gock221B

映画やドラマの感想ブログ 😺🐱 殆どのページはネタバレ含んだ感想になってますので注意 😺 短い感想はFilmarksに https://filmarks.com/users/gock221b おしずかに‥〈Since.2015〉

「スウィート17モンスター (2016)」主演の魅力と、どの人物も一面的なステレオタイプじゃなく人間として描いてるのが良かったです👩

f:id:gock221B:20190219171506j:plain
原題:The Edge of Seventeen 監督&脚本:ケリー・フレモン・クレイグ
製作国:アメリカ 上映時間:104分

 

 

とても美しい女性の映画監督のデビュー作。
主演は、デビュー作「トゥルー・グリット(2010)」でいきなりアカデミー助演女優賞ノミネートされて、大ヒットして日本でもうすぐ公開される「バンブルビー (2019)」の主演でもある、あの如何にも大物になりそうな面構えの若手女優。
「友達がお兄ちゃんと付き合い始めて、いじける少女の映画‥って、あらすじめちゃくちゃ可愛いな!」と前から見たかった。ネトフリで配信始まったのでこいつはいいやと観ました。

 

 

Story
f:id:gock221B:20190219171508j:plain

イケメンで性格良いのでモテる兄ダリアン(ブレイク・ジェナー)とは対照的に、キスの経験すらない自分に自己嫌悪の日々を送る17歳の女子高生ネイディーン(ヘイリー・スタインフェルド)。
最大の理解者だった父を幼い頃に亡くして以来、たった一人の親友クリスタだけが心の支えだったのだが、ある日クリスタが、よりによって兄ダリアンと付き合い出したことを裏切りだと捉えてしまい絶望するが――

 

 

f:id:gock221B:20190219204556j:plain
主演ネイディーン役のヘイリー・スタインフェルドの魅力がすごい。
演技も上手いしクルクル変わる顔見てるだけで面白い。この子は5年後くらいにはエマ・ストーンみたいになってそう。あとこの役の服装がどれも凄く可愛い。
ネイディーンは、いつも味方してくれてた優しくて面白いパパが死んでしまった。そして唯一人の親友クリスタが自分の兄貴と付き合い始めて納得できず大喧嘩してしまう。
ネイディーンは、人気者でイケメン兄貴のことを「筋トレしてマッチョで‥ナルシストでキモい!」とか言ってるが、兄ダリアンは至って優しいナイスガイ。
親友クリスタは、お泊り会の夜に兄貴とベッドインしてそのまま真剣交際を始める。
兄貴もクリスタも至って空気の読める良い奴。
‥だがネイディーンはそんな2人が気に食わない!
クリスタに対して「私と兄貴どっち取るの?!兄貴と付き合うなら絶交!」
などとどうしようもない事を言ってしまったもんだから絶交されてしまうネイディーン。クリスタは勿論そんな事したくないがネイディーンが変わらない以上、クリスタにはどうしようもない状態。
父の死や思い通りにならなさのせい‥というより、思春期特有の面倒くささを持つネイディーンの本来持ったエモさでそうなってるだけのような気もする。
ネイディーンは終始、兄貴やクリスタ、女手一つで育ててくれてるママ、ウディ・ハレルソン演じる個人主義的な丁度いい優しさを持つ担任教師に当たり散らす!
ネイディーンは基本いい子だと思うが、周りの人と口喧嘩になった際「ママが乳首の毛を抜いてるのSNSに書いてやる!」「兄貴、頭でかくて意外とバランス悪いよ」「(クリスタは)いつか兄貴に棄てられるよ!」「先生はハゲだしダサいし年収も少ないから一生独身のまま!」などと、出来るだけ相手が傷つきそうな言葉を一生懸命ひねり出して言う様が「この子けっこう性格悪いな‥」と憎たらしくもあるが年齢を考えると可愛らしい範疇か‥と思わせる感じ。
Facebookのフォロバしてくれないイケメンに恋してるネイディーン。
そんなネイディーンは同じクラスの韓国人少年に恋されてるが、ネイディーンは彼を冴えないメン扱いして軽んじている。だが親友と喧嘩してイケメンも相手にしてくれないのでネイディーンは韓国ボーイを「何だか、おじいちゃんみたいで落ち着く」とか言って滑り止めみたいに扱う。
この韓国ボーイ、男扱いされてないしネイディーンは彼が自分の事を好きだとわかってて連れ回してるがボーイは文句も言わない。手作りアニメを創ってるクリエイティブな面もあるし、かなり魅力的な人物。
ちなみにネイディーンもだが、韓国ボーイの家はリモコンで音楽が流れるプールが設置してある豪邸で「観てる俺とは豊かさが違いすぎる‥」と一瞬心が離れそうになったが「そんな経済的理由で引くのは共感能力が低すぎるし、あまりにアホみたい」と思い直して再度、おれの魂はネイディーンや韓国ボーイに寄り添う事に成功。
周りの人は誰一人悪くなくて良い人ばかり、むしろ主人公のネイディーンの方が反省する点が多いので擁護する感じじゃなく「ネイディーンどんまい‥」という気持ちで見守ることになる。
ネイディーンはムシャクシャしてエロいメールを片思いしているイケメンに誤送信してしまう。
イケメンは早速ドライブに誘ってくるので喜んで行くネイディーン。
当然イケメンは車を駐めてカーセックスしようとするのだが、イケメンが真剣交際してくれると思ったネイディーンは拒否して走り去る。
苛立つイケメンが「これじゃ俺が悪者みたいじゃねーか」と言うのも凄く良かった。
よくある映画だと、このイケメンはデートレイプしようとする悪いイケメンとして描かれがちだが、彼はただエロメールが来たからその通りしようとしただけ。
出番の少ないヤリチン系イケメンでさえ、一面的ではなく人間として描こうとしてるのがいいですね。
ストーリー自体は、まるで道徳の時間に見るNHK教育ドラマみたいなささやかなもので、普通だったら飽きそうだけど、これがめちゃくちゃ面白い。
面白いポイントを具体的に説明するのは難しいんだけど、単純に上手い監督が明確なビジョンを持って撮ってる感じが面白いのかも?登場人物が皆、ステレオタイプな台詞は吐かないので登場人物たちが生きてるって感じする。あとやっぱ周りは良い人で悪いのは主人公ネイディーンだけ、というのがよくある青春コメディと一風違ってて面白いのかも。

 

f:id:gock221B:20190219233515j:plain
皆は良い人なのに、自分で自分を四面楚歌に追い込んでしまったネイディーンは昼休みに喋る相手がいなくなり、仕方なくウディ・ハレルソン演じる担任教師と喋りに行く。
相変わらず「周りが悪い」とまくしたてるネイディーンのしょうもない話を黙って聞いてた担任が「確かに君は‥」と口を開き、
何言うんだろ?ここは大人らしく何か気の利いたアドバイスするのかなと思うと
「‥皆に嫌われてるかも。」
と言い、ネイディーンはポカーンとした後
「た、担任が傷ついた女生徒にそんな事言う?!最低っ!」
とブチギレる場面がめちゃくちゃ面白かった。
人生の思い通りならなさを周囲に当たり散らすネイディーンは子供で要は甘えてるんだけど担任教師は、そんな甘えてくるネイディーンに対して毎回いたって平熱で接する様が凄く可笑しい。そして同時に、子供だから優しくするわけじゃなくクールにあしらうというのは、むしろネイディーンを人間扱いしてるからこそ、そうしてるんだなと思えて凄く良かった。
そんな感じで序盤~中盤~は凄く面白いのだが最後は、なにしろネイディーンだけが悪いのでネイディーンが心を開いて周囲に「正直スマンかった」と謝罪して仲直りする展開しかない。
愛すべきキャラクター達なので「良かった、仲直りして終わって」とは思うものの、ハッキリ言ってフィクションとしてはあまり面白くない。「だったらどういう終盤なら良かった?」と訊かれても他に思いつかないけど‥。よくあるラブコメなら「イケメンが極悪なキャラでイケメン仲間に襲われそうなところを兄貴やクリスタと韓国ボーイが助けに来て面白おかしい乱闘の末に何とか助かって、その後2人に謝罪するエンディング‥というのはよくある。だけどさっき「悪役にされがちなヤリチンボーイでさえも一人の人間として扱ったのが良い」と褒めたところなので、そんなハリウッド的なベルコンベアー式の結末じゃ褒めた部分と矛盾するな。やっぱりこの無難な着地で良かったのかな‥。考えても何も思いつかないから、まぁいいや。終わりにしよう。
同じ「周囲から浮いてるこじれた女子の青春コメディ」としては終盤あまりに引っかかりがない分だけ、僕が凄い好きなノルウェー青春映画「15歳、アルマの恋愛妄想 (2011)」には及ばなかったが、充分面白かった。特に中盤くらいまではもう一度すぐ観たいくらい楽しかったよ。

