原題：Fall 監督＆脚本＆制作：スコット・マン 脚本：ジョナサン・フランク 製作総指揮：ロマン・ヴィアリ、ジョン・ロング、ダン・アスマ 製作：ジェームズ・ハリス、マーク・レーン、クリスチャン・マーキュリー、デヴィッド・ハリング 製作国：アメリカ 上映時間：107分
『THE FIRST SLAM DUNK』(2022)観に行こうと出かけたのだが、どうせスラムダンク観るなら数十年読んでない漫画読んでから観ようとやめて急遽これ観た。
『海底47m』シリーズの製作者が、地上600メートルのテレビ塔の頂上で立ち往生してしまう２人の女性クライマーのサバイバルを描いた映画。
『海底47m』(2017)は観た、あまり内容覚えてないが最後まで観れるくらいの面白さはあった記憶。二作目の『海底47m古代マヤの死の迷宮』(2019)は観てない。
『海底47m』(2017)はケージに入って海中で間近のサメを見学するアクティビティを楽しんでた姉妹だったがワイヤーが切れて海底に落ち、酸素がどんどん無くなっていくがサメがいるから浮上も出来ない……という立ち往生系サバイバル映画だった。一体どうやって解決したのか覚えてないな……。
本作も、似たノリの「薄着の女子二人が極限状態をどう脱するか系映画」。
スタッフは別だが『ロスト・バケーション』(2016)も似た感じで、秘密のビーチから200m離れた小さな岩の上で女性が立ち往生するものだった。
これ系の映画は低予算で済むし合法的に女性のセクシーな姿を見せれるし、女優もほぼ一人～二人だけが映画に出ずっぱりだし皆がWin-Winな映画なのかも。
主演は『シャザム！』(2019)のメアリー役の人。同じ監督の『アナベル 死霊人形の誕生』(2017)にも出てたね。その優しいパパ役は『ウォーキング・デッド』のニーガン役の人。
ネタバレあんまり無し
クライマー仲良し三人組……ベッキーと夫のダン、親友のハンター。山登りの途中でダン（演：メイソン・グッディング）が滑落死してしまう。
ダンの妻ベッキー（演：グレイス・キャロライン・カリー）は一年経っても夫を目の前で失った喪失感から立ち直れずにいた。ベッキーの父ジェームズ（演：ジェフリー・ディーン・モーガン）も心配するが心を閉ざしたベッキーは父の愛も拒絶してしまう。
そんなある日、人気クライマー系YOUTUBERを始めた親友ハンター（演：ヴァージニア・ガードナー）が、荒野にある使われなくなった地上610mのテレビ塔に一緒に登ってベッキーの哀しみを吹き飛ばそうと持ちかける。
頂上に到達しダンの遺骨を撒き自撮りを撮り、後は降りて乾杯するだけ……そこで老朽化していたハシゴが外れてしまう――
という話。
映画開始、約……20分？30分？くらいで頂上に到達する。話が早くて助かる。
あとは、この畳二畳くらいの頂上で女性二人が何とか助かる方法はないかと2～3日頑張る様を延々と見せられる。
二人はクライマーが趣味なので高い所は割と平気。登頂成功後に頂上でふざけたりしている。僕は高所恐怖症なのでこんな光景を見てると気が遠くなった……そのまま映画が終わるまでずっと下半身がビリビリしびれて気が遠くなりそうだった。
登頂成功と同時に、あらすじで触れたようにハシゴが外れてしまう。
スマホの電波は圏外（地理的な事ではなく高すぎるから）、給水用の水筒や撮影用ドローンが入ったバッグは10数mくらい下のアンテナ部分に落ちた。
二人に残されたのは、衣服と靴、電波の届かないスマホ、10m程度のロープ、頂上に設置されていた照明弾一発と双眼鏡、これだけ。
一体、何m下に降りれば外れてないハシゴがあるのかは見えないし、そんな下までには絶対に降りれない（ハシゴが外れる時、少なくとも30mぶんは剥がれて落ちてた気がする）。
レスキューを呼ぶ以外に助かる道はない。
しかし周囲に人はいない。近くに誰か通りかかった時に、その者がこっち見てるのを双眼鏡で確認した後、照明弾を射たないといけない。しかし昼間じゃ見えないので日が暮れた頃まで待たないといけない。
そして人は三日間、水を飲まないと死ぬという。登ってすぐ降りる予定だったので食べるものは持ってきてないが10数m下のバッグに入った水は何とかして欲しい。二人はロープとクライマー技術を駆使して10数m下のバッグを手中に納める。
救助要請を書いた紙を取り付けたドローンを近くの町まで飛ばしたい！しかし電池が足りず町に行くまでに墜落してしまいそうだ、何とか充電する方法はないか？
ベッキーはハシゴが外れた時に脚を怪我したのでハゲタカが時折、強襲してくる。
夜になると眠くなるが寝返り打っただけで即死なので熟睡はできない。
……という感じで二人は様々な方法で助かろうとするが、その度に失敗する。
日が経てば体力や気力は失われる。何としてでも2日間くらいのうちに生還する方法を見つけないと死んでしまう。
失敗する度に二人は励まし合い、秘密を打ち明けあいながら頑張る。
二人は、1歩すすんで3歩さがるかのような人生の苦難を凝縮したかのような苦難の時間を過ごす。
何度も言うように高所恐怖症なので、こんな高所のせっまい狭い板の上で助かるあてもないまま2～3日も頑張るなんて僕にはとても出来そうにない。自分の状況を把握して数分くらいしたら「お先！」とか言いながらさっさと飛び降りてしまうかもしれん。
割とサラッとクリアしてたけど、二人共よくこんな所で仮眠できたな……。いや、僕は高所が怖いから「ここにいるだけで狂いそうになる」と思うが、クライマーの二人は高所への恐怖自体はないから「なるべく落ちないように寝るぜ」と思うだけでいけるのかも……。
他のワンシュチュエーション極限サバイバル映画と同じように、特に「傑作！」とか、そんな事はないが最後までハラハラして楽しめるほどには面白かったです。
単純に生き残るだけでなく、生きる気力を失っていた主人公が夫を失った哀しみを乗り越え生への執着を取り戻し他者からの愛を感じられるまでに段階を追って回復していくので、落ち込んでる人が観たら精神衛生上いいかも？
そんな感じでした
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