gock221B

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『サンドマン』(2022) 全10話/人が生きていく上で無ければ即死するわけではないが無ければ絶望して死ぬ人も多そうな夢……ひいては物語について描いたダーク・ファンタジー⏳


原題:The Sandman 原作&脚本&企画&製作総指揮:ニール・ゲイマン『Sandman』(1989-1996) 脚本&製作総指揮:アラン・ハインバーグ、デヴィッド・S・ゴイヤー 配信サービス:Netflix 製作国:アメリカ/イギリス 配信時間:各話約40~50分、全10話

 

 

★イギリスの小説家、アメコミの原作者、映画やドラマの脚本家や製作者……ニール・ゲイマンがライター(アメコミ原作者)を努めたDCコミック『Sandman』(1989-1996)Netflixでドラマ化したもの。ゲイマンも本作の制作や脚本にがっつり関わっており、ほぼ監督みたいなものだと思われる。

バットマン、ジョーカー、スーパーマン……などでお馴染みのDCユニバースを舞台としたコミックだが『サンドマン』は他のDCコミックのようなスーパーヒーローものではない。主人公のドリームは「夢」という抽象概念を擬人化した神のような慈悲の心が希薄な存在で人間たちの夢の領域を維持する事にしか興味がない。ドリームは別に悪を倒したりするわけでもなんでもない(ムカついたりと自分のために殺したりはする)。ドリームの視点で夢の領域ドリーミングの住人、神や悪魔、人間たちをつぶさに見つめる幻想的なダーク・ファンタジーって感じ。

★本作の主人公のドリームは、”エンドレス”という抽象概念の領域を支配する6兄弟/姉妹、ほぼ神みたいなもん。ドリームもそのエンドレス、その名の通り「」という概念の擬人化。他のエンドレスも長兄「デスティニー(運命)」、長女「デス(死)」、次男「ドリーム(夢)」、三男「ディストラクション(破壊)」、四男/次女「ディザイア(欲望)」、三女「ディスペア(絶望)」、四女「デリリウム(錯乱)」と皆、抽象概念の擬人化。人間や人間以外など全ての存在の感情や状態を司っている。まぁエンドレスが関わってるのは数が多い人間が一番多いだろうしメタ的な事言うと神とか悪魔や動物などのキャラも人間の比喩みたいなもんだから「人間の感情を司る」と一言で言ってもいいだろ。

★タイトルになってる「サンドマン(砂男)」はドイツなどに伝わる「袋に入った砂を目にかけて眠りをもたらす」と言い伝えられている妖精の事らしい。「あぁアカン、目ぇ開けてられへん」という眠気を「妖精のおっさんが魔法の砂かけてきたから」とか、何かおしゃれだね。DCコミックで昔ガスマスクを被って催眠ガスで悪人を眠らせてブタ箱にブチ込む”サンドマン”というヒーローがいたらしい、それをゲイマンが自分流に仕上げたのが本作のサンドマンって事か(DCコミックで有名ライターがよくやる、マイナー旧キャラを俺流で作り変えてしまうやつ)。DCには”サンドマン”が6人いるらしいが他のは人気なくて本作が人気ありすぎたので「DCのサンドマン」というとこのゲイマンのサンドマンって感じになったらしい。本作の主人公は、作中でサンドマンとは呼ばれず「ドリーム(またはモルフェウス)」と呼ばれる。モルフェウス三種の神器のヘルム(兜)がガスマスクそっくりなのはDCコミックの初代サンドマンの意匠を踏襲したものなんでしょう。