 

 

そんな感じでした
www.imdb.com

www.youtube.com

f:id:gock221B:20190220001152g:plain

『バトルフロント』 (2013)/スタローン制作&脚本でステイサム主演の、荒らしを論破してプライドを傷つけたら被害が増えるという話😼

f:id:gock221B:20190211135350j:plain
原題:Homefront 脚本&制作:シルヴェスター・スタローン 監督:ゲイリー・フレダー
原作:チャック・ローガン 
製作国:アメリカ 上映時間:100分

 

 

 

😼なんか先週「そういえば『MEG ザ・モンスター』て変な映画だったけどステイサムよかったなぁ」と思いたちステイサムブームが自分の中に来て色々観てる。
ステイサム自体は昔から知ってるし観てるものもあったのに一体何故だろう?と考えたが、きっと今アクションとかSFなどのエンタメ映画の主流がアメコミ映画になり「スターじゃなくキャラの時代」で、アメコミじゃなくても映画監督自体がマニアックな人が増えて「オタクの方が多い時代」って感じで、でも自分もオタクだしアメコミ映画は元々好きなので問題ないんだけど、そればっかだと何だか不安になってきたのでオタ要素の少ないステイサムに目が行ったのかも知れない。というかステイサムは元々、俳優を目指してすらいないもんね。
😼俳優として魅力的なスタローンだが彼の監督とか脚本っぷりも凄いですよね。
本作ではエクスペンダブルズでは弟分であるステイサム主演作の手掛けたもの、だと今知ったので期待して観た。ジェームズ・フランコウィノナ・ライダー等、第一線から落ちてきた元大スターたちをささっと起用している点も注目。
まぁまぁネタバレあり

 

 

Story
f:id:gock221B:20190212132859j:plain
元麻薬潜入捜査官フィルジェイソン・ステイサム)は、ある事件をきっかけに現役を引退し、一人娘マディと2人で、亡き妻の田舎で静かな生活を送り始めた。
そんな矢先、マディが学校でいじめっ子とケンカしてしまう。そのいじめっ子は町を裏で牛耳る麻薬密売人ゲイタージェームズ・フランコ)の甥だった――

 

 

 

f:id:gock221B:20190212133725j:plain
ステイサム演じる元麻薬捜査官の娘が、学校でウザ絡みしてきた大柄のガキをボコボコにしたことがきっかけとなって話が始まる。
学校に呼ばれたステイサムといじめっ子大柄の両親。大柄の父親はホワイトトラッシュ(貧乏白人)っぽい清掃業の男とその妻。夫が頭上がらない気の強い妻はジャンキー。
ジャンキー母はステイサムの娘を部熟し、更に妻にけしかけられた夫は渋々ステイサムに殴りかかるが、当然ステイサムに一撃で倒されてしまう。これがいけなかった。
横で見てきた警察官も言う「お前さんが強いのも、あのバカ夫婦が悪いのは誰が見てもわかる。だが子供が見てる前で父親を完全敗北させちゃいかんよ」
この序盤で出た警官の台詞、割とこれがこの映画の重要メッセージかもしれん。
気が済まないのはジャンキー母親、夫は当てにならないので兄に電話してステイサムを懲らしめてくれと頼む。
ジャンキー母親の兄はジェームズ・フランコが演じてる‥彼は覚醒剤を精製して売りさばき町を牛耳っていた。
町一番の不良がそのまま年取った感じの小悪党。
わざわざ好き好んで引っ越してくる者などいないような田舎町なので、何の仕事してるかわからないが小金を持ってるステイサムは目立っていた。しかも新入りの父子揃って町の父子をボコってしまった。ずっと住む予定なのに、変な噂立てられ、この町で余計に孤立してはいけない。
悪いのはいじめっ子父子の方だが、ステイサムは自分から折れて状況をさっさと解決しようとする。いじめっ子の両親といじめっ子に謝罪する。いじめっ子親子は「お、おう‥。それならまぁ‥」という感じ。いじめっ子大柄も娘の誕生日パーティに呼んで仲直りする。まぁ最初から深刻ないじめではなく「帽子を取った取られた」みたいな可愛いものだったからね。ついでにステイサムも娘の美人担任教師と良い感じになる(この美人の担任はチラシ等にも印刷されてるしヒロインだったのかもしれないが上映時間節約のためか、これ以降まともに出てこない)
ここまで見て「もし自分がステイサムだったら‥」と考えたが、娘が大柄をボコった時点で仕返しは済んでるのだから呼び出された時に大柄の両親に、まず最初に自分の方から「いやぁ、じゃじゃ馬の娘がすみませんでした~」という感じで自分の方から謝罪してホワイトトラッシュ家族のプライドを満足させて、帰宅後に娘に「よくやったぞ」と褒める‥そんな感じでいいかな(こっちが謝ったことにホワイトトラッシュ一家が乗っかってきたり何か要求してきたら、それは子供同士の件とは別の話なのでそっちはそっちで撥ね付ければいい)
とにかく自分よりも相手に落ち度がある場合って相手の逃げ場はないので、むしろそういう時に逃げ場を作ってやった方が、息継ぎしたい相手はそこにハマってくれるはずだ。言ってる意味わかる?

 

 

f:id:gock221B:20190212140722j:plain
そんな感じで、いじめっ子一家の方はあっさり解決してしまったのだが、最初にジェームズ・フランコに話が行ってるので事態は収拾しない。
ステイサムはフランコの息がかかったチンピラから嫌がらせを受ける。
ガソリン入れてたら、囲まれて「もうガソリン入れなくてもいいよな?」とガソリン注入を止めさせられる、とかそういうセコいやつ。
だが、まぁステイサムなのでガソリン注入を再開し「‥誰がガソリンいれていいつったぁぁ!」と殴りかかってきたチンピラ達を瞬殺。
またステイサム父娘が留守中に、ジェームズ・フランコが忍び込みステイサムが元麻薬捜査官である事などを知る。
そして、たまたま、ステイサムが射殺した犯罪者の父親である大物ギャングが、ジェームズ・フランコの知り合いだったので、そいつに息子の仇であるステイサムの情報を売ることによって違法薬物売買としての地位を上げるチャンスだと野心を燃やす。
その際、ステイサムへの嫌がらせとして娘のぬいぐるみを移動させたり、飼ってる黒猫を誘拐したりする。
ちょうど僕も黒猫飼ってるので、この嫌がらせがめっちゃ嫌。
自分と娘の身の危険も感じるし、猫が見つかるまで気が気じゃないし精神ダメージがでかい。
ステイサムは町のダイナーでジェームズ・フランコに会い「おい、いいかげんにしろよ」と忠告しに行くがフランコは知らんぷり。交渉決裂だ。

 

f:id:gock221B:20190212142155j:plain
その後、ガソスタでのチンピラに不意打ち喰らって拘束→ボコられるものの、ステイサムなので拘束された状態で全員瞬殺した。
ステイサムは作品によって強さの表現に幅があるが本作のステイサムは比較的、多少強すぎるものの、鍛えた人間なら実現可能な程度の強さ。具体的に言うとこの「拘束された状態でチンピラ複数人を瞬殺」というのがそれだ。
黒猫は無事だった。というか餌も与えられてた(ジェームズ・フランコもネコチャン好きだったのかな?)
ジェームズ・フランコは、さっき言った大物ギャングに紹介された中ボス的なギャングに自分の女を差し出してまで殺しを依頼する。
ちなみに、このジェームズ・フランコの女というのがウィノナ・ライダーだったんだけど、あまりにもショボくて惨めな役だったので、観てる間ウィノナ・ライダーだと気づかなかった。今知ったわ。
小品のステイサム映画って印象だが結構、有名な人達が出てるよね。
スタローン制作のおかげか?
ジェームズ・フランコが頼んだこのギャングはキャップの敵としてウィンターソルジャーとかシビル・ウォーに出てたクロスボーンズ/ラムロウ役の人。
クロスボーンズは頼んでもないのに殺し屋を更に5、6人余計に連れてくる。
「やるしかないな‥」と武器を取り出すステイサム。
ジェームズ・フランコが苦労して集めたクロスボーンズ達だったが、怒ったステイサムには叶わず全員2、3分で皆殺しにされる。後はまぁ色々あって解決。

