gock221B

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『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 Birds of Prey』(2020)/ハーレイ一人でやる役割をバーズオブプレイと四等分した結果薄くなったと推測🥪

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原題:Birds of Prey (And the Fantabulous Emancipation of One Harley Quinn)
監督:キャシー・ヤン アクション監修:チャド・スタエルスキ
主演&制作:マーゴット・ロビー 製作総指揮:ジェフ・ジョンズほか
製作国:アメリカ 上映時間:109分 シリーズ:DCエクステンデッド・ユニバース

 

 

 

※ 先に言っておくとこの前段階の部分は映画の感想以外の話なので映画の感想しか読みたくない人は、このブロックを飛ばして次の空白から下を読めばいい。
🥪ワーナーDC映画駄作群の中で僕が最もダメだと思ってる映画『スーサイド・スクワッド』(2016)の主人公的ポジションだったハーレイ・クインを主人公とした映画。……と聞くと『スーサイド・スクワッド』のスピンオフのように聞こえるがスーサイドスクワッドというヴィランチームよりもハーレイ・クインの方が有名なので「『ジャスティス・リーグ』を公開した後に『スーパーマン』を公開した」ような感じだ。
🥪ハーレイ・クインは天才ブルース・ティムが手掛けた傑作アニメ『バットマン』(1992-1995)で初登場したジョーカーの恋人キャラ。人気だったのでコミックのDCユニバースに逆輸入されコミックでも人気、やがてジョーカーと別れて今では独り立ちしてDCで最も人気あるバットマン、スーパーマンワンダーウーマン、ジョーカーなどと同じくらい人気ある(というかコミックの売り上げがバットマンと並んでトップになることが最近よくあるのでスーパーマンワンダーウーマンより人気ある気がする)。狂ってたり一人だけ物語の枠から片足出てる感じがMARVELのデッドプールによく似てる……とよく言われる。現在アメリカでは彼女を主人公にしたアニメ『Harley Quinn』(2019-)も配信中。
🥪映画に話を戻すが本作は『スーサイド・スクワッド』(2016)から直接繋がってる作品。ワーナーは不評だった作品を『ジャスティス・リーグ』同様にバンバン切って黒歴史にしていく方針であるため『スーサイド・スクワッド (2016)』は黒歴史となり、本作のハーレイはもう二度と映画に出てこないであろうジャレッド・レト演じるジョーカーとも別れた。つまらなかった『スーサイド・スクワッド (2016)』だが「マーゴット・ロビー演じるハーレイは魅力的」と評判だった。僕もマーゴット好きだしそう思った(そして他のキャラのデザインや衣装は全部良かった)、だからハロウィンでハーレイのコスプレが全世界的に流行った。このスースク版ハーレイのデザイン(ツインテールを赤と青に染めてTシャツとホットパンツ着た姿)は好評だったのでコミックにも逆輸入された。だが忌まわしい映画『スーサイド・スクワッド (2016)』の名残を残したくなかったせいか青と赤のツインテールは切り落とされ、セクシーだったホットパンツもやめて女子ウケしそうな可愛いファッションへと変わった。どっちかというと前の方が好きだったが『スーサイド・スクワッド (2016)』の香りを脱臭したい気持ちもわかるのでOK。
🥪ちなみにハーレイが本作の次に登場するのは『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズでお馴染み、ジェームズ・ガンが監督する『ザ・スーサイド・スクワッド』(2021)となる。直接続いてるっぽいけど「前のスースクとは関係ない仕切り直しです!」という不思議なリブート作になる模様。「波平の娘がサザエ、サザエの息子がタラちゃんだが、タラちゃんの祖父が波平だということはあまり知られたくない」そんな感じか?わかりやすいかと思って書いた喩えだが逆にわかりにくい?OK話を先に進めよう。ジェームズ・ガンがマイナーなヒーローチームをオリキャラみたいに自由に扱って楽しい愚連隊映画を撮れるのはガーディアンズで実証済みなので期待が持てる。前回の『スーサイド・スクワッド (2016)』からジャレッド・レト版ジョーカーやウィル・スミス版デッドショットなどの邪魔なクソキャラだけ切り捨て、ハーレイやキャプテン・ブーメラン等の魅力的なキャラは残し、そこにポルカドットマンなどのクソマイナーキャラを多く追加するらしい。スースクはハーレイ以外バンバン死んでOKのチームだし面白くなる要素しかない。今アメコミ映画で一番楽しみかもしれない。
