gock221B

映画やドラマの感想ブログ 😺🐱 殆どのページはネタバレ含んだ感想になってますので注意 😺 短い感想はFilmarksに https://filmarks.com/users/gock221b おしずかに‥〈Since.2015〉

『死霊館のシスター』(2018)/これ以上ないほどシンプルな、おにぎりみたいなホラーで好感触➕

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原案:The Nun 監督:コリン・ハーディ 製作&原案:ジェームズ・ワン 制作会社:アトミック・モンスター・プロダクション 製作国:アメリカ 上映時間:96分 シリーズ:死霊館ユニバース

 

 

 

死霊館」に出てきた本筋にあまり関係ない《呪いのアナベル人形》がスピンオフ映画化されて「アナベル」シリーズになったように「死霊館 エンフィールド事件」に登場した、やはり本筋と関係ない《悪魔のシスター》のスピンオフ。
こんな感じでホラー映画初のシネマティック・ユニバースを形成した死霊館バース。ホラー映画初というかMCUとDC以外のシネマティック・ユニバースは全部開始と同時に壊滅してるから世界に3つしかない「上手くいってる成功してるシネマティック・ユニバース」の一つ。
ちなみにアナベルやシスター同様「死霊館 エンフィールド事件」にシスターと同時に登場した、シスター同様本筋とあまり関係ない悪魔〈へそ曲がり男〉もスピンオフ化されるらしい。何か前例がありそうでない不思議な経緯だよね。というかエンフィールド事件って本筋に関係ない奴らが同時に複数襲ってきて後から個別に映画化されるという「ジャスティス・リーグ」方式の凄い映画だったんだな。ダーク・ユニバースもきっとこうなりたかったんだろうな。
内情がどうなってるのかは詳しく知らないが、ジェームズ・ワンは自分のホラー映画の方程式をチーム間で完全に共有してるみたいで、ジェームズ・ワンが撮らずに仲間に撮らせても同じかそれ以上に面白い映画になっている(「インシディアス序章」とか「アナベル」)。4作目「アナベル死霊 人形の誕生」が初めてつまんなかったので興味を失ってたが別シリーズ「インシディアス 最後の鍵」が面白かったので興味が復活した。

  

 

 

1952年、ルーマニア修道院で若いシスターが自ら命を絶った。
不可解な点が多いため、バチカンはバーク神父(デミアン・ビチル)と見習いシスターのアイリーン(タイッサ・ファーミガ)を派遣する。
調査を開始した2人と遺体発見者の青年フレンチー(ジョナ・ブロケ )は、修道院に隠された恐るべき秘密‥そしてシスターの姿をした悪魔〈ヴァラク〉の存在に行き着く‥。
そんな感じで今回は「シスターと神父と青年の三人組が悪魔と対決」これ以上無いほどシンプルな話。
いつもタイトルの出方がカッコいいジェームズ・ワンホラーだが、今回はこんな感じ。
気のいいイケメン青年フレンチー。修道院シスターの首吊り死体を発見。
カラスがシスターの死体をついばみシスターの下の地面には血溜まりが出来ている。
フレンチーが「こ、こりゃひでえ‥(汗」と言うとカラス達がぶわーっと飛び立ち「THE NUN」と、タイトルが出る。今回も凄くカッコよかった。
このイケメンはフランス出身なのでフレンチという名前はわかりやすい。何してるかよくわかんないけどフラフラしてる感じ?今で言うフリーター?
フレンチーはサポートキャラで、悪魔祓いをよく命じられ〈不思議狩り〉の異名を持つバーク神父。そのアシスタントとして霊感が強い新人シスターの主人公アイリーンが付いていく。ヴァチカンが何故アイリーンを同行させたのかの理由は最後までわからない。アイリーンの霊感が強いから?それとも予言的なこと?
舞台は殆ど巨大な修道院オンリー。出てくるメイン登場人物ほぼ三人‥による二日間の出来事、というシンプル過ぎる話。
構成としては何時ものように前半はモダンな幽霊屋敷映画方式で怯えさせて、終盤は悪魔に対抗、「悪魔も皆で頑張れば撃退できる」って感じのアメリカンなエクソシズム対決が行われる。アメリカ人が好きそうな感じ。
まず古城を改造した巨大修道院が舞台なだけあって、いつも美術がカッコいい死霊館バースだが何時もにも増してカッコいい。殆どのカットに対して「か、かっこいい‥」と思わされる。
だが、ジェームズ・ワン制作ホラー。さすがに量産しすぎたせいか2、3作前くらいから新しいアイデアとか出なくなってきた気がする。本作は何時もにも増してジャンプスケア(タイミングずらして意表をついた方向からオバケが出ると同時にデカい音でビビらせるやつ)が多かった。
そういえば「エクソシスト3」っぽい演出がまたあった。それにしても「エクソシスト3」のハサミのシーンって死ぬほどこすられてるね。それだけ「エクソシスト3」が優秀だってことか‥。親父が夢中になるわけだ。
時系列的には「死霊館」の16年前、「アナベル 死霊館の人形」の5年前。
だが主人公たちは神父&シスター&田舎者という何時の時代の人間かわからん格好してて、舞台は古い修道院だけなので本編観てても一体いつの時代かよくわからず「中世の話かな?」と思いながら観てたらラストシーンで、実は割と最近‥50年代の話だとわかり「え?そんな最近だったん?」と意表を突かれた。
ひょっとしたらわざと時代感覚を曖昧にしてたのかな?
そういえば、悪魔のシスター(以下ヴァラク)の出番が思ってたより少なかったね。
ゴジラ映画ってゴジラの出番を計ったら意外と10分も出てなかったりするじゃん。それと同じように数分しか出てなかった気がする。それ以上出たら怖くなくなるからそれがギリなんでしょうか。



 
主人公の見習い修道女アイリーンを演じているタイッサ・ファーミガは、「死霊館」シリーズの主人公ロレインを演じているヴェラ・ファーミガの妹。
わざわざロレイン役の妹をキャスティングしてるんだから、てっきり「この主人公はロレインの祖母とか先祖?」と思って観てたが別に関係なかった。死霊館との繋がりは最後に描かれるが、割と「あ‥そんなこと?」って感じだった。もっとガッツリ絡ませてほしかった。「なんでロレインのオカンとか祖母にしなかった?」と思ったが、よく考えるとロレインは実在してて今も存命の著名人なので勝手に先祖を作るわけにはいかなかったのか。
悪魔は決して倒すことができない、そんな悪魔を新人シスターが退けなければいけないので、ヴァラクに対抗するアイテムとして何と「キリストの血」が出てくる。悪魔は聖水とかでも「ぐわあああ」とか苦しんだりするので、確かにキリストの血なんて出したら撃退できる説得力は高い。
修道院とか悪魔のシスターとか修道女たちの秘密とかも、まぁわざわざ教えてくれなくても想像通りって感じだし、後の時代に出てくるので悪魔ヴァラクを完全に封印できない事も分かってるしで、あまりストーリー的な面白さも希薄でした。
でも画面などは超カッコいいし、やる事もやってるので「アナベル 死霊人形の誕生」ほどつまんなくもなく及第点はある感じでした。
悪いところやムカつくところは無いし楽しめたので悪く言うところはないが、その代り突出して良いところや新アイデアとかもないって感じですかね。
美術や映像などは相変わらずめちゃくちゃカッコいい。シンプルすぎる話も好感持てました。
何か最近ホラー観るたび言ってますが昨年末観た「ヘレディタリー 継承」が、ホラー的にも映画としても凄すぎて、今まで大好きで応援してたはずのジェームズ・ワン制作ホラー群を観ても「面白いけど、また何時もの悪魔ごっこか‥」というテンションになってしまいました。高水準な面白さはそのままなんだけどヘレディタリーが登場したことで自分の中のホラー映画認識が次元上昇してしまい、そのせいでヘレディタリー以外のホラー映画全てがワンランク下がってしまった結果というか。
先月観た「インシディアス 最後の鍵」は、シリーズの強みを活かしてストーリーに凝って面白くしてたのが良かった。だがストーリーを凝ると面白さの代りにホラーとしての怖さが減ってしまうという諸刃の剣。だから本作も、シネマティック・ユニバース制を活かしてストーリーを強化したら良いかもしれませんね。
本作の続編は未定みたいだけど「もしやるなら悪魔ヴァラクとロレインの絡みをやりたい」らしいけど、ハッキリ言って本作内でそこまでやって欲しかったですね。本作ラストまでのアイリーンvs.ヴァラクを前半までに終わらせて、未来パートに飛んでロレインvs.ヴァラクして、そこに本作の主人公アイリーンも時空を超えたサポートして封印するとかでいいでしょう。
本当はやろうと思えば濃い内容に出来たはずなのに、続編作るためにアイリーン vs.ヴァラクという第1~2幕だけで消化できそうな内容で一本丸々いっちゃった感がありました。
ちなみに死霊館バースの今後は、悪魔のシスター同様にエンフィールドに出てきた「へそ曲がり男のスピンオフ」「アナベル三作目」「死霊館の三作目」とかが予定されてるらしい。本筋はいいけど正直、スピンオフはやんなくていいかなという気もする。それとシリーズとして昔は死霊館の方が好きだったけど最近はインシディアスの方が好きです。