 

 

f:id:gock221B:20190212145338j:plain
それにしても「ランボー」一作目とかでもそうだがスタローンは、田舎のホワイトトラッシュの小悪党ぶりとか嫌~な絡み方、嫌がらせとか書くの上手いよね。スタローンも若い時にそんな揉め事が多かったのかな?
とにかく相手をやりこめてしまえば恨みや仕返しや町の孤立を呼んでしまう。
かといってこちらが折れても「紳士ぶりやがって!オラたちをバカにしてんのけ?!」
それが田舎。そんな田舎の嫌な感じがタイトにまとまって出てたわ。
別にリアル対人の処世術ってだけでなくネットやSNSの対応でも同様。
昨年、真正面から論破したり叩き潰すのを何年も続けてた著名人が相次いで殺傷事件にあったりアカ凍結されて顧客を失ったりするのを見て、
「やっぱり実害が出てないのに、論破や訴訟で相手を直接叩いてプライドを傷つけても良いことないな」という結論に達した。「論破すればSNSを見てるそいつが即死する」とかいうのならまだしも、プライドを潰された相手はその後も生き続けるんだからね、恨みを持って。やはり、なあなあな感じで流したり気持ちよくしてお帰ししたりして、それでも何か調子くれてきて実害が出たら、やっと実力行使に出るくらいでいいんじゃないか?さっきも言ったが相手が悪い時ほど逃げ場=落としどころを作ってやれば相手はその穴に逃げ込むはずだ(食堂の厨房の灯りを付けたら物陰に隠れるゴキ○リのように‥)
論破して自分が溜飲を下げても、それは一時のことだし「やっぱ○○さんはすげーや!」などと自分のファンや身内に褒められたところで一文にもならない。
本作のステイサム見て更に、その自論が確信に変わった。
本作の作風は90年代までイーストウッドがよく撮ってたようなB級映画っぽいというか、ランズデール的なアメリカの田舎での嫌な軽犯罪ものみたいな感触があった(‥というか本作もそういうアメリカ犯罪小説が原作だっけ)
観てると「どん百姓どもがステイサムと娘に嫌がらせしやがって!」「ネコチャンがさらわれた!ネコチャン無事か?!」みたいな、心配を煽られて続きを観ずにはいられない系の求心力で一気に観させられた。スティーヴン・キングの小説を読んでる時も似たような感じで手が止まらなくなるね。本作もそんな感じよ。

 

そんな感じでした

《ステイサム主演映画》
「MEG ザ・モンスター (2018)」異能生存体ジェイソン・ステイサムが巨大鮫と対決!良くも悪くも18年前の作品みたいな映画🦈🦈 - gock221B

「ワイルド・スピード SKY MISSION (2015)」「ワイルド・スピード ICE BREAK (2017)」ステイサム目当てで初めて観たけど普通に面白かった🚗 - gock221B

「ハミングバード (2012)」イースタン・プロミス脚本家によるアクションよりドラマ中心のステイサム映画➕ - gock221B

😼😼😼😼😼😼😼😼😼😼😼😼😼😼😼😼😼😼😼😼😼😼😼😼😼😼

www.imdb.com

www.youtube.com

f:id:gock221B:20190212145300g:plain

『ハミングバード』(2012)/「イースタン・プロミス」の脚本家による、アクションよりも人間ドラマ中心のステイサム映画➕

f:id:gock221B:20190211134507j:plain
原題:Hummingbird 監督&脚本:スティーヴン・ナイト
製作国:イギリス 上映時間:100分

 

 

MEG、ワイスピと観て唐突にステイサムにハマったので加入しているHuluとネトフリを検索したら死ぬほどステイサム映画あった。忙しくなるぞ。
これは「イースタン・プロミス」の脚本家の監督デビュー作。ネトフリで観た。
今回は内容全部書いてしまう系の完全ネタバレスタイルで

 


Story
アフガニスタンの戦場で5人の仲間を殺され、報復のために敵を5人殺した特殊部隊兵士ジョゼフ・スミスジェイソン・ステイサム)。逃亡した彼は無人偵察機ハミングバード〉に監視されていた。
彼はロンドンでホームレスをしていたが、唯一心を通わせた少女イザベラがギャングにさらわれてしまう。
彼はシスタークリスティナと触れ合いつつ、裏社会でのし上がっていくと共にイザベラの行方を捜すが――

あらすじは上の通りなんだが、冒頭で落ち武者ヘアのホームレスのおっさんが少女をかばってギャングにボコられている。男は、ほうほうの体で逃げて留守にしている豪邸に入り込む。豪邸の主はしばらく留守にしてるようで男はしばらく住むことにした。都合がいいことにキャッシュカードとかもあって金使い放題だ(そのへんの都合は大人のおとぎ話って事でひとつ)。男がシャワーを浴びて髪をそって‥あぁこのホームレス、ステイサムだったのか。ネトフリで再生して、ながら観してたから気づかなかった。
ステイサム演じるこのジョゼフは、仲良かったホームレス少女がギャングにさらわれた事を知り、自らもギャングになって成り上がりつつイザベラを探す。
男の正体は、元々特殊部隊だったステイサムなので髪切ってハゲになりさえすれば無敵だ。ステータス0だったがゲーム開始と同時にレベルアップする様子が何だかGTAみたいだな(GTA4主人公はステイサムがモデルだしな‥というかGTA4がもし映画化された時にステイサムじゃなかったら怒るぞ。そういえばロックスターは映画大好きな癖にGTAとかレッドデッドとか頑なに映画化しないよな。200%オファーは来てるはずなので断ってるって事だろう。なぜ‥何か計画があるに違いない。。)
‥と脳内たれながしな感じで思考がそのままあふれた様子を書き留めてしまった。話を戻して主人公ジョゼフは、炊き出しをして食べ物を恵んでくれて下町の貧しい者達から〈天使〉と呼ばれているシスターに淡い愛情を抱いている。ジョゼフは成り上がりつつ、シスターと共にイザベラの行方を探す。
ジョゼフには妻と娘がおりバッタリ出くわしたりする。妻は成り上がってばっちりスーツを着込んだステイサムに「あんたが消えてから金がなくて私は家賃払うために大家にフェラしてんのよ!このハゲ!」と罵倒してくる。きっつ‥、こんな哀しい台詞書くなよ‥と気が滅入ってくる。まぁとにかくロンドンの貧困層の魂を出来るだけスクリーンに焼き付けようとしてるんだな。
とにかく今のジョゼフは〈シスターへの愛情〉〈妻子の貧困問題〉〈イザベラの行方〉のために生きている。全部、女のことだな。
ジョゼフのギャングパートは、なにしろステイサムなので無双状態でどんどんステップアップしていく。ホームレスから一気に小金持ちになる。
ジョゼフは食事を恵んでくれたクリスティナに、ギャングで稼いだ大金を渡す。
クリスティナはその金を協会に寄付するが、少し取ってバレエのチケットを買う。
時折、シスターのクリスティナと会って話したり、デートする場面がある。
普段は真面目なクリスティナだが酔っ払ってジョゼフにキスする。クリスティナもまたジョゼフを少なからず思っていたのだ。
だがクリスティナは修道女であるにも関わらずジョゼフに心が揺れ動く自分を律したかったのかアフリカでのボランティアに身を投じる事にした。
2人が一緒にいれる時間は僅かだ。
クリスティナがジョゼフに語った過去「クリスティナは子供の頃、バレリーナになりたかったが父に体操を習わされた。体操のコーチは少女の私に17回レイプしたので喉を斬り裂いて殺した」と語る。クリスティナがシスターになった理由だ。
戦争で虐殺行為してしまったジョゼフと自分をレイプして相手を殺したクリフティナ、とっくに心が死んだ状態で生きていた2人が出会って惹かれ合いロンドンの片隅で身を寄せ合っている。
2人は一度結ばれた後、ジョゼフは「2人で遠くに行って暮らさないか?」と言うが、クリスティナは断る。
そんなロンドンの貧困層を食い物にするギャングや富裕層。
ジョゼフが探していたイザベラは彼らに娼婦にされて殺された事がわかる。
ジョゼフはクリスティナが誘ってくれた有名バレリーナの最後の公演、2人の最後のデートをすっぽかし、犯人が居る高級ホテルの屋上のパーティに真っすぐ行き衆人環視の中、犯人に「下にいる者の事を知れ」と言って持ち上げてそのまま投げ捨てて殺す。
あまりにもダイレクトな殺し方すぎて驚いた。
よいしょっ‥と両手で頭上に持ち上げ、そのまま「えいっ‥」と‥エキプロ(WWEのゲーム)のロイヤルランブルでロープ上からリング下に投げ下ろすムーブそっくりな動作で無造作に投げ捨てたのでインパクト強かった。
これが普通の大作とかだったら「落とすぞ」とビビらせ→何かカッコいいこと言って投げずに立ち去ろうとして→男が撃ってくるのを返り討ち!という流れで終わるパターンが多いが、こんなに単純に投げ捨てるのは滅多にないのでハッ!とさせられた。
その直後、ベロベロに酔っ払ったジョゼフはバレエを観た後のクリスティナに会いお別れを言う。
持ってた大金は全て貧しい妻子と教会への寄付に回し、自分がいたギャングの組織の人身売買について警察に通報した。
やる事を全て終えたジョゼフは元のホームレスに戻るという。僅かな間、また人間みたいに一緒に過ごせた事を手紙の中でクリスティナに告げる。。
だが、アフガニスタンの件以来逃亡していたジョゼフを探していた無人偵察機ハミングバードが彼を発見して終わる。
まぁ逮捕されるか射殺されるかはわからないが、映画のラストとこれが重なってるって事は、映画のラストと同時にジョゼフは死んだも同然だ。実質的に。
というか映画開始時にはジョゼフは本当は死んでいて本編の短い期間、再び生き返ってクリスティナと愛の交換、ホームレス少女の復讐、妻子や教会への援助‥など有意義な事をして、再びもう蘇ることのない本当の死を迎えて終わった感じか。