🥪タイトルにある〈バーズ・オブ・プレイ〉とはDCコミックの女性を中心としたヒーローチーム。元バットガールのオラクル/バーバラ・ゴードン、ブラックキャナリー、ハントレスなどが中心で後は増えたり減ったり……とりあえずこの三人がいればバーズ・オブ・プレイという感じ。アベンジャーズBIG3みたいなもん……いやDCの話だから、ここは「ジャスティースリーグのトリニティ(スーパーマンバットマンワンダーウーマン)みたいなもん」と言った方が正しかったか。〈バーズ・オブ・プレイ〉は長いから以降はBOPと書く。本作にはバットガールakaオラクル/バーバラは出てない。というか本作ははっきり言ってハーレイ・クインの映画であってBOPはおまけとして「ハーレイの愉快な仲間たち」として出させてもらってるにすぎない。バットガール/バーバラはDCにとってかなり大事なキャラなので、そんなおまけとして扱うわけにはいかないので本作に出さなかったのは明白。バーバラの代わりに原作で一時期バットガールだった事もあるカサンドラ・ケインが出ている(全く原型を留めていないけど)。バーバラの居ないBOPなんてハンバーガーが挟まってないハンバーガーのようなもの、そのハンバーガーを務めるのがハーレイなんだろう。
そもそも、本作はハーレイ・クインの映画であってBOPはあくまでおまけなのはポスターや予告編を観る前からわかってる事で「ちゃんとハーレイ単独映画として作るべきだっただろ」というのが本作が発表されて以降ずっと思ってたことだが、では何でハーレイとバーバラ抜きバーズ・オブ・プレイを抱き合わせた微妙な形で作ったのか?
🥪その前に映画のタイトルについて考えてみよう。邦題は良い。では原題はどんなものかというと『Birds of Prey (and the Fantabulous Emancipation of One Harley Quinn) 』という長ーいタイトル。直訳すると『バーズ・オブ・プレイ(と、とあるハーレイ・クインの素晴らしき解放)』。アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の映画『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)(原題:Birdman or (The Unexpected Virtue of Ignorance))』を思わせる。
このタイトルを付けた意図について考えたが「ジョーカーの元カノであるイカれた女ハーレイが他の女達と手を組んで暴れるイカれた映画!それなのに凄く長くて文学的なタイトルつけたろwww」という大学のサークル的なノリで付けたジョークなんだろう。僕はこのタイトルが発表された時「すこし嫌なかんじ」がしました。「完全にすべってる!」とか「寒い寒い怖い怖いw」といったほど嫌ではなかった。飲み会のノリで決めて提出したようなタイトル、それを翌日「あ~あれ提出しちゃった?大丈夫かなぁ」といった程度の不安さ。死ぬほど悪いほどではない。公開された映画が面白くて大ヒットすればこのタイトルも後から逆説的に「ところで変なタイトル付けたなぁw」等と面白くなるからだ。だから僕は実際に映画を観てみるまでは「この原題やばない?」などと決してツイートしなかった(明らかな差別などといった絶対的に勝てるツッコミはともかく、後の情勢に勝敗が左右されるツッコミは映画がめちゃくちゃ面白かったりして大正義になった場合、先の発言が逆にこちらの首を掻っ切ってくるので言わない方が良い)。だが本作はDC映画史上最大級に大コケしてしまった。そのせいか公開わずか数日でアメリカの劇場チケット販売サイト/アプリ限定で『Harley Quinn: Birds of Prey』と邦題に近いタイトルに改題されるという前代未聞の珍事が起きた。何の映画か分かりにくいから「こ、これは人気者のハーレイ・クインの映画だよっ!」と知らせたかったのだろう。「海外映画はダサい邦題付けられる」とよく話題になるが本作に限ってはワーナージャパンが付けた邦題の方がわかりやすくて絶対に正解だろう。後乗りでこんなこと言っても意味ないので聞き流してほしいが「ハーレイ単独の映画にすべきだった」「原題を聞いた時の『少しいやな感じ』」は当たっていたようだ。
