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『ブレット・トレイン』(2022)/映画自体は面白かったし真田広之は活躍したけどホワイトウォッシュをごまかすための日本要素に複雑な気持ちになった🚝


原題:Bullet Train 監督&制作:デヴィッド・リーチ 制作会社:87ノース・プロダクションズほか 脚本:ザック・オルケウィッツ 製作総指揮:ブレント・オコナー、三枝亮介、寺田悠馬、カット・サミック 原作:伊坂幸太郎『マリアビートル』(2010) 製作国:アメリカ 上映時間:126分

 

 

伊坂幸太郎の小説『マリアビートル』(2010)のハリウッド映画化。

デヴィッド・リーチ監督は『ジョン・ウィック』(2014)『デッドプール2』(2018)『アトミック・ブロンド』(2017)『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』(2019)の人。割とどれもノリが似てるのでイメージし易い。

ネタバレほぼないです

 

 

 

 

Story

運の悪い殺し屋レディバブラッド・ピット)は、仲間のマリア・ビートル(演:サンドラ・ブロック)から電話で「腹痛を起こしたエージェントの代わりにブリーフケースを奪って」という指令を受け<東京発・京都行>の超高速列車に乗り込むが、同じ列車に居合わせた殺し屋たちが、全く身に覚えのないレディバグに襲い掛かる。

組長ホワイトデスの息子(演:ローガン・ラーマン)とブリーフケースを護る双子の暗殺者ミカン(演:アーロン・テイラー=ジョンソン)とレモン(演:ブライアン・タイリー・ヘンリー)、無害な少女に擬態したプリンス(演:ジョーイ・キング)、息子を傷つけたプリンスに復讐したい木村(演:アンドリュー・小路)、木村の父で刀の達人である長老(真田 広之)。妻の仇レディバグに復讐したいウルフ(演:ベニート・A・マルティネス・オカシオ)、ブリーフケースとホワイトデスの息子の命を狙う毒殺を得意とするホーネット(演:ザジー・ビーツ)。
終着点・京都ではヤクザを乗っ取ったロシア人ホワイト・デス(演:マイケル・シャノン)が待ち受ける――

原作は、読んでないけど全キャラ日本人だったが映画版では木村父子以外は、白人やら黒人やらラテン系の人たちに置き換えられている。特にブラピの主人公や少女暗殺者は日本人から白人に置き換えられたのでホワイトウォッシングだと批判された。でも舞台は日本、しかもアメリカのエンタメ映画でよくある「誇張された異世界みたいな日本」。派手なネオンやLEDギラギラでマスコットキャラが新幹線のデザインにも新幹線内を練り歩き鬼の面を付けたヤクザが闊歩する……ここ数年で何本も観てきた異世界ニッポン(その場合、路面はたいてい濡れていて必ず夜)。2000年代までなら「白人様または黒人が主人公じゃないとヒットしないから仕方ないのかも」と思わされてたから気にしなかっただろうけど、『クレイジー・リッチ!』(2018)、『パラサイト 半地下の家族』(2019)『シャン・チー/テン・リングスの伝説』(2021)などアジア人のキャストばかりがメインの大作でもヒットしてるので、いよいよもって「白人様または黒人が主人公じゃないとヒットしない」とは思わなくなった感がある。『ザ・ボーイズ』(2019-)の福原かれんが添乗員役で出てるから「アクションも得意だし彼女も殺し屋なんだろう」と思って観てたら只の添乗員だったので後からムカついた(彼女がホーネット役でいいやろ)。個人的には「誇張された異世界ニッポン」は好きなんだけど、日本が舞台な事や福原かれん出したり木村親子だけ日系キャストなのは、ホワイトウォッシュをごまかすためのものでしかないんだなとわかってムカつきました。ただし映画自体は面白かったし真田広之だけは活躍するのでプラマイゼロ……という複雑な気持ちになった。