 

 

ステイサム映画だけにアクション中心の爽快な映画かと思って観たら、こんな悲しい話で、意表を突かれて凄く心に来るものがあった。
90年代位までにイーストウッドとか東映ヤクザ映画でやってそうな話っぽい。
ジョゼフとクリスティナが傷ついた身を寄せ合う感じ。そして何よりも「ジョゼフを無人偵察機ハミングバードが捜索し続けている」というタイトルや設定がいい。
要するにハミングバードというのは死神のメタファーで、ジョゼフがホームレスとして死んだように生きてた時は発見しなかったが、彼が蘇って善行をした事で目立ってしまいハミングバードに発見されてしまう、というのが何とも良い感じだ。
ステイサム主演だからこそ本作を観たわけだが「ステイサム=強すぎる異能生存体」というイメージが強すぎるせいでストーリーと若干合ってない感じがした。これはもっと強いイメージがない普通の俳優がやった方が効果的な話だったかもしれない。
だけど、それなら俺はこれ観てなかったので、やはりステイサムで良かったのか。
とてもじゃないけどハリウッドで大ヒットするような映画じゃないけど、もう少しだけブラッシュアップしてフックがあれば「イースタン・プロミス」くらいにはなれた気がする。‥何か、ただ映画見てるだけでこんな偉そうな事言うのは気が引けてきた。
だけど凄くいい話だったので「これが小品じゃなくもっと金かけた大作で大ヒットしてもっと大勢が観てたら良かったのに!」という不思議な気持ち湧いて俺にそう思わせた。
これ観た直後なんか悲しくなってきて、すぐ明るそうなステイサム映画観た

 


そんな感じでした

《ステイサム主演映画》
「MEG ザ・モンスター (2018)」異能生存体ジェイソン・ステイサムが巨大鮫と対決!良くも悪くも18年前の作品みたいな映画🦈🦈 - gock221B

「ワイルド・スピード SKY MISSION (2015)」「ワイルド・スピード ICE BREAK (2017)」ステイサム目当てで初めて観たけど普通に面白かった🚗 - gock221B

「バトルフロント (2013)」スタローン制作&脚本でステイサム主演の、底辺の荒らしを直接論破してプライドを傷つけたら被害が増えるという話😼 - gock221B
👨🏼‍🦲👨🏼‍🦲👨🏼‍🦲👨🏼‍🦲👨🏼‍🦲👨🏼‍🦲👨🏼‍🦲👨🏼‍🦲👨🏼‍🦲👨🏼‍🦲👨🏼‍🦲👨🏼‍🦲👨🏼‍🦲👨🏼‍🦲👨🏼‍🦲👨🏼‍🦲👨🏼‍🦲👨🏼‍🦲👨🏼‍🦲👨🏼‍🦲👨🏼‍🦲👨🏼‍🦲👨🏼‍🦲👨🏼‍🦲👨🏼‍🦲👨🏼‍🦲👨🏼‍🦲👨🏼‍🦲

Hummingbird (2013) - IMDb

www.youtube.com

f:id:gock221B:20190211162010g:plain

『ワイルド・スピード SKY MISSION』(2015)、『ワイルド・スピード ICE BREAK』(2017)/ステイサム目当てで初めて観たけど面白かった🚗

f:id:gock221B:20190208053717j:plain
走り屋要素、ヴィン・ディーゼル、絆を押し出したファミリー要素、‥どれもあまり趣味じゃないので観てなかったが、
7作目が記録的ヒットしたのと監督がジェームズ・ワン、8作目が「ストレイト・アウタ・コンプトン」の人。そして新キャラのジェイソン・ステイサムシャーリーズ・セロンドウェイン・ジョンソンなどにも興味はあった。
あと今年、ジェイソン・ステイサムドウェイン・ジョンソンによるスピンオフが公開されるのが観たいからステイサムが登場しだした7、8作目だけ観ることにした。
シリーズやキャラの特色などの基礎情報は好きな人から聞いて何となく知ってる程度。
クルマへの興味ゼロなので車種とかは全然わからん。

 

 

🚗🚕🚓🚙🚗🚕🚓🚙🚗🚕🚓🚙🚗🚕🚓🚙🚗🚕🚓🚙🚗🚕🚓🚙🚗🚕🚓
🚕🚓🚙🚗🚕🚓🚙🚗🚕🚓🚙🚗🚕🚓🚙🚗🚕🚓🚙🚗🚕🚓🚙🚗🚕🚓🚙

 

 

ワイルド・スピード SKY MISSION (2015)」
f:id:gock221B:20190208050132j:plain
原題:Furious 7 制作&主演:ヴィン・ディーゼル 監督:ジェームズ・ワン
製作国:アメリカ 上映時間:138分 シリーズ:ワイルド・スピード(Fast & Furious)」シリーズ

 

 

これはBlu-ray出た時、ジェイソン・ステイサムジェームズ・ワン目当てで観ようとしたが、 冒頭、全く知らないメインキャラ達の近況報告みたいなシーンが20分くらい続くので、知らないグループの二次会三次会にシラフで急に参加したような気分になったのでギブして中断していた。今回はギブせず観るぞ

 

 

Story
オーウェン率いる国際犯罪組織を壊滅させたドムヴィン・ディーゼル)とファミリーたち。
オーウェンの仇討ちに燃えるイギリス最強の暗殺者デッカード・ショウジェイソン・ステイサム)は手始めにホブス捜査官ドウェイン・ジョンソン)を強襲してきた――

