gock221B

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「シェイプ・オブ・ウォーター (2017)」きっと良い映画なんだろうとは思うが色んな過剰な描写が不要に思えて全然乗れなかった🐟

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原題:The Shape of Water 製作国 アメリカ 上映時間:123分
監督&脚本&原案&制作:ギレルモ・デル・トロ

これが第74回ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を取ったのはまだわかるが、先日、第90回アカデミー賞で作品賞&監督賞その他の賞を受賞した事で多くの人を驚かせた本作。
時代が変わったことを知らしめた一作と言える。
個人的には「ゲット・アウト」のノミネートが嬉しかった。
今までならB級ホラーと軽んじられてたであろう作品が多くノミネートされて良かった(だが同時に、ジョン・カーペンターとかトビー・フーパーにも賞をあげてほしくなってくる)
だが本作を実際に観てみると、ハリウッドがこれを選ぶことによって「私達の意志はこれだ!」というメッセージにうってつけの作品だったので、観終わると「アカデミー賞も納得だな」と思う内容だった。
ギレルモ・デル・トロ監督自体はオタクだし良い人なのでデルトロ本人は好きだが、彼の映画は実のところ合わないものが多い。これは良い悪いじゃなく好みの問題なので仕方ない。
特に「ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー」は、水木しげる漫画のようにドライでクールだった原作とは似ても似つかない、ベタベタしたウェットな内容で全体的に苦手だった(ヘルボーイに恋愛させたり半魚人と飲み明かしたり特撮への愛を炸裂させる後半とか特に苦手)、「パシフィック・リム」も面白かったけど登場人物やストーリーがアニメみたいに類型的すぎたり、子供帰りを起こしたオタクが「いぇーがーのぱんちがすごかったです!」と平仮名でツイートしたりと映画本編というよりもファンの方たちのノリが苦手だった(ガルパンおじさんや、マッドマックス好きすぎおじさんも同様に苦手だ)
まあそれだけ人を夢中にさせる映画を撮る偉大な監督なんでしょうね。
あ、でも「パンズ・ラビリンス」は普通に好きだった。
本作は「パンズ・ラビリンス」っぽい雰囲気っぽいし半魚人も観たいしこれは前から期待していた。
そこそこネタバレしてます

 

Story
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1962年、米ソ冷戦下のアメリカ。
政府の極秘研究所に勤める掃除婦イライザサリー・ホーキンス)は、研究所に運び込まれた不思議な生きものを見てしまう。アマゾンの奥地で神のように崇められていたという“彼”の、奇妙だが魅惑的な姿に心を奪われたイライザは周囲の目を盗んで会いに行くようになる。
声が出せないイライザだったが“彼”とのコミュニケーションは、音楽とダンスに手話と卵や熱い眼差しで二人の心が通い始めた時、責任者である高圧的なエリート軍人ストリックランドマイケル・シャノン)は“彼”の生体解剖を実行に移そうとするのだったが…

そんな話 

 

 

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まずフィクションに出てくる1950~1960年の文化好きなので好きだった。デルトロ苦手と言いつつ彼の美術とか趣味は好き。冒頭の、水中に沈んだ50~60年代風アパートで寝てる夢などは「バイオショック(1960年の水中都市を舞台にしたゲーム)」を思わせた。
少女の雰囲気を持つおばさん、主人公イライザを演じるのは「ブルージャスミン」で主人公の妹を演じてた女優さん。
主人公イライザは喋れない掃除婦。彼女に親切にする同僚は黒人女性。仲良しの隣人は猫好きの絵描きゲイ老人。そしてイライザが一目惚れして運命を共にすることになる男性は囚われの半魚人。ロシアからのスパイ科学者もイライザ達に協力してくれる。
見事に除け者ばかりが集まっている。
そんな彼女達が、お互いを労りあって支配的なレイシストに反抗する。
半魚人を勝手に連れ去ってきた軍はさっさと解剖して「彼」の生体の秘密を知って戦争を有利に運ぶことしか考えていない。
では
本作がアカデミー作品賞獲った時は意外だったが、いざ本編を観てみると、この一年間でハリウッドに起きた出来事などを鑑みてみると「これしかない」と誰もが思うはずだ。
メインストーリーやキャラクターとかは、そんな感じで想像してた通りいい話だと思った。
「FUCK YOU」のシーンは好きだし。
イライザはやたらと全裸になったり毎日、バスタブでオナニーしまくったり、そのバスタブに半魚人を匿ったり、半魚人とSEXしたり‥と性の生々しさを出してくる。ゲイの老人はダイナーのマスターの手を握り拒絶されストリックランドは妻と激しいファックする。