★原作となったニール・ゲイマンの『サンドマン』(1989-1996)は、『スーパーマン』『バットマン』等でお馴染みのDCコミックのコミック、……正確にはDCコミック内の”Vertigoヴァーティゴ)”という大人向けレーベルから出てたコミック(『ウォッチメン』のアラン・ムーアグラント・モリソンなどイギリス系の奇才ライター作品が妙に多かった)。90年代に日本でも邦訳されて刊行されてたが渋すぎたせいか死ぬほど売れなくて、5巻+スピンオフ2冊だけで刊行が終わってしまった(というか当時の僕にも渋すぎて5巻とデスしか持ってないけど今となっては再び発刊して欲しい気持ち)。主人公ドリームの姉デスの人気が高かったのでデスのスピンオフ『デス:ハイコスト・オブ・リビング』(1993)も邦訳された。このデスのスピンオフは90年代から現在までMAEVELコミックで活躍してるペンシラー(アメコミ絵師のこと)をクリス・バチャロが描いてて、デビューしたてのバチャロの画風は死ぬほどカッコよかった、そしてデスは弟ドリーム同様に白い顔に黒尽くめというゴスなルックスなのにめちゃくちゃ晴れやかな性格してて、僕はデスの見た目と性格のギャップに完全にやられた。Amazonや古本屋などでサンドマン5冊とスピンオフ2冊が高騰してるがこれらの製本はめっちゃ悪くて読もうとしたらバリバリと糊が剥がれてバラバラになりそうになるのであまりオススメしない。それよりAmazonが最近始めた朗読サービスAudibleで『サンドマン』オーディオドラマがまさかの日本語化!してるの今知った。本国ではゲイマンが監修とナレーションしてハリウッド俳優が吹き替えてたやつ、当然日本声優が吹き替えてる。ちょうど邦訳されてた全5巻分が日本語化されてる。高くて崩壊する古本より無料期間を利用してコレ聴く方がオススメ。この全18話がシーズン1で、アメリカ日本共にシーズン3で完結するみたい。月額1500と高めだが30日間無料体験があるので実質タダだ。
The Sandman (Japanese Edition) | ポッドキャスト on Audible | Audible.co.jp

というか今『サンドマン』とゲイマンのWikipedia見たらサンドマン大百科状態になっててビビった。たまにこういうプロの仕業っぽいWikipedia記事あるよね……。僕の僅かな知識よりこれ読んで貰った方が早い。
サンドマン (ヴァーティゴ) - Wikipedia  ニール・ゲイマン - Wikipedia

★『サンドマン』の映画化は90年代後半から前進と停滞を繰り返していたがNetflixでついに20数年ぶりの時を経て映像化された。しかもニール・ゲイマンが中心になって。Netflixは、あまりにおもんない作品が多くてU-NEXTに乗り換えてしまったが、これはサンドマンのためだけに再契約するしかなかった(そして数日でサンドマン観たので解約した)。
でも「サンドマン懐かしいな一応チェックしとくか」と軽い気持ちで観たが思いのほか面白かった。アメコミ映像化作品の中でもトップレベルに良かった。

ネタバレあり

 

 

 

 

全10話のうち、大きく分けて二つの話が描かれてる。
第1話~第6話は、第1巻『プレリュード&ノクターン』を元にした話。
第7話~第10話(最終話)は、第2巻『ドールズハウス』を元にした話。
2個に分かれてるから感想も二つに分けて書く。

Story(第1話~第6話)

どんな人間も生涯の三分の一を過ごす夢の領域”ドリーミング”の統治者にしてエンドレス(終わりなき者)7兄弟姉妹の一体、”モルフェウス”など様々な呼び名を持つ””の具現化”ドリーム”(演:トム・スターリッジ)。
ドリーミングから脱走した凶暴な悪夢コリント人(びと)(演:ボイド・ホルブルック)に罰を与えようとしていたところ何かに吸い寄せられる。

1916年、死んだ息子を蘇らせたい魔術師ロデリック・バージェス(演:チャールズ・ダンス)は、ドリームの姉である””のエンドレス”デス(演:カービー・ハウエル=バプティスト)”と間違えてドリームを召喚してしまう。ドリームは、パワーが宿る三つの道具を取り上げられて無力化され魔法陣に105年間、幽閉される。

