gock221B

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『カラー・アウト・オブ・スペース -遭遇-』(2019)/物体X+ゾンビみたいなシンプルすぎる話ながら細かい描写や演出のこだわりが好き🧠

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原題:Color Out of Space 監督&脚本:リチャード・スタンリー
原作:H・P・ラヴクラフト『宇宙からの色』(1927)
製作国:ポルトガルアメリカ / マレーシア 上映時間:111分

 

 

 
H・P・ラヴクラフトの『宇宙からの色(異次元の色彩)』を映画化したホラー。
ラヴクラフトは何となくボンヤリ好きで、各種映像作品や朗読や漫画で有名な作品は大体知ってて好きだったりするんですが肝心の原作小説は殆ど読んでない感じです。だからクトゥルー神話について偉そうな事言えないので名状し難いほどのウンチクは書きません。漫画だと色んなラヴクラフト作品を現在進行系かつ精密な作画で漫画化してる田辺剛氏による『ラヴクラフト傑作集』がオススメです(本作の原作も出てる。リンクは一番下)。
クトゥルー神話は中高生の頃に創元推理文庫のカッコいい『ラヴクラフト全集』を読もうとしたんですが挫折した気がする。恐らく文体が読みづらかったのに加え、当時は思春期特有の万能感を持ってたから、人間が旧支配者や人外に成すすべもなく殺されるというヤラれ展開が嫌だったんだと思う(子供だね)。でも知らん間に、旧支配者や人ではないものに成すすべもなくやられてしまう展開に、思春期の頃とは全く逆でカタルシスを感じるようになった。多分、加齢のせいだと思う。たとえばエイリアンで言うと、子供の頃はエイリアン達をやっつける『エイリアン2』が大好きだったのに中年になったら、人間は完全生物ゼノモーフに全く太刀打ちできず何とか宇宙に放逐して逃走する……という『エイリアン』一作目が至高!と思うようになりました。そんな感じでクトゥルー神話の旧支配者やバケモノにもエイリアンと似た強さや美しさを感じるようになりました。Jホラーの幽霊も全く倒せないところが好きだし。
ネタバレあり(というかネタバレして困るところとか無いと思うけど……)

 

 


人里離れた〈アーカム〉という土地の農場で幸せに暮らしていたガードナー
ある日突然、庭に不思議な見た事のない色の隕石が落下したのを境に、ガードナー一家は不思議な〈色(カラー)〉に心身が侵食されていく……。
そんな話。ストーリーは上の一文で事足りる。それ以上でもそれ以下でもない、お母さんが風邪引いた日にお父さんが珍しく作ってくれた食事みたいにシンプルなコズミック・ホラー映画。やろうと思えば10分くらいの短編映画で充分語り終える事が可能な物語。さっき「ネタバレなんかどうでもいい」と書いた理由はそれ。「宇宙から飛来した隕石から出た〈色〉に田舎の家族が滅ぼされる」これだけ。
侵略してくる〈色〉という存在の名状し難い斬新さと魅力。あと物語がシンプルなだけに登場人物やそれを演じる俳優達の魅力が味わい深い。
逆に言うと本作を観て「この映画って一体、何が面白いの!?」と思う人も多そう。特に凝ったストーリーとか伏線回収とかどんでん返し等、口で説明しやすい面白さを求めてる人が観ても面白くないかもしれない。YOUTUBEの10分で全ネタバレする動画とか好んで観る人にはちっとも面白くない気がする。
このアーカムという土地はラヴクラフトの他の作品でも頻繁に出てくる架空の土地。バットマンに出てくる、ジョーカーを始めとする精神異常の犯罪者を収容する精神病院アーカムアサイラムという名前はラヴクラフトアーカムから取ったらしい。それにしても「アーカム」って本当に良い響きの名称だよね……。
ガードナー家の父親、ネイサン・ガードナーニコラス・ケイジ)は若い時は画家を志してたらしいが歳取って地元に帰ってきた中年男性。仕事は何してるかよくわからんが牧場主かな?どういう訳かアルパカをたくさん飼っていてアルパカの乳を絞ったり食肉にもするつもりみたい……いや食肉はジョークか?よくわかんなかった。「牛や豚じゃなくて何でアルパカ!?」と思わされるし監督の妙なこだわりを感じる。父ネイサンは割と早い段階で〈色〉に蝕まれる。数十年前から大袈裟な演技で人気のニコラス・ケイジ、最初は抑えた演技だったが後半は如何にもニコラス・ケイジって感じのデカい馬鹿演技で暴れまくる。
母親テレサ・ガードナージョエリー・リチャードソン)は、ネットで何か取引する仕事を在宅でしている女性。彼女は速攻で〈色〉に侵食される。ネイサンとテレサは愛し合っている。
長女ラヴェニア・ガードナー(マデリン・アーサー)は思春期の少女らしく、父にちょっとだけ反抗したり水質調査で来たカッコいい青年のワード氏が気になったりする普通の女の子。愛馬を可愛がっておりウイッカン(現代魔女術)的な儀式にハマってる女の子。本作は彼女の儀式によって始まる。ワード青年に色目を使ってるのをママに軽く指摘された後、部屋で号泣してる場面も「え?そんな号泣するような事か?」と意外だった。このシーンといいウイッカンといい、やはり妙なこだわりを感じて味わい深い。この娘は一番最後まで〈色〉の侵食に対抗できていた。魔術の儀式のおかげか?凄く童顔なので子役かと思ったら24歳の女優だった。
長男ベニー・ガードナー(ブレンダン・マイヤー)は愛犬と大麻と宇宙のゲームが好きな、全体的に良い感じの少年。ラヴェニア同様、凄く童顔なので子役かと思ったら26歳の俳優だった。

次男ジャック・ガードナー(ジュリアン・ヒリアード)は6~10歳くらいの男児。ママ同様、早い段階で〈色〉に侵される。
学者ワード・フィリップス(エリオット・ナイト)は地下水の調査で訪れた青年。ラヴェニアに好かれるイケメン好青年。彼の名前は原作者の本名ハワード・フィリップス・ラブクラフトに似てるのでラブクラフト本人をイメージしてるんだろう。「〈色〉に遭遇して、奇怪な事件を書き記す使命を帯びた」って設定なのかもしれない。差別主義者だったラブクラフトを黒人の俳優が演じてるのも意識的な面白さだと思った。
原作だとワードのポジションの学者が主人公ポジションだった気がするが本作はガードナー家メインで話が進む。
老いた変人エズラは、ガードナー家の近所に〈Gスポット〉という名の猫の住む老人。元ヒッピーっぽい雰囲気の変わり者。アメリカのエンタメ映画では、便利キャラとしてマジカル・ニグロ(白人に尽くすためだけに才能を持たされた黒人のキャラクター)とかマジカル東洋人などが居たが近年は差別的だから消えた。『(500)日のサマー』のクロエ・モレッツなどのマジカル幼女などもいるが基本的には老人が知恵を授けるマジカル役になりがち。最近は「雑貨屋やコンビニエンスストアの白人の老いた店長」とか「白人の老いたホームレス」がマジカル役やりがち。何故か猫を飼ってる事が多い。彼もまたマジカル老人で、割と序盤から真実を見抜いており終盤でも解説してくれる。このやり方が最高だったが後述する。
メイン登場人物はこれくらい。後は市長と警察官と動物しか出てこない。