 

 

 

そんな感じでした

gock221b.hatenablog.com


死霊館ユニバース〉
『死霊館』(2013)/Jホラーっぽい前半とアメリカ映画っぽい後半の組み合わせが良すぎる👿 - gock221B
『アナベル 死霊館の人形』(2014)/舐めてたが凄い良かった。悪魔を倒せない理由。隣の部屋と駆け寄る幼女の怖さ👧🏻 - gock221B
『死霊館 エンフィールド事件』(2016)/横綱相撲みたいな洗練されきった貫禄ホラー!👿 - gock221B
『アナベル 死霊人形の誕生』(2017)/ジェームズ・ワン制作ホラーの中では最も凡作だったかな‥👧🏻 - gock221B
『ラ・ヨローナ ~泣く女~』(2019)/良作だが、もう何十回も繰り返さし観せられたテンプレに飽きてきた。霊より中年の男女のキャラが良かった👰 - gock221B
『アナベル 死霊博物館』(2019)/呪物アベンジャーズ状態を期待してたけど予告編でいいとこ全部観せ終わってた印象でした👧🏻 - gock221B
『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』 (2021)/3(8)作目にして安定テンプレ捨てて挑戦したのは偉いが、それでもさすがに飽きた感ある👿 - gock221B

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The Nun (2018) - IMDb

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『MEG ザ・モンスター』(2018)/異能生存体ステイサム vs.巨大鮫!良くも悪くも20年前の映画みたいで楽しい🦈

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原題:The Meg 監督:ジョン・タートルトーブ
原作:スティーヴ・オルテン 
製作国:アメリカ 上映時間:113分

 

 

 

MEG(メグ)‥それは広島県出身の日本人のファッションデザイナー兼ファッションモデル、女性ミュージシャン……ではなく、200万年前に絶滅したとされる体長が最大20m超もある超巨大鮫<メガロドン>の事。『ジュラシック・ワールド』にも出てきたアイツ。そんなメガロドンが出てくるベストセラー小説の映画化。
アメリカ本国と中国で大ヒットし他の国でもヒットして鮫映画最大のヒットになった。
ジェイソン・ステイサムは割と好きだが普段ステイサム映画は全然観てないし、サメ映画も怪獣映画同様まったく興味ないのだが、たまにはいいかと思って借りて観た。
ネタバレあり

 

 


中国・上海の沖に建設された海洋研究所〈マナ・ワン〉。
そのマナ・ワンが要する探査船はマリワナ海溝深部に未知の海溝を発見するも、その前人未到の海溝には絶滅したはずの超巨大ザメ<メガロドン>が居た。
襲われた彼らの救助に協力するのはベテランのレスキュー・ダイバー、ジョナス・テイラー(ジェイソン・ステイサム)だった――
そんな話。
異能生存体であるジェイソン・ステイサム演じるレスキューが活躍するハイ・コンセプト映画だ。方程式にすると「ステイサムx巨大サメ+中国=この映画」。
異能生存体というのは『装甲騎兵ボトムズ』に出てきた言葉だが、一言で言うと「80~90年代アクションスターのように何しても死なない不自然すぎて笑いが出るほど強い主人公キャラ」って感じの主人公を見ると頭に浮かんでくる言葉。身も蓋もない言い方すると「主人公補正が効きすぎた主人公」ってところか。そんなキャラは最近めっきり観かけなくなってきたのでたまに見かけると嬉しい。ただでさえ強いステイサムだが本作のステイサムは、数あるステイサム映画の中でも『ワイルド・スピード』シリーズのデッカードや『エクスペンダブルズ』のクリスマスと同じかそれ以上に強い。
ステイサムは顔面そのものが頭蓋骨に似てるせいか髪が生えてるよりハゲてる方がカッコいい異能の生存体。もしステイサムに髪の毛があったら只のモブ顔大男でしかなく、それでは魅力がかなり目減りしてしまっていたであろう。僕はムキムキのマッチョ体型を見てもカッコいいと思わない人間だが、ステイサムの妙にボコッボコッとした筋肉は素直にカッコいいと思う(特に背筋)。大胸筋ばかりやたらデカい巨乳系マッチョは苦手だがステイサムの場合、色んな部分が無骨にボコボコしていて良い。ジオン系MSとか重機みたいな、美しさとは正反対の魅力を持つ「形」を持つ男それがステイサムだ。
海洋研究所の探査艇がメガロドンに強襲されて浮上不可能に陥る。探査艇に乗っていたのは面白白人&面白日本人の研究員たち(日本人を演じるのはマシ・オカ)、そしてステイサム演ずるジョナスの別れた前妻の白人女性だった。
研究所の教授たちがステイサムを連れてくる中、シングルマザーかつ教授の娘(リー・ビンビン)は責任を感じたのか先に潜っていた。当然メガロドンに強襲されてピンチに陥るも異能生存体ステイサムの活躍で助かる。しかしマシ・オカメガロドンを引き付ける自己犠牲を見せて死亡する。マシ・オカ~!
気の強いリー・ビンビン。最初は自分勝手な事ばかりするのでムカついて観てたが、共闘を繰り返すことによって徐々にステイサムと惹かれ合っていくヒロイン。何だか旧態依然としたヒロイン像が懐かしくなって好きになってきた。そして彼女の10歳の娘はママとステイサムを事あるごとにくっつけようとする。大人顔負けのジョークを言ったり「10歳の少女は地獄耳なのよ」と準備してきたかのような台詞を言いながらステイサムに「悪戯っぽい笑み」を見せてステイサムを「苦笑」させたりするので何だか観てると恥ずかしくなってきた。
メインキャラはまず異能生存体ステイサム。ツンデレ人妻ヒロイン。大人びた幼女。立派な教授と医師。ステイサムの元妻の白人女性。ルビーローズ演じるイケすぎている研究員。面白黒人。面白白人。面白日本人(マシ・オカ)。WWEエリック・ビショフを思わせる傲慢な金持ちスポンサー。
そういった感じで、展開もそうだが登場人物が18年前くらいの映画の登場人物っぽいなぁ、と思った。ステレオタイプというか。原作が古いらしいしそれでか。
だけど昔よくいたアホでセクシーな女性キャラとかは居ないし、白黒黄+大柄と人種を揃えてるのが今風。この映画は中国でのヒットを見越してか物語の舞台も中国だしヒロインや出演者の多くも中国人(実際に中国で大ヒットしたのだから上手くいっている)。
この中でヒロインのリー・ビンビン。この人何に出てたかなとググると自分が観たことあるのは『ドラゴン・キングダム』での白髪魔女役だけだった(ちなみに似た名前の巨額の脱税をして捕まったファン・ビンビンも『白髪妖魔伝』という映画に出ていた。今の今まで2人のビンビンは同一人物かと思ってたが、名前が似てる上に二人とも白髪魔女の役してるので間違えても無理ない)。
ビンビン奥さん、最初はかなりムカつくキャラだったがステイサムに懐いて闘うママ系のアクションヒロインになっていく。
危険なミッションに挑む出撃前のステイサムは彼女に「俺が死んだら悲しいだろ?」と言ったらビンビンは真顔&ジェスチャーで「ちょっとだけ」と示す。ステイサムは死にかけるが何とか生還。皆が「さすがステイサム!よかった~」とか盛り上がる中「ビンビンは俺の活躍見てたかな?」とステイサムがビンビンに目を向けるとビンビンが「ちょっとだけ」のポーズを見せてステイサムを笑わせるのを見て「うわ可愛い……」と思った。「死なないで!生きて帰って」とか泣かれたらウンザリするが、死にかけた時にもユーモアを提供して「大したことなかったな」と軽い気持ちにさせてくれる方がずっと良いと思うのは僕だけでしょうか?
イケすぎている研究員役はルビー・ローズ。「ジョン・ウィック チャプター2」で喋らない女殺し屋役をしてたり「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」で有名らしい女優。彼女は、モデル出身で小顔痩身かつスタイルが一人だけ12頭身くらいあるんじゃないかってくらい違う生命体みたいな体型をしてて、髪は常に濡れていてツーブロックそして両腕タトゥーまみれのレズビアン‥という今のクール要素の渋滞状態を、右腕の「キャッ党忍伝てやんでえ」のタトゥーという抜け感で中和させて親しみやすくもしてくれてるという「こんなにイケすぎている研究員がいるのか」と思えてくるキャラだが、劇中の彼女は至って普通の研究員。はっきり言って外見がカッコ良すぎるのにキャラが平凡だとギャップが凄い。まるで「ガチムチの屈強な黒人が寿司屋の板前役」してるかのような、別に居ても悪くはないけど違和感ある。
そういえば「ジュラシック・ワールド 炎の帝国」にも似たような、凄く不自然にセクシー&タトゥーまみれ&ツーブロックのイケてる女性がメガネかけて「ごく普通の恐竜研究者」演じてたね。これは何なんだろう?「イケてる女優を登場させたいが、空いてる役がないから研究員にでもしとくか」と押し込んだ結果なのかな。