2021年、近くでうたた寝した看守の夢を利用して魔法陣から脱出したドリーム。
ドリーミングに帰国するが主を失った王国は荒れ果てており王の帰還を待っていたのは司書ルシエンヌ(演:ヴィヴィアン・アチャンポン)だけだった。
ドリームはドリーミング再建のため、奪われて人間界に散逸してしまった3つの道具(小袋に入った砂、ヘルム、ルビー)を取り戻してパワーを復活させるべく、新たな烏の従者マシュー(CV:パットン・オズワルト)と人間界や地獄を巡る――

第1話&第2話、ドリームを召喚する魔術師ロデリック役は『ゲーム・オブ・スローンズ』(2011-2019)のタイウィン・ラニスター役でお馴染みのあの人、いま世界で一番怖そうで威厳もあるおじさんなのでピッタリ。自分の家も繁栄させたいし不老不死にもなりたいとドリームに願うが、それはオマケで第一の願いは「第一次世界大戦で死んだ長男を生き返らせるため」と原作より同情を誘うキャラになっている。似た感じで、原作ではただ悪いだけの単純悪だった悪人キャラが、本作では同情の余地があったり善の部分が増やされている。良い改変。
だが真のヴィランはロデリックではなく気の弱い次男アレックスだった。この次男は強権的な父ロデリックに押さえつけられてて子供の頃はドリームに「父の影響力が弱まったら、ここから逃してあげます」と同情的だし同性と愛し合う等「いい人」っぽい描写が多いのだが、父に命じられるままドリーム眼の前で彼の従者の烏ジェサミーを銃撃してしまうし、はずみで父を殺してしまうし「父が無力になればここから出す」と約束したのにドリームを一行に釈放しない。いかにも悪者っぽい父と違い受動的な、流される悪といった感じ。いじめっ子じゃなくイジメを見て見ぬふりする第三者的な的な悪か。
105年間の監禁を自力で脱走したドリームはアレックスに誰よりも重い罰を与える。
この第一話は105年に渡る壮大ながら内容は実にシンプルな話だったが、バージェス父子を只の単純悪でなく生きてる人間として描いたので、より良い感じになったと思い、一気に惹きつけられた。凄く良い第一話。
無力化されたドリームが囚われてる間、夢の王国ドリーミングの廃墟化だけでなく、世界じゅうの”夢”自体に悪影響を与え、眠り続けて起床できなくなる人、逆に不眠症になる人などが続出した。
ドリームは、ドリーミングひいては全ての存在の見る夢を修復するため、ロデリックに奪われた3つの道具を取り返してパワーを復活させたい。
3つの道具は、ロデリックの元愛人エセルがロデリックの屋敷から持ち逃げして巨万の富を得た。そこから砂とヘルムは売っぱらってしまったらしい。つまり三方に分散している。

 

第3話、ドリームの三つの道具のうち、小袋に入った砂は、ロンドンの悪魔祓い師ジョハンナ・コンスタンティン(演:ジェナ・コールマン)の元へ。
砂は、ジョハンナと別れた元恋人レイチェルが持ち逃げしていたが、普通の人間では砂の魔力に耐えられずレイチェルは死亡寸前だった。レイチェルに無関心なドリームは、その無慈悲さをジョハンナに罵倒されレイチェルに「ジョハンナとの幸せな夢」を見せて安らかに眠らせた。
このジョハンナ・コンスタンティンはDCのスーパーヒーローの一人で、キアヌ・リーブス主演『コンスタンティン』(2005)で映画化もされたジョン・コンスタンティン……の女性バージョン。どうやら「ジョン・コンスタンティン」の版権はJ・J・エイブラムスが抑えていて使えないらしい。JJは、コンスタンティンがリーダーを務めるオカルト版ジャスティス・リーグジャスティス・リーグ・ダーク』の映画化権を手にしている(方針が変わったDCで本当に作られるかどうかは謎。多分ポシャったと思う)、DCの映像化って同じキャラが違う配役で同時に複数の媒体の作品に出てたりするがコンスタンティンは恐らくJJが「他で実写化すなよ」という契約だったのかもしれない。とにかく大人の事情で「ジョン・コンスタンティン」のままで出せないので本作では女性になった。演じてる女性の俳優さんはめちゃくちゃ可愛いし女体化に文句はないのだが「ジョン・コンスタンティンの女性版を演じてる女優」に見えてしまった。ひとことで言うとあまりスーパーナチュラルなパワーを持ってるベテラン退魔師に見えなかった。あまりに若くて可愛いすぎるせいかも。タバコも吸わないし。この女性の俳優さん自体はめちゃくちゃ素敵なんだが、ヘビースモーカーの中年の女性にして欲しかったかも。
他のDC作品や『デス』にも出てくる長寿ホームレス、マッド・ヘティも出た。