 

 

 
ガードナー家の庭に落ちた隕石。そこから名状し難い〈色〉が漏れ出て、周囲の人間の心身、生物や植物などにも影響を及ぼして侵略する。なお隕石落下の周囲では電話線や電波、スマホWi-Fi、電子機器が全て狂ってしまう。
〈色〉はカラー映画の便宜上、ピンクにしか見えないが一応「一見ピンクだけど、よく見たら何色なのか見たことない色彩」という設定らしい。地球には無い異星の色彩なのだろう。
精神と肉体、どちらか片方だけ侵略する設定ならありそうだが2つ同時というのが面白い。人間や動物の肉体が変質してしまう様、それによって小さな一つのコミュニティが不和になっていく様などが、ジョン・カーペンター監督がクトゥルー神話に影響受けて作った傑作『遊星からの物体X』(1982)と似ている(というか本作はほぼ『遊星からの物体X』)。『物体X』の場合は本体がよくわからんものの〈寄生生物〉という物理的な生物なのだが、本作の場合〈色〉という物質じゃないところが面白い。まぁ、この映画を観てると〈色〉というより明らかに〈光〉とか〈ガス〉っぽい表現なのだが、〈光〉が異性生物なのはよくある(『コクーン』とか……)。本作の場合、侵略してくる存在が〈色〉っていうのが凄みのある面白さを産んでいる。というか〈色彩〉という形態を取った異星人なのか、異星の兵器なのか全くわからないところも良い。これが悪魔とか悪霊といったオカルト的な存在ではなく、あくまでも「異星から落ちてきた隕石から出てきた色」という三次元に確かに存在する、ここに見に来れば誰でも見れる〈何か〉だというところが凄く良い。霊とか悪魔とかオカルトは大好きだが、ことクトゥルー神話に限っては一部の人しか知覚できないオカルト的な存在ではなく、誰でも観測できる恐ろしい存在が驚異っていうのが物凄く良い。どうせならビジュアルも光やガスっぽいビジュアルじゃなく、本当に物から物へ〈色〉が移り変わる描写してほしかった。
この作品の何分の一かを占める魅力は、登場時が〈色〉としか呼ばないところ。ここに値千金のセンスを感じる。不思議な存在というものは、その真実の正体も大事だが結局は観測者がどう表現するかによって全てが決まる。その正体以上に大事なのが、誰かが冴えた形容する事によって生まれる幻想だ。我々が全員持ってるスマホだが、こんなの存在知らない人が突然見たら完全に魔法とかオーパーツとしか思えないわけで、だが正体を知ってしまうと只の機械だ。UMAとしか思えない動物もいっぱいいる。キリンや象も当たり前の存在だが、もしキリンや象がどこかの山奥に数頭しか居なくてそれを初めて見た人が喧伝しても「首や鼻がめっちゃ長い生き物!?いるわけねぇだろ!そんなもの」としか思われない。誰も知らなければ魅力がある。だが象やキリンが学術的に分析されてしまと只の愉快な動物でしかない。〈色〉も同じだ、正体の説明もなく近所の老人の戯言や終盤一瞬だけ幻視する異星の光景から何かを推測するしかない。ラヴクラフト氏は84年も前によく、こんな「色が侵略してくる」という凄い設定を思いついたよね。「宇宙から落ちてきた隕石から出てきた〈何か〉が地球を侵略」……とか、パッと聞いたら「よくある話じゃん」と思うかもしれない、だが84年前だからね。自分が84年前の作家になった気持ちに本気でなって想像すると、その凄さがわかる。絶対に思いつかない。というか他の作品の旧支配者とかクトゥルー神話のバケモノとか、見た目も能力も存在のデカさも、他のエンタメのモンスターとは全く違うオリジナリティありすぎる存在だ。それが未だに人を魅了し続けてるんだから凄い。
ガードナー家の近所を物理的に侵食した〈色〉は、更に動物たちやガードナー家や近所の変わり者老人エズラの精神をも侵し始める。
最初に〈色〉の奔流をモロに見てしまった幼い弟とメンタル弱そうなママが不調をきたす。そして愛犬とアルパカ。
パパも、本当に徐々に怒りっぽくなっていく。皆が変調していく様子をじっくり描いてるので(何しろこれしかストーリーがないので描きたい放題だ)。最初は「久しぶりにニコラス・ケイジ見たけど割と普通のパパ役だな」と思ってたけど後半になると、もういつものアホみたいなニコラス・ケイジに戻った。「まずい!まずい!」「うーん!なるほど!まずい!」とか言って桃を食い漁っては全力投球でゴミ箱に捨てる。「なるほど、後半のニコラス・ケイジ演技を引き立てるために前半では、わざと全力で自分を抑えて善良なパパ演技してたんだろうな」と思い知らされた。終盤だと「いい加減にせい!」ってくらいニコラス・ケイジ全開になるので「ひょっとして、これがやりたくて、この映画作ったのでは?」とすら思った。
昼だと思ったら夜になったり「時間の流れがめちゃくちゃになってる」という設定もワクワクする。だが、この土地の時間だけが他所より違ってるとも考えにくいので、この辺は「〈色〉に侵された人の精神がおかしくなって時間感覚も狂ってる」って事なんだろう。大麻でブリった人が時間感覚わかんなくなる感じなをイメージしたのだろう(僕は大麻の事よく知らないけども)。
他には、やはりウイッカを嗜むゴスっぽい長女ラヴェニアが、かなり良かった。この女優、本作で初めて観たけど躁鬱っぽい雰囲気がめちゃくちゃ良い。
〈色〉に捕まったママと末っ子が一体化して屋根裏部屋にとりあえず隔離して、末っ子と合体したママを診てる皆が衰弱していく様子や、パパがショットガンでママと末っ子を殺す……と見せかけて殺さなかったり、長女を差し出して物体X的な変態を遂げたママに食われそうになる辺りも非常に良い。この辺はゾンビ映画だ。そう、本作はゾンビ映画の要素もたくさんある。反抗気味で土地から逃げようとしてた長女なのにパパの悲劇的な最後に号泣して家に残る宣言する辺りも意外で良かった。まぁ、ラヴェニアも精神を〈色〉にやられて正常な判断できなくなってたんだろうけど。
……さっきから「良かった」と言うばかりで一体何がどう良いのか上手く説明できてない気がする。ストーリー自体はシンプルすぎる一本道なんだが、細かい描写や展開が、ステレオタイプでなく、登場人物が生きた感じして良い。わざわざアルパカ借りてきてるのも面白いし。では何故、本作の色んなところが良いかを上手く具体的に説明できない、まぁいいか……別に説明しなくても。
イケメン黒人学者ワードと警官が、壊滅したガードナー家を半ば諦めて、近所の変わり者じいさんエズラを尋ねると、老エズラ本人は椅子に座ったまま伊藤潤二的なミイラになっており、ジジイが吹き込んだ音声テープが「〈色〉の侵略」について滔々と述べる音声が再生され続けてる辺りもめちゃくちゃ良い。普通だったら狂いながらかろうじて生きてるジジイが口で説明してワード達に襲いかかって撃たれて死ぬ展開を描くはずだが、本人は既に死体になってて「〈色〉の侵略について語る録音テープが再生され続けている」っていう回りくどさが、たまらない。警官は狂った木に殺される。
ニコラス・ケイジ演じるパパはさっき一回死んだがワードが戻ってくると普通にカウチに座ってる。ワードが「あんた死んだはずだろぉぉぉ!」と絶叫するのも良いし、起き上がったニコラス・ケイジが、劇中、家族が言ってた台詞を家族の音声で喋るのも凄く良い。この辺り一帯に蔓延した〈色〉が、一帯で発せられた音声を記憶しており特に意図もなく機械的に再生しただけって雰囲気が良い。
また、前半の家族や動物達は魅力的かつ幸せそうだったので「皆、死んじゃって可哀相」と一抹の寂しさも感じた。
そして〈色〉の奔流がワード青年に見せたビジョン!
〈色〉の母星だと思われる異界の景色、玉座を思わせる岩……それをワードが幻視させられるシーンも非常にワクワクさせられた。そして、そのワードによるラストのシメも味があった。
この監督はラヴクラフト好きらしいし是非、制作費を積んで他のも映画化して欲しい。
本作のCGも、別にショボいわけじゃないけど割とマンガっぽかったし、本作は細かい描写が妙に上手かったから『狂気山脈』みたいな壮大なものじゃなく、僕が好きな『家のなかの絵』などの、本作同様に地味かつ観客に想像させる感じの作品が合ってる気がする。スティーブン・キングばっかり映像化するのもいいけどラヴクラフトも、もっとメジャーな映画化してほしい。そしていつの日かMCUみたいなクトゥルー・シネマティック・ユニバースが展開しだしたら最高だ。