いや、本作を擁護させてもらうならば日本で劇場公開された時は完全に緊急事態宣言直前だったので客が入らなかったのは当然だったし、アメリカ本国での公開日は2月上旬。新型コロナウイルスへのロックダウンの約一ヶ月前。その時のアメリカの映画館の状況がどうだったのか知らんが恐らくコロナの影響であんまり客が入らなかったのかもしれない。
それにしてもBOPよりハーレイ一人の方が遥かに人気なのにタイトルでBOPを立ててハーレイを埋没させてる意味がマジでよくわからない。大ヒットしたし評価も高かった『デッドプール2』を『Xフォース(と、とあるデッドプールの素晴らしき活躍))』みたいなタイトルで公開してヒットしたと思うか?一体どういう判断でそうしたのかわからない。「このまま公開したら映画がヒットしちまう!何とか客が入らないようにする方法はないか?」と考え出したようなタイトルだ。
🥪さっきも言ったように本作は「ハーレイの単独映画『ハーレイ・クイン』(2020) として制作する」絶対これがベストだったと思う。ハーレイは人気だし駄作だった前作でもマーゴット演じるハーレイのキャラだけは老若男女に人気だった。デッドプール同様ちゃんとコミックの魅力を出せれば大人気間違いなしで失敗する方が難しいキャラなのに何故ハーレイだけ推さなかったのか凄く不思議だ。そんで大して知名度もないし関係性も薄いBOPと無理やりチームアップしてハーレイ色を薄めてるのも意味がわからない。それは『スーサイド・スクワッド』(2016)の時も思ったが、あの時は『ワンダーウーマン』が成功する前だったので女性ヒーローを主人公にした映画が大ヒットした事がなかった、それなのに女性ヴィラン単独で映画を作るのが怖かったんだろう。スースクは原作でもハーレイが居るチームなので関連性もあったし。それでもあの時にスースクじゃなく『ハーレイ・クイン』をやるべきだったと思うが制作する側がリスクを恐れる気持ちもわかる。スースク同様、本作で再びどう見てもハーレイが主人公なのに知名度の薄いチームに埋めて売った理由について考えたが『ワンダーウーマン』でMCUに先んじて「女性ヒーロー単独映画」を成功させた偉業に続いて「初の女性ヒーローチーム」を成功して『Aフォース』を作りたがってるMCUに先んじようとしたんじゃないだろうか?本作の公開時に宣伝でワーナーと出演者が「この映画はフェミニズムを推しだしてる!」とめっちゃ言ってたのでポリコレ要素も出したかったのだろう。それもわからないではないが、どうせハーレイで女性チームやるなら何故『ゴッサム・サイレンズ(ハーレイ、ポイズンアイヴィーキャットウーマンによる女性ヴィランチーム)』にしなかったのか?…と思ったがキャットウーマンは『ザ・バットマン』に出すからダメか。それなら『ハーレイ&アイヴィー』作って誰でもいいから女性キャラ数人足しとけばそれで良かっただろう。
後出し意見だが「まず最初に単独映画『ハーレイ・クイン』で確実に勝ちを拾って、次に『ハーレイ&アイヴィー』をやって百合的な人気という大手スタジオが誰も手にしてない土地を手に入れ、そんでその後に『ゴッサム・サイレンズ』か何か、とにかく女大集合の女大暴れ女祭り映画を作って〆ればよかったのに」というのがスースクの時からハーレイのシリーズについて思ってた事でした。
ハーレイ大好きで制作にも関わってるマーゴットだが、本作はコケたがハーレイ役はまだ続けたいらしい。次にハーレイが出てくるのは『ザ・スーサイド・スクワッド (2021)』これは面白いに違いがハーレイは完全にチームの一員って感じだろうしジェームズ・ガン映画として観られる予感がする。その次のハーレイ作品が勝負だろう。インタビュー読んだらマーゴット本人は『ハーレイ&アイヴィー』をやりたかったらしい。どう考えてもマーゴットの判断の方が正しかったですよね。ジョーカーと別れた後のハーレイをヒットさせようとしたら、まず最初にポイズン・アイヴィーと組ませたいでしょう。まだマーゴット版ハーレイの首は繋がってるから次こそ『ハーレイ&アイヴィー』して欲しい。
考えてたことや実際に起きたことを全て書こうとした結果すごく読みづらい文章になってしまったが気を取り直して感想を書こう。
ネタバレあり

