラ兄弟ごっこも近所の子と激しくしていた(アンドロメロスごっこも……)。最後に初代ウルトラマンに触れ合ったのはファミコンディスクシステムのゲームの名作『ウルトラマン 怪獣帝国の逆襲』(1987)やスーパーファミコンの『ウルトラマン』(1991)が最後(どちらもバンダイと思えないほど名作)。
別にウルトラマンが嫌いになったわけではなく好きな気持ちは残ってたが当時は今より「特撮は大きくなったら卒業するもの」という空気が強かったので中学校に上がる頃に観なくなった。だがその後も少年漫画やアメコミヒーロー等はずっと好きだったので「特撮だけ卒業して特撮の人ゴメン」という気持ちもあった。
30年以上観てないので本作に出てきた禍威獣や外星人の元となった怪獣や宇宙人や各話の、ファンなら「あの有名なエピソード知らんの?」と思うであろう元の話やディティールについては覚えてない。ウルトラマンのアクションと最終回の事しか覚えてない。当然、本作に出てくるキャラクターについてや本作に盛り込まれてるらしい樋口監督が撮ったウルトラマン等の小ネタについても全く知らない(それらについては、やはり公開初日に観た若い特撮オタの甥と長電話して教えてもらった)。
本作の監督は樋口で彼には興味ないが、庵野のアニメや映画作品は殆ど全部観てる。「庵野作品の超絶ファン」というわけではないが庵野本人の事は好きなので「庵野作品より庵野本人が好き」という感じ(そういうファンは多そう)。
ネタバレあり

 

 

〈Story〉
少し前から日本にだけ次々と出現する巨大不明生物、通称”禍威獣(かいじゅう)”に対抗するため日本政府は”禍威獣(かいじゅう)特設対策室専従班”……通称”禍特対”(かとくたい)を設立。
警察庁公安部より出向した作戦立案担当官(というか単純に永遠にウロウロしてる謎の青年)神永新二斎藤工)、公安調査庁より出向した分析官(そして神永のバディ)浅見弘子長澤まさみ)、防衛省防衛政策局より出向した禍特対班長田村君男西島秀俊)、文部科学省より出向したストレスで過食する汎用生物学者船縁由美早見あかり)、城北大学から出向した非粒子物理学者滝明久(有岡大貴)、そして日本政府と交渉する禍特対室長宗像龍彦田中哲司)ら、各組織から人材を集めて禍威獣に対処する”禍特対”は防衛庁と連携し何とか6体の禍威獣を撃退した。

ある日、禍特対は、電力を捕食する7体目の透明禍威獣”ネロンガ”と交戦、苦戦していたが上空から正体不明の銀色の巨人が飛来。避難が遅れた児童を神永が救助する中、銀の巨人は圧倒的な力でネロンガを撃退し飛び去った。
後日、禍特対が8体目の地底禍威獣”ガボラと交戦中、今度は地上から出現した銀の巨人がガボラを駆除。日本政府はこの巨大外星人を”ウルトラマン”と呼称した――