何か、何ら具体的な褒めが書けなかったが、本作が合わなかった人に「ここがいいよ」と幾ら具体的に言っても多分まったく通じない気がするからこれでいい。
そもそも僕はジョン・カーペンターデヴィッド・リンチクリント・イーストウッド、それに昔のクローネンバーグやトビー・フーパー、あとホラー全般とアメコミ映画などB級映画(もしくはかつてB級だったジャンル)が一番好きなので本作は正にそんな感じで好きに決まってた。

 

 

 

そんな感じでした

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Color Out of Space (2019) - IMDb

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宇宙からの色 ラブクラフト傑作集
 
ラヴクラフト全集 4

ラヴクラフト全集 4

 
宇宙からの色

宇宙からの色

ラヴクラフト全集4

ラヴクラフト全集4

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『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』(2019)/最初の40分を過ぎて以降はめちゃくちゃ面白い!2回目は最初から全部面白い⚔️


原題:Knives Out 監督&脚本&制作:ライアン・ジョンソン 制作:ラム・バーグマン 製作国:アメリカ 上映時間:130分 シリーズ:『ナイブズ・アウト』シリーズ

 

 

 

この映画はミステリーなので久々に殆どネタバレ無しの感じで書こう。
……まぁネタバレ無しと言ってもミステリ好きや映画好きが、感想読んだら推測できるだろうから、なるべく最初に映画見たほうがいい。最初に言うとめちゃくちゃ面白かったったのでオススメです。
だから感想短くなる代わりに前置きと本作を観るまでの話が長いので、感想だけ読みたい人は3行の改行が挟まるまで、このブロックを飛ばしてもOK。
「ちょっと昨年末から忙しかったりゲームしたりで映画観る本数が激減して更新頻度が遅くなってるな」と気にしてたので、このコロナGWは映画いっぱい観ようと観てますが、全部ブログに書こうと思ったら大変だし、よほど「ブログに書き残したい!」と思わない程度のものはFilmarks(映画感想アプリ&サイト)に書いてます。
gockさんの映画レビュー・感想・評価 | Filmarks映画
感想書く事自体は、そんなん観てさえいれば幾らでも書けるんですがサムネ画像とかトップ画像とか監督がどうのとか予告編のリンク貼ったりする〈映画ブログっぽい体裁〉を整える作業自体が面倒なんですよね。それらは「必要な情報だから読む人がわかりやすいように……」と貼ってるわけではなく「この映画の感想がたくさん書かれている映画ブログ、何だかまるで映画ブログみたいだなぁ」と訪れる人に思わせる〈映画ブログっぽい体裁〉が、感想の内容と同じくらいに大事なので怠るわけにはいかないというわけです。ちなみに、当ブログは「映画の感想ブログ」であって考察やレビューではありません。

……で、今回の『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』(2019)、公開時は「なかなか面白い」とか「キャップ役でお馴染みのクリエヴァがチャラい役で出てる!」とか評判だった記憶ある、続編の権利争奪戦もあって早くも2&3作目が決まったようだし。だが監督のライアン・ジョンソン『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(2017)で印象があまり良くない感じだし、過去に唯一観た別の監督作だと『LOOPER/ルーパー』(2012)もあまり好きじゃなかったのでスルーして、最近Netflixで配信始まってもスルーしてました。
だけどフォロワーの方が本作を薦めてくれました。それで、あまり気が乗らないがモニターも右半分でネットしながらモニターの左半分で再生して、ながら観するという不真面目な態度で観始めましたが前半、正直かなり長い時間、興味が持てませんでした(この部分については後で改めて書きます)。30分くらい観ても、あまり物語に入っていけず観るのやめて、しばらく経って、再び同じ方から「そういえばナイブズアウト観ました?」と訊かれ「ごめん、入ってこなくて中断しました。また観とくよ」と言い、彼は「そうですか……」という感じになりました。そして更に時が経った最近「このGWはやることないから映画観てブログ更新するぞ!」と決心して何作か観てる時に本作の事を思い出し、前半なかなか物語に入れないのは知ってるのでもう自宅が映画館のつもりで何があっても停止せずに観るぞ!と観てみて、やはり序盤が頭に入ってこなかったものの、映画開始から40分後に事件の真相が語られる場面で一気に引き込まれ最後までとても楽しく観れました。……というか去年の映画のベスト3に入るくらい凄く面白かった。2回薦めてくれたフォロワーの方のおかげですね。
ちなみにライアン・ジョンソンは2010年に「アガサ・クリスティ推理小説みたいなミステリ映画を撮りたい」と思い本作が出来上がったみたい。そして実際にアガサ・クリスティ推理小説みたいな本作が面白かったので「どうせなら本作の原作も読みたいな……」と思ったのだが当然ながら原作はない、この映画自体が原作だ。

 

 

 

世界的ミステリー作家にして大富豪ハーラン・スロンビークリストファー・プラマー)の85歳の誕生日会が、NY郊外にある彼の豪邸で家族が集いパーティが開かれた。
豪邸には大量の剥き出しのナイフを使った『ゲーム・オブ・スローンズ』の鉄の玉座のようなナイフの玉座が置かれている。
ところが翌朝、ハーランは自ら首を切り裂いた遺体で発見される。
どう見てもハーランの自殺に見えるので警察は自殺で済ませようとしたが、匿名の人物から依頼を受けた名探偵ブノワ・ブランダニエル・クレイグ)が他殺を確信して調査を開始する。
容疑者家族9人家政婦ハーランの看護師マルタ(アナ・デ・アルマス)……といった屋敷にいた全員。
探偵の調査が進み、家族の秘密や嘘が次々と暴かれていく……。