真田広之は「妻を殺されて復讐に燃える観念的な事を言いがちな剣の達人」というキャラ。ハリウッド真田広之が何度かやってそうな役。『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)のヤクザのアキヒコみたいな何しに出てきたかわからんキャラではなく(逆にMARVELスタジオは何であんなキャラにしたん?と未だに思わされる)、刀で新幹線のシートを斬り裂いたり刀が新幹線のボディにガキーン!と刺さったりラスボスと一騎打ちしたりと、ちゃんと強い。今年公開される『ジョン・ウィック チャプター4』(2023)にも真田広之は刀の達人で出てるが、この監督は『ジョン・ウィック』(2014) 一派だから真田広之『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)のヤクザのアキヒコみたいな役を当てなくてよかった。

前半は、異世界ニッポンのギラギラ具合や暗殺者が登場する度にドでかい字で名前が表示されたりポップな映像で回想シーンがすぐ挿入されたり、くだらないお喋りしてる感じが、なんだか90~2000年代によくあったタランティーノに憧れてる系の映像みたいでキツかったです。
同じ監督の『ジョン・ウィック』(2014)『デッドプール2』(2018)『アトミック・ブロンド』(2017)『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』(2019)……も、今思えばそういう要素あった気がする。特に『ジョン・ウィック』(2014)シリーズとかはかなり異世界っぽい。本作は異世界ニッポンが舞台なせいかそういう要素がいつもより激しい、それがキツい。

でもそんなポップすぎてくどくて恥ずかしいと思ってた演出も、映画自体やアクションは面白いので第一幕が終わる頃にはあまり気にならなくなってくる。
「ブリーフケースをくすねてくる」というだけの簡単な任務なので楽勝だと思われたが、異常な数の暗殺者が乗り合わせており恨まれる覚えのないレディバグに襲いかかってきたり、また暗殺者同士で争ったり、色んな偶然で不運に襲われたりしてブリーフケース奪取はなかなか上手くいかず、レディバグは己の不運を嘆く。
レディバグ(てんとう虫)は、世の不運を背負って幸せをもたらす昆虫だ」と語る真田広之
様々な偶然の積み重ねで不運が起きてると思っていたが……?みたいな事がクライマックスの中で語られるけど、これも面白かった。何もかも偶然で話が進んでたら面白くないもんね。
そういう事でホワイトウォッシュ的要素とガチャガチャしたMV風映像は気に入らなかったものの、映画自体は面白いという最初に言った結論になりましたね。
せめてアメリカが舞台だったら全く気にならなかったんだろうね。下手に日本を舞台したりとか(しかも誇張された異世界ニッポン)色んな装飾に日本を使ったり「もうちょい日本人キャスト入れとくか」と思ってアクションできる福原かれんを一般人モブにしたりしたり、機嫌を伺おうとした装飾が全部裏目に出た印象ですね。

みかん役のアーロン・テイラー=ジョンソンも凄く良かったので新しいジェームズ・ボンド役になって欲しいと思った。

 

 

 

 

 

そんな感じでした

デヴィッド・リーチ監督作〉
『ジョン・ウィック』(2014)/現実的な銃撃戦と幻想的で不思議な漫画っぽい世界の融合🐶 - gock221B

『デッドプール2』(2018)/面白かったし、メタなギャグはギャグのためのギャグではなく本編を円滑に進めるための整地なのが良かった❌ - gock221B
『アトミック・ブロンド』(2017)/誰も信じるなって事と、自分が触れることのできる現実感が大事👱🏻‍♀️ - gock221B
『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』(2019)/本編シリーズよりこっちを応援する気満々だったが思いのほか大味だったので分裂しない方が良かったかも‥👨🏼‍🦲👩🏻‍🦲👱🏻‍♀️ - gock221B
『フォールガイ』(2024)/『ワンハリ』や『デスプルーフ』をもっと前向きに気取らず作った感じのスタントマン愛あふれる高橋留美子の漫画っぽい可愛い映画💥 - gock221B

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Bullet Train (2022) - IMDb

www.youtube.com

マリアビートル

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