そんな話。

前半は禍特対の紹介と、禍威獣を倒すウルトラマンが人類の味方として周知されるくだり。
中盤は、ただ叩きのめせば良い禍威獣と違い高度な知性と科学で人間社会を直接支配してくるのが厄介な外星人との闘い。
そして後半はウルトラマンと禍特対と人類が外敵に立ち向かう最後の闘い。
ちなみに戦闘は、序盤のネロンガ戦やガボラ戦が一番良かった。何故なら昼間の地上で闘うのでウルトラマンの不思議なアクションが映えるからだ。特に飛来してクルクルと棒のように回転して放つ蹴りが最高だった。ウルトラマンの筋肉が少ない猫背の身体も良いし、良い意味でケレン味のないアクションが逆にケレン味があって良い。棒立ちで光線を受け止めたり、そのままノシノシ歩いてボクッ……と引きの画で撲殺したり。そのスリムな体躯でのぶっきらぼうなアクションが仏様やアジアの神々みたいで(もちろん見たこと無いので想像だが)逆に神々しい。本作のウルトラマンのようなアクションは逆にアメリカでは絶対やらないものばかりだと思う(アメリカで制作したら、まずウルトラマンがまずムキムキだろうし)。僕は普段はアメコミヒーローやアメリカのアクション映画が昔から大好きなのだが本作を観てる間「日本の痩せて何考えてるかわからんウルトラマン最高!」という気持ちに久しぶりになった。
ウルトラマンブルース・リーと並んで欧米人には易易と真似できないノリを感じた。
あと当然ながら実相寺っぽいカットは勿論多用される。椅子の足越しに喋ってるキャラを映したり、手前に座ってる人の背中がスクリーンの殆どを隠して喋ってる人の顔ちょっとだけ……とか、やりすぎで可笑しい。
あと顔面ドアップが物凄く多い!そして少し下からの顔面ドアップで顔を歪めてるドアップが多い(特に早見あかり)。※ここ以降「早見あかり」のことを「早見ひかり」と書いてたことをブコメで指摘してくださった親切な方が居たので修正しておきました。大変にありがとうございます。
もう「早見あかりの夫しか見たことないだろ、この角度」という凄い顔、正直、女性が一番撮られたくない角度と寄りで撮ってる(本作を10分くらい見ただけで何だか早見あかりを「身近」に感じた)。本作のキャストが発表された時「まるでウルトラマンみたいな新幹線みたいな左右対称な美形の人が多い。小池栄子も欲しかった」と思ったが、この歪ませたドアップ連発見て美形を揃えた理由がわかった。並の顔じゃ耐えられんわ、この歪んだドアップ連発……、どうせなら綺麗に撮ればいいのにという気もした。

カラータイマーが無いウルトラマンのディティールや科特隊などの登場人物や最後の敵など、ディティールに捻りはあるものの割と元になった『ウルトラマン』(1966)のストーリー通りに進んでいく。意外なほどベタで真っ直ぐで細かいところだけ変える……という好みのリブート作品。
感想の前に「本作の科特隊は”禍特対”と書く」と事前に発表された時は「『シン・ゴジラ』の”巨災対”に似てるし、『シン・ゴジラ』の後の世界を匂わせてて良いんじゃない?」と思ったが続けて「本作では怪獣のことを”禍威獣”と書く」と聞いた時、禍特対には好意的だった僕も「え……何かオタクくさくてやだな……」と嫌だった。「科特隊」という組織は現実にも、この世界にも元々ない世界なんだからいじっていいと思うけど「怪獣」はこの世界にもあるやろ!映画や漫画で!何で暴走族みたいな少年漫画みたいな当て字しとんねん!と思った。本作の嫌な意味でのオタクっぽい部分だ。あと主人公が「新二(シンジ)」なのもエヴァの「碇シンジ」を連想してしまうし私物化してるようで気になった。……僕は庵野好きなので私物化しても構わないが「特に庵野が好きではない特撮好きの方が嫌な気持ちになったら嫌だな」という気持ちだ。その一方で樋口真嗣監督はそこまで好きじゃないので「まさかとは思うが樋口真嗣から取った『シンジ』を、この完璧な正義の主人公に付けたとしたら少し嫌だな……」と思った。仮に後で『アベンジャーズ』(2012)のようなシン・ジャパン・ユニバースのクロスオーバー作品が作られた時に「碇シンジマルチバースの変異体が『シン・ウルトラマン』の神永新二」という展開が来るかもしれないから、この問題は少し置いておこう。シン・ジャパン・ユニバースの主人公は「全員シンジ」というルールがあるわけではなく『シン・仮面ライダー』の主人公は「本郷シンジ」ではなく「本郷猛」なのだから余計に本作の主人公に何かあるのか?と思わせる。まぁ皆が「シンジ!シンジ!」と呼んでたら臭いが、皆「神永」とばかり呼ぶから気にならなかった。
ネロンガ以前の冒頭ダイジェストで登場する
6体の見慣れない怪獣達は、特撮オタの甥に訊いたところ『ウルトラQ』に出てくる怪獣らしい、僕は『ウルトラQ』観たことないので知らなかった。特に初めて出現したゴメスはゴジラのパチモンみたいな怪獣らしのでシン・ゴジラの初期形態みたいな眼のドアップで始まるのも「えっ!シン・ゴジラの回想!?やはり『シン・ウルトラマン』は 『シン・ゴジラ』(2016)の後の物語なのか!?」と上手く匂わせてる。何とは言わないが他にも匂わせは出てくるし”マルチバース”の存在も連呼されるので後からやろうと思えば 『シン・ゴジラ』(2016)『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』(2021)とも簡単に繋げることが出来るし、最終的に『アベンジャーズ』(2012)のようなクロスオーバー作品をやる……のかどうかはまだ不明だが今の時点で既に、大人の事情さえクリアすればクロスオーバー作品は余裕で作れそう。果たしてそれが面白いのかどうかはわからんが(あまり面白くない気がする笑)巨災対と禍特対が絡んだりするところは凄く観たい。