 

 

 
ストーリーの展開はと言うと、基本的に「もっと適切な行動を取ってれば被害も少なかったんじゃ?」という感じで適切な行動を取らなかったり油断、慢心がピンチを次々と産むタイプ。
最初の探査艇はマシ・オカ以外あっさり救出するし、メガロドンも皆で力を合わせて何とかやっつける。その死体をボートに置いて記念撮影とかしてたら、更にその倒した超巨大鮫を喰う超々巨大鮫が現れて喰ってしまいボートは転覆。。
ラスボスを倒したかと思ったらメガロドン四天王最弱だっという少年ジャンプ漫画形式のインフレ展開。これも古いが面白いので別によし。
メガロドンとの対決によってピンチになるたびに、勇気ある研究員が騒いでメガロドンを引きつけて食われるという自己犠牲シーンが頻出する。残った者は悲しみ、そして「メガロドンを何とかしなければ‥」と決意を新たにして進んでいく強引な話運び。特に一番最初に犠牲となったマシ・オカ演じる日本人研究員などは別に頑張れば普通に助かってもおかしくない展開だったし、リー・ビンビンの父親に至ってはボートが引っくり返って海に落ちただけで衰弱して死んだ。他の死んだりピンチになる奴らも何かぶつかって海に落ちる奴があまりにも多すぎて可笑しくなっていった。
多くの犠牲者を出しながらも生還した傲慢なスポンサーは「皆、正直スマンかった!メガロドンの事は各国に報告した」と言うが実は報告しておらず、自らヘリによる爆雷投下で倒そうとする。「ヘリから爆雷ならさすがにメガロドン倒せるだろ」と思ってたら、部下が「メガロドン倒しました!」と言ったのでスポンサーはわざわざボートに降りて見に行くと実はその死体は只のクジラだというのがわかり部下は慌ててボートを発進させると傲慢なスポンサーは海に落ちてしまう。部下たちは一切後ろを振り返らず爆走して消える。部下たちは全員ロボットみたいな真顔であることも相まって「何としてでもスポンサーのキャラを殺す」という役割を演じてるように見えて可笑しい。というかスポンサーのキャラも良い事した時もあったし、それほど傲慢だったり悪い奴じゃなかったよね。客を気持ちよくさせるにはもっと「ダイ・ハード」のイキった社員くらい「嫌な奴」として描く必要あったのでは。
メガロドンは上海の海水浴客でごったがえすビーチに向かう。
これまでは研究所内だけの問題だったが、これは偉いことになった。
研究所員は海上警備などの公的機関に通報するが「メガロドンが出た」と言っても信じてもらえず「俺たちがブッ殺すしかない!」という事になる。
メガロドンって言わず普通に「大きすぎる鮫が出た!」とか言えば有名な研究所なんだし信用されるんじゃないの?とは思ったが、人間慌てると適切な判断力がなくなるので仕方ない。
何としてでも海水浴キャラをMEGに食わせたい、という雰囲気を感じた。
研究所員の人達も、そのつもりで警察とかに全然熱心に言おうとしないし、この辺はゲームの中の「決められた役割だけを演じるNPC(ノンプレイヤーキャラクター)」みたいで面白かった。
ステイサムとビンビンは探査艇に乗ってMEGがある程度の中国人海水浴客を踊り食いし終えるのを待った後、MEG退治に向かう。ちなみにMARVEL映画同様、レイティングを下げるために派手な流血などは全く無いのが残念。
ちなみに二人が乗る探査艇は『UFOロボ・グレンダイザー』に出てくるUFOみたいでカッコいい。
2人がメガロドンと死闘を繰り広げる中、マスコミなのかどうかよくわからんが「おい!あそこ何かやってるぞ」とか言いながらヘリが2、3機集まってくる。
だが彼らはドジでヘリ同士ぶつかって研究所員が乗っている船に落下してヘリも船も大爆発!すごい確率でヘマばかりする。
このマスコミかなんかのヘリ達は、もう少し前から「鮫の情報をキャッチした」とかステイサム達の動向を追っていたとか前振りが必要だろう。一体何しに来たかわからん奴らが突然出てきて与沢翼みたいに秒速で失敗し、わざわざ研究所の船に墜落するという凄い確率をクリアして大爆発したのは結構、無理ありますね。
そんな感じで、そこそこステレオタイプなキャラ達が、普通に通報すればいいのにせずに無用なドジでピンチを継続させ続け、最後はメガロドンと共に上空に舞い上がった異能生存体ジェイソン・ステイサムが花山薫みたいにメガロドンの眼球にモリをスローモーションで「ブ …ス リ……」とゆっくり……刺して倒した。
こんな25m超のメガロドンの目玉にモリ刺したぐらいじゃ死なないと思うが、直前にステイサムがステイサム・カッターでメガロドンの胴体を斬り裂いてたから弱ってたって事かな。「超必ステイサム・カッターからの→スーパーキャンセル目潰し・ザ・ステイサムENDで体力8割奪った。そしてモリを刺して、その傷口にステイサムが体内で製造したアンチ鮫ステイサム生体電気をブチ込んで巨大鮫が死んだ」って事にしておこう。
さっきから何度も言ってるが全体的に18年前くらいの古臭い展開やキャラが多かった。
最近ステイサム映画全然観てないから時間ある時にステイサム映画も観てみるか。
結構面白かったが、それは自分がイケイケだった2000年代初頭の空気を感じて懐かしく思っただけかも知れず「楽しい内容だけど革新的な要素は一切ない」という「ヴェノム」みたいな内容なので低評価なのは納得。
また「ステイサムと鮫がメインと思わせつつ実態は中国アゲの映画」って感じでもあったので嫌う人がいるのもわかる。アメリカ人は食われるが大勢いる中国人海水浴客などは殆ど食われない、他の大作映画でも中国人キャラは死ななかったり顔が泥で汚れたりする事が少ないのでそういうところは中国だせーなと思う(汚れ役がダサいと思ってるところがめちゃくちゃダサい)。だが中国ヨイショ以上に本作のステイサムはステイサムキャラの中でも最強レベルだし一応目立ってたので俺的にはOK。ビンビン氏があまりにしゃしゃり過ぎだとは思ったが中国ポスターなどを見るとビンビン氏はヒロインではなく主人公の一人みたいなポジションらしいし可愛かったのでまぁOK。
そんな感じで傑作とかじゃ全くないけど、僕は元々、B級映画が好きで映画好きになったのでこういった駄菓子みたいな映画は好きなので総合すると好きな映画でした。