 

第4話、ドリームの三つの道具のうち、ヘルム(ガスマスクの様な形の兜)は地獄の悪魔コロンゾンが持っていた。
ドリームは決闘でヘルムを取り戻そうとするが、コロンゾンは地獄の統治者ルシファー・モーニングスター(演:グェンドリン・クリスティー)を代理戦士に立てた。
ドリームとルシファーは細菌から宇宙まで、あらゆる強いものに变化して相手にダメージを与える。ルシファーは最終的に「アンチライフ(反生命)」というネガティブな概念でドリームに大ダメージを与える(ダークサイドも反生命方程式を求めてるし、反生命はDC世界で最も強い悪の概念なのかも)。大ピンチのドリームだったが自分自身である「夢」を「希望」と言い換え究極のポジティブな概念でルシファーに勝利。砂に続いてヘルムを取り戻す。
地獄の配下の前でメンツを潰されたルシファーはドリームへの復讐を誓う。
ルシファー役は『ゲーム・オブ・スローンズ』(2011-2019)の素晴らしいキャラ、長身女性騎士ブライエニー役でお馴染みのグェンドリン・クリスティー。彼女は『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(2015)『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(2017)では、見た目はカッコいいがクソみたいな役回りの謎のキャラ、キャプテン・ファズマ役で酷い目に遭ったが(未だに数日置きに「キャプテン・ファズマって何だったん?」とたまに思い出す)、本作で新たなカッコいい役が出来て本当に良かった。
原作のルシファーは故デヴィッド・ボウイと全く同じ顔だったので若い時のボウイをイメージして書いたのだろうが、当然ながらボウイは既に亡くなってるので演じるのは不可能。老いても美形のままだったので恐らく生きてたらルシファー役してくれてたかも?TVドラマ『LUCIFER/ルシファー』(2016-2021)の主人公も本作同様DCコミックスのルシファー、このドラマのルシファー役の俳優を本作のルシファーにする事も検討されたらしいが「長身で威厳あるグェンドリン・クリスティー」は普通の人間じゃないインパクトあるので、これで良かっただろう。ルシファーとの決着はシーズン2とか3で観れるんでしょうね。


