gock221B

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『インシディアス 赤い扉』(2023)/ランバート家編の最終作。正直おばあちゃん&心霊YOUTUBERチームの活躍が観たいのであってランバート父子では盛り上がれなかった🚪


原題:Insidious: The Red Door 監督&主演:パトリック・ウィルソン 脚本:スコット・ティームズ 原案&製作:リー・ワネル 製作:ジェームズ・ワンジェイソン・ブラムオーレン・ペリ 製作総指揮 :スティーヴン・シュナイダー 制作:ブラムハウス・プロダクションズ 製作国:アメリカ 上映時間:107分 シリーズ:『インシディアス』シリーズ第5作目

 

 

日本では映画好きしか観てないがアメリカ本国では大人気!というのはホラー、コメディ、アメコミ映画……色々あるけど、このシリーズもそう。第4作である前作から日本では劇場未公開作品になってしまった。本作も知らん間に配信スルーされてたのでレンタルした。
死霊館』ユニバース9本と、この『インシディアス』シリーズ5本。この2ラインのジェームズ・ワン製作ホラーシリーズ総勢14本は、もうかれこれ13年間もヒットし続けてる。
ざっくり一言で言うとアメリカの爽快ホラーとJホラーの良いとこ取りしてる幽霊屋敷系ホラー映画という感じ。具体的に言うと前半、民家で霊障が起きて専門家が色々出張ってきて最終的には解決……ざっくり言うと全部これだが趣向を凝らして色んな怖いパターンを試して客が離れず続いていた。僕も全部観てる……が、さすがに飽きてきた、特に『死霊館』ユニバース。このブログを振り返ると2010年代後半には既に飽き始めてる様子(記録に残しとくと面白いね)。
『死霊館』 カテゴリーの記事一覧 - gock221B
思い出した。確かに2010年代後半までは、このジェームズ・ワン製作の幽霊屋敷系ホラーに夢中だったのだが2018年に『ヘレディタリー / 継承』(2018)が公開されて、自分はこのヘレディタリーが2018年の映画で一番好き……どころか2010年代に公開された映画で一番好きだし「好きな映画10本」に入れるほど好きなもんだから、それまで好きだったはずのジェームズ・ワン製作の幽霊屋敷系ホラーが一気に古臭く感じるようになり「何だか同じことの繰り返しだよね」と気付いてしまったというのがある。それでも一応全部観てるけどね。
あと『死霊館』ユニバースより、どっちかというとこの『インシディアス』シリーズの方が好き。
死霊館』ユニバースは実在の霊能力者を主人公にしたせいで舞台設定が少し昔。『インシディアス』シリーズは割と現代より、というのがまず違う。
そして『インシディアス』シリーズは、俺が「インシディアス空間」と呼んでる時空を超えた異次元〈彼方の世界〉が登場する。これが他のホラーには無い要素でカッコよくて好き。よくわからんが、この空間に悪魔や後悔を残して死んだ人の魂が残っていて、時折、現世に出てくる。
1&2作目はランバート家が悪魔に呪われ、僕が「インシディアスおばあちゃん」と呼んでる霊能者エリーズが活躍して解決。しかしエリーズは1ラストで死亡。2ではパパがインシディアス空間を活用して何とか解決。
インシディアスおばあちゃん、そして協力者の心霊YOUTUBERのチームが大好き。
3作目の『インシディアス 序章』(2015)は生前のエリーズが活躍する1&2の前日譚。
4作目の『インシディアス 最後の鍵』(2018)は、3作目と1作目の間のエリーズの活躍とエリーズの少女時代の話……と、いう感じで既に1作目で死んでるインシディアスおばあちゃんを延々とこすり続ける不思議なシリーズ。1でおばあちゃん殺さなければ普通におばあちゃん主人公でシリーズ続けられたのにね。3と4はスピンオフ的な感じなのだが僕的には1&2より3&4の方が遥かに好きだった。3は一番まとまってる印象だし、4はかなり突飛な仕掛けがあった。
で、この5作目はおばあちゃんから離れて1&2作目のランバート家が再び主人公。
で、ランバート家のパパを演じるパトリック・ウィルソンが監督をしている。
ジェームズ・ワンのチームは、ジェームズ・ワン以外の監督したことない人が監督しても、ある一定以上のクオリティがある。きっとチーム内で撮り方がバッチリ決まってるんだろうと推測。

ネタバレあり

 

 

 

 

