gock221B

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「グリーンルーム(2015)」イェルチン君R.I.P。犬とダクトテープと腕ひしぎ逆十字固めには魔法がかかっている

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原題:Green Room 監督:ジェレミー・ソルニエ 製作国:アメリカ 上映時間:95分

↑このポスターめちゃくちゃカッコいいな

昨年、第9回したまちコメディ映画祭で町山智浩氏と水道橋博士氏が、若くして不慮の事故で亡くなって間もないアントン・イェルチン氏をいじってイェルチン君追悼で来たファン達を不快にさせた※URL という出来事があった事でお馴染みの「グリーンルーム」を新宿で観た。

この監督誰だろ?って思って調べたら「ブルーリベンジ(2013)」の人だった。
このソルニエ氏、どうやらタイトルに色が付けるのがお好きなご様子。
次回作は何だろう‥「レッド・シーツ」とか赤色じゃないか?
イエロー・シーツ」とか黄色の可能性も捨てきれない(ただしシーツがテーマの映画が作られる可能性は極めて低いが)
パンクバンドが田舎のネオナチが集まるライブハウスの楽屋に立てこもるサバイバル。
主演は昨年、不慮の事故で亡くなって本作が遺作になったアントン・イェルチン氏。
ターミネーター4」カイル役、「スタートレック」リブートシリーズ1,2,3でのチェコフ役などが有名だが、俺としてはジョー・ダンテの「ゾンビ・ガール」の主人公役が好きだった。
ネオナチのリーダーである悪役ボスはパトリック・スチュワート

バンドメンバーのギター女子は「ローラーガールズ」でエレン・ペイジの親友役、「ファイナル・ガールズ」でも出てたが、若者が多く出てる映画で美人のヒロインのそれほど可愛くないが優しい友達役を多くしてる子という印象が強い。
ライブハウスの店長役はブルーリベンジの主人公役してたおっさん。他の俳優は知らん

発端。スマホ忘れる死の予感
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バンで畑に突っ込んだまま車内で寝ていた若い男女四人。
彼らはガソリンを盗んでライブツアーしているほど金がないらしいパンクバンド。
メンバーは、
気が短い緑の髪のボーカルの青年。
マネージャー的な交渉もするしっかり者のギター女子。
ドラムも
腕ひしぎ逆十字固め得意な長身のドラマー青年。
そして主人公イェルチン君は おとなしいベーシスト青年。
彼らは田舎のライブハウスでライブする。
そこは極右や狂信的ネオナチが集まる保守的なライブハウスだった。
バンドはパンク精神がむくむくと鎌首をもたげたボーカルの提案で攻撃的な曲を演奏。
「ネオナチFUCK」とか「ちゃんと自分の頭で考えて行動しようぜ」とかそんなような意味の歌詞。
それはカチンときたネオナチに酒瓶投げられる程度で済んで、事件にはならない。
ライブが終わりギャラを受け取って帰ろうとしていた彼ら。
そこでイェルチン君が忘れ物のスマホを取りにグリーンルーム(ライブハウスの楽屋)に引き返すと、ライブを見ていた客だか対バンだか忘れたがとにかくライブハウスにいた女の子が頭にナイフをブッ込まれて死んでいた。
驚くイェルチンくん達。
ライブハウス店長やネオナチは彼らを帰してくれず、イェルチン君も警察に電話しかけるがスマホを取り上げられグリーンルームに押し込まれる。
グリーンルームにはイェルチン君バンド4人、あと殺された女子の友達の金髪女子がいた。
そして、銃を構えた巨漢ネオナチが見張りしている。
やがてネオナチのリーダー格の初老の男(パトリック・スチュワート)が到着。
通報を受けてやって来た警察には、喧嘩で刃傷沙汰が起きたフリをしたネオナチ少年二人を引き渡して帰らせてしまった。
このままでは皆、口封じはおろか殺されるのではないか?感が満載。
いったいどうなってしまうのか