 

 

そして本作は一般層からも人気だった『シン・ゴジラ』(2016)とは違い、非常にオタクっぽい!というのが特徴だ。庵野関係の実写作品の中でもかなりオタっぽい。
具体的に言うと登場人物が全員、庵野アニメのキャラみたいな喋り方をする。
もっと具体的に言うとミサトさんが「ぷっはぁ~~っ!く~~っ!この一杯のために生きてるようなもんよね~~っ!」と絶叫したり「ちょっち」と言ったりする時、又は『キューティハニー』(2004)で佐藤江梨子が半裸でオニギリを食べながら笑顔で町を走り回る時、または堅物女性役の市川実日子が酔っ払ってカラオケで「津軽海峡・冬景色」を歌いまくる時、そして『シン・ゴジラ』(2016)石原さとみの珍妙なトーク!そして樋口監督&町山脚本のゴミクズ『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』(2015)で石原さとみが「こんなの初めてぇ~~っ!」と絶叫した時の気まずさ、それらの(……いや、それらほど恥ずかしくはないが似た方向性の)庵野&樋口作品特有の「気まずい雰囲気」が堪能できる……と言うのは言いすぎだろうか?だが僕は正直言って庵野&樋口作品作品の恥ずかしさは正直好きだ。というのも僕は大勢の集まりの中で前に上げられて大声で何かを言わされたりするのが意外と好きだからだ。また人付き合いが苦手だったアラサー時に突然クラブに通いだして知らん色んな人種と話したり踊るのも大好きだった。それらは内気な人間に一種の通過儀礼的な効果を与える(米軍の教官が新兵を怒鳴りまくったり、怪しいコミュニティに勧誘された者が否定されまくった後で褒められるのも同じ効果)。90年代、エヴァにハマってオタではないオシャレな友達にビデオとか貸したら「ごめん、この”ミサトさんとかいう人”が『ちょっち』とか言うから2話くらいが限界だったわ……」と返された事がある。だがミサトさんのノリや胸や尻のドアップなど恥ずかしい場面を受け入れたらエヴァが楽しめたのは御存知の通り……。
僕は「『シン・ウルトラマン』あのオタクっぽいノリが来そう」という予感は、予告編で「長澤まさみがチェーンソーを持ってドアを蹴破る」という恥ずかしいカットがあったから予感していた。
そして『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』(2021)で女性キャラの胸や尻やフトモモや股間を執拗にドアップにしてたノリも感じさせるし「女性の下半身を煽りで撮る」のが大好きな樋口監督なせいか性的な描写がやたら多く、長澤まさみが任務に取りかかる時に必ずケツのドアップになってケツを自分で叩く!他人のケツも叩く!歩く長澤まさみの逆さ撮り、長澤まさみの体臭を執拗に嗅ぐ……など今の時代にそぐわないほど性的なシーンが多いのも非常にオタクっぽい。
任務に取りかかる時にドアップになった自分のケツを自分で叩いて「よしッ!気合入れていくわよ~~っ!」とか言う。昔の庵野っぽいから樋口というより庵野だと思うけど(逆さ撮りは樋口、体臭嗅ぎは庵野だと思う)、どちらにしても30年くらい前の萌えキャラみたいで恥ずかしい。カッコよくも可愛くも可笑しくもエロくもない、初老になった母親が着替えてるのを見ちゃった気まずさ。これ一発で評判悪くなりデメリットが多すぎるからやめた方がいい。庵野はシンエヴァの時にスタッフにアンケート取って批判箇所を変えてたがそれやる時間がなかったのか。
まぁ過去作ほどではないにせよ『シン・ゴジラ』が丁度よかった人達にとって本作は開始数分で各キャラのアニメキャラのような喋り方や動作、妙に多い性的シーンを観て「あれ?何か少し『シン・ゴジラ』と違うな……」と感じるだろう。
長澤まさみや早見あかりだけでなく西島秀俊もアニメキャラみたいな説明台詞を喋る。
実は
『シン・ゴジラ』も本当はオタっぽい作品だったのだが、あれは多くの一般の人が「リアルで大人っぽい」と感じるらしい政治的なシーンや事務的な手続きのシーンが多かったし、全員が早口で膨大な情報量の長台詞を喋る作品だったのでオタっぽさが軽減されていた。「早口で膨大な情報量の長台詞を喋る」というのは本来、十分にオタっぽいムーブなのだが、それらはヲタトークしてるわけじゃなく大切な防衛の場面だったので「『プロフェッショナル 仕事の流儀』みたいだ……」と皆に思わせ、専門的な職業で活躍したいと思っている多くの人たちにとって「カッコいい人たち」に映ったらしい。だから『シン・ゴジラ』の中でも特に人気だったのは市川実日子演じる生物学者の尾頭さんだった、陰キャ界のトップと言える尾頭さんは実際に魅力的でネット民に大人気だったが、普段では市川実日子より遥かに人気ある石原さとみ演ずる「美人だが英語交じりでアニメキャラのような珍妙な喋り方や動作」をするカヨコ・アン・パタースンは全く人気が出なかった。石原さとみ演ずるカヨコは『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』のハンジ役に続いて恥ずかしくなるものがあったらしい。