 


 🥪

 

 

本作の内容だがハーレイのオリジンが1分ほどのカートゥーンで語られる。
ハーリーン・クインゼル(マーゴット・ロビー)は心理学者だったがアーカムアサイラムで受診したジョーカーの狂気に一目惚れ、彼を脱獄させた後、工場の廃液の中に落ちて白い顔と狂気を得てジョーカーのパートナー、女性ヴィランハーレイ・クイン〉となる。その後、実写になって「ジョーカーに捨てられたばかりで失恋の痛手が癒えていない」「ハイエナを飼い始める」などの現在の状況が手短に語られる。
そんなハーレイが独り立ちして歩み始める第2のオリジンみたいな話が本作。
ちなみに現在のコミックでもとっくの昔にジョーカーと別れて一人で活躍している。
スーサイド・スクワッド』が成功していればワーナーは恐らく『マッド・ラブ』を始めとしたジョーカーとのカップル話をやろうとしてたかもしれないが、スースクの失敗でジャレッド・レトもジョーカー役辞めたしワーナーも早めにスースク臭を早く消したかっただろうからこのカップルは活躍前に破局した(このカップル、DVっぽくてハーレイが可哀相になるので始まる前に終わってしまったのは僕としては問題なし)。
マーゴット・ロビーは『スーサイド・スクワッド』の時と同様、ルックスは完璧だしカートゥーンのハーレイそっくりの喋り方や動きでハーレイを熱演している。
ある日、スリの孤児カサンドラ・ケイン(エラ・ジェイ・バスコ)は、街を牛耳る猟奇的な実業家ブラック・マスク(ユアン・マクレガー)のダイヤを盗む。ブラック・マスクは配下のギャングにキャスからダイヤを取り戻そうとする。
偶然が重なり、共にブラックマスクに追われているハーレイはカサンドラを保護する。
そこへ、男たちに職場で女性差別されている黒人の女性刑事レニー・モントーヤ(ロージー・ペレス)、ブラック・マスクの店で働いてた超音波を出せる黒人歌手ブラックキャナリー(ジャーニー・スモレット=ベル)、ブラック・マスクの組織に家族を殺され復讐に燃える女性ハントレス(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)なども行きがかり上ハーレイと合流し共にカサンドラを護るためブラック・マスクと闘う。……そん要するにハーレイのオリジンを語り直すと共に「酷い男や男社会に虐げられてきた女性たちが一丸となってクソ男どもを倒す」という話。
そんな本作の監督は、本作が長編映画デビュー作となる女性監督キャシー・ヤン。
フェミニズムを押し出したヒーロー映画」としての体裁が築き上げられている。
一方、そんな酷い男の象徴であるヴィランユアン・マクレガー演じるブラック・マスク。残虐ですぐ顔の皮を剥いで惨殺したり何か気に入らないことがあるとキレ散らかすギャング。その部下のザーズは刃物で切り刻んで殺して自傷も好む猟奇的なギャング。「残虐なボス」「残虐なギャング」というかなり単純な悪になっている。他人の事なんて考えるわけもない奴らだから当然、差別的で自動的に女性も酷い扱いすると。2人は原作ではバットマンヴィラン。ブラックマスクを演じるユアン・マクレガーは正義のイメージ(というかオビワン)が強すぎるせいか熱演してるものの、彼が悪役というのがどうも最後までしっくり来ないまま終わってしまった感がある。