腕ひしぎ逆十字固めの有用性
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隙を見てバンドメンバーで唯一、腕力ありそうなドラマーの青年が、見張りの巨漢ネオナチに
腕ひしぎ逆十字固めを極めて銃をゲット!
巨漢ネオナチは見張りから人質へと格落ちした。お前はそこに座っていろ
だが銃一丁だけ持って楽屋に立てこもっててもどうしようもないので、嫌な予感はしつつもイェルチン君はパトリック・スチュワートとの交渉の末、銃を渡して投降しようとする。
銃を失ってしまうと人質にしていた巨漢ネオナチが暴れる恐れがあるので、とりあえずドラマー青年が巨漢ネオナチを腕ひしぎ逆十字固めを極めた態勢で拘束。
巨漢ネオナチが隠し持っていたカッターナイフも金髪女子が取り上げたぞ。

さすがに凶暴な巨漢ネオナチといえどこれほどガッチリと腕ひしぎ逆十字固めを極められては身動き一つ取れないというわけよ。この状態を振りほどける者は神か悪魔しかいない、ネオナチは神か悪魔か、答えは?ノー。じゃあ無理だな。。
ドアの隙間から銃を渡そうとしたイェルチン君だったが、出した腕をマチェーテみたいな長刀で斬られまくってしまう!
斬られたというか手首が断面が見えるくらいブランブランに取れそうなくらい斬られてる!
ヒエッ!と思った。

イェルチン君もしばらくは顔面真っ青で死にそうになってたが、これはアメリカ映画なのでダクトテープを巻いて数分もすればほぼ全開した。
たいていのアメリカのジャンル映画ではダクトテープを巻けばバイオハザードのハーブよろしく万物は全て修復される。
アメリカンプロレス‥WWEではパイプ椅子で殴られたら総体力の80%が失われてしまう。チャンピオンベルトでは90%。スレッジハンマーで殴られたら実に98%の体力を失う。俺はエンターテイメントのこういったお約束が凄く好きだ。

どうやら話し合いは無駄なようだ。
殺し合うしかないな。

イェルチン君の腕が斬られたのでドラマー青年もまた極めていた巨漢ネオナチの肘を腕ひしぎ逆十字固めで、ペールワンの腕を折った猪木の様に完全に破壊!
夢がかなったね。

ドラマー青年は肘を破壊されつつ更に暴れようとするネオナチをスリーパーホールドで捕獲!そのまま絞め落とす。
すると友達を殺されてムカついてた金髪女子が、娯楽映画のノリじゃなくまるで解剖みたいにスーッ‥と巨漢ネオナチの腹を掟破りの(※相手から奪い取った技の意)カッターナイフで切り裂いてSATSUGAI
ネオナチ死亡!
この攻防によってバンドメンもネオナチ軍団も、動きだしたらどちらかが滅ぼされるまで止める事の出来ない巨大な機械に飲み込まれた。死闘という名の機械に‥

それにしてもこのネオナチ、腕ひしぎ逆十字固め2回、スリーパーホールド1回、とどめの掟破りの凶器攻撃と数10分くらいの間に4回も負けてるのが面白い。
一体、何回やられとるんや。ちゃんと復習してきたん?
だけど殺害されて死んでしまったからこれでもう死ななくても済むね( ´・ヮ・`)

ネオナチ軍団
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バンドメンvs.ネオナチ軍団の一騎打ち、今その闘いの火蓋がきって落された。
しかしバンドメン側の武器は、ネオナチから奪ったリボルバー銃一丁と小さいカッターナイフはまあいいとして後は、その辺に落ちてた消火器とか蛍光灯とか棒っきれしかない。

一方ネオナチ側は軍団を束ねて操る頭脳明晰なパトリック・スチュワートをTOPとして‥
人の頸動脈を噛み切って殺せるほど獰猛に躾けられたワンちゃん(あまり大きくないこの犬に一度噛みつかれてしまうと、どういうわけか立ち上がる事も抵抗すら殆ど出来なくなる地獄の番犬ケルベロス)とそれを操るトップブリーダー。何丁もの銃と長刀。
あとはそれを持った、自分の頭で物事を考える事をとっくの昔にやめてしまった使い捨てネオナチ青年軍団が何度も強行突破乱入してくる。

