gock221B

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『TENET テネット』(2020)/今どき珍しい純粋悪を倒す正義の味方という勧善懲悪アクション……そこに「逆行」をひとつまみ……🕛


原題:Tenet 監督&脚本&制作:クリストファー・ノーラン
製作:エマ・トーマス 製作国:アメリカ 上映時間:150分

 

 

公開時に凄い大ヒットして引いてしまい、テネットの気温がようやく下がって誰も語らなくなったので今頃やっと観ました。面白かったです。
本作のウリ「逆行」は煎じ詰めて考えると凄く難解なのだが敢えて全く検索せず感想書くことにした。
ネタバレなし

 

 

 

 

Story
ウクライナのオペラハウスでテロが発生。大勢の観客を救うべく突入した特殊部隊の名もなき男(ジョン・デヴィッド・ワシントン)。この男が主人公。
テロリストに捕獲された主人公だが、実はテロは適性試験だった。
主人公は謎の存在〈TENET〉にスカウトされた。
主人公がスカウトされた「TENETの組織」は、第三次世界大戦を起こして世界の滅亡を画策する敵組織の野望を食い止めるたい。
敵も味方も「人や物体の時間逆行を可能とする装置」を駆使する。
主人公は、謎の協力者ニールロバート・パティンソン)と共に、第三次世界大戦を防いで世界を救う巨大なミッションに巻き込まれる――

みたいな話。

最初に一言で言うと「時間逆行」を使った良い組織と悪い組織という分かり易い善と悪が「時間を逆行させる装置の大元『アルゴリズム』というマクガフィン」を奪い合う映画。時間逆行の描写や仕組みこそ分かり難いものの、映画の構図自体はSW並に分かりやすくしてある。
本作の敵組織は「世界滅亡」が目的。ただただ悪いだけで同情の余地のないピュアイービル(純粋悪)だ。出会い頭にブッ殺しても誰にも怒られない敵。近年では珍しいね、「悪魔」「ナチス」くらいしかおらんぞ。しかも敵のボスは妻にDVしている、今のアメリカ映画で「女を殴る男」は、「世界滅亡」や「犬を殺す」のと同じくらい悪い。
それをアメリカ映画の主人公は絶対に許さない。一度たりとも許したことがない……「世界滅亡を企むDV夫」「犬殺し」それはアメリカ映画で一番重い実刑……情状酌量の余地なし――

 

本作のウリである「時間逆行」。
回転ドアが付いてて対面に強化ガラスで仕切られた廊下……片方は普通の廊下だが対面の廊下では時間逆行した兵士が出てきて時間逆行したアクションをして逆に喋る。
……このギミックは見た目のハッタリ感強いし、逆光戦士を排出する機械は見た目「只の重い金属の回転ドア」ってだけなところが良い。普通の映画だったらピカピカ光る近未来的な装飾が付いてたりと如何にも「未来のハイテク!」って感じの装置を出しそうだが、本作は「普通の重い金属の回転ドア」。ここが一番いい。本作が『コワすぎ!』シリーズなどの低予算作品ならともかく大作映画で「時間逆行装置」という一番のガジェットをこんなにさりげない機械にする事は制作スタジオや配給会社が許さないと思う。やはりノーランというヒットメーカーのカリスマ監督だからこそ許されたギミックだろう。『インターステラー』(2014)で、遠い宇宙と主人公宅の本棚が繋がっていた……あれと同じテイスト、凄く好みのテイスト。

 