『インシディアス 第2章』(2013)の事件の後、父親ジョシュ・ランバート(演:パトリック・ウィルソン)と息子ダルトンは催眠術で一年間の記憶を消した。
10年後。ジョシュは妻ルネ(演:ローズ・バーン)と離婚。そして霊能者エリーズと知り合いだった母ロレインも亡くなっていた。
成長したダルトン(演:タイ・シンプキンス)は大学へ進学する。
ダルトンは凄く今時っぽくないロン毛のエモい青年に成長しており、共に命懸けでサバイブした父ジョシュとは不仲になっていた。同級生にウィンター・ソルジャーというあだ名が付けられそうなエモさだ。寮でクリス(演:シンクレア・ダニエル)という同級生の女子と知り合い、そのまま仲良くなった。このダルトン役、調べたらちゃんと1&2でダルトン役してた子役がそのまま成長した同じ俳優だったと今知って少し感動した(同様にダルトンの弟役も1&2の子役だった俳優がそのまま演じていた)。
ある日、ダルトンは美術の時間で〈赤い扉〉🚪の絵を描いてから奇妙な現象が起きるようになる。……この美術の時間が、凄くメンタルに響きそうな授業で、最初に自分が一番自信ある絵を持ってこさせる。そしてそれをビリビリに破く!「今までの自分を捨てて、新しい自分を掴み取る」ためのマインドセットって事か、更に先生は「自分の潜在意識の奥底にあるものを表現して!」と言う。ダルトンはそれでボーッとしながら〈赤い扉〉を書く。この授業の心の旅でダルトンは脳を刺激されたのか、催眠術で消された記憶の奥にある〈彼方の世界〉をハッキリと思い出せないながらもこうして描き出す。
またダルトンはクリスに「実は俺、10歳の頃の一年間の記憶がまるっと無いんだ……」と語る。母親からは高熱が出た影響だと言われているらしいが気にしている。
……とは言うけどさ、18歳の時に「小学4年生の時の記憶が……」って気になるもんかね?10歳の時の記憶とかって殆どなくない?まぁ、いいや。ダルトンからしたら脳内の「10歳頃の一年間の空白」に凄く”違和感”を感じてるって事なんだろう。

一方、妻子が出てって寂しい一人暮らしのジョシュ。
ジョシュは息子ダルトンに「なんか最近、頭がボーっとするんだ……」と言っていた。これもまた催眠術で消した悪魔との戦いの記憶のせいだろう。MRIを撮りに行ったら、その刺激のせいか、おかしなものを見るようになり始めた。
彼が家で、家族の写真を裏返しに窓に貼って時間を測って「これは妻」「これはダルトン」「これは……母さんかな?」とか言いながら裏返す……というESPカードみたいな行動……あれ何やってたの!?脳の活性化みたいな効果があるのか?
まぁとにかく、この謎ゲームの途中で幽霊がだるまさんがころんだ方式で近づいてくる。これがこの映画の中で一番いい場面でした(この記事の一番上の画像)。
ジョシュは幽霊に襲われた後、調べると一度も会ったことのない実の父親だった。
父は統合失調症?みたいになって精神病院の屋上から飛び降りたとわかった。
それで「自分が頭ボーっとするのは遺伝?ダルトンにも遺伝?」みたいな事が気になりすぎて離婚した元妻ルネ(演:ローズ・バーン)に訊きに行く。
もう黙ってられなくなったので仕方なくルネは10年前の悪魔との戦い、そして催眠術でジョシュとダルトンの記憶を消したって事を語る。

ダルトンとクリスは、ダルトン幽体離脱について調べるのだが、そのオカルト系YOUTUBERは、このシリーズでお馴染みの霊能者エリーズと仲間の二人組。ファンサービスだね。
あとダルトンもクリス、二人ともベッドの下で怖い目に遭う。
インシディアス』シリーズでも『死霊館』ユニバースでも今までベッドの下で怖いことが100回くらい起きてる!ベッドの下には衣装ケース入れて「ベッドの下の男など居ない」と思うことが大事だというメッセージか(ちなみにベッドの下に次ぐ幽霊スポットはクローゼット)。

そんでダルトンは自分が描いた〈赤い扉〉🚪の絵の前にいる人物に描き足して、それが父ジョシュだと気づく。そしてジョシュがハンマーを持ち上げていることも!
自分が描いてるのに、描き上がったら誰だかわかるってのがいい。そして絵の中のジョシュが持ってるハンマーをダルトンが掴んで現世に顕現させる!(これもまた本作で一番いいシーン)。
すっかり10年前の戦いを思い出したジョシュとダルトンは、それぞれ自宅と大学の寮で〈彼方の世界〉に入る。
ダルトンが〈彼方の世界〉に入ると、そこは『インシディアス 第2章』(2013)で悪魔に取り憑かれたジョシュが地下に避難した妻子に襲いかかってる『シャイニング』(1980)的なところだった!……というか、こういう場面だっけ?昔過ぎて細かいとこ忘れてしまった。
悪魔は、一作目からよく出てくるシリーズを代表する〈赤い顔のハゲ悪魔〉も出てくるし……というかこいつ何なん?fandomの『インシディアスwiki見たら色々解説されてたけど、まぁ「現世でちょいちょい悪いことしてくる〈彼方の世界〉に住む悪魔」って事でいいんだろう。
The Man with the Fire in His Face | Insidious Wiki | Fandom