さっき言った問題の知らん人らの近況報告シーンは何とか乗り越えた。
その結果、「ステイサム演じるデッカード・ショウが殴り込みに来るので主人公達ファミリーが迎え討つ」「主人公ドムの恋人レティが記憶喪失になってる」「主人公の親友ブライアンに第二子が出来たから最後の闘いにしようとしてる」‥などの事情がわかった。
近況報告パートが終わって、ホブス(ザ・ロック)がデッカードに強襲されて以降は無茶苦茶なアクションに次ぐアクションで一気に進むが、やっぱり文句なく面白かった。
「主人公たちを仕切るのはカート・ラッセル演じるミスター・ノーバディという政府の男」「天才ハッカー女子ラムジーが作ったゴッドアイというシステム奪い合い」という要素も加わって後はずっとクルマをブッ飛ばしたりブン殴りあったりといった卓越したアクションの連続。クルマ映画なのでカーアクションが多い。キャラやクルマには全く興味ないが単純に、めちゃくちゃ面白いので無理矢理手を引っ張られて引き込まれた感じ。
邦題にもなってるが、上空からクルマごと落下したり高層ビルの窓から高層ビルの窓へ2回ジャンプしたりラスボスが乗ったヘリに、クルマでジャンプしてトドメ刺したりとクルマでの空中戦が多かった。
「こんな俳優知らんし、このキャラ居るの?」と最初は思ってたオモシロ担当の黒人だが、激しすぎるアクションの合間に彼がギャグを言うことで良いリズムが生まれてて「最初は舐めてたが作品に必要なキャラだな」と思った。
ヴィン・ディーゼルの意向らしく、作品全体からファミリー(仲間)や家族を大事にするマイルドヤンキー感が物凄い。もう出なくなった過去のキャラや展開をストーリーに組み込んだり敵とトコトンやり合ったら次作でファミリー入りしたり、家族を大事にする様子が他の映画より明らかに多い。
ラスト、本作が完成する前に事故死したブライアン役のポール・ウォーカーを、CGや代役など駆使して、これでもかというくらい追悼するシーンがある。
今までのブライアンのメモリアル映像がぶわーっと流れて笑顔ポールが違う道へ別れて走り去っていく‥という場面、制作陣のポールへの愛情が溢れすぎてて、そして浮世離れしてフワフワとした「あの世」感も相まって、このシーンの事は前からよく評判聞いてたがマジで凄かった。
正直このシリーズ初めて観たから過去のポールの活躍1秒も見てないしポール・ウォーカーなんていう俳優のことも初めて観たにも関わらず、それでもシーンの凄さと「俺達のポールを追悼するぜ!」という熱気にやられてウルッと来ました。僕は映画好きだけど感動して泣いたりとかって滅多にないので凄いな!と思いました。
そういえばブライアンのカミさんは「パラサイト」の主人公の女性で懐かしかった。
先週と今週ジェームズ・ワンの映画を観たが、ちょっとどの映画も要素やアクションやらてんこ盛りすぎ。まとまってるので別に悪いわけじゃないけど詰め込まれすぎで、しかも上映時間がどれも長いので観終わると「面白かったけど何か疲れたな‥」という感じになりがち。本作も目が離せないくらい面白かったけど観終わったら疲れた。
書くの忘れてたが目当てだったステイサムは良かった‥が、やっぱりステイサムは善玉の印象が強すぎるのでやっぱり敵じゃない方がいいかな。トニー・ジャーも良かった

 

「死霊館 (2013)」Jホラーっぽい前半とアメリカ映画っぽい後半の組み合わせが良すぎる👻 - gock221B
「インシディアス (2010)」「インシディアス 第2章 (2013)」2本続けて観た方が面白い。時空の流れに逆らって悪霊退治👻 - gock221B
「死霊館 エンフィールド事件(2016)」ジェームズ・ワン/横綱相撲みたいな洗練されきった貫禄!本当に大好き👻 - gock221B
『マリグナント 狂暴な悪夢』(2021)/豪腕ワン監督が古いイタリアやフランスの珍妙サスペンスホラーを予算かけて作った感じの愉快な作品🧠 - gock221B

🚗🚕🚓🚙🚗🚕🚓🚙🚗🚕🚓🚙🚗🚕🚓🚙🚗🚕🚓🚙🚗🚕🚓🚙🚗🚕🚓

 

 

ワイルド・スピード ICE BREAK (2017)」
f:id:gock221B:20190208050140j:plain
原題:The Fate of the Furious 制作&主演:ヴィン・ディーゼル 監督:F・ゲイリー・グレイ
製作国:アメリカ 上映時間:138分 シリーズ:「ワイルド・スピード(Fast & Furious)」シリーズ

 

 

監督は「ストレイト・アウタ・コンプトン」の監督にチェンジ。
前作で敵だったステイサムと、ミスター・ノーバディの部下スコット・イーストウッドがファミリー入りする(前作出たハッカー美女ラムジーは当然ファミリー入りしてる)。絶対的な敵だったはずのステイサムはピッコロやベジータのようにファミリー入りしてしまうので、新たな敵としてシャーリーズ・セロンが登場。

 

 

Story
束の間の平穏を味わうドムヴィン・ディーゼル)を始めとするファミリーたち。
ところが誰よりもファミリーを大切にしてきたドムのまさかの裏切りでホブスドウェイン・ジョンソン)が投獄される。
ドミニクの背後には謎の女ハッカーサイファシャーリーズ・セロン)の存在が。
事態の収拾がなかなか叶わないレティミシェル・ロドリゲス)たちファミリーは、最後の手段として宿敵デッカード・ショウジェイソン・ステイサム)に協力を要請するが――

シャーリーズ・セロン演じるサイファーに脅迫された主人公ドムが敵になってしまい、新しくイーストウッドの陽気な息子とデッカードを仲間に加えたファミリーが、サイファーとドムの野望を止める、勿論クルマで‥という話。
ステイサム演じるデッカードはファミリーの一人ハンを殺した奴らしいが、あっさり仲間になってしまう。まぁ僕は最初に言ったように、このシリーズは「チェックしとくか」程度の感じで観てるので「仲間を殺したデッカードが味方になるだと?!」ではなく「デッカード役のステイサムが味方になったぞ~」程度にしか思ってないので一向にOK(そもそもステイサムが殺人する場面観てないしね)
それでも前作のステイサムは凶悪なナイフのような男として描かれてたのだが、本作ではザ・ロックと罵り合ってるうちに彼の面白いdisりに対して「へへへ‥」と笑ってしまいザ・ロックもニカッと輝く笑顔になって、前作では殺し合ってたのに笑いあう2人‥。更に後半ではママに頭が上がらなかったり赤ちゃんをあやしながら愉快なアクションしたりして、こうなるともう完全に200%ベビーフェイス(善玉)。
元々、善玉イメージの強いステイサムが無理して悪ぶってたんだねぇ感が漂う。
それでもラスト、ファミリーの打ち上げには参加しないだろうと思ってたら、ちゃっかりパーティの席にニッコニコで座ってて笑った。
もう一人期待してたシャーリーズ・セロン演ずる悪役だが。演技とかルックスは相変わらず素晴らしいんだけど、キャラが「クールで冷酷な女ボス」のステレオタイプって感じで面白くないキャラだった。というかシャーリーズ・セロンもまた前作のステイサム同様ベビーフェイスのイメージ強いから「性格の良い美人のセロンさんが無理して悪役してるな~」感が強かった。
サイファーのハッキング技術は、前作のゴッドアイを遥かに凌ぐもので、大通りのクルマ全てを動かして「ワールド・ウォーZ」のゾンビ津波みたいにしたり立体駐車場から次々とクルマを落として攻撃したりと、もはや完全に魔法(もっともハリウッド映画に出てくるハッキング技術は大抵魔法だが)
サイファー vs.ラムジーのハッキング対決も、ハリウッド映画でよく見るカチャカチャっとキーボード叩いて
ラムジー「これでど~う?天才ハッカーさん!」
サイファー「ん?やるわね?」
みたいな牧歌的なものだった。ワイスピなんだから当然だよな。
「ここまでのハッキング技術があったら核爆弾盗んだり危険なことしないで普通に事業で億万長者になれるんじゃ?」とか「そもそもアメリカ政府は、なんで米軍やCIAじゃなくて数人の走り屋にこんな国家規模の任務をやらせてるんだ?」とか、そんな事を言い出すとキリがない‥キリがないっていうかそんな事言う人は単純に映画楽しむ才能ないか心にゆとりのない人ですよね?
このシリーズは「主人公ドムとファミリーが〈クルマで〉派手に活躍する」という要素だけが重要で、他の‥国とか兵器とか全ての物事は、ファミリーが活躍するための舞台装置にしか過ぎない。だから、そんなところにツッコむことは「何で映画って100時間じゃなくて2、3時間くらいで終わるの?」「何で映画ってカットが割ってあって、話が繋がって面白くなるようになってるの?」とか訊くようなものだ。ツッコんでも無駄。
クライマックスは氷の下を行く潜水艦とのチェイス。まあ普通に文句なく面白い。
初見の僕ですら感動させたポール・ウォーカー効果もあって「SKY MISSION」の方が人気らしいが、ジェームズ・ワン演出があまりにコッテリし過ぎて疲れたので、俺は単体の映画としてはこっちの方が好きかな。
観る前に思ってた通り「マイルドヤンキー的なファミリーの絆」「ヴィン・ディーゼル」「クルマ」などには相変わらず興味ないし、7、8作目だけ観たせいで知らない人のパーティの三次会に迷い込んでしまった気分は払拭されなかったが、でも普通に面白かったので、そんな一見さん状態のまま楽しみました。
というか最近、スーパーヒーローものを筆頭に、キッズでも観れるファミリー向けばかりだからか、このシリーズは明らかに大人をターゲットにした雰囲気なので、何だか懐かしいようなホッとしたような感じがした。
しかしよく考えると他のアクションは‥たとえばトム・クルーズとかってファミリー感どころか人間かどうかもわからんしアクションヒーローは孤独な奴の方が多いしで、こんなにファミリーの絆を出してるのはこのシリーズだけなので、僕はそこには興味ないがそういうのが好きな層が観るにはピッタリなシリーズかもしれん。