だが尾頭さんとカヨコは、庵野&樋口のオタっぽさの陰と陽だ。カヨコは無視されて尾頭さんだけ異常に人気だった光景は気持ちが悪かった。どっちも応援すべきだ。判官びいきなところのある俺は尾頭さんも好きだがカヨコをより応援した。
そして『シン・ゴジラ』を擬人化したのが尾頭さんだとすると本作は圧倒的にカヨコ寄り。そのアニメキャラっぽい喋り方やセクハラすれすれ描写など、庵野&樋口のオタクっぽさを煮詰めたムードがあり、人を試す。普通の映画好きが本作を楽しむ前には、この通過儀礼を乗り越える必要がある(そんな事が必要なのかという疑問もあるが)。
樋口&庵野監督お得意の性的シーンだが、長澤まさみを盗撮した人類の行いを見た外星人が「え?人類ってこんなにバカなの?ごめんね」と長澤まさみのネットタトゥーを消してくれる。そして中盤の「愚かな人類」の数々を描いた流れがあり、最後の敵は地球人がすぐ強大なパワーを軍事利用しようとする愚かさに呆れて「人類アカンからもう滅ぼすわ」という流れになってるし逆さ撮りのセクハラシーンはクライマックスの流れにちゃんと活かされてる……という擁護はダメ?たぶんダメだろうな。
だが盗撮のくだりは良くても他のエッチシーンは擁護できんな。僕は大して嫌じゃなかったけど観た女性とかが嫌ならダメだし、欧米での人気も得られるはずがなく将来性もない。しかもエッチな場面がストーリーに関係したものならともかく本作に性的なシーン必要ないからね。子供も観るんだし。そこで監督が「エッチでもいいじゃん!」とか開き直ったら更に最低になってしまう。まあ庵野はプロモーション上手いのでそんな事は言わんでしょう。『シン・仮面ライダー』ではエッチなのはやめてくれよ……オタク臭いのは別に良い。
長澤まさみの体臭が件の装置に付いてるから、長澤まさみを嗅げば装置が多次元にあっても追跡できる」というシーンに至っては、セクハラ以前に科学的な理屈がよくわからなかった。凄い装置だから違う次元に行っても使用者の匂いが付いたままなの?まぁよくわからんが賢い滝くんが「匂いだけは追跡できる」というから「まぁよくわからんけどそうなんだろうな」と映画ファン的なムーブで飲み込んだ。
僕も健康な男なのでエッチなのものは大好きだが、別にウルトラマンで性的なシーンは要らない。「本作にセクハラシーンがあって良かった~」という事もないので最初から無いに越したことはない。
それにしても『シン・ゴジラ』の公開時は「この政府は頼りないな」と思ってたのが去年観返したら「凄い有能な政府だな!」と感想が変わっており、更に本作の政府や世界各国の「他者を支配する」事しか考えてない人類を見たら「やっぱ人類って、こういう感じだよな」という感じが凄かった。人類というより権力者と言った方がいいか。
そんな感じで最後まで飽きることもなかったし、オタっぽいシーンや性的なシーンも個人的には嫌ってほどじゃなかったし全体的に好きでした。最後の敵を繰り出してくるラスボスもオリジナルよりずっと良かったし。
しいて言うなら「スペシウム光線の原理」とか「ウルトラマンが飛べる原理」とか別に台詞で知りたくなかった。神秘性が削がれるから。ストーリー上無理なんだけどなんなら「光の国」とか掟とかも知りたくない感があった。CGがショボい感じだし、ラストバトルは宇宙でのCGバトルなので何だかパチンコの当たり演出を観てる感じだったね。でも地上で戦うと物凄い攻撃が出来る敵の説得力ないし宇宙でやるしかないか。だがマルチバースに飲み込まれるシーンは『オカルト』や『コワすぎ!』の異界みたいで良かった。
冒頭でウルトラQダイジェストがあったわけだが、僕の予想だと中盤で「ウルトラマンガボラ戦の後こんなにいっぱい禍威獣を倒してたぞ!」って感じのダイジェストで、本作に出てないバルタン星人とか僕が好きなブルトンなどを倒すダイジェストがあると想像してたけど無かったのが残念。中盤で外星人2連発を盛り込まなきゃいかんから時間がなかったのかな。
それにバルタン星人は出たら目立ちすぎるから出さなかったのかも?
予告の時から……いや『シン・ゴジラ』の時から思ってたが全体的に庵野の特撮は松本人志の『大日本人』(2007)とも似ている。ほぼ同い年の特撮好きだからか?(僕は『大日本人』の前フリのシリアスモキュメンタリー部分が好きだがその話はまた今度)。
他の禍特対、まず滝くんは思いのほか良い役で最後には頑張れ頑張れ滝くんという感じした。西島秀俊は、西島秀俊だから有能な隊長かと思いきや「もう何なのか全然わかんないわよ!」というミスター味っ子のお母さんみたいなドジっ子キャラだった。もう一度彼らを観たい気がした!
『シン・ゴジラ』より好きだったのは、怪獣よりヒーローの方が幼い時から好きなこと、『シン・ゴジラ』は遅れて観たこと、『シン・ゴジラ』のラストバトルより本作のラストバトルの方がケレン味あって好きだったから、あと『シン・ゴジラ』
性善説で話を作ってるのがこそばゆいがシンウルトラマン性悪説だから丁度いいというのもある。客観的に観たら『シン・ゴジラ』の出来の方が上だが僕は本作の方が好きだった。