第5話、ドリームの三つの道具のうちルビー。ロデリックから奪ったエセルが、精神病院に収容されている狂気に囚われた息子ジョン・ディー(演:デヴィッド・シューリス)に与えた。
精神病院から脱走したディーは24時間営業ダイナーに立ち寄る。
「嘘」が嫌いで「真実」を求めるディーは、ダイナーに居合わせた人々の心をルビーの力で自分勝手に試す。
ディーは最初「嘘のない世界にしよう」と良さげな事を言ってパワーを振るうのだが、「相手を傷つけない遠回りな言い方」「落ち込んだ人への優しい嘘」「本心を隠して前向きに発言する」事などは全てディーにとって「醜い嘘」にすぎなかった。
つまりディーにとって「普通の人達」は全て「生きる価値のない嘘つき」に過ぎない。
ディーのルビーによってダイナーの人達は匿名SNSみたいな状態になり欲望や凶暴性を増幅させられた結果、皆は命を落とす。
ディーが精神病院に居た理由がよくわかる。認知が歪んだ者が万能の力を得ても破局にしか向かわない事がよくわかる。それでいて母エセルに放置されていたっぽかったり、この話が始まるまでは自分を送ってくれた親切な婦人に守護の御守りをあげるなどして第一話のアレックス同様に単純悪にしていないところが面白い。
そこに現れたドリーム。
彼は「お前が断罪した者たちが想っていた事は『嘘』ではない『夢』だ。人間たちは夢によって辛い現実を乗り越え、未来に希望を託す事が出来るのだ。それをお前は奪った」と言う。
2人は対決する。ドリームはディーに「悪夢」を見せるがディーはドリームのパワーが封じられているルビーを破壊して、ドリームとドリーミングを破壊……したと思ったが、それはドリームの策だった。パワーを封じていたルビーが破壊された事によってドリームは万能に近い力を取り戻しディーを狂気の世界に閉じ込める。この対決は凄く神話の闘いっぽくて良かった。
それと、ダイナーで争いが始まる前の不穏な空気が素晴らしかった。原作でも人気のエピソード『24 Hours』の映像化だけあって力が入ってた。これがシーズンの丁度真ん中にある事によって凄く締まった感あった。

 

第6話の前半、第5話まででドリームが3つの道具を取り戻してドリーミングを再興する話が終わり、そのエピローグに当たる『The Sound of Her Wings』それともう少し先の『Men of Good Fortune』という人気のエピソードが二つ合体した回になってる。
当初の目的を果たして燃え尽き症候群になったのか、いつにもまして捻くれた陰キャ大学生みたいな性格のドリームに苛立った姉のデスは叱咤激励する。””のエンドレスであるデス(カービー・ハウエル=バプティスト)は「死の立会人」という誰にも喜ばれない自分の仕事を見せる。長寿を全うする演奏家、ママがミルクを取りに行った短い時間で急死する赤ちゃん、新婚旅行中に溺れて自分が死んだ事にも気づいていない夫、事故死した若者……全ての者が最後に出会う、それがデス。
高い人格が完成しきっておりポジティブで晴れやかな笑顔をいつも浮かべているデスだが、死神の仕事を辞めたい時もあった。しかし素晴らしい瞬間も観てきた。したくない仕事をしてるより恵まれていると悟った事を弟に話すデス。
デスは正直、デスの魅力はドリーム同様に黒尽くめに真っ白い顔という思いっきりゴスなルックスなのに朝の日差しのような晴れやかな性格……というギャップが最高だと何十年も思ってたので黒人女性俳優に決まった時は少しガッカリした。エンドレスは抽象概念の擬人化なので人種は問わず「白人キャラを黒人に変えたから嫌」とか、そんなレイシストっぽい理由じゃないのだが黒人女性だと「ゴスっぽさ」と内面とのギャップが消えて、最初から明るい姉さんになってしまうのが嫌だった。その気持ちは今でも少しあるがデス役の女性の演技も非常に良かったので観たら「これはこれで良いか」と思った。そもそもデスをゴス少女のルックスにしたのはニール・ゲイマンではなく作画担当のコリーン・ドランなので、このドラマを作ってるゲイマンからしたら「デス=ゴスっぽい見た目」というのは考慮してなかったのかもしれない。デザインが変わった戸惑いはあったもののデス役の女優さんが良かったのでデスっぽさは充分に発揮されていた。
姉と話したドリームの顔に笑みが……(彼は回を増すごとに笑みが増えてる)。
デスは弟に「古い知り合いにも会ったら?」と助言する。

