原題:The First Omen 監督&脚本:アルカシャ・スティーブンソン 脚本&製作総指揮:ティム・スミス、キース・トーマス 脚本:キース・トーマス 原案:ベン・ジャコビー キャラクター創造:デヴィッド・セルツァー 製作国:アメリカ 上映時間:119分 公開日:2024.4/5 シリーズ:『オーメン』(1976)の前日譚。『オーメン』シリーズ第6作目
悪魔の子供ダミアンが出てきて『エクソシスト』(1973)などと同じく70年代オカルト映画ブームを作った(らしい)『オーメン』(1976)の前日譚。
前日譚なので、そんな『オーメン』(1976)を観てなくても物語は掴めるだろうが「この神父は、あいつかぁ」とかわからないのも損した気持ちになりそうなので本作を観るためのフリとして一作目『オーメン』(1976)だけ一応観といた。
『オーメン』(1976)のgock221Bの映画レビュー・感想・評価 | Filmarks映画
「幼い我が子が邪悪ならどうしよう」という親の恐怖とか、凶兆がゆっくり迫ってくる展開と真相を探っていく後半など面白い。あと観てなくても知ってた有名なショックシーン(公開首吊り、串刺し、首チョンパ)など「これかぁ」と思った。たださすがに2024年に初見するのはさすがにスロー過ぎた……『エクソシスト』(1973)は割と今でも繰り返し観れるが『エクソシスト』(1973)ほどの面白さは感じなかったな。二作目以降やダミアンには興味ないので観るのはやめといた。
ネタバレあり
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1971年。権威や教会への反発から政治的抗議運動が広がっているローマ。
アメリカ人女性の修道女見習いのマーガレット(演:ネル・タイガー・フリー)が、修道女になるためカトリック教会のヴィッザーデリ孤児院に赴任してくる。
一方、カトリック教会から破門されたブレナン神父(演:ラルフ・アイネソン)は、教会内部のサタニストの陰謀を暴露するためマーガレットに近づく。
マーガレットの周囲で恐ろしい出来事が増える中、〈悪魔の子〉が誕生する6月6日午前6時が迫っていた――
そんな話。
まず最初の掴みのアバンでブレナン神父……あの『オーメン』(1976)でも出てきた何の役にも立たない「何にも出来ないブレナン神父」が登場。
ブレナン神父のように、悪魔を誕生させようとする教会の悪事を追っていたらしきハリス神父と会っている。ハリス神父は『ゲーム・オブ・スローンズ』〈シーズン1-8〉(2011-2019)のタイウィン・ラニスター役の人がやってる。顔が特徴ありすぎて「あっタイウィンの人!」とすぐ思うからGOTすごいよね。
ハリス神父は教会の悪事のヒントをブレナンに託す。しかし直後に凶兆がハリスを襲う……ここは『オーメン』(1976)のブレナン串刺しのオマージュ。でも「あれっ?刺さってないよ?ハリス神父も平気そうだし……」と思わせての捻りある演出。
修道女となったマーガレット。ルームメイトにクラブに連れて行かれたり、「精神的に問題あり」と独房のような部屋に閉じ込められてる少女カルリータ・スキアーナ(演:ニコール・ソラス)とも出会う。カルリータはホラー映画あるあるの「なんか怖い絵を描く少女」。しばらくはカルリータが鍵を握ってる感じで物語は進む。
やがて『オーメン』(1976)でもあった「あなたのためにこれをやるのよ」と言って公開首吊りするシーン再現、今回は最初から様子がおかしかった修道女がやる。しかも自らに火を点けて行う。串刺しは変化球型オマージュだったが公開首吊りは足し算型のオマージュだった。
これによって「カルリータが悪魔の子を産むのか?」と思わせる(まぁ、今の映画だから捻って、カルリータがそうするわけじゃないんだろうとわかるけども)。
マーガレットは何か恐ろしいことが起きてることを知る。
そうしてるとクラブで出会った感じの良い男性が意味深な表情を見せた後、ガーンと交通事故に遭う。ここは『オーメン』(1976)で言うとカメラマンの首が吹っ飛ぶシーンのオマージュ。これで『オーメン』(1976)三大ショックシーン全部やったな。
また、マーガレットは教会で行われてる出産シーンで、悪魔のようなバケモノを産んでるところを見て恐ろしさのあまり失神する。ここでは映倫によって少し焦点があってない映像になってるが産まれくる悪魔のような生物が腕を出している女性器が映ったりしてかなり攻めてるなと感心した。日本人だから何とも思わないけどキリスト教徒が多い欧米からしたら冒涜的すぎる映像だし。
何か恐ろしい事が起きてることを悟ったマーガレットは、以前は忠告されても信じてなかったブレナン神父の話に耳を傾ける。
ブレナン神父は教会の中に邪悪な一派がいると言う。