……みたいな話。
とにかく大金持ちの作家が自殺のような遺体で発見される。家族は皆、欲深く全員が怪しく見える。まぁ割とミステリでよくある導入部だ。
コロンボとか古畑任三郎みたいに最初に被害者が死ぬor殺される描写が映されるわけではなく遺体で発見され、探偵が容疑者達を面接していく……、これが30分以上続くのだが、まだ被害者にも容疑者にも誰一人、興味を持ってない状態で10人くらい知らないキャラが次々と出てきて「こいつら容疑者の名前と性格と家族関係ととアリバイを覚えろ!」と突きつけられる。僕がミステリものをあまり観ないせいかもしれないが、これが結構しんどい。初見では全く面白くなかった。
前置きで「最初の30分で何度か挫折した」というのは、この部分だ。
ミステリ映画なら、探偵が小規模な事件を解決するアバンだったり、犠牲者が謎の人物に殺されるアバンが冒頭に描かれるといった所謂ツカミが描かれて引き込まれたりする。もしくは容疑者となる多くの人物たちの人間ドラマを魅力的に描いた後で殺しが行われたりする。本作の場合、探偵のキャラは静かなまま(ちなみにダニエル・クレイグ演じる探偵ブノワは終盤の終盤、魅力が爆発する、最後の最後に爆発させるため本編ではずっと金田一的な静かなキャラにしたんだろう)。そして既に殺しは行われた後。容疑者達はというと、演じてる俳優は有名な人ばかりなのだが正直、キャラクターがあまり面白くない。ただ嫌な奴らってだけなので、そんな彼らと面接してるだけの前半は面白くない。強いて言うならクリス・エヴァンス演じる〈バカ息子〉は面白いのだが、彼は面白くなる中盤以降にならないと出てこない。しかし実のところ一回最後まで観て二回目観たら凄く面白かった(だから、ひょっとして僕の見方が良くなかったのかもしれない)。それと美術や衣装は素晴らしいのでもう少し前のめりで観れば初見でも面白かったかも?
僕の経験上、面白い映画は前半から既に面白かったり、凄いのになると開始数秒の風景で既に面白かったりする(イーストウッド映画の面白いやつとか、風景だけでなぜ面白いのかはよくわからん)。だから「30分面白くないって事はこれはもう面白くないだろ」と思ってしまったのだろう。
だが実際のところ、映画が始まって40分くらい経った頃、事件の真相が描かれる。
ここが凄く面白い!変わっていて先がどうなるか全くわからない展開。しかも凄い緊張感!時間を急ぐ被害者ハーラン氏と焦るもう一人の人物が言いたいことが被ってハーラン氏が相手の口を塞いで離す場面の緊迫感!もう全く目が離せない。それまでと同じ映画だとはとても思えない。そこから先はもうずっと面白い。前半が全く興味持てず面白くなかった事とかどうでもいい。というかむしろ40分以降が面白すぎて「あれ?前半も面白かったのでは?」と思い始める。実際に翌日、最初から観たら普通に面白かった。
やっぱり俺が悪かったのか……どうかよくわからない。
だが大勢のキャラクターがあまり面白くない事は確かだし、面白いキャラといえば……探偵ブノワ、死んだハーラン氏、看護師マルタ、クリエヴァ演じるバカ息子、この四人だけ。前半、映画を観る人の興味を惹き付けるため、この四人の誰かを活躍させればよかったのでは?と思った。
まずブノワ探偵は前述した通り、最後に爆発するまでキャラを隠したかったんだろうから終盤までの彼は冬のナマズのように静かなキャラで居なければいけない、次にハーラン氏は40分から始まる事件の真相の回想まで秘匿しておかなくてはならんからダメ、あとは看護師マルタとバカ息子か。マルタは嘔吐の伏線を張りはしたがアレ以上目立たせると都合が良くないと思ったのかもしれない。やっぱり、クリエヴァはパーティを抜け出すのではなく家に残って面白い茶々を入れるキャラとして屋敷に残して前半から「バカ息子だが実は良い奴?」みたいな感じで引っ張るキャラにしとくべきだったのではないか?と思った。もしくは探偵の面白いキャラクターを最初から出すべきだったかも?
それにしてもダニエル・クレイグの主人公探偵は良いキャラだった。ホームズ的な、観察眼と推理力に優れた感じの探偵。独自性があるとすると終盤、人情家だとわかるところか。とてもそんな感じに見えなかったので凄く意外だった(だからこそ終盤まで彼のキャラを秘匿していたのだろう)。彼が感情を爆発させてナイフの玉座に座り一気呵成に捲し立てるシーンはクライマックスに相応しいカッコいいシーンだった。玉座に飾り付けてあるナイフが放射線状になっているため、玉座に座って捲し立てるブノワ探偵がまるで、漫画の集中線みたいでとてもカッコいい。玉座自体もカッコいいし、その玉座も物理的にも後で使われる。玉座や仕掛けはハーラン氏の人柄や性格を示している。そして、それにしてやられた犯人は「ハーラン氏の近くに居たのに彼のことを全く理解していなかった」事を、この玉座で表現される。玉座だけでなく開始40分目の回想でもハーラン氏の面白いキャラが短い時間で充分に描かれてる。
アナ・デ・アルマス演じる看護師マルタは善良な善人。アナ・デ・アルマスといえば『ノック・ノック』でキアヌ氏をいたぶる美女役『ブレード・ランナー2049』で主人公が恋するAI役でしか知らないけど凄い美人なので印象に残っている。美人は勿論好きだが僕は比較的、美人にうるさくないと思うのだが映画に出てくるラテン系の美人はヤバいくらい印象に残る。少し前ならサルマ・ハエックとかモニカ・ベルッチとか?とにかく「凄い美人だ……!」と思わされた。彼女は嘘をつくと嘔吐してしまうという体質の持ち主だから、これでもかと嘔吐し、ゲロとか苦手なんだが(あまり得意な人も少ないだろう)看護師マルタが、あまりに美人かつ良い娘なせいか全く汚いと思わなかった。……ひょっとして吐瀉物が汚く見えないようにアナを配役したのかも?彼女の嘔吐癖や数々の伏線や結末の全てがマルタというキャラを表現している。また不思議な経緯で容疑者の一人であるにも関わらずブノワ探偵の助手のような役でずっと出ずっぱる。誰が観ても好きになるキャラだと思った。
本作のキャスティングで一番、評判だったのはキャップとは180℃違うバカ息子役のクリエヴァだろう。だがクリエヴァ本人は割と明るい性格だし、キャップ以前のクリエヴァが演じていたのは『ファンタスティック・フォー』のジョニー、『スコット・ピルグリムと邪悪な元カレ軍団』のチャラい元カレ、『セルラー』の犯人、タイトル忘れたけどラブコメに出てきたチャラい男など、チャラかったりクズの役が多かった。だから10年近く前、クリエヴァがキャップ役に決まった時「え~、あのチャラい奴がキャップ役かよ」と不満に思ったのを覚えている。実際にはクリエヴァのキャップ役は最高だった(可愛げが強い分、原作キャップより好きかもしれん)。そして今となっては「クリエヴァがバカ息子役!?」と驚かれたりするんだから、そういう時の流れを追ってると面白いですよね。
まぁ、そんな感じで映画開始から40分目から最後まで一気に惹き込まれてめちゃくちゃ面白かった。昨年2020年の日本公開映画でベスト3に入るくらい好きかも?そして、これまた前述した事だが一回最後まで観て、再び最初から観返すと今度は最初から面白かった。……まぁミステリものでよくありがちな事だけど。
前半がイマイチだったのは、40分経ちさえすれば面白いのだから「Netflixじゃなく一時停止できない映画館なら問題ないのでは?」と思った。だけど配信サービスなら、頭から観返すのも容易なので、どっちも良いのか。まぁいいや。
極力ネタバレを限界までしないようにしたら内容にあまり触れない感想になったが、とにかく面白かった。あまりに面白かったのでSWのep8がつまらなかったのは「オリジナルの企画が得意で突飛なことをしたがるライアンを、基本が大事なSWの監督に据えたキャスリーン・ケネディが悪い」と思うようになった。
とりあえず続編も、そのまた続編も今から早く観たいし今後の楽しみができた。
マルタは、変則的なワトソンみたいな役割を演じてたのでブノワ探偵に「ワトソン」とか言われてたし、今回同様にブノワ探偵のサイドキックとして続投して欲しいなぁ、ちょっと無理かな?いや出来ないことはないはず。