 

 

 

そんな感じでした

《ステイサム主演映画》
「ワイルド・スピード SKY MISSION (2015)」「ワイルド・スピード ICE BREAK (2017)」ステイサム目当てで初めて観たけど普通に面白かった🚗 - gock221B
「ハミングバード (2012)」イースタン・プロミス脚本家によるアクションよりドラマ中心のステイサム映画➕ - gock221B
「バトルフロント (2013)」スタローン制作&脚本でステイサム主演の、底辺の荒らしを直接論破してプライドを傷つけたら被害が増えるという話😼 - gock221B
「ワイルド・スピード/スーパーコンボ (2019)」本編シリーズよりこっちを応援する気満々だったが思いのほか大味だったので分裂しない方が良かったかも‥👨🏼‍🦲👩🏻‍🦲👱🏻‍♀️ - gock221B

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The Meg (2018) - IMDb

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Amazon: MEG ザ・モンスター (角川文庫) ※Kindle
Amazon: MEG ザ・モンスター (角川文庫) ※書籍

MEG ザ・モンスター

MEG ザ・モンスター

  • ティーヴ・オルテン & 篠原慎
  • 小説/文学
  • ¥1,000

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「ベルベット・バズソー:血塗られたギャラリー (2019)」凄く面白かったがホラー映画という形式を取らない方が良かったような🎨

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原題:Velvet Buzzsaw 監督&脚本:ダン・ギルロイ 編集:ジョン・ギルロイ
配信局:Netflix 製作国:アメリカ 配信時間:112分

 

 

監督はダン・ギルロイ。編集は監督の双子の兄弟ジョン・ギルロイ。主演はジェイク・ギレンホールレネ・ルッソ‥という(しかもレネ・ルッソは監督の妻)という、前作にして傑作だったダン監督の初監督映画「ナイトクローラー (2014)」と同じギルロイ一家の布陣によるNetflixオリジナル映画。
このダン・ギルロイの兄は傑作「フィクサー (2007)」とかを撮った監督トニー・ギルロイ(またトニー氏はギャレスが現場を取っ散らかしてクビになった「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー (2016)」を、スター・ウォーズへの思い入れゼロで殆ど撮り直して再編集してスカリフの闘いやベイダー無双シーンを付け加えてSWヲタが称賛する作品に作り上げた)。このギルロイ兄弟の映画は絶対つまらなくないので好きです。
ネタバレあり

 

 

Story
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ロサンゼルスアート業界。辛口の美術批評家モーフ・ヴァンデバルトジェイク・ギレンホール)の周りには、アートの価値もわからない金持ちにアートを高く売りつける事しか頭にない美術関係者ばかり。
かつて〈ベルベット・バズソー〉というパンクバンドをしていたが今は強欲かつ高慢な美術ディーラーになり果てたロードラ・ヘイズレネ・ルッソ)の下で働くジョセフィーナ(ゾウイ・アシュトン)は、身寄りのない老人ディーズの死に居合わせ、彼が生前に描いた絵画の数々に魅力を感じて自分のものにする。
しかし彼の作品群には邪悪な思念が取り憑いており、彼の絵画に関わった美術界の強欲な者たちは次々と謎の死を遂げる――

 

 

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アート界の関係者のうさんくささ、評論、創作などをホラーで表現した作品。
いつもはこういうのやらないが長々と書くより、登場人物をまとめた方が話が早いと思ったので登場人物を箇条書きでまとめてみよう。

モーフ・ヴァンデバルト(ジェイク・ギレンホール
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バイセクシャルの大物美術評論家。辛口だが真のアートを探し求めて批評する純粋なレビュワー。ディーズの絵画に感銘を受ける。「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」でミステリオを演じるためか筋肉が肥大化して素人の鍛え方じゃないガチムチなマッチョボディをしている。黒人男性と別れてジョセフィーナと付き合い始めた。「ホームレス・ロボット」という現代アートを購入。「創作物を見極める」という意味では我々に近いポジションの人物。ギレンホールは前作に続く主人公。

 

ロードラ・ヘイズ(レネ・ルッソ
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かつて〈ベルベット・バズソー〉というパンクバンドをしていたアーティストだったが今では美術品を金持ちに高く売りつける事しか頭にない強欲かつ高慢な美術ディーラーになり果てた。ディーズの絵で大儲けしようとする。演じるレネ・ルッソは本作の監督の妻、前作に続くメインキャラ。

 

ジョセフィーナ(ゾウイ・アシュトン)
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ロードラの元で働く美術界でのし上がろうとしているアシスタント。ディーズの遺体発見者で彼の描いた膨大な絵画を持ち去る。モーフと付き合いはじめた。

 

ココ(ナタリア・ダイアー)
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ロードラの元でアシスタントとして働き始めた女性。八つ当たりでロードナのギャラリーをクビにされ、商売敵のジョンの元に行き、ジョンがダメになったらモーフの元に行き‥と、この美術界で何とか生き残ろうと必死。呪いで死んだ美術関係者の死体を次々と発見する。演じてるのは「ストレンジャー・シングス 未知の世界」の主人公のお姉ちゃん役してた娘。

 

ピアース(ジョン・マルコヴィッチ)。ダムリッシュ(ダヴィード・ディグス)
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ピアースは、ベテランだがスランプに陥っている画家
ダムリッシュはジョセフィーヌがモーフに見切りを付けて付き合い始めた若き画家
二人とも、最初から最後まで純粋に描かれているキャラクター。

 

レッチェン(トニ・コレット
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美術ディーラー。一発儲けようとロードラのような傲慢美術ディーラーになりディーズの呪われた絵画を何点か購入する。「スフィア」という球体の現代アートを気に入っている。演じてるのは、もともとベテラン女優だったが去年の「ヘレディタリー 継承」のお母さん役でより一層、名声が知れ渡った女優さん。

 

ブライソン(ビリー・マグヌッセン)
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ロードラの元で肉体労働ばかりさせられてるアシスタント。本業は自称・画家。ディーズの絵画をくすねて売りさばこうと逃走する。

 

ジョン・ドンドン(トム・スターリッジ
ロードラのアシスタントだったが独立して彼女のライバルとなった傲慢な美術ディーラー。ロードラが八つ当たりでクビにしたココを雇う。探偵を雇い、ディーズの過去を調査する。

 

ディーズ
過去が一切謎の、死んだ老人。画家だが作品は一切発表していなかった。

 