他にもお馴染みの白い婦人の幽霊もチラッと出た。全身の骨グシャグシャ幽霊は……新キャラかな?
〈彼方の世界〉でジョシュとダルトンが大ピンチ!というところで過去作だったらインシディアスおばあちゃんこと霊能力者エリーズがバーン!と扉を開けて登場してシュワ氏めいた決め台詞を吐いて悪魔をボコって助けてくれるところだが、本作は「父子の愛」で悪魔を退ける、それでこそ父子は未来に歩んでいける的な作品なのでおばあちゃん無し。おばあちゃんに助けて貰ったらそれこそ「2と同じことしてるだけやん」になってしまうので仕方ない。とはいえインシディアスおばあちゃん好きとしては残念……。

というか、あらすじそのまま書いてもしょうもないからここまでにしときます。ジョシュとダルトンが色々頑張って何とかなって終わる〈完〉。

過去作に比べると〈彼方の世界〉でのギミックや、幽霊や悪魔の脅かしがかなり控えめ、というか怖いシーンが極端に少ない。
その代わり2つの「父と子のディスコミュニケーション」が解消するというハートウォーミングな路線に大きく寄ってる。〈彼方の世界〉やインシディアス悪魔たちが好きだったからホラー少なめでファミリードラマがメインになってるのは個人的には残念だったが、主人公の座を霊能力者エリーズおばあちゃんからジョシュ&ダルトンに戻すなら、こういうストーリーしかないだろうからこれで良かったんだろうという気はする。
また、ジョシュは一作目
『インシディアス』(2010)の時点でエリーズの話を聞かず一回追い返したりして最初から感じが悪い、ラストでは悪魔憑きになって恩人の彼女を殺してしまう。二作目『インシディアス 第2章』(2013)でも忘れたけど暴れてたと思う。大部分は悪魔憑きのせいなので別にジョシュが悪いわけではないのだが何が言いたいのかというと要は、『シャイニング』(1980)のジャック・ニコルソン同様に本作では〈彼方の世界〉や悪魔憑きという現象を使って「パパが急に気が狂って襲ってきたら怖いよね。だから離婚されたし、息子とも不仲になったけど反省して自分自身のトラウマを乗り越えて息子のトラウマも身を挺して取り除いて関係修復したよ」という映画だったのだと思う。そういう父子を描きたい雰囲気が強いせいか悪魔や異界やジャンプスケアなどオカルトシーンは控えめ。シリーズで最も怖くない感触。
主人公の座がジョシュ&ダルトンに戻ったし、最後にエリーズがシメの言葉を言うしで、これがシリーズ最終作品なんだろうね。
本作を観ながら「2で解決したことをもっかいやり直してない?」と思わなくもなかったが3&4が前日譚だったから未来に進む最終作っぽい感じで終わりたかったのかも?……というか作りさえすれば低めの制作費でヒットし続ける手堅いシリーズなので作っただけだと思う。だから配給会社的にはランバート家と霊能者エリーズなしでも続けたいと思ってるだろうしリスクがないので多分続きは作られるだろう。こっちとしては正直、5年くらい前から『死霊館』ユニバース同様に飽きている(というかジェームズ・ワンも全然この2シリーズの監督しなくなってるから飽きてるよね)。
インシディアス空間こと〈彼方の世界〉や、そこに住む悪魔たちはまだ観たい気もする。しかし、もうシリーズ自体への飽きが凄い。
だけど、おばあちゃんと心霊YOUTUBERチームが主役に戻るなら喜んで観たい(本当に一作目でおばあちゃん殺さなければ……)。

多分もう終わりだと思うからシリーズの好きな順番を考えた。

序章、最後の鍵 > 第2章、赤い扉、一作目 

こんな感じ?やっぱ僕にとってはインシディアスおばあちゃん主役作品こそがインシディアスだったみたい。
全然関係ないけどMCU
『ワンダビジョン』(2021)に出てくる魔女アガサ・ハークネスは、一作目『インシディアス』(2010)観たときから、このインシディアスおばあちゃんにやってほしかったんですよね。MCUでは中年女性だけど原作コミックのアガサは白髪の老婆なので丁度いいと思ってたんですよね。キャラを10年くらい拘束したいMCU的にはお歳を召した俳優をレギュラーキャラに使いたくなくて中年女性にしたのかな?そう思いました。🚪

 

 

 

 

そんな感じでした

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Insidious: The Red Door (2023) - IMDb

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