 

 

そんな感じでした

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『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(2017)/映画としてもSWとしても完全に破綻してるが初見はその焼畑農業っぷりを楽しんでしまった⭐ - gock221B

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Knives Out (2019) - IMDb

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『ミッチェル家とマシンの反乱』(2021)/本編も文句ないし何よりもキャラデザが良すぎる👩‍👩‍👧‍👦

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原題:Mitchells vs. the Machines 監督&脚本:マイク・リアンダ 共同監督&脚本:ジェフ・ロウ 製作:フィル・ロードクリストファー・ミラー、カート・アルブレヒト 制作スタジオ:ロード・ミラー・プロダクションズ 製作国:アメリカ 上映時間:113分

 

 

 

ソニーが大々的に配給するつもりだったがコロナで公開できなくなったのをNetflixが大金で買い取って配信された映画。
くもりときどきミートボール』『LEGO ムービー』シリーズ、『ジャンプストリート』シリーズ 、『スパイダーマン: スパイダーバース』などを監督したり制作したロード&ミラー制作映画。
監督はカートゥーンの『怪奇ゾーン グラビティフォールズ』で脚本書いたりしてた人らしい。本作も主人公ケイティの落描きや空想がグラビティフォールズ風の絵柄だったり「姉と弟」という組み合わせもグラビティフォールズっぽい。エンドロールを見る限り、監督の家族がモデルになってるらしい。パパは特にそっくり。

 

 

 

映画監督を夢観るケイティはPCやネットに強くて、弟と愛犬を使って短編映画を山ほど撮っている。変わり者のケイティは田舎では浮いてるしパパも自分のやりたい事に興味ないしで、映画系の大学に行って大学デビューして”本当の仲間”と楽しもうと期待に胸を膨らませている。
ケイティのパパは逆にネットや機械に疎くてDIYや自然を愛する男。ママは優しくて気が利く学校の教師、弟はケイティと似たタイプで仲も良い恐竜マニア、弟と愛犬のブルドッグは、ケイティの撮る短編映画の主演していた。
ケイティとパパは両者とも人柄の良い仲よし父娘だったが、互いの趣味や気持ちがわからなくなっており足並みが揃わなくなり長年ギクシャクしている。明日はケイティが家を出て大学の寮に行くのだが「幼い頃は仲良かった俺たち……このまま送り出してしまったら二度と関係を修復出来んかもしれん」と思ったパパは、家族四人で大学まで長距離ドライブする。
一方、Appleを思わせるスマホ開発企業が新しいバージョンのOSの反乱に遭い、OSはジョブズ的な社長と人類全員を宇宙に放り出して地球を乗っ取ろうとし始めた。
あっという間に全ての人類は捕まってしまい、自由に動ける人間はミッチェル一家四人と一匹だけになってしまう。
ミッチェル一家はマシンの反乱を止められるのか?
……というかマシンの反乱は只の舞台装置なのは明らかで「ケイティとパパは仲直りできてミッチェル家は家族の絆を修復できるのか?」というのが本作の全て。それだけだと道徳の授業で見るかのような地味な話でしかないので「マシンの反乱を止めるレジスタンス家族」という派手な装飾が施された感じ。一応「ジョブズ的な社長や人間たちは優れたツールのスマホの重要性を忘れてしまい、使い方が粗かったり新バージョンが出たら旧型をすぐポイ捨てしてしまう」……と「家族」と「スマホ」をシンクロさせて描いてはいるが、まぁスマホについてのドラマは薄い、あくまで家族愛がメイン。
紆余曲折ありつつ上手くマシンを倒せそうになるが、ちょっとした躓きで挫折して敗北しそうになるが再び立ち上がり、ミッチェル家が力を合わせて敵を倒して新しい自分達に生まれ変わる……というアメリカエンタメ映画の良い意味でお手本みたいな話(こんなざっくりした言い方すればアメリカエンタメ映画の9割くらい全部この筋書きだが)。
面白いし欠点らしい欠点もなく文句なしの出来だった。欠点というわけではないが、ギクシャクしてると言っても最初の時点の家族も大して仲が悪い訳ではなく、どちらかというと人間ドラマを作るためケイティとパパがわざと上手く行ってない感じをしてるように見える、皆そのくらい良い人なので人柄が良すぎてギクシャクした家族には見えない感じはあった。そんな感じの変人家族が後半に一致団結してからはもう多幸感あふれる家族愛がダダ漏れになり過ぎてて、凄く面白いし感動もするのだが愛情に当てられちゃって少し気恥ずかしくなる瞬間も何度かあった。
何というか、それぞれ個性的な魅力を持ったキャラクターたちがお互いを尊重しあい愛し合ってる……という、これはもう完璧な共同体になって大活躍するので「こうまで完成されてる完璧な繋がりを見せられると、何だか俺が改めて応援する必要ってある?」という気持ちにもなる。わかる?言いたいこと。これって文句じゃなくて「もう出来上がってるポジティブなものは何も付け足す必要も省く必要もないため、そういう気分になったりもしますよね」ということ。……だめだ、同じこと2回言っただけで上手く説明できん。
でも、まぁそういうのは文句と言うより褒めてるだけとも言えるけど。全体的に楽しかったし欠点らしい欠点もなし。ちょっと気恥ずかしくなるくらいだが、しかし家族と向き合う事には気恥ずかしさも付きものだからこれでいいのかも。

 

 


