gock221B

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「コラテラル (2004)」今まで行動してこなかった善人タクシー運転手 vs.行動しまくるが心がない殺人トム・クルーズ🚕

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原題:Collateral 監督&制作:マイケル・マン 上映時間:120分 製作国:アメリ

 

 

何週間か前にタマフル(ラジオ番組)でトム・クルーズ映画の特集をやっていた。
自分だったら「MIローグ・ネイション」「アウトロー」「オール・ニード・イズ・キル」「アイズ・ワイド・シャット」「宇宙戦争」「マイノリティ・リポート」‥のどれかかな?などと想像して聴いてたら一位はまさかの「コラテラル」。
「意外だ‥、というかコラテラルって何?何か地味そうで観てなかったわ」と思った。
全然知らなかった。
というかマイケル・マンの映画も一本も観たことなかった。
何というか地味で男臭くてムーディな映画撮る監督のイメージ。
huluにあったので吹き替えで観てみたが、文句なくめちゃくちゃ面白くてびっくりした
面白かったので別に一位でも文句なかった。
だが同時に「こんな渋い映画がMIとか抑えて一位になったという事は、投票総数かなり少なかったんだろうな」とも思った

 

 

Story
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ロサンゼルスでタクシー運転手を12年間勤めている平凡な男マックスジェイミー・フォックス)。
ある晩、女性検事アニーを乗せて良い雰囲気になり上機嫌のマックス。
次に乗せたのはビジネスマン風の紳士、ヴィンセントトム・クルーズ)、マックスは多額のチップを貰って一晩の専属ドライバーとなり、一晩で5箇所を回るよう依頼される。
しかしヴィンセントの正体は暗殺者。麻薬組織から5名の殺害を請け負っていたのだった――

 

 

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「人が地下鉄で死んでいても誰も気づかない街」ロサンゼルス。
タクシーの運転手マックス(ジェイミー・フォックス)は、黒人のやり手っぽい女性弁護士アニーを乗せる。
マックスは卓越した運転技術と道路情報に通じていて、更に近道した事によって安い料金で済ませて、アニーを完全に満足させる。
マックスに好感を持ったアニーはマックスに連絡先を教えてくれる。
僅かな間に、マックスは出来る奴であること、そしてめちゃくちゃ良い奴である事が伝わる。
まだトム氏が出てきてない地味なオープニングだが、凄く面白くて「これは面白い映画だな」と感じた。
・次に乗り込んできたのはビジネスマンのヴィンセント(トム・クルーズ)。
白髪が多い銀髪の、何やら金持ちそうなイケメン紳士だ。
やはり、マックスは見事なタクシー運転手ぶりを見せ、ヴィンセントを素早く目的地に到着させる。
マックスの運転技術に感心したヴィンセントは、マックスを高額で一晩だけの専属運転手にする。
しかし、ヴィンセントは凄腕の殺し屋だった。
彼は一晩のうちに標的を5人殺害しなければいけない。
闇社会の大物に頼まれて不利な証言をする5人を殺しているらしい。
効率よく移動するための足としてマックスを雇ったのだった。
‥という話。
もうすごく面白かった。
ヴィンセントが殺しを行っている間、マックスは運転席に縛り付けられたり、殺しの現場に同行させられたりして運転手を強要され続ける。
当然マックスは助けを呼んだり、単純に走って逃げたり、刑事や警察官に保護してもらおうとしたりするが毎回上手くいかず殺し屋の運転手に逆戻りする。