ネオナチ軍団全員が乱入して銃を乱射すれば、あっさりバンドメンを皆殺しにできそうだが、それではライブハウスに抹消しきれない証拠が残ってしまうのでパトリック・スチュワートは、犬とか一発しか発砲を許されてない銃(証拠が残らないように)を持ったネオナチをチョロチョロとジジイの小便のように投入させてバンドメンの命を削っていく。
武装したネオナチ軍団にヒョロヒョロのバンドメンたちは一たまりもない(ただし狭い部屋の中限定なら腕ひしぎ逆十字固めバンドメン有利)。

だが前述の理由で、少しの武器を持った少人数づつしか突入できないために、バンドメンvs.ネオナチ軍団が成立する(獰猛犬も一匹づつしか突入できない理由付けがあるのだが説明するのが面倒なので映画観てくれ)
言うなればジョン・カーペンターの傑作「要塞警察」を地味にした感じの映画だ。
何年か前に友達が参加したイベントに行った時、知り合いの彼女が学生時代にアメリカの田舎に留学に行った時に白人至上主義者にとんでもなく酷い目にあった話を聞いて物凄く落ち込まされた。
映画だからではなくアメリカの田舎には恐ろしいファシストはどうやら本当にいるらしい。


この監督のリアリティとサービス
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ブルー・リベンジ」の時もそうだったが、この監督の映画はリアルな描写が多い。
「娯楽映画だからこいつはこうなるだろう。あいつはフラグ立てたから死ぬだろう」みたいな娯楽映画のお約束通りに進まない。

意外なところから敵が出て来たり、意外な形でキャラが死んだりする。
バンドメンvs.ネオナチ軍団が鉢合わせての銃撃戦も、普通だったら善玉サイドが全く喰らわなかったり逆に仲間がドラマチックに撃たれて非業の死を遂げたりするものだが、本作の場合は「バス‥バス‥!」と普通にグズグズに撃たれて逃げたりそのまま普通にやられたりする。
敵が突然現れる場面でも衝撃的なSEが鳴ったりクローズアップされたりはせず、まるで会計の時に定食屋の奥から店のオバハンが
モッ‥出てくるかのように普通に出て来たりする。
また主人公なので
最後まで生きてるイェルチン君が、一番最初に手首取れそうなほどやられるのも意外性あるサプライズだった。
その代わり「ダクトテープ巻いたら取れそうな手首が全開する」という可笑しなシーンも生まれたが、それも本作のお楽しみポイントだ。

そういえば監督は違うが、そういった良い意味でけれんみのない描写のせいで生まれた緊迫感のあるアクションや展開の数々は「トマホーク ガンマンvs食人族」にも似てたな。
これらの描写はこの監督ならではのサービスなのかもしれない。

 

イェルチン氏
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そんな感じでクライマックスに突入するがなかなか面白かった。
何か今、酔ってたせいか、どうでもいい腕ひしぎ逆十字固めを連呼するのにはまってしまったり、ファシストやこの監督の傾向について書くのに盛り上がってしまい長文になってしまったので、そろそろこのページは終わる。
ドラマ部分や細部やメタファーが示すものやバンド的なオマージュなどの感想らしい感想は違うブログの感想でも見に行ってください。
イェルチンくんはゾンビガールの他数本の映画でしか知らなかったし特別ファンだったわけでもなかったが良い俳優さんでしたね。。
本作でも、ラストのもう元には戻れなくなりつつも爽やかな姿はカッコよかった。
イェルチン君の命も、アメリカ映画にだけ出てくる魔法のダクトテープを巻いて復活できればいいのにね

R.I.P. イェルチン氏
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そんな感じでした
gock221b.hatenablog.com

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