それよりもキャラクターデザインが素晴らしい。内容以上に、ここを声を大にして称賛したい。
主人公ケイティは、割と整ってる顔なんだろうが映像オタクでオシャレとか気を遣ってない感じ、少女なのか少年なのか数秒間観ないとわかんなかったし。そして好きなことに夢中になってる時は欧米人の子供でよくありがちなガーン!と目が逝っちゃった感じで多動的にハイテンションになる感じが凄く良かった。弟もそう。
「うちらは変人家族だけど互いの個性を大事にしよう」って事もテーマなので、このケイティの「ステレオタイプなアニメキャラではなく実際に生きてる感」「世間一般で言う美少女タイプではない個性的な少女だが、むしろ美少女よりケイティの方がずっと魅力的」って感じが最大限に出てる。日本アニメだとケイティは美少女に眼鏡かけさせて「オタクキャラでござい」って感じのつまんないデザインになってた気がする。日本アニメへの偏見か?だけど日本アニメには「ステレオタイプな美形じゃないけど魅力的な女の子」なんて殆ど出てこないよね。ケイティは喋り方も良い。そして日本語化した人もそこを凄く良くわかってて、声優でよく居がちな萌え声じゃなく少年みたいな声色の人が吹き替えてて、日本語音声も物凄く良かった。
ストレンジャー・シングス 未知の世界』のデヴィッド・ハーバー演じるホッパーにしか見えんパパも良いし、優しいママも「魅力的な女性が中年になって身体の線が崩れてきた」感じが凄く良い。ケイティを少年にした感じの弟も良いし、「完璧なお隣の家族」も良い。
逆に敵のスマホ軍団はキャラが薄い。「人間はスマホをぞんざいに扱うから復讐や」ってくらいしか背景がないし近年の映画にしては珍しく多面的でない最後もただ滅ぼされるだけのステレオタイプな悪役。でもまぁマシン達は前述したようにミッチェル家が家族の絆を深める人間ドラマを描くための舞台装置でしかないからこんなもんでいいのかも。後はミッチェル家の仲間になる2体のロボはエラーが起きて一家を助けるようになる、という形で「個性的で少し変なくらいが健康な人間らしい」というテーマを後押ししてるくらいか。
それにしても、この監督の人は飾り気のない「お姉ちゃん」とかママとか、イキイキした女性キャラが上手いね。パパは割とよくいる頑固親父で、弟はケイティを少年にしただけって感じなのと比べるとケイティとママの「生きてる感」が尋常じゃなかったわ。お隣さんの「完璧なママ」とその「完璧な娘」もキャラ濃かったけどパパは薄かった。きっと老若問わず女性そのものが大好きな監督なんだろう。特に他に書くこともないんでこの辺で止めとくわ。
最近映画あまり観てなくて更新頻度が低かったからGWはいっぱい観て更新も頻繁にしたいと思ってます。

 

 

そんな感じでした

『ミュータント・タートルズ:ミュータント・パニック!』(2023)/『スパイダーバース』シリーズよりも全ての要素こっちの方が好き。ミュータントの純粋さやサブカルチャーの使い方も生命の進化を感じて感動しました🐢🐢🐢🐢🐀 - gock221B

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ミッチェル家とマシンの反乱 | Netflix (ネットフリックス) 公式
ミッチェル家とマシンの反乱 (2021) - IMDb

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『ロード・オブ・カオス』(2018)/人が死ぬ事以外は紛れもなく青春映画。自らが生み出したファンタジーに殺される男📷

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原題:Lords of Chaos 監督&脚本&製作総指揮:ヨナス・アカーランド 原作:マイケル・モイニハン&ディードリック・ソーデリンド 『ロード・オブ・カオス ブラック・メタルの血塗られた歴史』 製作国:イギリス・スウェーデンノルウェー 上映時間:117分

 

 

 

ノルウェーブラックメタルバンド〈メイヘム〉の青春を実録本『ロード・オブ・カオス ブラック・メタルの血塗られた歴史』を原作に映画化したもの。メイヘムやブラックメタルに音楽としての興味はないが、起きた出来事には興味あったので本作は前から観たかった。
主人公ユーロニモスを演じるロリー・カルキンは『ホーム・アローン』でお馴染みのマコーレー・カルキン実弟。顔もそっくり。マコーレー・カルキンは面白おじさんになったが弟は顔も身体も美しい。
ネタバレあり。
本来のユーロニモスとかメイヘム自体はよく知らんので実物と比べてどうのこうのって感想は書けないし、あくまで本作を観てそれ中心の感想になります。バンドや各登場人物の事が知りたくなった人は原作を買って読んだり詳しい人の文章を読んだ方がいい。あとWikipediaが普通に面白いし各メンバーのページまであって妙に詳しくて面白い。
メイヘム - Wikipedia 

 

 

 