🚗だが、舞台裏での絆は壊れてしまったらしく、ヴィン・ディーゼル&古参メンバーと、ドウェイン・ジョンソン&ステイサムの新メンは金や人間関係のもつれで真っ二つに分裂したらしく、次回作は後者2人組によるスピンオフになった。「デッドプール2」監督が撮ったらしい。
Fast & Furious Presents: Hobbs & Shaw (2019) - IMDb
一体どんなトラブルがあったのかは明らかにされてないっぽいので知らんが、僕はステイサム目当てでこの2本観たので、スピンオフの方のシリーズを推していくぜ。

 

 

そんな感じでした

gock221b.hatenablog.com

 

「ストレイト・アウタ・コンプトン(2015)」N.W.A.やヒップホップに詳しくなくても判りやすく面白いラップ三国志 - gock221B

🚗🚕🚓🚙🚗🚕🚓🚙🚗🚕🚓🚙🚗🚕🚓🚙🚗🚕🚓🚙🚗🚕🚓🚙🚗🚕🚓
🚕🚓🚙🚗🚕🚓🚙🚗🚕🚓🚙🚗🚕🚓🚙🚗🚕🚓🚙🚗🚕🚓🚙🚗🚕🚓🚙

Furious Seven (2015) - IMDb

The Fate of the Furious (2017) - IMDb

www.youtube.com

www.youtube.com

f:id:gock221B:20190210175846g:plain

『アクアマン』(2018)/明るくて中国の武侠ものっぽいヒーロー映画。シチリア島での地上戦と半魚人トレンチが好きでした🔱

f:id:gock221B:20190223214237j:plain
原題:Aquaman 監督&原案:ジェームズ・ワン 製作国:アメリカ 上映時間:143分 シリーズ:DCエクステンデッド・ユニバース第6作目

 

 

🐟DCエクステンデッド・ユニバース(以降DCEU)第6作目。
DC+ワーナーは公開されるたびに低評価かつ興行成績が落ちていく厨ニダーク路線に見切りをつけ、明るく正攻法で作ったら女性ヒーロー映画初の大ヒット&高評価だった「ワンダーウーマン (2017)」のヒーロー賛歌路線に切り替えた(‥と言ってもDCコミックには明るいものもダークなものもあるのでどちらが正解という事はないのだが、順番の問題だろう。(本作のアクアマンみたいに)明るく正当派のスーパーマン作ってからダークなバットマン作って「バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生」で光と闇の対決しながらワンダーウーマン出してJL結成して‥と、やるべきだったのを最初のスーパーマンの時点からダークにしたのは間違いだった気がする)
そしてワーナーDCは、性急なユニバース形成の失敗の数々から学んだのか「作品同士の繋がりのことは一旦考えるの止めて今後しばらくは一作一作、単品映画としての完成度を高めます!」と、いう路線に切り替えた(良いと思います)。
そうして創られた本作。なんでも中国での観客動員数が物凄かったらしい。
内容を観ればわかる気がする。たとえば僕はバットマンの方が好きだがバットマンを楽しむには、ある程度バットマンへのリテラシーがいるしアメリカの社会状況なども踏まえる必要があるが、アクアマンは見た目からし三国志水滸伝の豪傑みたいだしパワーもわかりやすい、ストーリー展開や描写が中国や香港の武侠ファンタジーそのまま。美女や合戦や冒険や化け物‥アジア圏が好きなものが全部入ってる。
全米では「ダークナイトライジング」を超えられず2位に甘んじてるが、世界興行成績が何とDC映画ナンバーワン。評価も高い。名実ともにノーラン→ザックと続いていたダークな路線を明るいDCが完全に刷新した。
最初は発言力が低かったと思われるジェフ・ジョーンズの力も今後は増すだろうし、ワーナーDC映画が、この流れになるのを14年間待ってたので嬉しいです。
DCが自前で始めた配信サービス〈DCユニバース〉も良い感じだし僕の中では、今後は期待が高まっているDC事情です。
🐟監督は「SAW」でデビューして「インシディアス」シリーズや「ワイルド・スピード SKY MISSION」を超絶ヒットさせ〈死霊館バース〉というオリジナルのシネマティック・ユニバースまで形成してしまったジェームズ・ワンが「自由度が高い」という理由で他のクリエイターが選びたがらないネタにされやすかったDCヒーロー、アクアマンをわざわざ選んだので、僕は「あぁ『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』を撮ったジェームズ・ガン同様、なんかビジョンがあるんだろうな」と期待してました。
ジェームズ・ワン作品は全部観てるがワイスピだけ観てなかったので「SKY MISSION」借りて前日に観といた。
そこそこネタバレあり。無駄に長いです

 

 

Story
昔、灯台守の男カリーは海底に栄えるアトランティス帝国の女王アトランナニコール・キッドマン)と出会い恋に落ちる。だが2人の間に生まれた息子アーサーを守るためアトランナは海に帰ってしまった。
現代、アーサージェイソン・モモア)は、怪力を持ち海中での数々の特殊能力を持つメタ・ヒューマンアクアマン〉へと成長し、人助けをして人々から愛されていた。
一方、海底ではアトランティスの王オームパトリック・ウィルソン)通称〈オーシャンマスター〉が地上を凌駕するテクノロジーと海のモンスターなどで地上を攻めて地球征服するために動き出した。
海底国ゼベルの王女メラアンバー・ハード)はオームによる地上征服を止めるため、アクアマンの元にやって来たが――

 

 


アクアマンは「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生 (2016)」でチョイ出しされて「ジャスティス・リーグ (2017)」ではリーグの一人として闘った。
だが過去作は観ず、本作からいきなり観ても何の問題ない。
「この世界は既にスーパーマンとか居るしメタ・ヒューマン(超人)が居ても驚かれない世界」「アクアマンはジャスティス・リーグの一員としてステッペンウルフから地球を救った事を皆、知ってるので有名人っぽい」という事を知っとくだけでいい。
また「海底にはアトランティス帝国がある」という事は、普通の人は知らないがシン博士など極一部の人だけ知ってるみたい。
灯台守カリーが海岸に倒れている‥アトランナ(ニコール・キッドマン)を助け、2人は恋に落ちて後のアクアマンとなる少年アーサーを産む。
アトランナはアトランティス帝国の王女だったが政略結婚を嫌って地上に逃れた。
アーサーを産んだ後、アトランティス兵に灯台を嗅ぎつけられてしまう。
ここで皆が知ってる美熟女ニコール・キッドマンが物凄いアクションでアトランティス兵を倒しまくるという異常なシーンが観れる。
だが夫とアーサーの今後の安全のため彼女はアトランティスに戻った。
人魚姫のような話。
―また最後まで観るとわかるが、本作はアクアマン個人の話というよりもメラやオームや参謀バルコ、何よりもこの両親の話、ファミリー向けファミリーの映画であった事がわかる。この辺はワイルドスピードのファミリー大事要素を感じた。「ブラックパンサー」がティ・チャラ個人の話というより「ワカンダ」って感じの内容だったのと本作も似てて「アトランティス」っていう雰囲気が強い。
その後、アトランナを慕っていた参謀バルコ(ウィレム・デフォー)がこっそり灯台を訪れては、魚と会話できる不思議な少年アーサーにトライデント(銛)での闘い方や海中でのパワーの使い方などを教えた。
彼が言うにはアトランナは脱走の罰として凶暴な種族に差し出され消息不明になったという。恐らくもう生きてはいないだろうと。アーサーが元気な無職みたいな男になってしまったのは「自分が望まれず生まれてきた」と感じて育ったせいなのかもね。
‥そんなアクマンのオリジンが描かれるが、近年アメコミ映画が多すぎて第一幕いっぱい使って語られるオリジンに飽き飽きしてる人が多い。そこで本作のオリジンは、既にアクアマンとして海賊を退治したりメラと共にアトランティスを訪問したりする展開や滑らかなアクションの隙間に、回想として差し込む形でオリジンを消化しており。スピード感を損なわないように自然とアクアマンのオリジンを観せていた。
ゲームでいうと‥「バイオショック:インフィニット」はプレイヤーが操る主人公がモノレールやエレベーターに乗って移動してる時などアクションできない移動時間を使ってサブキャラがストーリーを語ってくれるので、長いムービー観るよりプレイしながらストーリーが聞ける有意義な感じが好きだったが、本作はその快適な感じに似てました。
そして逞しく成長した現在。一回、地球を救った事で「アクアマン」の名で愛されている男アーサー。
普段は散歩感覚で犯罪者をボコボコにして父親とビール飲んで暮らしているようだ。
彼が恐らく習慣のようにのやってるっぽい海賊退治のくだりは、ヴィランの一人ブラックマンタのオリジンにもなっている。さすがは原作のないオリジナル映画ユニバースを成功させた唯一人の男ジェームズ・ワンだけあって、多くの情報量を整理する交通整理力。本作は他の監督だったら映画2本くらい必要な情報量を破綻なく一本の映画に入れてて感心した(次に「ジャスティス・リーグ」作るならワンでいいだろ)
アーサーも「気のいい蛮族」って感じの豪傑そのもの。
ただモモア氏がプレミアの時、得意のハカを披露してテンション上がりすぎてトライデントをへし折ったのはヒーロー役の俳優としてどうかと思った。
The Haka at LA Aquaman Premiere - YouTube
「モモアは良い人物」「快男児モモアはメタルが好きなのでギタリストがテンション上がってギター破壊するのと同じ」‥と、悪気はなかったと頭ではわかるし「ジャニタレがヒーローショーでマスクを脱いで幼児の夢を壊した!」とか言う特撮ヲタみたいな事言いたくはないが、それでもメイン武器を折られるとどうしても醒めるものがあった(クリス・エヴァンスが舞台挨拶でイェー!つってキャップのシールドを叩き割ったら「え‥」となるでしょう)
原作のアクアマンは基本、本作のオームみたいな小奇麗な金髪白人。で、たまにモモアみたいなワイルド髭スタイルになる事がある。個人的には小奇麗な時の方が好きなんだけど、ジャスティス・リーグの一員として考えるとワイルドスタイルにした方が埋没せずキャラ立ちしやすいのは、まぁわかる。
そしてハワイ系のモモアがアクアマン役の方が「海と陸を繋げる男」感が出たし。