世間では政治的抗議活動が吹き荒れてカトリックへの信仰が揺らいでいる。そこで特別な血筋の女性を悪魔と交配させて現世を混沌へと叩きこむ〈悪魔の子〉を計画的に誕生させようという計画。その混沌が生み出す恐怖によって人々はカトリックへの信仰を取り戻すだろうという無茶苦茶すぎる計画。なんだか本作のサタニストは全体的に近年流行りそうな陰謀論っぽくて良いね。
その特別な血筋の女性の一人が、あのカルリータ。
マーガレットはカルリータを救い出し、ついでに教会内部のサタニストによる悪魔交配の証拠を持ち出そうとするが……。
みたいなところでクライマックスの戦いになる。
……まぁ、勘の良い人なら映画序盤で大体想像つくと思うが、大体その通りの展開。
本作は全体的に映像がカッコいい。起きる怪異や幻視も非常に『オーメン』(1976)的でサタニックなカッコよさ。
それでいてマーガレット役の人が、美形すぎるしスタイルも良すぎるので本当に画面がカッコいい。マーガレットだけじゃなくカルリータとか焼身首吊りの人とか全体的に美形の俳優がやたら多く出てくる(個人的には美形ばかりだと印象が平坦になってしまうので美形はマーガレットだけで良かった気もする)。
後半、マーガレットが街中の政治的抗議活動に巻き込まれてスローモーションでパニックになってる映像。ここも凄くカッコいい。
それとクライマックスでマーガレットの様子がおかしくなる場面。ここが一番良かった。
マーガレットの様子が完全におかしくなり路上でしゃっくりのような奇声を連続的に挙げる。このシリーズの悪魔は山犬だから多分、野犬をイメージした奇声だと思う。
ここが異常に長い。凄く美形で10頭身くらいあるスタイルのいい主演女優がそうするもんだから圧巻の迫力。
ここ、「『ポゼッション』(1981)でイザベル・アジャーニが狂うシーンに似てるなぁ」と思ったがWikipedia見たら正に「『ポゼッション』(1981)の件のシーンみたいにやって」と言われて即興でやったシーンらしい。本当にここは本作で一番素晴らしかったシーン。
そして本作と同じように、『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』(1977)に上手く繋がるようにかなり後から作った前日譚『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016)みたいなもんで、『オーメン』(1976)に上手く繋がるように調整して終わる。
それでいて、本作は本作で独自の続編を作ろうと思えば作れるように正規ルート〈『オーメン』(1976)と悪魔の男子ダミアン〉とは別の道筋、そして悪魔の女児を出して終わる。これも上手いことやったなと思った。
そういう感じで全体的に褒めたくなる映画だったのだが、全体的に……特に後半「荘厳な音楽を流しながらスローモーションの映像になる……」という場面が多すぎて、それでいてストーリーも前述したが始まった瞬間に最後まで読める内容だし、後は『オーメン』(1976)のオマージュシーンを一つづつクリアしてく……という感じで好感触だったにも関わらず、一言で言うと物凄く退屈な映画でした。
とはいえ映像と主演の人がめちゃくちゃカッコいいし上手いので、悪い印象じゃない。むしろ好きだった。だが観てたらめちゃくちゃ眠くなった。そんな映画だった。映画好きな人ならわかると思うが、観ててめっちゃ眠くなるけど寝ながら観てもそれが気持ちいい退屈な映画ってありますよね。本作はそういう感じ。
続編が作られたら完全オリジナルのあらすじになると思うので期待したい。
……と思ったが、このノリは眠くなるので別にオーメン関係ない現代ホラーの方が観たいかも。
今やってる『エイリアン:ロルムス』(2024)近所でやってないから観に行ってないけど、多分本作と似てると思う。「オリジナルは今更、若が観ないだろうから同じ展開の実質リブートみたいな続編を作ろう」と思って作った感あったね。『スクリーム』(2022)とか『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(2015)とかも全部そうだね。挙げればキリないほどそういうのばっかだね。続編の形を取った名作オリジナルの実質リブート。
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そんな感じでした
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The First Omen (2024) - IMDb
The First Omen | Rotten Tomatoes
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