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🐟
マイケル・シャノンが物凄い熱演で演じる過剰に嫌な奴 エリート軍人。
殆どこいつ一人が悪‥、悪というか嫌な奴要素を一気に担っている。
登場して僅か数分で、性差別、人種差別、職業差別、半魚人差別、めちゃくちゃムカつく表情、普段はネチネチとパワハラ、そのくせ反抗されるとすぐに怒号や暴力、サイコパス的側面‥など、レイシストとか陰と陽とか‥ありとあらゆる嫌なヤツ要素が搭載されていて全弾発射される。
パンズ・ラビリンス」のナチの悪役の三倍くらい嫌なヤツだった。
嫌な奴の総合デパート状態。邦画リメイクされたら香川照之が演じそう。
デルトロの演出とマイケル・シャノンの演技が上手いもんだから登場して数分で見事にキャラが立った。つまりムカつかされる。
だが、はっきり言ってやりすぎだ。
よくエロ漫画などで、あらゆる属性を足しすぎてフルアーマーガンダムみたいになったエロキャラが出てくると笑ってしまうがそれに近いものがある。
もう充分キャラが立ってるのに更に「まだスペース空いてる?まだ搭載できるか?」といった感じでセクハラ要素まで足してくる。スペース空いてないから‥。
悪役を2人にしろよ、こいつ一人に全部やらせてないで。
腹いっぱいの状態なのに大盛り炒飯セットやちゃんこ鍋が運ばれてきた感じとでもいうか、射精もしくはオーガズムを迎えてもまだこすり続けてくるヤツとでもいうか‥何かと過剰だ。
そんな勢いのキャラのコイツが最初から最後まで大活躍するもんだから、映画の内容がだんだん入ってこなくなった。
そしてその感情的なムカつきとは相反する感情も同時に芽生えた。
それは、まるで生まれ落ちたその日からムカつく要素だけで構成されてるかのようなコイツを観てると、なんだかドラクエなどのゲームに出てくる村人などで、何度話しかけても「宿屋はあっちだよ」としか言わないキャラがいるが、コイツもそんな感じに見えてくる。つまり「こいつは人間じゃなくて、只の嫌な奴要素デパートだはないか」と思えて覚めてくるのだ。
またこいつはこれだけ多くの嫌な奴要素だけでは飽き足らず、激しい面も備わっていて、人体に銃弾を撃ち込んでその銃槍に指をつっこんで引きずったり、尋問中にビビらせようと自分の指を引きちぎったりする終盤に至ってはかなり醒めた気分で観ていた。何というか「こいつ、本当にこんな事やるかな?」と疑問に思ってしまった。
要するに「もっと半魚人とかイライザとか、この映画そのものについて考えたいが、鑑賞の妨げになるのでもうちょい抑えて普通にしててくれ」という感じに思えた。
かと思えば前半で、息子と過ごしてる時は普通のお父さんっぽく見えた。
「この悪役にはこんな平穏な時もあります」と見せられた気がする。これによって彼は立体的な悪役思えて、彼のことを「生まれついてのピュア・イーヴィル」という引き出しにしまい込む事もできなくなり、そのせいで全編「人間・ストリックランド」のめちゃくちゃ嫌な部分に否応なしに対峙させられる。デルトロ&マイケル・シャノンの優れた才能に感心すると共に、ただただしんどい思いをさせられた。説明難しいが、わかります?言ってること
😺
あと中盤で、イライザたちは半魚人の救出に成功。
だが空腹でタンパク質が不足してたので隣人ゲイ老人の飼い猫を喰ってしまう。
これはSNSのTL等で話題になってたので知ってた。