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要するにLAアート界の魑魅魍魎が、私欲を持って死んだ画家ディーズの絵画に関わった結果、その絵の呪いに次々と殺されていくホラー。
このディーズという老人は劇中では死体としてしか出てこないが、探偵による調査の結果、悲惨かつ過酷な人生を生きた事がわかる。その彼の絵画とはヘンリー・ダーガーアウトサイダー・アート非現実の王国で」をモデルにしたと思われる輪郭が曖昧な暴力や死を多く描いた絵画。ディーズの強力な呪いがかかっており関わった強欲な者は美術に殺される(一言で言うと貞子の呪いや呪怨の呪いの家を少し優しくした感じの物)
この呪いというのは、ディーズの絵に引きずり込まれたり美術品などに呪いがやどってアート関係者を次々と殺していくという分かりやすさ。
彼らは自分がこだわってたり逆に馬鹿にしていた美術品や、捨て去ってしまった純粋なアート魂に食い殺されてしまう。
主人公モーフは、最初は「優れたアートか否か」だけを追求する男だったが、付き合っているジョセフィーヌが「別れた元カレの個展を低評価レビューしてほしい」と言われ、本当は個展を悪いと思ってなかったのにも関わらず低評価してしまう。これが恐らくモーフの堕落で、以降の彼は情緒がどんどん不安定になっていき、序盤で批判した現代アート「ホームレス・ロボット」にFUCKされて滅びる(だから映画好きの僕やあなたも、私欲を持った瞬間にFUCKされて死ぬのでしょう)
タイトルにもなった〈ベルベット・バズソー〉はレネ・ルッソ演じる傲慢な美術ディーラーが(恐らく純粋だった)若い頃に組んでたパンクバンドで、首元にそのタトゥーが彫られている。それがどうなるかは、まぁ書かなくてもわかるだろう。そんなバンドや彼女のキャラは割とどうでもいいのだが「傲慢な彼ら/彼女らが捨て去った純粋なもの」としての象徴が〈ベルベット・バズソー〉なんだろう。
絵を鑑賞したり関わっても死なない者もいる。
マルコヴィッチ演じるスランプのベテラン画家、ジョセフィーヌの新しい彼氏の画家、何とか美術界に入ろうとしてたが傲慢な美術関係者の死を目撃し続けた結果、堕落する前にLAを去ってしまう美少女ココなど。
単純な僕は、アート界への揶揄と「純粋さを忘れないで」と感じた。
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だが超常現象が起きていない前半の人間ドラマが凄く面白かったし、そこでアート界の者達やスノッブを揶揄しようという意図が面白かったので、「ナイトクローラー」みたいにサスペンス人間ドラマとして描いた方が良かった気がした。Netflixの若い客層を見越してホラーにしたのかな?と思ったが絶対に普通のドラマにした方が良かった気がする。僕は本作を面白いと思ったが、案の定ネット評価も低い(超常現象が起きるホラー映画の評価は、死ぬほど面白くない限り低評価に落ち着く)
僕はホラー好きなので別にホラーなのは構わないが「ホラーじゃない方がもっと真剣に観られたのでは?」と余計なお世話な事を思ったし「ホラーは好きだが本作はホラーじゃない方が面白かったんじゃないかな?」とも感じた。
とりあえず「ナイトクローラー」ほど傑作じゃなかったが面白かったです。

 

そんな感じでした

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「ポーラー 狙われた暗殺者 (2019)」フルチンのマッツ・ミケルセン大暴れ!/Netflixオリジナル作品の微妙さについて🔫

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原題:Polar 監督:ヨナス・アカーランド 原作&脚本:ビクトル・サントス
配信局:Netflix 製作国 アメリカ/ドイツ 配信時間:118分

 

 

 

昨夜、配信されたてホヤホヤのやつ。これ楽しみにしてたので昨夜、速攻で観た。
Webコミックが原作らしい。Web連載した後ダークホース・コミックから出版されてるシリーズなのかな?経緯がよくわからん。
ダークホース・コミックは「ヘルボーイ」「シン・シティ」「300〈スリーハンドレッド〉」「マスク」、ドラマ「バフィー 〜恋する十字架〜」‥など他にもいっぱいあるけど数々の映像化された原作コミックを出版してるところ。
ダークホースコミックス - Wikipedia
目立たないが何気にMARVELやDCに次いで映像化された作品が多い。来月Netflixで配信されるアメコミ原作ドラマ「アンブレラ・アカデミー」もここの人気コミック。
Polar on-line comic
「Polar」のコミックを配信してる公式サイト見ると「シン・シティ」とか「キック・アス」のコミックを思わせるバイオレンスな感じのハードボイルド漫画っぽい。残酷だけど線が丸っこくて少し可愛らしいところもフランク・ミラーやジョン・ロミータJRの絵柄に似てる(実際、好きなんだろう)
監督は「SPUN」とか撮ったMV界の巨匠のスウェーデン人。
まぁまぁネタバレ有りで‥。気になったら読むのやめてネトフリ行って観ればいい

 

 


ブラック・カイザー〉の名で恐れられる暗殺者ダンカン・ヴィズラマッツ・ミケルセン)。
彼は裏稼業からの引退を目前に山奥に引っ越し、物静かな女性カミールヴァネッサ・ハジェンズ)と知り合い、穏やかな隠居生活を送っていた。
そんなある日、強欲なボス若手暗殺者集団をダンカンに差し向けてきた――

原作の主人公ダンカンは「シン・シティ」のハーディガンをパクったようなルックスの渋い短髪おじさんみたいだが、マッツ・ミケルセンが主演したからか美形の前髪長いキャラになった。
「引退した天才暗殺者が組織と揉めて一人で立ち向かう」というあらすじや予告編を観ると「マッツ・ミケルセンジョン・ウィック?」と誰もが思う。
恐らく製作者達もそれを見越しての予防線なのか、ダンカンは田舎に引っ越してきてジョン・ウィックに出てきた犬みたいなパグを飼うが、悪夢を見たダンカンが半分眠ったままワンちゃんを射殺してしまい翌日、埋めて、今度は金魚を飼い始める。
ジョン・ウィックに似てると思ったろうけど違うよ?」と言いたいギャグなのか?
本編に何の関係も無いので、きっとそういうサインだと思うけど、そんなブラックジョークで可愛い子犬を撃ち殺してしまうので、ちょっと一昔前のノリだな〜と微妙な気持ちになった。
そして作品全体は、やはり「シン・シティ」のような「コミックです!」と言いたげな描写が多い。何というかハードボイルド劇画みたいな感じ。そしてキャラが出てくると画面にバーンと名前が表示されたり、最近あまり見かけないチャカチャカ編集、「ディック・トレイシー」みたいに不自然に原色に着色された画面など、監督がMV出身にありがちな映像で、そういうの本来はそういうの好きじゃないんだけど、そういうチャカチャカした映像が「これはマンガですよ」というサインになっていて突飛な内容の本作を観易くする効果があって良い気がする。
映画でいうとマンガっぽいSEX&バイオレンスって感じで「シューテム・アップ」とかジェイソン・ステイサム「アドレナリン」シリーズとか好きな人が好きそう。
色合い的には、敵組織が出てる時はカラフルだが、主人公ダンカンとヒロインのカミールは服装も画面も色がない(きっと人間性が半分死んでたり辛い過去によって自分の中の時間が止まってるから色がないんだろう)。
前半は、子犬殺しやMVっぽいチャラい映像に反感を抱いてたが、普通に面白いので時間が経つに連れて好きになっていった。

 



引退直前のベテラン暗殺者〈ブラック・カイザー〉こと本名ダンカン・ヴィズラが所属する闇組織のケチなボス、通称〈クソチビり〉は予算削減のためベテランのギャングの定年を50歳に定め、退職の日の直前に暗殺して殺していた。年金を払わなくて済むからだが、こんな事してれば殺しに行く暗殺者も「俺も50になったら‥」と思うわけでこんな組織が長続きするわけはない。だがマンガなのでそこは気にしないとして、それを〈ブラック・カイザー〉ダンカンが迎え撃つ話。
てっきり暗殺者の「ポーラーさん」かと思ってたが違った。じゃあタイトルのポーラーって何? 翻訳したら「極地」と出た。場所のことか。
ダンカンは毎晩、暗殺現場のフラッシュバックに苦しんでおり、どこかに多額の寄付をしている。そして雪山に引っ越してきた。
そんな感じで寡黙だし高倉健みたいな不器用な苦悩キャラかな?と最初は思ってたが、町の人に勧められるもの全部買ったりやってたり、頻繁に女とSEXしてたりして意外とお茶目なところもあって掴みどころのないキャラクター。

 

 


