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『きさらぎ駅』(2022)/心霊写真部シリーズ監督による、ホラーと言うよりファンタジー映画みたいな感じで無料なら楽しかった🚉


監督:永江二朗 脚本:宮本武史 原作:2ちゃんねるに投稿された都市伝説『きさらぎ駅』(2004) 製作国:日本 上映時間:82分

 

 

おーい。危ないから線路の上歩いちゃだめだよー

2004年、2ちゃんねるのオカルト超常現象板に「はすみ(葉純)」と名乗る女性とみられる人物が書き込んだ現在進行系の怪奇体験の投稿、通称『きさらぎ駅』を映画化したもの。
きさらぎ駅 - Wikipedia
一言で言うと、電車に乗ってた「はすみ」と名乗る女性が「きさらぎ駅」という見知らぬ駅で下車し、暗い中歩いてると祭りの音が聞こえたりおじさんが歩いてきたりしてるうちに行方不明になる様が2ちゃんねるに実況されていた……そんな感じの話。
幽霊でもヒトコワでもない「異世界」を扱ったのが新しくて異世界系怪談が流行ったはしり……だと思うが詳しくは知らん。
当時もネット界で流行ったし、近年は怪談系、都市伝説系YOUTUBEで取り上げがちなので現在でも人気がある。ネトフリで配信されたから観た。
観てて「何かどっかで観たような間抜けなノリだな」と思ったら『心霊写真部』シリーズの監督だった。そう言われたら確かにノリが似てる。 

ネタバレあり

 

 

 

STORY
民俗学を学ぶ女子大生・堤春奈(演:恒松祐里)は都市伝説『きさらぎ駅』を書き込んだ人物〈はすみ〉ではないか言われている元女性教諭・葉山純子(演:佐藤江梨子)にインタビューし、純子から2004年に〈きさらぎ駅〉で下車した経緯、その後の異世界で女子高生・宮崎明日香(演:本田望結)らと共に経験した恐ろしい出来事について聞くが――

という出だし。

書き込みの主人公が出てきて現在進行系形式じゃなく回想として〈きさらぎ駅〉を語るとは意外だった。というか2ちゃんに『きさらぎ駅』を書き込んだ人を見つけて著作権とか払ったのかな?でも実話っていう体だから名乗り出なさそうだね。まぁ俺はどうでもいい。

純子が〈きさらぎ駅〉に降りてから、しばらくは投稿の流れと似ている。
ただ純子と共に異世界に迷い込み〈きさらぎ駅〉で下車したのは女子高生・宮崎明日香のほか。チンピラカップルとパシリの青年。酔いどれサラリーマン……合計6人。

〈きさらぎ駅〉で下車してから何故か、サトエリ演ずる〈はすみ〉こと純子の主観映像で話が進む。
急に主観映像になったし「この映画は途中で種類が変わる」とか言われてたのを知ってたので「この主観映像って何か仕掛けがあるの?語り手が実は純子じゃなくなってる事が中盤でわかるとか、もしくは『カメラを止めるな!』(2018)的に世界のレイヤーが変わる仕組みがあって、主観映像はそれに関係してるんかな?」とか色々思ってたが主観映像は特に何も意味なかった。何で主観映像になったのかよくわからんが、個人的に主観映像の映画は『ハードコア』(2015)を始めとして凄く好きなので別に意味なくても歓迎だわ。
で、純子は勤務する高校の生徒である女子高生を護りながら、迷い込んだ人たちを殺そうとする異世界そのものの攻撃により血管破裂呪殺、線路の上歩いちゃだめだよジジイやドライバーおじさん、死んだメンバーをゾンビ化などで攻撃してくる。純子と女子高生は何とか生き残り、結果的に女子高生が光の扉をくぐった瞬間くぐれなかった純子は現世に戻る。7年が経過していた。
そして純子は、光の扉を先にくぐった女子高生は戻れてないと思っているようだ。何とかして女子高生を現世に戻したいと思いつつ〈きさらぎ駅〉に行く方法が見つからず十数年間、純子の中で時が止まったまま。ここまでが大体、前半。
今思うと、光の扉をくぐった女子高生が現世に帰れなくて、くぐってない純子が帰れたというのも映画の設定としてヘンテコだし、女子高生が帰れなかったことを純子が何故わかるのかとか不自然な事が色々ある。だが映画自体が割と不自然なので気にならなかったのかも。
話を聞いた女子大生・春奈は、純子の当時のメールや乗った電車の時刻などを、まとめて考えて「電車を特定の順番で見送ったり乗ったりすることで〈きさらぎ駅〉に行けるのでは?」という仮説を立てる。そして後日、実践したところ〈きさらぎ駅〉行きの電車内に居た。