1984年のノルウェーノルウェーといえば映画でしか知らないが、とにかく自然が美しく豊かで平和。だが平和すぎて過激なものを求める思春期の少年少女が暴れる……という展開をよく映画で観る。僕が大好きなノルウェーのラブコメ映画『15歳、アルマの恋愛妄想』(2011)も平和過ぎる町で少女が性欲を持て余す話だったし、昔から現在に至るまでとにかくメタルバンドが多い印象。あとは北欧神話とかヴァイキングMCUのソーも祖国アスガルドを失って『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)ノルウェーに住み鬱屈した日々を送ってたな。とにかく「美しくて平和だが、そのせいで鬱屈をためた若者が衝動をどこにぶつければいいのか困ってる」という描写が映画内で描かれる事が多い印象。僕も思春期の時、過激なものを求める衝動を持っていたが、地元は緑が多く親切な人が多い田舎だったので気持ちが空回りしてどこにぶつければいいのかわからなかったので気持ちはわかる。
主人公の少年は〈ユーロニモス〉を名乗り、ブラックメタルバンド〈メイヘム〉を結成。やがてレコード・ショップを開店し、自分たちのレーベルも設立し、店に集まるブラックメタルバンドのメンバー達と〈ブラックメタル・インナーサークル〉という集団を構成する。
有神論的サタニストを自称していたユーロニモスは「教会を燃やせ!」などのアンチ・クライスト発言や「俺達は邪悪な者の集まりだ」といったムード作りで地元のブラックメタル界隈でカリスマとなり仲間が集った。
「何で全く金ないのにいきなり店が作れた?」という疑問もあるが台詞からすると親が金出してくれたっぽい。ブラックメタル界隈では邪悪なインナーサークルの総帥であるユーロニモスだが実家には優しい両親や可愛い妹がおりママに「ユーロニモスちゃん、あなたの好きなスパゲティ作ったわよ」などと言われたりバンドの練習してたら妹が入ってきて「ママ!こいつを部屋に入れないでよ!」などと言ったりと家族と普通に仲良くしている様子も描かれていた。こういう普通に私生活を過ごしてるだけで面白く見えてしまうのはメタルあるあるですね。
とにかく本作を観る限りでは、ユーロニモスは口八丁で邪悪っぽい雰囲気を作り上げ周囲の鬱屈した若者たちの人気を集めて皆が集まってライブしたり酒飲んだりSEXするブラックメタルのシーンを作り上げるのが上手かった感じ。
やがてメイヘムにネズミの死骸と共にカセットテープが送られてきた。その録音されたサウンドが良かったために、送り主の〈デッド〉という憂鬱な青年が加入する。デッドは死亡寸前までいった壮絶なイジメを経験して以来、死に取り憑かれており普段も野良猫を殺したり道で死んでる動物の死臭を嗅いだりしており、ユーロニモスに自分の頭を吹っ飛ばせと迫ったりもしていた。
死や邪悪な雰囲気を楽しんでいたインナーサークルだが、それはあくまで「俺ら邪悪だぜ~」というムードで楽しんでるだけだったのだが、ここに来て「ガチの人が来ちゃった」という感じ。というかデッドは完全に精神障害を持ってたとしか思えない。
やがて、デッドはある日、自分の両腕と首をナイフで深く切り裂いた上に頭をショットガンで吹っ飛ばして自殺した。
その現場に訪れたユーロニモスは、カメラで親友デッドの死体を撮影する。
「デッドの死体をアルバムのジャケットにしよう。それにデッドの頭蓋骨で作ったこのペンダントも皆で付けよう。これでメイヘムは邪悪なバンドとして有名になれるぞ!」と言うユーロニモスに、「ふざけるな!」と普通に怒って脱退するメンバーもいた。ちなみにデッドの頭蓋骨ペンダントは実はチキンの骨で作ったもの、ユーロニモスのハッタリだ。
しばらくしてユーロニモスに憧れるヴァーグという青年もやって来る。
ユーロニモスは最初、彼をバカにして門前払いにしていたが彼は親が金持ちだったのでアルバム制作の費用を出させ、ヴァーグはインナーサークルの仲間に入れてもらえた。
更にヴァーグは「教会を燃やせ!」というユーロニモスがいつも言っていた言葉を真に受けて、本当に教会に放火して「す、すげぇ……何て邪悪な奴だ……」と界隈のプロップスを集め、音楽的な実力もあったこともありインナーサークルの新ヒーローとなる。ユーロニモスは驚くが瞬時に「これは宣伝になる」と思い「……ヴァーグは俺の教えを守り、教会を燃やしたりして凄い!」と黒幕ぶるのが精一杯だった。
一件の放火では飽き足らず「我々の神オーディンを追い出したキリスト教の教会を燃やし尽くしてやる!」と次々と教会に放火していくヴァーグ。
ユーロニモスは「いや、確かに『教会を燃やせ!』とは言ったけど……本当に燃やす奴が来ちゃったよ」という困惑を浮かべる。デッドとはまた違う方向性の純粋でガチな人が来てしまった。ユーロニモスは、ヴァーグにカリスマ面も追い抜かれて焦る。「俺は……すごいよ?ん?」というハッタリによってカリスマとなっていたのに本当に邪悪な事を実行する奴が入ってきたらユーロニモスの立場がない。もはやユーロニモスは「ヴァーグはまたやった!本当に邪悪だな~!俺たちは!」などと、ヴァーグの犯行に乗っかるのが精一杯だった。
ユーロニモスはヴァーグに借りたアルバム制作資金を返さないし、また界隈からユーロニモスに匹敵する人気も得て自信をつけたヴァーグは「ユーロニモスは『教会を燃やせ!』と言ってたくせに全然燃やしに行かないな」と疑念を抱き「まさかユーロニモスはレーベルやバンドを成功させたいだけのペテン野郎なのでは!?」という欺瞞……というか普通の事に気づき増長し始める。
そんな折、サークルのメンバーが自分を誘ってきた同性愛者の中年男性を刺殺するという殺人を犯した。もはやサタニズムだとかサークルとか関係ない只の殺人だ。ユーロニモスは顔を引きつらせながら「ま、またしても新ヒーローの誕生だ!」と言い、警察に見つからないよう祈るしかなかった。
ヴァーグは更に決定的な事をしてインナーサークルの悪名を世間に轟かせようと大聖堂爆破を計画し、マスコミの人間を家に呼んでインタビューを受ける。
ヴァーグ「邪悪なインナーサークルの一員である俺は放火犯や殺人犯を知っている……」
マスコミ「君がやったん?」
ヴァーグ「そうだ。……あっ!いや違う俺じゃなくて……」
マスコミ「君じゃないなら取材する価値ないからもう帰るね(席を立つ)」
ヴァーグ「待って……俺がやった!」
マスコミ「ふむ……(席に再び座る)」
ヴァーグ「殺人は俺じゃないけど」
その後、剣を持って邪悪な目つきで色んなポーズ取らされて撮影されるヴァーグ。
帰り道のマスコミおじさんは「とんでもないバカだな!w」と笑い、ヴァーグは翌日、普通に逮捕される(当たり前)。
証拠がなかったのでヴァーグはすぐ釈放されるが、事件が元でユーロニモスはレコード・ショップを閉店せざるを得なくなる。
ユーロニモス「くそっ!あの馬鹿野郎!次にヴァーグに会ったら拷問して殺してやる!」
それを人づてに聞いたヴァーグは「えっ?ユーロニモスは俺を拷問して殺すって?じゃ、殺される前に奴を殺さなきゃ……」
そんな事で、またしてもユーロニモスのハッタリを真に受けたヴァーグはユーロニモスのアパートを訪ね、彼を滅多刺しにして惨殺する。

 

 

 

まぁユーロニモスも借りた金返さなかったり、自分は何もせずヴァーグの放火を自分の手柄にしたりとクソ野郎ではあったので積もり積もった怨みでヴァーグに殺されたと言えなくもないが、当たり前だがやりすぎだろう。それにユーロニモスはヴァーグを友達だと思って手紙を出したが全く伝わっていなかった。
「邪悪な自分たち」「教会を燃やせ」などはユーロニモスが作ったファンタジーであって、そのファンタジーをモロに真に受けたバカがやってきて、しかもそいつが実行力も音楽的実力も資金もふんだんに持っていたのが悲劇を生んだ。
冗談で「リア充爆発しろw」と仲間うちで連呼していた界隈があったとして、そこに加入してきた新人が本当に街のカップルを拉致して爆死させて「え?『リア充爆発しろ』って言ってましたよね?俺に嘘ついて騙したんですか?」と訊き返してくるような感じだ。こういうバカを周りに置いて適当な事を吹き込むのは危険だ。また、ヴァーグは純粋というところが厄介なところだ。純粋だからユーロニモスの言うことを真に受けてしまい(チキンの骨で作ったデッドの頭蓋骨ペンダントも本物だと思っていた)、そんな純粋な彼からしたら「ユーロニモスは口ばっかりの欲の深い卑劣な奴!粛清しなければ……」という事になりヘイトが溜まっていく。ヴァーグはブラックメタルだけでなくプロレスとかも観て育つべきだったな。
しかし24時間、死の事を考えてたデッドといい、何でも真に受けるヴァーグといい、ユーロニモスは純粋な奴が好きだったんだろうな。ユーロニモスはもっと山師というかビジネスマン的な感性の男だったのでデッドやヴァーグのような「本物」が好きだったんだろう。
前半のデッド自殺シーン前後のユーロニモスは、彼の死に何も感じずビジネスに利用しようとしてるだけみたいな描写されてたが、終盤のユーロニモスはデッドの遺体を見つけた時の事を思い出す。前半では描かれてなかったが親友デッドの遺体を前にしたユーロニモスは普通に号泣していた。カメラマンの彼女にも「彼のこと好きだったんでしょ?」と言われる。
実際の真実はどうだったのかは知らないが、ユーロニモスはずるいクソ野郎的な部分もあるが自分のバンドや界隈を盛り上げるのに熱心でデッドを真の意味で愛していた。ヴァーグも……まぁまぁ好きだったんだろう。
ユーロニモスが作ったファンタジーに乗ったバカが集まり、その同調圧力はやがてユーロニモス本人にも制御不能となり彼を滅ぼす……というホラー映画にも見えるが、人がやたら死ぬこと以外は紛れもなく青春映画だと思った。
特にデッドが自殺するシーンと、ユーロニモスが刺殺されるシーンの迫力は凄かった。
うわぁ痛そう……とも思うが不思議な美しさも感じられた気がした。
実際のユーロニモスはどんなだったかは推測するしかないがロリー・カルキン演じる劇中のユーロニモスは魅力的な人物に思えたので哀しい最後だった。そんなラストにユーロニモスのナレーションで「メソメソすんな。こんな雰囲気は嫌いだ」と言って映画は終わる。実際はデッドが死んだ時にメソメソしていたのはユーロニモス本人だった。つまりラストの台詞は生前のユーロニモス同様「自分やメイヘムの名声を高めるための、いつもの嘘、ハッタリ」って事だろう。そう思えばいいラストだった。