ダンカンが住む山小屋の向かいの小屋に住む女性カミール。彼女は幼い頃バイト先の男に乱暴されて人間不信になり山奥で動物の写真を撮って暮らしている。髪型もボサボサなのでセルフカットしてるんだろう。演じてるのはヴァネッサ・ハジェンズ、一言で言うと本来は凄くイケイケな女優で、そんな女優がモサい格好をして私は地味子です、と演じているという同性に恨まれそうだが僕は好きなパターン(本当は瞳もデカくて何もしなくてもアヒル口みたいな形の口をしていて‥死ぬほど派手な可愛い顔をしてるののだが髪型や服装で無理やり地味に見せようとしてる様に無理があって摩擦を生んでめちゃくちゃ可愛く見える)。
ダンカンはご近所ということもありカミールと顔なじみになっていき、ダンカンはカミールに自分のことを「世界90カ国を飛び回る仕事をしていた」と語り、カミールは「じゃあ、この田舎の子供達に世界のことを教えて」と言う。ダンカンは「子供は苦手だ」というが次のカットでは小学校で子供達に何か教えている(前半このダンカンが断ってカット変わったらやってるというギャグが頻発される)。子供達にククリ刀での人の殺し方などをレクチャーする、といった唐突のギャグ展開に戸惑いつつも、2人は温かい交流をする。
そうこうしつつも、ダンカンは自分が狙われてる事を察知し先回りして暗殺者を殺す。
ここも敵を磔刑にして、撃たれる面積を減らすために腹ばいになって押し寄せるセキュリティを全員、冷静に射殺してめっちゃ面白い。
顔なじみらしい会計士はボスに「ブラック・カイザーにおとなしく年金払った方が身のためよ」と忠告するがボスは引かない。

 

 


ボスが差し向ける5人組の若手暗殺者集団、彼らはハニートラップ担当シンディがターゲットに絡んでフェラしようと屈んだのを合図に、スナイパーがターゲットの身体を撃ち抜き、近寄った2人がトドメを刺す、という万全の殺り方。
ダンカンに繋がる情報源を次々と殺しながら近づいてくる(このくだりも楽しい)。
そして何時ものようにシンディがダンカンに近づき、いつもはやらないらしいがダンカンがイケメンおじさんだったのでSEXする。
Netflixオリジナル作品は、多分ネトフリ側が「自由にやっていいけど、うちの独自性を出すためにベッドシーンを最低一箇所入れてくれ!」と頼んでるんだと思うがベッドシーンが一箇所は入っている。ドラマの場合、訴求率を生むためにか第1話にだけ一瞬ベッドシーンが入ってることが多い。だけど、如何にも「入れたよ、これでいい?」って感じの投げやりな濡れ場が入っていて第2話以降は永遠にSEXしない、というパターンが多い。だから「ネトフリが頼んでるんだろうなぁ」と思ったわけだが、本作の場合もうノリノリでベッドシーンが入っている。
多分このシンディ役のセクシーな若手女優を監督が気に入ってるのだろうが彼女のセクシーなシーンが異常に多い。
このシンディがダンカンをハメるためにハメているベッドシーンも、普通こういう場面は3秒くらい服着たままおざなり騎乗位した後すぐアクションシーンに移りがちだが本作の場合、二人共陰毛丸出しの全裸で色んな体位、色んな角度でFUCKしまくりだったので笑った。
「今やスターとなったマッツ氏がこんなに腰を女の尻に打ち付けるえげつないベッドシーンやるとは‥‥なるほど、マッツ氏はチンコが深く刺さるように片足を机に上げるのが好きなのか‥‥ほう、Tバック脱がさずズラし入れは良いですすよね‥‥というか今、俺が喋ってた間ずっとやっとる!‥まだやってるやん!長い長い」って感じで凄い長かった。
話は戻るがダンカン‥いやブラック・カイザーは暗殺に気づいており、フルチンのまんまシンディを殺害!

 

 


しかもこいつを見てくれ。今たまたま一時停止したら(何のために?)ブラックカイザーの股間に、子供の腕くらいあるデカいブラックカイザーの形にボカシが入ってて笑った。こんな一瞬のボカシにもネタを仕込んでたのか(ボカシの向こう側には洞窟の中で鎌首をもたげた大蛇のようなブラックカイザーが存在するのでしょうか?)
そして1kmくらい離れたスナイパーの背後にフルチンのままテレポートして殺害!(ちなみに90年代までのクリント・イーストウッドバットマンもテレポートが出来るがマッツ氏もテレポートができるようだ)
そして接近戦しようとした暗殺者(ボスの女)にもイヤモニみたいなので話しかけたり照明を撃ってビビらせながら、吐く息を熱源暗視スコープで捉えてフルチン狙撃!
ポーラー(極地。さっき覚えたばかりの単語)であるホームを活かした見事な返り討ち
若手暗殺者集団は一人ひとり名前入りで登場してたから、最後まで出てくるメインキャラなのかと思ったら、まさかフルチンのマッツ・ミケルセンに瞬殺されるとは‥。
基本的にブラック・カイザーは強すぎて相手が誰でも瞬殺してしまう。だがそんなダンカンも引退したジジイの暗殺者にはあっさりやられてしまう。
どうやら本作は年食ってて経験が多い奴ほど強い世界観のようだ。
それにしてもブラックカイザーめちゃくちゃ強い!(あっちの方も‥)
僕たちの背後にも、いつフルチンのマッツ・ミケルセンがテレポートしてくるかわからないので気を抜かないように注意して生活しないといけませんね。

 

 


‥というのが中盤までだが長くなったのでもうやめる。
その後カミールが狙われたり、捕まったダンカンが4日間拷問されて血まみれになったり、「オールドボーイ」っぽい通路でのアクションシーンとか凄いトラップ兵器とか色々あって飽きさせない。
コミックの映画化は好きだが、こういうマンガっぽい描写の映画は好きじゃなかったりするが本作は最後までやり切ってるし微妙に意表を突く展開とか(たとえば強そうな奴を瞬殺したり)も考えられてた。そんでバイオレンス描写とエロ描写をやる気満々でやってて、ここまでやられたら好感持てたし楽しかった。
別にエロとかグロそのものが見たいわけじゃないのよ、「こんな時代に逆行した‥やる気満々やるまんのエロ描写撮っても損しかないのに、これの場面ない方が現実世界では絶対モテるはずなのに、それでも入れてるから、よっぽどこのエロシーン入れたいんやな!という、製作者のわけのわからん情熱を讃えたい感じです。わかるか?言ってること
続編に続けたさそうな会話をした後、2人揃って真顔でこちらを見るという北野映画みたいなラストカットは「続きを作らせてくれるんだろ?」と言ってるかのようで可笑しかった。

 

 

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Netflixオリジナル作品はルックがカッコいいので配信されたらすぐ観て、駄作ではない代わりに面白くもないというパターンが多い。結構本数観てるがブログに殆ど感想書いてないもんね、つまんないし(かといって凄くクソなわけでもないので感想書いてもつまんなさそうで)。『自由に作っていいよ』と言われて自由に作ったら自主映画みたいなフンワリした白昼夢みたいな内容になってしまうのだろうか?制作会社にうるさく言われた方がメジャーな週刊漫画みたいに面白くなるのだろうか?
若手にSFとかホラー撮らせると何で「自由にやっていい」と言われたはずなのに皆、ブルーとピンクのネオンが光ってスモークが焚かれた80年代大好き美術になっちゃうんだろう。でもアカデミー作品賞にノミネートされた「ROMA」みたいなのもあるしネトフリは若手もいいけど、自由にやった方が良さそうな確固たる独自のビジョンを持った巨匠にももっと撮らせて欲しいと思った。具体的にはデヴィッド・リンチとかジョン・カーペンターとか‥(タランティーノはネトフリとか嫌いだろうからアカンだろう)。
とにかく本作は楽しかったので続編が来ても観ると思う。
そんな感じで「MVっぽい映像」「マンガっぽい展開」「SEX&バイオレンス」などが好きな人。
そして「マッツ・ミケルセンが眼帯、黒のタートルネックとコートを着て地味な女と仲良くするところ」「半裸のマッツ・ミケルセンが小太り変態ブ男に4日間拷問されるところ」「マッツ・ミケルセンがFUCKしまくったりフルチンで人殺すところ」「マッツ・ミケルセンが雪山にテレポートするところ(しかもフルチンで)」
‥そんな数々の場面が見たいマッツヲタのお姉さま方(おっと殿方も‥)そんな人達におすすめです。
あまりに全編マッツ・ミケルセン満載で、以前から好感は持っていたものの特別にファンという感じでは無かったが、後半くらいになると「マッツ・ミケルセンがんばれ~!」と思わず拳を握りしめて応援してしまいました。
ちなみに巧妙に影になってたりボカシがかかってたりするのでマッツ氏のチンコは保護されていて見ることができません。
だからマッツ氏のチンコを大事にしたい方は安心して下さい‥
╰⋃╯☜◟(՞ټ՞ )