殺し屋と言っても演じてるのはトム・クルーズ様なので、何だかんだ冷酷そうに見えても実は悪しきを挫くヒーロー殺し屋なんじゃないの?と思って観ているが、どうやらそうではない事がわかってくる。
最初は如何にもクズそうな奴を殺してるので、マックスも「人殺しなんて最低だけど殺されたのもクズ犯罪者っぽいな‥」と思ってそうな顔をしている。
3人目くらいの標的は、ジャズを愛する人柄良さげなジャズバーのマスター。
マックスを同行させたヴィンセントとマスターの三人は、マイルス・デイビスについて楽しく話する。そしてヴィンセントは自分が殺しに来た事を告げる。
青ざめるマスター。いい奴マックスは当然「殺すのはやめろ!」と言う。
ヴィンセントはマスターにマイルスに関するクイズを出して正解したら見逃すと言う。
こういった展開で殺し屋がトム・クルーズ、、これはもうトム氏が心の奥底にあった善性を発揮してマスターを見逃すんだろうな‥とか思っているがヴィンセントは答えたマスターを即効で殺した。
どうやら、いかにもトム氏が演じそうなヒーロー殺し屋ではなく、相手が誰であろうと仕事で淡々と殺していくだけの殺し屋なんだとわかる。
そして、標的じゃなくても自分の行動を邪魔する者なら善悪問わずバンバン殺していく。
トム氏の殺しのアクションは見事で、惚れ惚れするアクション。
このヴィンセントというキャラは、一旦殺す事を決めたら相手が誰だろうと胸に2発、頭に1発ぶち込んで即効かつ確実に殺してしまう。
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最初にヴィンセントは「男は喋らず、直接行動に出すものだ」と言っていた。
言葉通りヴィンセントはそんな男だった。
ただし行動だけが全てで、彼の中には他にはないも無いという男でもあった。

それで一体どうなるのか、マックスも嫌々ながら殺しの片棒を担がされてしまうのか?という映画。
運転中、会話によってヴィンセントは非常にドライな男である事がわかる。
仕事で殺してるだけで他には何もない。マックスに殺しを咎められると「宇宙に比べればちっぽけなことさ」と言う。この、宇宙と比べるやつ言う人はオッサンに多い、「口答えするな」と同じ意味だよね
だけど完全に冷酷というわけでもなく、マックスに「お前は最低の人殺しだ!他人の気持ちなんか何とも思ってない!お前いつか殺されるぜ?絶対ろくな死に方しねーよ!」‥と、自分の冷たい人間性を真摯に責められると「うぐ‥」という顔をする。
どうやら、心に来るものが少しはあるらしい。
ヴィンセントはノーコメントだが彼の表情から心の内を想像する楽しみがある。
一方、マックスは何かと才能ありそうだしリムジン運送会社をやる夢があるが、失敗が怖くてチャレンジせずタクシー運転手を10年以上続けている。
ヴィンセントはマックスのその部分を「お前は、人生で何にも挑戦しなかった事に気づくのさ。年老いて何もできなくなった頃にな」「お前は、どうせリムジン運送会社も作らないし弁護士の女にも電話しないのさ」と煽る。
2人が突くお互いの痛いところは大きな目で見れば結構、普遍的な事だ。
映画を観る人は大抵、ヴィンセントかマックスの2つのうちどちらかに当てはまるだろう。
僕もヴィンセントの言うことが刺さった、観たのが昔だったらマックスの言うことが刺さりそう。
優しいが奥手の童貞 vs.モテモテだが最低ヤリチン野郎みたいに見る事もできる。
そして、そんなヴィンセントの説教や、殺しの運転手や闇社会の依頼主へのお使いなどを強制的にやらされていくうちにマックスは徐々に成長していく。
「喋らず行動に出す」というヴィンセントの理念がマックスに移っていく。
ただしマックスの場合、善人なので良い方面にそれが出てる。
この辺は「ミザリー」みたいで面白い。
というかトム・クルーズの現実離れした非人間的イケメンぶりも相まって、なんだか未来の世界からマックスの人生を建て直しに来た男のようにも見えてくる。
二人の人生が重なり、そして互いに与えあった影響は2人を最後どうするのか?
‥というのを見せるのが後半。
最後の殺しの標的は当然、マックスが最初に乗せて親しくなった女弁護士。


マックスの吹き替え声優は高木渉だった。
高木渉が、こういう勇気を持った一般市民とか黒人の吹き替えしたら作品が1.5倍は面白くなる気がする。
事態が解決したらスパッと映画が終わることも含めて、良い意味で凄く男らしい映画だった。
時折、異常にムーディでメランコリックな‥悪い意味で男臭い曲が流れる事さえなければもっといいんだけど‥とも思ったが、きっとマン監督の趣味なんだろう。マン弱者は口をつぐもう。


そんな感じでした

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