 

 


深海にはアトランティスだけでなく、メラの父ネレウス王(ドルフ・ラングレン)が収めるゼベルという国。他にも人魚っぽい種族やカニっぽい種族の栄えた海底国があり、それら4つがメインの海底帝国。
アーサーの異父弟であり現在のアトランティス王でもあるオーム(パトリック・ウィルソン)は、母が行方不明となった原因である兄アーサー、そして海を汚染する地上人を憎んでおり、海底4大国を束ねる〈オーシャン・マスター〉を名乗り地上を含めた地球征服に乗り出す。
オームは、ソーで言うと正にロキみたいなポジション。このキャラは人気出るかな?
パトリック・ウィルソンはアーサー役のモモアより遥かに年上なのに弟役なんだな。
彼は本作のジェームズ・ワン監督の「インシディアス」1、2作目の主演。同じくジェームズ・ワン死霊館」シリーズの主人公の一人エド。アメコミ的には「ウォッチメン」のナイトオウルII世か。パトリック・ウィルソンは今まで散々「不倫したり怪我したり何らかの困った状況に直面してカーディガン着て曖昧な顔で困惑する中年の夫」役を15年くらい演じてきていてそういう認識の俳優だったのに、ここにきて急に筋トレして金髪にして「繊細で美形の弟スーパーヴィラン」を演じてるというのが‥実際に彼はイケメンだし演技力あるので文句はないが、まるで若いイケメンの演技にパトリックの顔をはめ込んでるかのように見えてしまう彼が、釣り上げられたカジキマグロのように跳ね回って暴れる姿‥そして帰宅してTwitterのTLで本作を観た女性ファンがオームに萌え狂ってるという異常事態が何とも面白かった。
だめだ、たぶん上手く伝わってないな。。
本来イケメンの20代がやるような繊細な弟の役を46歳のゆったりした中年男性役をよくしてる人がやってる不思議さというか‥
海底国ゼベルの姫君メラ。ちなみに王である父親役はドルフ・ラングレン
メラは「ジャスティス・リーグ」に出てきて何か言ってたが台詞まったく覚えてない。
オームの許嫁でもあるが、彼女本人はアトランナ同様それを望んでおらず、またオームと父による地上侵略を止めようとアトランティスの真の王候補であるアーサーを訪ねてくる。
母を奪ったアトランティスを疎ましく思っているアーサーはその誘いに乗り気ではなかったが、オームによる地上への第一波(津波を起こし戦艦とゴミだけを浜辺に残し「俺たちアトランティスが人為的に津波を起こしたぞ」というメッセージを送る)で、父が危険な目に遭い、争いを止めるためメラと共に渋々アトランティスに向かう。
それにしても日本人としては「津波を起こすとはオームって極悪人だな」と思ってしまうな。
彼女はアーサーと殆ど全編、一緒に行動するという他のヒーローには出来ない「カップルでヒーロー」という強みを遺憾なく発揮していた。
彼女は「水を操る」というアクアマンにないパワーを持っている。
全編、武侠ものの英雄みたいに活躍するし「カンフーハッスル」のオバハンの必殺技「獅咆哮」みたいに両手を突き出しながら大声を出すと共に水を無数の矢のように飛ばす超必殺技も見せる。
アンバー・ハードは昔から凄くスキのない美しさでスタイルも凄かったが今までそれが役で活かされる事のなかった無駄な美人ってイメージだったので代表作が出来てよかったねと思った。
アトランティスは、明らかに地上より科学が発展している。
その一方で妙に野蛮な風習があったりする。その感じはソーのアスガルドと似てるね。
海底人は魚みたいに地上では呼吸できないので、地上に出る時は海水で満たされたスーツを着ていく(スーツが割れると窒息する)。ただしアーサーやオームやメラやバルコなどの王族や身分の高い者は地上でも肺呼吸が出来る。
アトランティスの人々は凄いスピードで移動できる(泳ぎじゃなくて念力で動いてるように見える)あと馬の代わりにサメや巨大タツノオトシゴに乗り、自動車の代わりにUFOっぽい潜水艇に乗っている。
こんな我々の科学力を遥かに凌駕するアトランティス帝国が現実の深海にある‥とは、にわかに信じがたいが、現代の科学ではマリワナ海溝の深く‥どころか海中の殆どは観測不可能で予測しかできないため、もしこんな帝国が仮にあったとしても我々には気づく事ができない(地底王国も同様)
この「想像を遥かに超える信じられない話だが否定しきれない。ひょっとしてあるかも?」という塩梅、それが都市伝説を生む。「アトランティス大陸が本当にあったっぽい?」という研究も未だ継続中で新しい新情報が出てるしね。
また「殆どの海底人は地上で呼吸できない」というのも「何で今まで地上に来なかったの?」という疑問の回答になっていて上手い。アトランティスの科学が発展し、地上を闊歩できるスーツが出来たので地上侵略も可能になった。

 

 