 

 

そんな感じでした

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公式Webコミック Polar on-line comic

Polar Volume 1: Came from the Cold (Second Edition) (English Edition)

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Polar: Came From the Cold

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『インシディアス 最後の鍵』(2018)/凝っててめっちゃ面白いがシリーズのファンじゃない人は楽しめないかも。ブラックロッジっぽい〈彼方の世界〉🔑


原題:Insidious The Last Key 制作:ジェームズ・ワンほか 監督:アダム・ロビテル
製作国:カナダ/アメリカ 上映時間:103分
制作:
ブラムハウス・プロダクションズ シリーズ:「インシディアス」シリーズ

 

 

一作目で主人公が死んでるのに延々と続く不思議なシリーズ「インシディアス」。日本ではまぁまぁ‥でDVDスルーになってしまったが、アメリカ本国では大ヒットなので早くも5作目制作が決定したらしい。
またこのシリーズは「おばあちゃんが主人公、しかもそれが賞レース的な内容じゃなく老若男女が観てヒットしてるエンタメ大作」という‥よく考えたら他にこんな映画ないなと思い始めた。このエリーズ役の主演の御婦人やその孫は絶対嬉しいと思うのだがどうか?そして、こんなに重用するのならポスターにも「コマンドー」のシュワさんよろしくエリーズおばあちゃんをドンと載せろ。
Jホラーが衰退した現在、Jホラーっぽい手法を取り入れて大ヒットさせてた、このジェームズ・ワン制作ホラーにハマって何年も応援してたのだが一昨年公開の「アナベル:死霊人形の誕生 (2017)」が、今までで初めてつまらなかったので「あれ?もうそろそろ終わりか?」と感じ、また昨年、彗星のように現れたアリ・アスターの「へレディタリー/継承 (2018)」が凄すぎて、何だか他のホラー映画全てがどうでも良くなってきたというのが本音。
本作もDVDスルーだったので「きっとつまらないんだろう」と見くびってスルーしてたが「面白かった」と聞いたので‥というか、その人物からネタバレ全部聞いてしまったのだが、そのネタバレが面白そうなので借りて観た。
本作は「パラノーマル・アクティビティ5」の監督らしい。感想は書いてないけど、それネトフリで観た(まぁまぁ面白かった)
僕は宦官びいきなので「インシディアス」シリーズの方が人気あった時は「死霊館」シリーズを推してたのだが何時のまにか「死霊館」がユニバースを形成するほど巨大化して逆転したので今はインシディアスを推したい気持ちがデカい。

インシディアス現代が舞台。霊能力者エリーズと心霊科学バスターズが悪魔と闘う。〈彼方の世界〉という、時間と空間を超越した異界があり、エリーズはそこを使って悪魔を倒す

死霊館バース
1960年代が舞台。実在する超常現象研究家ウォーレン夫妻ポルターガイスト現象を悪魔祓いで退ける。本編に出たアナベル人形、悪魔のシスターなどを扱ったスピンオフ作品も同一の世界としてシネマティック・ユニバースを形成している

みたいな認識。今回の感想は完全にネタバレあり殆ど全部書いていく系のスタイルでいくので興味持ったらそこで読むの止めて本編をどっかで借りて観て下さい。長いです

 

  

2010年、超常現象の専門家として活動するエリーズ(リン・シェイ)の元に仕事の依頼がやってきた。
それは1953年、エリーズが幼少期に暮らしていた家に現在住んでいるという男が「引っ越してきてから不可解な現象が続くため助けてほしい」という内容だった。
迷ったあげく仕事を引き受けたエリーズは心霊科学捜査を行うスペックスとタッカーを部下として、かつての生家に行くが思わぬ事態に遭遇する――という話。
まず続きものだった1作目&2作目があって、前日譚の「序章」があって、4作目の本作は序章の続編、一作目の直前の話。前日譚と本編を繋げる‥というスター・ウォーズで言うと ローグ・ワンみたいな感じ。
こんな言い方すると「前日譚とか間とか‥どうでもいいよ!」と思われがちだが、このジェームズ・ワン制作ホラーは何作か作られた後の方が色んな撮影テクニックやアイデアが洗練されて上手くなってるしストーリーはぶっちゃけ超単純なものなので、むしろ後に作られたものの方が面白い(インシディアスは序章、死霊館バースはアナベル一作目が一番面白いと思う)
そんな時系列的には橋渡しポジションの本作。ストーリーはと言うと主人公の霊能力者エリーズおばあちゃんのオリジン、彼女を掘り下げるものになっている。
一作目の時点では、どのホラー映画にも出てきそうな霊媒師おばあちゃんに過ぎなかったが(そうじゃないとあんなにあっさり殺さない)何か知らん間に4作も主役を勤めてオリジンまで描かれるという‥本当に凄い。

 