第6話の後半、デスの話は第6話の前半で終わり後半はドリームと古い知り合いの回想になる。
1389年、イギリスの大衆酒場で不老不死を願う男ホブ・ガドリング(演:フェルディナンド・キングズリー)に興味を持ったドリームはホブの願い通り彼を不老不死にする(デスも居たのでやったのは死を司るデスか?)にして「100年毎に、この酒場で再会しよう」と約束するドリーム。2人は100年ごとに酒場で会う。
人気エピソード『24 Hours』を映像化した前回に続き、今回も人気キャラのデスと不死者ホブの話の二本立てで最高(だが折角だからデスで一回、ホブで一回たっぷりやってもよかった気もするが)。
何百年も生きた不死者ホブ、財を成して天国のような暮らしをしたりホームレスに落ちぶれて80年間地獄を味わったり奴隷商人になってドリームに軽蔑されたり反省して人助けをしたり、そして200年前ホブはドリームの孤独を指摘してプライドの高いドリームは激昂してしまう(観てると「図星だからって怒るなよ」という気持ちになる)、次の百年後、ドリームはロデリックに監禁されてたので会えず仕舞い(ホブは「百年前に怒らせちゃったからなぁ」と思う)、そして最新の2021年は?という2人の会合が結末で描かれる。
シーズン1全体的に良かったが中でも、このホブの話が一番良かった。デスのくだりも勿論いいので第6話が最高回でした。
ここまでが原作で言う第一章の話。普通のドラマならここまでを1シーズンにしてるだろう。それを半分でここまで描いてテンポ良いなと思った。この第六話も、二話を合体させてるし。

 

 

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Story(第7話~第10話)

ローズ・ウォーカー(キョウ・ラー)は、喪った夫を毎晩夢に見ている友人リタ・ホール(ラザーヌ・ジャマル)、眠り病に罹って百年眠り続けた女性ユニティ・キンケイドサンドラ・ジェームズ・ヤング)、ギルバートスティーヴン・フライ)を始めとする愉快な下宿の仲間達と共に、行方がわからない弟ジェドを探す。
ドリーミングを再建したドリームはルシエンから、夢の領域全体に影響を与える特異点夢の渦”が人間のローズだという報告を受ける。
ドリームが封印された時にドリーミングから逃亡した凶暴な悪夢コリント人(びと)(演:ボイド・ホルブルック)、変身する悪夢”ゴールト”(演:アン・オグボモ)、人格を持った夢の風景”水夫の楽園”(演:?)など三つの夢は、”夢の渦”ローズに引き寄せられる――

無意味に長くなったので、こっからは第二章と全体通して感想書いて終わる。
この第二章は、どっちかというとドリームではなく少女ローズが主人公になる。
ローズと仲間たちは、幼い頃に生き別れた弟ジェドを探し、ドリーミングから脱走した悪夢たちは現世に発生した”夢の渦”たる少女ローズに吸い寄せられる。
そして夢の渦となったローズは夢の領域全てを破壊しかねない危険性を孕んでいる。
原作ではここから出てくるコリント人(びと)をドラマでは第一話から登場させてシーズン通してのヴィランのように描き、また第一話で「105年前にユニティが眠り始めて最近目覚めた」とする事で、2つの別の話を描いたシーズン1が一貫性を持ったシーズンになってるのがゲイマン自ら脚本書いただけあって上手いなと思った。
第7話は新キャラや新設定が突然どっさり出てくるので若干、戸惑うがシーズン1の後半戦となる僅か全4話で一気に解決まで描くので、第六話までは一日一話づつ観てたが第七話~最終話のドールハウス編はイッキ見した。
夢の中で亡き夫と毎晩逢瀬を続けるリタ。ローズ&リタがジェド探しの為に住み始めた下宿先の住人たち……俳優の夢破れた親切なゲイの管理人。仕込み剣の遣い手の大柄ギルバート、明るいカップルのバービーとケン。ゴスっぽい謎の女性2人ゼルダとシャンタル……等、あまりに彼女ら彼らキャラが良すぎるので「いや、もうちょっと観たいが……?」と思った。
途中までは「第6話だけでシーズン1本分いけるのに、第二章分を1シーズンに入れて凄いな」と思ってたが、最後まで観ると「やっぱ第6話までをシーズン1全10話に伸ばして、第7話以降のドリームハウス編はシーズン2で良かったんじゃないか?」とちょっと思った。つまらないんじゃなく面白いんだが勿体なさから?そう思った。