過去に送られた「逆行戦士」は逆回転の不思議な動きで格闘する。
「逆行」してるので、そのままでは大気の酸素を吸って肺の中を循環させられないので酸素ボンベで呼吸する。
しかし時間が「逆行」してるにも関わらず、普通の人と同じベクトルで動けるし、そもそも「大気の酸素が吸えないのに酸素ボンベ内の酸素は吸えるの?」という疑問がある。ひょっとして酸素ボンベも持ち込んだからボンベ内の酸素も「逆行」してるから吸えるのか?「逆行」してるのに脳内の電気信号は普通通りに走って、普通通りに思考して普通通りに動けるのも不思議だが、「逆行装置で装備ごと全身が逆行してるから普通通りに動けるのかな?」とボンヤリ納得した。
逆行戦士が持つ銃の「逆行弾」は「『未来で撃ち込まれた』人体や壁から銃口に逆回転のように戻る」。普通の戦士は誰もいない場所で「壁に撃ち込まれた弾」や「床に落ちてる分解された銃」などを見て「直後にここで銃を持った奴に襲われて、何が起こるのか知らんが銃が分解されるらしい。血痕がないから俺は撃たれないらしい」とわかる。そして直後に回転ドアから逆行戦士が襲いかかってくる……。
だが推測した通り、弾は主人公に命中せず壁に撃ち込まれ銃は分解されて無傷……。
「攻撃が全て予知されるのなら『逆行弾』って、ただ不利になるだけじゃないの?」と思った。前述の逆行酸素ボンベ同様に、持ち込んだ銃は「逆行」する運命なのか?「逆行弾」は有利な武器ではなく「持ち込まないと使えないから持ち込むけど、ただ不利になるだけの、強いのでなく弱い武器」なのかもしれない。
実際のところは、よくわからない。

 

「逆の動き」や「逆呼吸」や「逆行弾」どころではなくクライマックスでは、敵味方ともに「普通の時間で闘う部隊」「逆行部隊」が相まみえる。
一人でもややこしい逆行要素が、敵味方の2部隊により「四つグループ」に分かれてしまう。
逆行部隊は崩れた建物から逆行弾を逆行バズーカに巻き戻したりして暴れる。……これに一体何の意味があるのかは全くの謎。
一人でもよくわからん逆行が複雑化の一途を辿った……こうなるともう、ややこしすぎて「これはどういう事なんだろう」と考える気持ちも起きない。
要するに、このややこしいラストバトルは
「主人公を含む『世界を救う部隊』 vs.『世界滅亡を企む純粋悪』との撃ち合い」
ただそれだけ。それに「逆行」というよくわからんSF行動が装飾されてるだけ。はっきり言って厳密にはよくわからんが「とりあえず今は味方が優勢みたいだな……」等と、「野球のルールよく知らんけど野球好きの友達について球場にきてビール飲みながら観戦。よくわからんが球場の雰囲気って楽しいね」みたいなボンヤリした鑑賞態度。
その様に単純な構図でラストバトルを観てた。後は主人公の近くで死んでるよくわからん奴の死体という『ソウ』(2004)みたいなサプライズがあるだけ。
藤子F不二雄のSF短編や『大長編ドラえもん』、もしくは『ジョジョの奇妙な冒険』のスタンドバトルみたいな味わいだ。
よくわからなくても、美しい映像や「逆行」アクションは楽しめた。
「このラーメンのダシやスープが何で取られてるのか、食ってもよくわからんが一蘭のラーメンおいしいね」そんな感じで楽しんだ。
後で「逆行」についてプロの量子さん(量子に詳しい人)の解説を検索して読んでみようと思う。だが正直、そういった解説を読んでも読まなくても良い気もする。何となくだが「DIOの時止め」や「キングクリムゾンの時間ふっとばし」などを世界全体と合わせて考えると辻褄合わなくなるのと同様に何もかも説明付かない予感がギュンギュンする。低学歴定収入の俺としては「主人公たち逆行戦士は『スゴ味』で逆行攻撃して頑張った」そう解釈しました。
……いや、でも低学歴の俺にとって量子の話はオカルトみたいで面白いからね。やっぱり科学者の解説は読んでみよう。
大勢が言ってるけど、このノーランの「真面目なルックでアホみたいな事を真剣にする」姿勢……どう考えても新しいジェームズ・ボンドのシリーズを撮って欲しい!

 

 

 

 

そんな感じでした

『インターステラー』(2014)/今まで、この監督あまり好きじゃなかったがこれは文句なく面白かった🌌
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Tenet (2020) - IMDb
www.youtube.com

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