霊感の強い悪魔学者エリーズの、幼少時や少女時代の過去が語られる。
彼女の父の仕事は死刑執行も行う刑務官で、幼かったエリーズは処刑された囚人の霊や若い女性の霊などをよく目撃していたが、それを言うと父に折檻されて地下室に閉じ込められた。エリーズはそこで〈キーフェイス〉と名乗る悪魔に遭遇し、そこに居合わせたエリーズの優しいママは殺されてしまう。
ママがエリーズの弟クリスチャンにプレゼントしたお守りホイッスルも無くなる。
ティーンネイジャーになったエリーズは以前にも増して情緒不安定な父のDVや霊を恐れて暮らしていたが再び若い女性の霊を目撃する。それを父に言うとまた折檻されそうになったエリーズは弟クリスチャンを置いたまま家を飛び出した。
5、60年の時が過ぎ現在、引退状態にあったエリーズは前作「インシディアス 序章」で知り合った、若き心霊科学YouTuberの2人組スペックス&タッカーと楽しく過ごしていると、かつてエリーズが辛い少女時代を過ごした生家に住む独身男性から悪魔祓いの依頼が来て、エリーズはスペックス&タッカーと共に生家に向かう。
スペックスとタッカーは今まで面白いけどほんのちょい役って感じだったが、やっと認められたのか本作では完全にエリーズのサイドキックとして活躍するようになった。
こいつらは「骨董品とか車を鑑定するようなケーブルTV」とか「海外面白YouTuber」とかに本当に居そうな外見をしている。訳のわからん心霊観測装置を携え、エリーズの指示でスーツを着せられた面白ゴーストバスターズめいた格好の友だちになりたさが凄い。世界的なタレントや俳優になれるほどのスター性はないがネットで有名人くらいにはなれそうな絶妙のキャラをしている。
依頼してきた独身男性は「有り金はたいてこの家を買ったんだよ」と必死。「悪魔が出るから引っ越して違う家に住もう」なんて容易く出来ない。かといって警察に「悪魔が出るんで」とか言ってもしょうがない。霊障が本当に存在するのかどうかはしらんが、もしあったとして自分がこんな事態に本当になったら、確かに霊媒師に頼むしかないわな
エリーズは町のダイナーで、5、60年前に生き別れた弟クリスチャンと彼の娘である美しい姉妹と出会う(というか歳が離れすぎてるので孫娘とかにすればよかったのに)
50、60年ぶりに会ったわけだが、クリスチャンは幼い自分をDV父の元に置き去りにして出ていったエリーズへの恨みがあり和解は失敗。だが娘たちとは仲良くなった。
姉妹の片方イモジェンは、エリーズのような霊感があるという。
深夜、生家を調査していたエリーズとタッカーは、若い女性の幽霊に誘われて地下室へ行く。そこには鎖に繋がれた女性の霊が‥違う!幽霊みたいに見えるがタッカーにも見える彼女は、本物の監禁された女性だった。
依頼者は女性を誘拐して監禁していたが、同時に脳内に響く悪魔の声に耐えられなくなり、誘拐監禁がバレるリスクを冒してでもエリーズを呼んだのだった。
悪魔の声に支配されエリーズとタッカーも閉じ込めた依頼者だったが、事の成り行きを全てモニターしていたスペックスの活躍により死亡。警察を呼んで一件落着。
幼い頃に失くした母がくれたお守りのホイッスルを探しに生家を訪れたエリーズの弟と姉妹だったが霊能力ない方の娘メリッサが、かつてエリーズのママを殺した悪魔キーフェイスに襲われ、喉と心臓に鍵をかけられて支配され、意識不明の重体となる。
依頼者がというよりも、この家に居る悪魔キーフェイスがやらせていた事だったのだ。
悪夢が終わってない事を悟ったエリーズは、スペックス&タッカーにイモジェンを加えた布陣で悪魔退治に再び乗り込む。
例の地下室を調査するエリーズは発見した女性ものの衣類を触りサイコメトリー能力によって「かつて自分が家出した日に見かけた若い女の幽霊は、実は幽霊ではなく(先日見つけた監禁された女性のように)父に地下室に監禁されていた本物の可哀想な女性だった」事を知る。自分が彼女を見殺しにしてしまったのだ。
更に通風孔の中に進むと、父が監禁して殺したと思われる女性の遺物や頭蓋骨が無数にあった。父もまた死んだ依頼者と同じくキーフェイスに取り憑かれ女性を監禁して殺し続けていたのだ。
だがエリーズはキーフェイスによってメリッサ同様、時間と場所を超越した異界〈彼方の世界〉の牢に閉じ込められてしまう。そこで〈彼方の世界〉に閉じ込められたエリーズとメリッサを助けるため、スペックスとタッカーはエリーズ同様の霊能力を持つイモジェンに催眠術をかけて〈彼方の世界〉へ送る。
‥というかバスターズとイモジェン、何気に凄い事できるね。まぁそこはノリで!
そして終盤、〈彼方の世界〉で最後の闘いが繰り広げられ、インシディアス一作目直前の夜で終わる。
最初は只の霊媒師ばあさんキャラに過ぎなかったエリーズだが作品を重ねるたびに「小さい子を苦しめて許せん!」と、まるでヒーローみたいなキャラになっていったエリーズだが、今回はエリーズの方が好きだったママに同じように助けられたのはエリーズの悲惨な子供時代が報われたようで良い展開でした。
そんな感じで面白かったです。
悪魔キーフェイスはエリーズの「嫌な思い出」や、父や依頼者など気の弱い中年男性の「魔が差した」の「魔」の部分のキャラクター化という感じで良いキャラクターでした。
そんな感じで、エリーズや弟クリスチャンの過去と現在。
過去の父の犯罪が、全く同じ場所で全く同じ犯罪が起こることで「エリーズが置き去りした放っておいたネガティブなもの」が具現化して新たな被害者を生んでしまった感じ。
など、エリーズのネガティブな過去が時間を超えて恐ろしい結果を生み続けていく構造が凝っていて、ストーリー面では今までで一番面白かった。
だけど「怖さ」という尺度で言うと、今まで本シリーズや死霊館で披露してきたJホラー表現的な描写は影を潜めてアメリカンな感じだったので怖さは殆どなかった。
今まで新作作るたびに新しい心霊描写のアイデアが刷新されてたのだが近年のアナベル2や本作では新アイデアは出なくなった。アイデアが尽きたのか「Jホラーっぽいのはもう飽きたからアメリカンホラーで行こうぜ」と路線を変えてきてるのかもしれない。
悪魔キーフェイスはモロにモンスターめいた顔や特異なボディをモロに見せすぎて面白いキャラクターだが怖さは全くない。どちらかというと本作はキーフェイスの造形も含めて「ポルターガイスト」などのファンタジーホラーに近い印象。
だけど、このシリーズとかエリーズおばあちゃんというキャラとか〈彼方の世界〉など独自の設定が好きな僕は面白い!と思ったけど、そうじゃない人や「ホラーでも観るか」とインシディアスリテラシーが無い人が、いきなり本作だけ観ら「何だこれ?怖くないし謎の空間が出てくるし、よくわかんない映画だな」と思っても不思議じゃない。
インシディアス」ファン向けだったかもしれん。僕は面白いと思ったがアメリカのロッテントマトやimdbなどのネット評価が妙に低いのはそういう事だろう。
僕はと言うと、ストーリーだけなら「インシディアス」全4本、「死霊館バース」全4本‥全部で8本合わせた中で、本作のストーリーが映画として一番面白かった。‥だけど、ホラーとしての怖さとしては本作は相当怖くない一本になっている。
何だかんだ総合して考えると未だ「インシディアス 序章」が一番ちょうど良いかも。
ちなみに心霊バスターズのスペックス(真面目そうな方)は前作「インシディアス 序章」の監督だと今知った。敵をブッ殺したり最後に美人とキスしたり「構わんけど不自然なほど扱い良いな」と思ってたが、序章ヒットのご褒美的なものだったのかもしれん。

 

 


それにしても「カッコいい廊下」「善のランタン」だけで異界を表現する〈彼方の世界〉って面白い設定だなと思った。
あそこに居た被害者の人間とかじゃなさそうな、フリークスっぽい変な奴らは何なんでしょうね?囚われて永久の時の中で悪魔化しちゃった人間なのかも。今回のキーフェイスや一作目のリップスティック・デーモン(全作出てくるダースモールみたいな赤い顔の悪魔。演じてるのはシリーズの音楽監督)も、元はここに囚われてた犠牲者が悪魔化したのかも。
それか続編で使えるようにするための、死霊館アナベル人形や修道女みたいな伏線なのか(ちなみにちょろっと出てくるスキンヘッドの悪魔っぽい顔の女性は先天的な障害を持つモデルの女性が演じていて役名は「堕天使」になっている、天使だったの?)
妙な雰囲気といい何かよくわからん住人がいたり「赤い扉」を強調してるところいい、絶対にデヴィッド・リンチの「ツイン・ピークス」シリーズに出てくる異界〈赤いカーテンの部屋〉を意識してると思う(今回は特に)
ツイン・ピークスと言えば、ジェームズ・ワン制作ホラーはツイン・ピークス同様「これ本当に2018年のアメリカ映画か?」っていうくらい白人しか出てこない。メインキャラは全員白人だ。スペックス&タッカーも新キャラの美人姉妹も全員白人。
「白人」がメイン客層なのかな?
それにしてもエリーズを掘り下げ、4作使って一作目に繋げて円環構造にして、もうさすがにエリーズおばあちゃんはさすがに使い切った感じしますね。
霊能力を持った若手のイモジェンを出したのは次からの主人公交代のためかな?
イモジェンは美人だけど主役オーラがエリーズおばあちゃんの半分もないモブ系美人だし主役は無いな。主演にするとオーラ出るかもしれないがスペックス程度とくっついてる時点で主役はないな。
エリーズおばあちゃんサーガはさすがに終わっただろうし5作目どうするんだろうね?
正直きれいに終わったからこれで終わりでいい気もする。それでも続けるならもう思い切ってエリーズおばあちゃんを生き返らせてくれよ。誰も怒らんだろ。

 

 

 

そんな感じでした

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Insidious: The Last Key (2018) - IMDb

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