またブラックマスクは常に黒い仮面付けてるのがトレードマークなのだが演じてるのがユアン・マクレガーという大スターなので当然ブラックマスクなど被らず、最後に数十秒だけ被るだけだった。ユアン・マクレガーの顔をずっと出しておきたい気持ちはよくわかるが、だったらマスクじゃないヴィランをチョイスすれば良かったのに……と思った。顔出しっぱなしのギャングのボス……だからカーマイン・ファルコーネとかでもいいじゃん。……と思ったがファルコーネは『ザ・バットマン (2021)』に出るからダメか。ザーズ役の俳優さんはよく知らない人だったけどただただ悪いだけという単純悪の演技が良かったね。
ハーレイに保護されたカサンドラはハーレイに安らぎを感じるが、ブラックマスクに家を爆破されたハーレイはカサンドラをブラックマスクに売り渡そうとする。そこへ後のバーズ・オブ・プレイとなる3人が介入して闘ってるうちにハーレイも反省したのかカサンドラをBOPと共に守る。売られて殺される寸前だったのでハーレイに立腹してたカサンドラだが、しばらくしたら仲直りする。ハーレイに相当なついていたところを売られてハートブレイクしてたようだ。ハーレイとカサンドラが一緒に過ごしてたのは2人でスーパーで買い物した後、ハーレイの部屋でシリアルを食いながらアニメを一緒に観てただけなのだがカサンドラはまるでハーレイと長年暮らしてたみたいな雰囲気なので観てて違和感を覚えた。ここは、ちょっと時間取ってもう少し一定期間、一緒に過ごして友情とか家族愛みたいなものが芽生えた描写を入れてはどうだったんだろう。マジで数時間一緒に居ただけにしか見えない。むしろブラックキャナリーの方が多めにカサンドラと接してた、というかこのキャナリーとカサンドラの触れ合い、本来はハーレイの役割だろ。そして、いくらヒーローではないといえどハーレイが自分の保身のために渡せば惨殺されると知ってて子供をガチで売り渡そうとしたのも結構引っかかるよね、ハーレイを応援できないものがある。「敵に渡そうとしたが……やっぱこんな子供を見殺しにはできん!」と心変わりしたハーレイがザーズを殺せば良かったのだが、殺したのは乱入してきたハントレスで、ハーレイは流れで何となくカサンドラを守る事になったようにしか見えん。いくら狂ったダークヒーローだとしてもカサンドラを守るのはハーレイが全て自発的にやんなきゃダメでしょう。ここもまた、ザーズをブッ殺すのは本来ハーレイだったのにチームものにする事になってザーズを殺す役割がハントレスになったんだろ?そんな気がする。
というか本作のハーレイのキャラが薄いのをそうすればいいのか考えたが、BOPたちの「ブラックマスクに使われるブラックキャナリー」「常日頃からカサンドラを気にかけてたブラックキャナリー」「ブラックマスクに復讐したいハントレス」「女性差別されてるモントーヤ」などの役割を全部ハーレイにやらせときゃ良かったんじゃないか?そんでカサンドラを敵に渡そうとしたけど改心して殺してブラックマスク軍団と闘うのもハーレイだけで良かったんじゃないかな。最初はメタ的な理由でハーレイ単独映画が良かったんじゃないかと言ったけど、映画の内容的にも各キャラの人間ドラマが薄すぎて、これなら全部ハーレイ一人にやらせてやっと丁度良かったんじゃないだろうかと思った。ハーレイ以外のメンツは最後BOPを結成する。ヒットしてれば後でバーバラを加えてBOPだけの映画を作ろうと思ってたんだろうけど彼女たちはもうこれで出番終わりな気がするな。