メラと共にアトランティスに初訪問したアーサーだが、オームに囚われてしまう。
憎んでるし、兄であるアーサーに戻られたら王の権利や地上侵略が危うくなってしまうので邪魔なのだ。
猪突猛進タイプのアーサーは王の座をかけてオームと決闘するが、地の利はオームにあるし母の形見のトライデントはオームの王トライデントより脆く、叩き折られて完敗。
そこでメラが全てを捨ててアーサーを救出。
2人は事態の収集を図るため、初代アトランティス王が持っていたと言われる伝説のトライデント探しに出かける。
そのトライデントは神秘の力を持ち、手にした王は海の全ての生き物従える力を持つと言われる。しかしそれを求めた者の多くは行方不明となっている。
アーサーとメラは、インディ・ジョーンズめいた冒険をして、トライデントの在り処が隠されているサハラ砂漠やイタリア・シチリア島を巡る。
そこで、オームに与えられたアトランティス装備でアーマーを作った地上人がスーパーヴィラン、ブラックマンタとなって2人を強襲。
詳しくないけど見かけるたびに「このアクアマンの頭でかいヴィランのデザインめっちゃ可愛いなぁ」と思ってたが、原作そのままデカ頭で出てきて最高。
ブラックマンタの中身は、序盤でアーサーに倒された黒人の海賊。
アーサーは海賊の黒人父子を倒すが浸水によって父の方が死んだ。アーサーは父を余裕で助ける事ができたのだが「自業自得だ」と見殺しにして死んだ。
生き残った息子はアトランティスに流れ着き、アーサーへの復讐心をオームに付け込まれスーツと私兵を与えられたのだ。
このアーサーによる海賊父子の見殺しは彼が言うように、確かに父子の自業自得なのだが人間を遥かに凌ぐパワーを持った者‥スーパーヒーローとしては明らかなミスだった。
この時点でのアーサーはまだ「ヒーローのアクアマン」にはなり切れておらず、只の「気のいい豪傑アーサー」でしかなかった。このアーサーのミスがスーパーヴィラン、ブラックマンタを生み、その反省を元にアーサーも心を入れ替えてスーパーヒーロー、アクアマンとなる(どうせなら強盗を見逃したスパイダーマンみたいに、ブラックマンタが誰かアーサーの知り合いを殺しちゃうとか、それくらいの展開が欲しかった)
このシチリア島での、アーサーvs.ブラックマンタ、メラvs.アトランティス軍は本作で一番面白いところだった。
アーサーは主に地上、メラは主に屋根の上をメインに二手に分かれてチェイスを繰り広げる。その2本の線がワンカット風の映像で交差したり分かれたり、建物の中をぶち破って出たり入ったり色々するのだが、まるで2つのチェイスを同時に観てるかのような立体的な描写で凄く良かった。一体どうやって撮ってるんだろ。ドローン?
というか多分、映画の中で観たことないような映像だった。
とにかくこのシチリア島のアクションは良かった。
2人のデートも良かった。というかジェームズ・ワンの映画全般に言えることだが画面内も展開も情報量てんこ盛りかつ上映時間が長すぎて観終わったらグッタリする。
だからこのアーサーとメラが薔薇食ったりしてノンビリするところは唯一ホッとできて良かった。というかもうちょっとライトな感じでいいんだけどな。

 

 


2人はトライデント探しで海底人も寄り付かない凶暴な半魚人トレンチが棲む立入禁止海域に行き(ちなみにここもイタリアでのチェイスと同じくらい良かった)、色々あって真のアクアマンとなったアーサーは、オーム&海底4大国を相手に「海のスター・ウォーズ」って感じのクライマックス戦へ雪崩れ込む。
真トライデントを入手した後は、真・アクアマンって感じに覚醒する。
海の殆どがアクアマンの意のまま‥と考えると地球の殆どは海だし、もうとんでもなく強い気がする。「ジャスティス・リーグ」はスーパーマンより何周りもパワーが劣る感じで描かれてたけど、この覚醒によってアクアマンの強さも上方修正された感じで良いですね。
アトランティス軍は鮫やらクジラやら訳のわからん巨大怪獣らがいて、海中なので上下左右前後すべて使った戦闘が行われる。だけど各キャラの位置関係とか「誰が誰を狙って何をしてるか」などが全部ちゃんとわかる凄い難しそうなシーンだった。
ちなみにラストカットは「ナレーションで自己紹介しながら大ジャンプして静止」というDCヒーローのラストでよくあるパターンのやつ。
明るくて凄く王道の展開。ただ気のいい強いだけの男だったアーサーが前以上に利他的な精神に目覚めてスーパーヒーローになるオリジン。
アーサーが成長する要因はたくさんあったが、僕的には「海賊を見殺しにした自身のネガティブな心がスーパーヴィラン・ブラックマンタを生んでしまった。マンタが誰か罪なき者を殺したら自分のせいだ。これからは自分の力に責任を持とう」と思ったであろう事が大きい気がした。
「マン・オブ・スティール」もスーパーマンをこんな感じに描いて欲しかった。別にダークな作品も好きだが変化球投げるなら、まず最初に正統派の正しいヒーロー像を先に描いた後でやるべきでしたね。
だが贅沢な文句だが、あまりに明るくて暗部が無さすぎて心にあまり残らないなとも感じた。クソ暑い真夏の日、焼けたアスファルトにこぼして蒸発するスプライトみたいな映画というか。ジェームズ・ワンが制作したホラー映画群や「ワイルド・スピードSKY MISSION」もそうだったけど、凄く面白いけど残らないんですよね。
でも今までに公開されたDCEUでは‥当然トップ。本作か「ワンダーウーマン」のどちらかがナンバーワンだろう。MCU未開拓の「女性ヒーロー」「海」を先に獲ってるのもいいですね。
そういえば最近ジェームズ・ワン映画に対して気づいたんだが、この人の映画ってどれも白人が出てくる率が高いね。本作では主人公アーサーがハワイ系、黒人は後半ずっとマスク被ってる悪党ブラックマンタしかいないし。ホラー映画群もそんな感じ。別にそれを指して「ホワイトウォッシュだ何だ」的なポリティカルな文句を言いたいわけじゃなく、ただ見たまま言ってるだけだけどね。テイラー・スウィフトの客層みたいに白人が殆どのメイン層なのかな?それを撮るのがアジア系のジェームズ・ワンだから文句も出ないだろうし。考えすぎ?まぁ、そんなこと別にどうでもいい。
シチリア島でのブラックマンタ小隊との立体的な追いかけっこと、恐ろしい半魚人トレンチの大群に追いかけられるホラー描写が特に良かったです。
好きなキャラは‥何気にアーサーのお父さんかも。犬と一緒にずっと灯台に居て、海を照らしてるなんてカッコいい。
妙に多い情報量を消化してるだけで面白くない感想になったけど、そんな感じでした。
ジェームズ・ワンがDC映画撮るかどうかは知らんが、もし撮るなら「アクアマン2」よりも「グリーンランタン・コァ」撮ってほしい。ワン氏ならコァの大勢のランタン達そして宇宙空間で大勢が戦争する様子も本作同様、余裕だろうし、そのままシネストロ・コァウォー→ブラッケスト・ナイトとかまで撮ってほしい。
次のDC映画は‥4月の「シャザム!(2019)」か。次も明るい路線ですね。

 

 

そんな感じでした

〈DCEU〉
『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』(2016)/2時間以上我慢して観ればカッコいいワンダーウーマンが数分間観れるのが良かった👨🏻🦇👩🏻 - gock221B

gock221b.hatenablog.com

gock221b.hatenablog.com

『ザ・フラッシュ』(2023)/主演エズラとムスキエティ監督への不信感が強かったが、噂通りそれが全部裏返って超最高のアメコミ映画だった……面白くないシーンがない⚡ - gock221B

 

 

ジェームズ・ワン監督映画〉
「死霊館 (2013)」ジェームズ・ワン/Jホラーっぽい前半とアメリカ映画っぽい後半の組み合わせが良すぎる👻 - gock221B
「インシディアス (2010)」「インシディアス 第2章 (2013)」ジェームズ・ワン/絶対に2本続けて観ないとダメ。時空の流れに逆らって悪霊退治👻 - gock221B

「死霊館 エンフィールド事件(2016)」ジェームズ・ワン/横綱相撲みたいな洗練されきった貫禄!本当に大好き👻 - gock221B
「ワイルド・スピード SKY MISSION (2015)」「ワイルド・スピード ICE BREAK (2017)」ステイサム目当てで初めて観たけど普通に面白かった🚗 - gock221B
『マリグナント 狂暴な悪夢』(2021)/豪腕ワン監督が古いイタリアやフランスの珍妙サスペンスホラーを予算かけて作った感じの愉快な作品🧠 - gock221B

🔱🔱🐟🐠🐡🐋🦈🐳🐙🦀🦐🐚🔱🔱🐟🐠🐡🐋🦈🐳🐙🦀🦐🐚🔱🔱

Aquaman (2018) - IMDb

www.youtube.com

アクアマン:アトランティスの王(THE NEW 52!) (ShoPro Books THE NEW52!)

アクアマン:アトランティスの王(THE NEW 52!) (ShoPro Books THE NEW52!)

 
アクアマン:王の遺産(THE NEW 52!) (ShoPro Books THE NEW52!)

アクアマン:王の遺産(THE NEW 52!) (ShoPro Books THE NEW52!)

 
アクアマン:王の最期(THE NEW 52!) (ShoPro Books THE NEW52!)

アクアマン:王の最期(THE NEW 52!) (ShoPro Books THE NEW52!)

 

f:id:gock221B:20190201093027g:plain

#sidebar { font-size: 14px; }