あと本作で一番良かったのは、ウルトラマン vs.メフィラスの途中、ウルトラマンの背後に「光の国から来た戦士」が音もなく、まるでJホラーの幽霊みたいに立って見てるシーン!後で誰かはわかるが、この時点では姿を見ただけでは誰かわからないので「えっ!……誰!?」と思うし、ウルトラマンとメフィラスが闘ってるのでそちらに意識が戻るのだが再び無音で「光の国から来た戦士」が映ったりして気になって仕方ない!ウルトラマンの背後にいるのでマンはリアクションしないし絶妙だ。そしてウルトラマンと闘っていたメフィラスはマンの背後に「光の国から来た戦士」を見た途端「……もうやめよう、それによく考えたら君を倒してまで地球は欲しくないですわぁ」などとサラリーマンのようなこと言って引き上げる。こいつだけ話し合いで決着がつくのが凄く良い!しかも文字通りウルトラマンの「バックに付いてる奴」を見て引き下がってるのも面白い。その間「待って、さっきの変な色のウルトラマン誰!?さっきの奴早く見せて、誰なの?怖いよぉ!」という気持ちが最高潮になったらその「光の国から来た戦士」とウルトラマンの対話が始まる……この辺の間の取り方とか「光の国から来た戦士」の不気味さが凄かった。会話を始めたら不気味さは薄れるものの、『ツインピークス』の赤いカーテンの部屋で浮いてた人たちみたいにちょっと斜めになって浮いてる「光の国から来た戦士」の不気味さも、彼の融通の効かなさも最高だし。今年観た映画の良かったシーンBEST5に入りそうだ。彼のフィギュアが欲しい。