猫と睨み合ってカットが変わると、うたた寝してたゲイ老人がはっ!と起きるそして異常を感じて部屋に戻ると、半魚人に首を噛みちぎられた断面が見えてる血まみれの猫を抱えた口の周りを血まみれにした半魚人がいた!
そして頭部を失った猫の死体をほっぽって老人の身体を傷つけながら外に飛び出していく‥。しばらくして時間が経過した後も猫の死体が転がっている。
よくある描写だと「ゲイ老人が異音を聞いて部屋に戻る」→「口元に血の付いた半魚人、その足元には猫の毛や血痕が‥」こんな感じかと想像してたのだが全然違った。。
ロシア人科学者が「タンパク質を与えるんだ」という忠告を守らなかったこと、半魚人は空腹だった野生の生き物、そんな事から引き起こされた事件だった。老人は「野生だからな‥」と半魚人を許すのはキレて展開が停滞したらイライラするので別にいいが、その後の子猫が半魚人に普通に懐いてるのがよくわからなかった。
「別に猫を喰ってもいいけど、要らなくない?」と思った。
要は「空腹だったら猫を喰っちゃうような半魚人だが、これが彼のサガなんだ。愛するというのは相手のサガをも受け入れることだ」みたいな事が言いたいのかもしれないが、さっき言った悪役と一緒でとにかく過剰だろう。猫なんて食わずに老人が魚やったりしてサラッと先進めろよと思った。
🐟
その後も、イライザと半魚人のセックス、色が消えてミュージカル、水中ラストシーンなどの感動的な場面が次々と展開されてたようだが一切入って来ず、その間ストリックランドの過剰さと猫を食うシーンについてずっと考えてる間に終わった。
そんな感じで全体的に「きっと良い映画だったんだろうな」と思いつつも、不要に思える過剰な演出が多くて全然入ってこない映画だった。
そういえば、凄く「芸術や映画を愛してる」という雰囲気が炸裂するミュージカルシーンも苦手だった。。「ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー」での特撮愛が爆発するシーンが苦手だったのと似た苦手さを感じた。その苦手さの理由はよくわからないけど映画や芸術などへの愛をこういった感じで爆発させるシーン苦手だわ。ピーター・ジャクソンの映画とか「キル・ビル」全編とか「レオン」でチャップリンごっこする場面とか‥そういうの。理由はよくわからない。瞳孔が開いた感じではしゃいでる雰囲気に引いてしまうのかも(そしてそのファンの瞳孔が開いたはしゃぎっぷりも‥)。僕はそういうのもっとさらっとしてほしい方。まあ好みの問題か。
そんな感じで、やっぱ個人的にデルトロとは相性がめちゃくちゃ悪いなと思った。
🐟
普段、他人の感想あまり読まないが気になってTwitterで感想を検索したら自分以外の人は全員絶賛したり号泣してる人多数で、徐々に不安な気持ちになった。
しかも彼らは「愛」についてとか、この映画の細部に対して「実はこうじゃないか?」などといった持論を展開しており、それに対して「僕とは意見違うな」と思うのだったらまだいいのだが、はっきり言って彼らが一体何を言っているのか全く理解できないので、ひょっとして僕はずば抜けてアホなのか、それとも「映画」や「愛」について何も理解してない男なのかもしれないと思い、不安を通り越して連れてこられた南米の半魚人になった気分になった。

 

そんな感じでした

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