原題:Tomorrow Land 監督:ブラッド・バード
製作国 アメリカ 上映時間 130分
映画が始まると主人公のジョージ・クルーニーと少女が、我々に何か語っている。
主役のジョージ・クルーニーの少年時代と少女の方の主人公、科学力に秀でてる二人が、時は違えど不思議なピンバッチと不思議な少女アテナと出会ってトゥモローランドを幻視し、ランドを目指す展開が描かれる。
2000年以降のハリウッド映画の回想シーンでは、そのスターそっくりな子役を採用する事が多いが、この「ジョージ・クルーニーの少年時代、ただし科学オタクのジョージ・クルーニー」という無茶ぶりに完璧に答えた容姿をしてる子を当てはめたキャスティングの人は凄い。
しかし彼の未完成ジェットパックはランドのロボが修復してくれて完成して大空を飛んで大喜びして呼んでくれたアテナに手を振りランドの偉いオッサンに得意気な顔をするのだが、ロボットがやってくれたのに‥それでいいのか?何で少年が自分で完成させる展開にしなかったんだろ。
少女の方の主人公は、凄く「利発な子」というのを強調してて、リンゴを投げ与えてくれるという、個人的に少女がしたら最もポジティブに思える動作とかしてて好感度高い。
回想シーンは嫌いなのだが「トゥモローランドって一体何なんだろう?」と、一体どういう話かサッパリわからない疑念が良いように働き、興味が持続された
その二人がアテナの導きで出会い、殺人ロボット達に命を狙われ、アテナと合流し、三人は闘いながら逃亡しトゥモローランドを目指す。
個人的には、どういう方向に向かってるのかよくわからんが面白いことが次々と起こるという、この中盤がかなり最高だった。予告編すら観てなかったので本当にどういう映画なのか知らなかったのも良かったのかもしれない。
この中盤はかなりターミネーターっぽくて「ターミネーター:新起動」をブラッド・バードが監督してれば面白かっただろうなと思った。
それと中盤の冒険全体のテイストが大長編ドラえもんっぽくもあった。
この中盤は「ひょっとして今年最高のうちの一本か?」と思った。
いかにも善人そうな夫婦が悪役だったのは意外だった。
「アイアンジャイアント」で、主人公の少年が悪役のCIAに美味しいパフェの食べ方を教えて、悪役がパフェをうーんうまい!とか言って食うシーンがあって「何で仲良しのオジサンとじゃなくて悪役とパフェ食うシーンやるんだ?」と凄く不思議に思った事を思い出した。ブラッド・バードは映画のセオリーをわざと無視してるのかな?前半、少年のジェットをロボットが完成してしまうのも疑問だったし。そういえば、この後の第三幕で、少女が大事にしている帽子が飛んでいってしまう。タキオン未来幻視の前フリだというのはわかるが大事な帽子を飛ばしちゃっていいのか?と凄く気になった。
冒険の末にトゥモローランドに到着した三人。
色々な真相や結末が描かれて色々あって大爆発!のラストまでは、勢いに押されて「ポジティブでいい映画じゃないかな」と前向きに捉えていた。
何か賛否にパックリ分かれてるという噂は聞いていたが、そんな分かれるような映画か?と不思議だったがラストのラストの展開で「ああ、なるほど、これか‥」と理解できた気がした。
別に「選民思想だ!許せない!」とまでは思わなかったが、確かに飲み込みづらいラストだったな~。「嫌い」とまでは行かないが「全然好きじゃない」とはハッキリ言える‥という感じ。
爆発のところで終わって「未来はわからない」的な終わりで良かったんじゃないかな~
というように、いけすかない感じのラストを見てしまうと、終盤までは面白いと思って観てたので気にならなかった短所‥登場人物の変なところやトゥモローランドのおかしなところが、あれもこれもと浮かび上がってきて本作の印象がどうでもいいものになっていった。アテナの最後のくだりは別に文句ないけど、それならジョージクルーニーとの少年時代をもっと描かなければいけなかったんじゃないか?
ラストまでは楽しく観てたのに最後の最後を観て「え、どうなのこの映画‥」という想いになってしまった。
最初は好感持っていた主人公たちも、どうなの‥という疑念が浮かんできて、そうなると機械のロボットが一番信用できるかもしれないな‥という、本作が言いたい事の正反対の感想を抱いてしまった。
ぶっちゃけ主人公の二人が将来、ラスボスの様になってしまう可能性はゼロではないわけだし、、そうなると信用できるのはアテナなのかな。本作全体の感想は逆に、終盤までは何とも思ってなかったアテナがどんどん良く思えてきた。そういえば思春期の時に菊地秀行「魔界都市〈新宿〉」シリーズの人形娘が好きだったなと凄く昔の記憶が甦った。
ブラッド・バードといえばMrインクレディブルのママとかアイアンジャイアントのママとか、熟女が凄く魅力あったけど少女も上手いし魅力的な女性キャラ自体作るのが得意な人なのかもしれない。
しかしブラッド・バードが訴えたい核の部分には全く乗れず、気に入ったのは中盤のアクションと少女ロボットだけという、、自分には合わなかったという結論に達した
ブラッド・バードは、アイアンジャイアント→Mrインクレディブル→レミーのアニメ時代は大好きだったが、本作はちょっと好きになれない結末だった。
本当にただのアクション部分やスチームパンクっぽい世界観自体は大好きだったのだが‥ブラッド・バードの思想に賛同できなかった。
そんな感じでした
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