ローズの弟ジェダはDV父の友人であるDV白人夫婦に育てられていた(養育というより、毎月国から支払われるカネ目当てにジェドを監禁してるといった方が正しい)。
ドリーミングから脱走した悪夢の一体ゴールトが、あまりに可哀想なジェドにスーパーヒーロー「サンドマン」になって悪を倒すという愉快な夢を見せて慰めていた(僕が好きなDCヴィラン、キャプテン・コールドの絵が一瞬出てくるのが嬉しかった)。
そしてローズの友人リタは夢の中で亡き夫の子を身ごもり目覚めるとお腹が膨れていた。これも夢の渦ローズの影響だ。このままでは宇宙全体の”夢”の領域自体を破壊しかねないローズを、ドリームは殺さなければならないのか?この黒幕は誰だ?という事が焦点になってくる。
各地で目玉くり抜き連続殺人を行って悪夢を撒き散らしてきた悪夢の擬人化コリント人(びと)。彼はローズに接近しながら、コリント人(びと)を信奉する連続殺人鬼(シリアル・キラー)たちのイベント「シリアル・コンベンション」に招かれる。
この辺りで、ローズと仲間たち、コリント人と殺人鬼達、ドリーム、脱走した夢たちなどが一同に介してクライマックスに突入する。
このドリームハウス編で良かったところは、ローズの愉快な仲間達とクライマックスのシリアル・コンベンションのブラックな楽しさだろう。
「一体なにがドリームハウスなんだろう」と思ってたが単純に家や建物での展開が多く出てくるからかな。まずユニティが眠り病に罹った日にプレゼントされたというドールハウス、ローズが住み始めた下宿、ドリームやルシエンヌやカボチャのマーヴが居るドリーミングの城、リタが夢の中で亡き夫と住む素敵すぎる家、コリント人や殺人鬼達がシリアルコンベンションを行うホテル、そしてユニティがローズとジェドに相続したお屋敷。

 

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そんな感じの話だが凄く面白かった。先の展開が読めない感じ。膨大な知識量の作家しか描けない感じの真の幻想的な物語。残酷さと優しさの丁度いい塩梅など……アメコミ原作ドラマの中でも『デアデビル』〈シーズン3〉(2018)の次くらいに、トップクラスの面白さ。
10数年前までDCの方がMARVELより好きだったんだけど逆転して長い期間が経ってた、それで「そういえばDC好きだったな」と、これ観ただけでDC全体の映像作品も観返したくなった、それくらい良かった。
3DCGや美術なども素晴らしかったし。
さっきも言ったが、話の進みが早いのは良いがちょっと性急だったかも。前半の第6話まではともかく、後半のドリームハウス編は突飛な設定や展開が多く、こういう物語に不慣れな人は乗り切れないかもしれない、実際に今imdb見たら第7話以降のスコアが第6話までより低い。
ドリームが扱う”夢”は、単純に寝て見る夢に留まらず「将来の夢」「かすかな希望」「過去」ひいては「人生」……など、つまりは人が生きていく上で、水や空気のように無ければ即死するわけではないが無ければ絶望して死ぬ人も多いであろう、あらゆる「ストーリーがあるもの」のメタファーなんだろうと思った。食べ物やカネも必要だが、物語がなければ人は生きていけない……この「物語」は映画や小説に留まらず、近しい者とする会話、逸話、空想……あらゆる事に言い換えてもいい。想いや言葉はその個人個人を作り、形作る。本作を観てると、そういった事を描いてるのかな?と思えて、全編うっすらと不思議な感動があった。
続きも是非観たい。

 

 

 

 

そんな感じでした

「パーティで女の子に話しかけるには (2017)」可愛いSF恋愛映画だったがコレ観る直前に〈Born Sexy Yesterday〉について考えてる最中だったので一切内容が入ってこなかった💏 - gock221B

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サンドマン | Netflix (ネットフリックス) 
The Sandman (TV Series 2022– ) - IMDb

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