 

あと、どこがとか覚えてないけどウルトラマンが普通に敵と闘っている、特に感動すべきでない何てことない戦闘シーンで理由はわからないが急に泣きそうになるほど感動した。
神永/ウルトラマンの混じりっけのない善性を感じたのか、「日本にウルトラマンあり」という事を久々に思い出したのか、幼児の時に初代ウルトラマンの再放送を観て近所の友だちと日が暮れるまでウルトラマンごっこしてた古い記憶のせいか?中年になって「父親におんぶされた夢」を見たようなものか?恐らく、その全部だろう。
幼児期に友達と転げ回って「本気で」ウルトラマンごっこしてた憧れが身体に封印されてたんだろう、神永隊員がウルトラマンに変身してのグングンカット、怪獣との格闘、スペシウムや八つ裂き光輪、果てはただウルトラマンが突っ立ってるだけ……どれを観たら前後の文脈一切関係なく泣きそうになった。この映画のアンチが「こんな映画好きなのはウルトラマンさえ出たら何でも良い奴やろw」とか言ってたが私がその「ウルトラマンさえ出たら何でも良い奴」かもしれないなと思った。
子供の頃に目撃した、怪獣から地球を護っていた神を再び観ての感動だろう。
色んな客観的な理由で本作を嫌いな人が多いのもわかるが、僕はこういった幼かった時の思い出を初代リスペクトによって掻き立てられた感情や、単純にウルトラマンや怪獣やストーリーや科特隊の人たちの楽しさや魅力を観て、好きにならざるを得ませんでした。
日本のエンタメや文化も好きだが、それ以上にアメリカ映画やアメコミヒーローばかり好きな僕ですが本作を観て「日本人にしか’作れなさそうなこのウルトラマンというヒーロー」という事で頭が一杯になりました。
セクハラやオタっぽい説明セリフへの批判に「セクハラなんてなかった!」等の反論をする気はない(だってその通りだから)。だけど個人的な感情によって僕は大好きでした。
来年の『シン・仮面ライダー』(2023)、そして今のところ予定だけされてるらしいが誰が撮るか、制作されるか未定の『続シン・ウルトラマン』(202?)や3作目も引き続き応援したいと思います。

※追記(2022.6.4):公開後しばらくしてシンエヴァのようにネタバレ映像込みのPVやMVが公開された。
米津玄師 「M八七」 ×「シン・ウルトラマン」Kenshi Yonezu- M87 × Shin-Ultraman - YouTube
この米津の曲も評判通り素晴らしいのだが、それ以上に私は映画本編は好きだったが本編中の浅見隊員を演じる長澤まさみ氏だけは台詞や演出がダサすぎて魅力ゼロだった。でもMVではダサい演出や台詞がないから長澤まさみが死ぬほど綺麗だなと思えた。この、本編から映像をモンタージュしたMVを観ながら「この長澤まさみを本編で観たかったなぁ」と矛盾した事を思った。このMV中の長澤まさみのスクショをプリントアウトして蜃気楼を見た後に汽車で旅したいくらいだわ。感情を込めれば押絵の長澤まさみも「ほう」くらい応えてくれるかもしれないしな。
冗談はこれくらいにして、僕も痛みを知る只一人であれるよう研鑽したいと思う。

※追記:そういえば   『シン・ゴジラ』(2016)でも陸上幕僚長役で出てた人、今回も自衛隊の偉い人で出てましたね。この人、北野武の『BROTHER』(2000)で大杉漣の舎弟役やってて「カッコいいなー」と初めて認識して……名前知らないので検索して今「國本鍾建」って人だと知りましたが……。この人カッコよくないですか?声も似てるし大杉漣の後継者だと昔から思ってるんですが……。邦画あまり観ないので北野映画庵野制作映画でしか知らない、多分ヤクザ役ばっかしてるんだろうけど……。

 

 

 

 

そんな感じでした

 『シン・ゴジラ』(2016)/5年ぶりに観ても面白かったが日本政府が有能すぎてコマンドーよりリアリティなく感じるようになってた☢️ - gock221B
『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』(2021)/尿意は残っていたよ。どんな時にもね🧑🏻 - gock221B

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