 

 

 

そんな感じで、可もなく不可もなくって感じの内容なのだが全編に渡ってアクションが意外と多い。そして本編では凄くパッとしない感じの人間ドラマやギャグなのだがアクションになると急にキレキレになる。アクションになると途端にキャラの位置関係も明快で誰がどこからどこに向かって何をしてるのかも明快になる。たとえばハーレイが大男の羽交い締めを振り払う時も「ハーレイが、自分の身体と羽交い締めにしてる大男の腕の間に棒を差し込んで捻って腕を払う」など全てのアクションが雰囲気アクションじゃなくて理に適っている。警察署での戦闘中にハーレイが押収品のコカインを吸い込んでやる気満々になったり、最後の決闘でブラックマスクが引きの画面のままあっけなく爆殺される様も凄く冴えててカッコ良かった。中からカラフルな紙吹雪みたいなのが出てくるゴム弾を放つグレネードみたいなのも凄くハーレイ的で良かったね。
そんな感じで、本編はつまんないのにアクションシーンだけ冴えてるので「なるほど。この女性監督が得意なのは人間ドラマじゃなくてアクションなんだな」とか思って検索したら何と本作のアクションは後から追加で『ジョン・ウィック』シリーズのチャド・スタエルスキ監督がキャストをみっちり訓練して取り直したという。それで警察署の明確に目的や位置関係がわかりやすい戦闘を観て「何かに似てるなぁ」と思ったら『ジョン・ウィック』だったのね。
それなら、この監督の持ち味ってどれ?という気持ちになった。
「クソな男たちに虐げられてきた女性たちがリベンジする」という女性達の復讐が本作で新進気鋭の女性監督が器用された。だけどパッとしないなぁ……と思って観てたもののアクションだけは良いじゃん!と思ったが「調べたらアクション撮ったのだけ男でした」というこの結果は観てるこっちが何だか気まずくなるものがあった。
また本作は、タランティーノ映画や『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のように懐メロがガンガンかかりまくる。そして時制が意味なく前後したり、画面が一時停止してハーレイが描いたイタズラ描きみたいなエフェクト処理が画面に映ったりする。何かダメだったとワーナー自身が認めて黒歴史にした『スーサイド・スクワッド』の中からわざわざダメだった部分をもっかいやってるのが不安な気分にさせられた。ひょっとして俺がダサいと思ってるだけでこれはカッコいいと思われてるからまたやっとのかな、という種類の不安。全体的にタランティーノに憧れた若手監督がやりそうなノリでこれも若干きついものがある。ハントレスはガーディアンズで言うドラックスのようないじられキャラなのだがクロスボウ・キラーと呼ばれるたびに怒る天丼も微妙な感じがあった。全体的に本当はジョークが得意じゃない真面目な人が無理してジョークを言ってる雰囲気を感じた。こういったタランティーノっぽい時制を無意味に入れ替えたり不必要なエフェクトを入れたりして「イカれた映画」感を出す要素やジョークなどは監督によるものなのかワーナーによるものなのか、どっちなんだろう。『スーサイド・スクワッド』は「元々シリアスな映画だったのに、ワーナーに勝手にいじられてコメディにされた」とデヴィッド・エアー監督が最近言っており本作の監督が「その気持ちわかる」とコメントした。そんな本作の微妙な要素がスースクそっくりなので多分ワーナーがいじった部分なんだろうな、と思った。いや……良くないと言うなら具体的に何がいけなかったか書かなきゃ、と考えてみたんだけど、ハーレイ本人はさほどイカれた事をしてないのに時制を意味なく入れ替えたり画面に落書きとかしてイカれた感じを出そうとしてたのが醒めたのかもしれない、それでいて自分の保身のために子供を売ろうとしたりといった本当にしちゃいけない方面でイカれた事をしてたのもマイナスだったかも。
冴えてたカッコいいアクションはチャド氏によるもの、残りのごちゃごちゃした本編もワーナーに手を加えられてると監督がほのめかしている。では、この長編デビューの新人女性監督が自分の意志で撮った彼女の持ち味はどの部分なんだろう?ハーレイが「ジョーカーなんかと別れて女性同士でつるんで悪い男をぶっ倒す」というのは良い部分だが、これは原作からしてそうだから既定路線みたいなもんですよね。これは僕の穿った見方かもしれないが、このキャシー監督は「悪い男たちに復讐する女性ヒーロー達のフェミニズム映画。それを撮るのはこの新人女性監督!」という部分に丁度良かった器という可能性がある。いや、それは僕が斜めから悪いように見すぎか、言い過ぎだったかも。ごめんなさいね。まだ今は判断できないがキャシー監督の次回作とか何本か公開されれば明らかになるだろう。ひょっとしたら僕がこの映画で一番良いと思ったブラックマスクの死に様もこの監督のアイデアかもしれないしね。
何か気がついたら全体的に文句ばっかり書いてしまった気がしなくもないが、最後まで退屈しないくらいは面白かった。
この映画の感想、まとめると「ジョーカーに捨てられたハーレイが、孤児を守りながら失恋の痛手や男社会へのフラストレーションをぶつけて華麗なる開放を遂げる」っていう『グロリア』っぽい映画だった予定が、女性ヒーローチームものに急遽変わったせいで、本来ハーレイが一人でやるはずだった役割をバーズ・オブ・プレイの三人にも分け与えたせいで、ハーレイと孤児の繋がりが一瞬だけになり、孤児を見捨てた事を改心する機会を他人に譲り、男に酷い扱いされる描写もBOP3人と分け分けし……としてる間にハーレイのドラマがめっちゃ薄くなった感じでした。

 

 

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そんな感じでした

DCEU

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『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』(2021)/ザックとは思えんほど各メンバーの役割分担の振り方が渋くて良いしサイボーグが良キャラ✂️ - gock221B

 

 

 

※その他ハーレイが出てくるエンタメ作品の感想
「Batman: Arkham City - GOTY Edition (2012)」瘴気溢れる街全体と闘う統合失調症になった感覚になる傑作キャラゲー🦇 - gock221B
「レゴ®バットマン ザ・ムービー (2017)」確かにバットマン映画の中で一、二を争う傑作だった🦇 - gock221B
「スーサイド・スクワッド:ヘル・トゥ・ペイ (2018)」実写映画版の100分の1くらいの制作費だと思うが100倍面白かった 🔨 - gock221B
「ニンジャバットマン (2018)」ストーリーや論理的な積み上げ無しでキルラキル的過剰演出によって少年漫画的な根性パワーアップを延々と続ける‥というノリをバットマンに持ち込まないで欲しい🗾 - gock221B

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Birds of Prey: And the Fantabulous Emancipation of One Harley Quinn (2020) - IMDb

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