 

 

〈きさらぎ駅〉行きの電車内には、純子の話に出てきた女子高生、チンピラカップルとパシリ、酔いどれサラリーマンが居た。そして純子の話通り6人は下車。
その後の展開も純子が話した異世界での経験通り。
つまり、脱出できなかった者達は「きさらぎ駅で下車して色々あって世界に殺される」という一日をループしているようだ。一種の煉獄というか無間地獄と言える。
主人公の女子大生・春奈は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』よろしく純子に聞いた異世界での記憶を元にピンチを回避しまくる。しかし言うこと聞かないチンピラや恐怖のあまり硬直したサラリーマン等が異世界に呪殺されて頭数が減っていく。
春奈が前半での経験を元に、大して怖がらなかったり「こいつ後で、悪いやつになるから」と言って運転手おじさんを岩で撲殺したりしてピンチを次々とクリアする展開はゲームっぽいし、法の隙間を縫って楽してクリア!的な楽しさがあって、ひろゆきとか好きそうなキッズも楽しめそうだ。
春奈が、純子から聞いた「異世界での記憶」を思い出す時、前半での純子の主観映像がフラッシュバックする。その映像が主観映像なため、まるで春奈が純子の記憶を受け継いだように見えて若干、戸惑った。一瞬「当時の純子のポジションに収まったから純子の記憶を春奈が受け継いだのか?」と思った。そうかもしれないが詳細は、ながら観してた事もあり、よくわからなかった。
それで色々と端折るが、純子が言ってた展開や聞いてなかった展開もありクライマックスになる。
で、エンドクレジット後に純子の姪の冒険が数分だけ流れる……これ僕は、映画終了後に純子の姪が春奈を助ける、というハッピーエンドだと捉えた。

 

 

結論から言うと、2千円近く金出して劇場で観たらガッカリしそうだが配信などで無料で観るには最後まで楽しめるくらいの面白さはあった。
で、本編は最初から最後まで怖くない。ジャンプスケアっぽいシーンは僅かにあるくらい。どちらかというとホラーと言うより愉快な冒険ものといった感じ。
最初に書いたように『心霊写真部』シリーズっぽい間抜けな場面やギャグも多いので、シリアスなホラーを期待する人は楽しめないかも知れないが僕は楽しめました。
とにかく一目でわかるほど『心霊写真部』シリーズ並に低予算なのだが、臨場感ある主観映像とか、カメラワークを駆使して背後に突然現れる奴とか色々涙ぐましい工夫してるなと感心した。あとチャチなCGも嫌いじゃない。それら合わせたら全体的に『心霊写真部』シリーズと同様に当時ニコ動で流行ってた『コワすぎ!』シリーズの白石晃士監督の低予算ホラーっぽいなと思った。怖さよりファンタジーっぽさや可笑しさを優先してるとこなど『コワすぎ!』シリーズ等の白石晃士監督とやっぱ少し似てる。
個人的には電車内で突然、音が消えて異世界に行ってしまった車内、降りてからの祭り囃子の音……など原作?で良さそうな雰囲気そうだった場面は、あっさり流されちゃうのだが、もうちょっと押井守うる星やつら2 ビューティフルドリーマー』(1984)の深夜の町を歩くチンドン屋やループする友引町みたいなミステリアスな雰囲気で撮って欲しかった。そういうセンスなさそうな監督だからそんな場面は最初から撮らなさそうだが……。

そんな感じでそこそこ楽しみました。他の有名2ちゃんレジェンドシリーズも全部、映画化したいいんじゃない?

 

 

 

 

そんな感じでした

『心霊写真部 壱限目/弐限目(2010)/一人で観るなら壱限目の第1話だけ観れば充分📷 - gock221B

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きさらぎ駅 | Netflix

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