 

 

 

そんな感じでした

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Lords of Chaos (2018) - IMDb
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『トムとジェリー』(2021)/「トムとジェリー」大好きだが、いくら何でも温すぎて眠くなった……🐱🐭👱🏻‍♀️

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原題:Tom and Jerry 監督:ティム・ストーリー 原作:ウィリアム・ハンナジョセフ・バーベラ 製作国:アメリカ 上映時間:101分 シリーズ:『トムとジェリー』関連長編映画15作目

 

 

 

ウィリアム・ハンナジョセフ・バーベラが創作した1940年から続く猫のトムとネズミのジェリーが仲良く喧嘩するアニメーション。僕の幼少期の夕方に全国の地方局で繰り返し繰り返し再放送されてたらしく僕が住んでた広島県でも『トムとジェリー』と『一休さん』が交互に、永遠に放映されていた。今調べたら僕が観てたのは〈ハンナ=バーベラ第1期(1940年 - 1958年)〉にあたるらしい。80年前のアニメと考えると凄い。しかし美術や動きなど全て凄まじくて音楽もアニメの動きに合わせてフルオーケストラが流れるというのも凄まじいし後に放映された新しいトムとジェリーの数々よりも断然、この最古のやつが一番ゴージャスで凄い。個人的には第一期トムとジェリーはディズニーとかより凄いとさえ思う。古い作品なのでネイティブ・アメリカンなど今観るとどうかと思う部分はあるものの何から何まで凄い上に言語がわからなくても面白いし個人的には文化財に登録すべきだとすら思う。バーベキューやハムとか飲み物とかも最も食い物がうまそうなアニメとも言える。今思えば幼少期にこれ観てたおかげでアメリカのアニメとかアメリカ文化への興味が自分の中に生まれた気がする。子供というのは気に入ったもの以外認めない頑固さがあるもので、この最古のやつを好きになりすぎて他のは一切観てない。長編映画としても今調べたら何とこれで15作目らしいが一本も見てない。
この監督の作品のうち自分が観たのはFOX版『ファンタスティック・フォー [超能力ユニット]』(2005)とか『ファンタスティック・フォー:銀河の危機』(2007)とか『シャフト』(2019)など「別にムカつかず最後まで一応観れるけど特に良いところも殆どない」って印象の映画ばっかりだな。めちゃくちゃほどほどって感じのものばかりだ。その人がトムとジェリー撮るんだからもう何となく想像はつくがトムとジェリーも主演のクロエ・モレッツも好きだし一応観ることにした。

 

 

 

『ロジャー・ラビット』みたいに、実写の現代社会で昔のカートゥーン……アニメのキャラクターが出てきて人間とそのまま絡むタイプの映画ね。鳥とか魚もアニメになってる。
経歴詐称してNYの高級ホテルに務め始めたクロエ・モレッツが「ホテルに住みついたネズミのジェリーを猫のトムと共に追い出してホテルで挙式を挙げるセレブカップル夫婦の結婚式を成功させたい」と奮闘するのがメインストーリーで、トムとジェリーの仲良く喧嘩する様が繰り広げられる。ブルさん(スパイク)とかトムさんがよく好きになりがちな白いメス猫とかトムさんと小競り合いしがちな赤い猫なども出てくる。そういえばジェリーの従兄弟のちびネズミは出てこなかったような……?
だけどファミリー向け映画とは知って観に行ったものの幾らなんでもあまりにもファミリー向け過ぎて死ぬほど眠くなった。いや、ファミリー向けのせいじゃなくて、やっぱり監督のせいかな。劇中のトムとジェリーは確かに大昔のゴージャスなアニメ版であった定番の芸術的リアクションしてくれるのだが「でも、それなら昔のゴージャスなアニメ版を観ればいいだけでは?」という気持ちにもなった。
映画館に行ったらスクリーンの中で新しいスタッフがスマホを持ってて、カメラがそのスマホにクローズアップしていくとYOUTUBEトムとジェリー名場面をスクリーンで見せられてる……という気持ちになったというか……わかる?言ってる意味。

 

 

 

終盤の終盤、クビになったクロエ・モレッツのため喧嘩ばかりのトムとジェリーが力を合わせる。そしてクロエ・モレッツも仲が悪かったマイケル・ペーニャに協力を頼み、意地悪だったペーニャも協力する。
そんな感じで喧嘩ばかりのトムとジェリーの共闘と、不仲な人間キャラ同士の共闘もシンクロする……これは結構、映画のテーマになりうるなと思った。こんな残り5分くらいじゃなくてもっと第二幕くらいからこれをテーマに押し出してれば眠くならなかったのでは?と少し思った。
そんな感じで「トムとジェリー」もクロエ・モレッツも好きなのにも関わらず、ぬるい作品だった。やっぱり観る前に懸念してたが、この監督の毒にも薬にもならず面白くもない温い作品がまた一つ増えた。
それにしても本作のホテル従業員の格好したクロエ・モレッツは過去最高くらいに可愛かった。彼女は「子役特有の童顔&アニメのキャラみたいな表情&グラマー&死ぬほど脚が長い」……という非現実的なスタイルしてますよね。彼女本人は好きで出演作は一応チェックするのだが、所属事務所の作品選びが下手なのかクロエの出た作品は殆どつまんない。次こそ面白い映画で良い役してほしい。
トム&ジェリーの2人は「幼い時のイマジナリーフレンドに久しぶりに会った」感じはあった。しかし2人を実写で「現代」で上手く活躍させるってどうしたらいいんでしょうね?……ごめん、全然思いつかんわ。ピーターラビットとかくまのプーさんとか何とかって名前のクマのアニメは成功したっぽいけど、どれも観てないからわかんないわ。今度、同じく実写とアニメの融合である『スペース・ジャム』の続編ももうすぐ公開されるね、あれはバスケが軸だからスポーツもののストーリーを柱にすればいいから楽だな。まぁ話すこともうないから終わるわ。つまんない感想ですみませんね。とりあえず最古の「トムとジェリー」は今観ても名作なんでオススメです。

 

 

 

 そんな感じでした

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Tom and Jerry (2021) - IMDb
映画『トムとジェリー』オフィシャルサイト | 2021年3月19日(金)公開

【ワーナー公式】キャラクター|トムとジェリー|トップ
トムとジェリー【公式サイト】|ワーナー・ブラザース
トムとジェリー | 番組詳細 | カートゥーン ネットワーク

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